※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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29  愉しき拷問

「さあ、早く、命じた言葉を言ってよ、お宝」

 

 御影(みかげ)がまたもや球体を手に浮かべながら言った。

 もう、五回目になる。

 すでに限界は超えている。

 宝玄仙は屈服するしかないと思った。

 

「そ、その……よ、呼び方するんじゃないよ……。む、虫唾が……は、走るんだよ……」

 

 しかし、口から出てきたのは、自分でも思ってもいない悪態の言葉だった。

 それで、改めてわかったが、やはり自分は御影が心の底から嫌いだということだ。

 

「まだ、水を飲み足りないみたいね」

 

 御影が球体を逆海老状態で吊られている宝玄仙の顔にずっぽりと被せた。

 

「んぐうっ、んぐうっ」

 

 顔に被せられた水は、宝玄仙が飲み干さない限り顔の前に留まり続ける。

 息をするために、宝玄仙は水を飲むしかなかった。

 もういい……。

 一瞬でも早く楽になりたい……。

 宝玄仙は水を飲みながら思った。

 限界だ……。

 自分の腹が妊婦のように大きくなっているのがわかる。

 

「また、回してあげるわね。そうして欲しそうな顔をしているもの」

 

 やっと水がなくなって盛大な息をしていると、御影が喉の奥で笑いながら女言葉で言った。

 ぞっとした。

 もはや、微塵の容赦もない。

 そういえば、そういう男だった……。

 

 この男の罠に嵌まって半月ものあいだ調教され続けたことがある。

 随分と昔のことで、まだ宝玄仙が八仙ではなく、地方からやってきたばかりの若い神官に過ぎなかったころだ。

 あのときも、容赦のない拷問まがいの調教で、心を折られ続けた。ねちねちと陰湿的ないたぶりが好きな男であり、宝玄仙を監禁して性奴隷にしようとしたのだ。

 それで、こっちも罠にかけて、王族の姫を御影が手を出すように仕向けた。もちろん、御影は王女とは知らなかったのだが、すぐに発覚して御影は王兵に捕らえられた。

 まさか、そのまま処刑されるとは思わなかったが、王都の広場でこいつが首を斬られたときには、まったくの罪悪感も生じなかった。

 復活してくるとは思わなかったが……。

 

「うわああ」

 

 回り始めた。

 回転しながら宝玄仙は水を口から嘔吐していた。

 御影が顔をしかめて、後ずさったのが見えた。

 しかも、回転しながら宝玄仙は失禁までしてしまった。

 口と股間から水流を迸らせながら宝玄仙は回り続けた。

 途中から、御影が大笑いをした。

 

「美人が哀れねえ。まあいいわ。もっとやりましょうか。いくらでもお代わりはあるしね。あんたの供の沙那がやって来るのに、もう少し時間もあるだろうしね」

 

 やっと回転が止まったとき、御影が言った。

 はっとした。

 

 沙那?

 こっちに来ているのか?

 

「さあ、さっさと言霊に言葉を入れなさい。どうせ、いやでもそうするしかなくなるんだから。次は電撃責めよ。あんたも、これだけは弱かったわよね。ほかの拷問だと耐えるくせに、これをするとぼろぼろと泣いたものだったわ。いまなら、あんな思いをすることなく、解放してあげるわ。ちゃんと人間並みに扱ってあげる」

 

 御影が次に取り出したのは、一本の細い杖だ。

 先端でびりびりと電撃の火花が飛んでいる。

 かつて、この男に嗜虐されたときのことが記憶に蘇る。

 宝玄仙は悲鳴をあげていた。

 御影が宝玄仙の身体の下に杖を差し込み、片側の乳首にぐいと杖を押しつけた。

 

「うぐうううっ」

 

 不快な電撃が乳首に襲い掛かってきた。

 

「いやああ」

 

 身体を振って必死に避けた。

 だが、こんな状態で逃げられるものじゃない。

 杖の先は押し当てられ続け、宝玄仙は拘束された身体を限界まで弓なりにした。

 

「こんなのは序の口よ」

 

 いったん杖が離れる。

 しかし、すぐに押し当てられる。

 今度は反対の乳首だ。

 

「んぐううっ、ああああっ」

 

 絶叫した。

 またもや、尿が股間から流れるのがわかった。

 そして、一瞬だけ電撃がとまる。

 だが、すぐに繰り返される。

 五度、六度と執拗に続く。

 宝玄仙はそのたびに、もう限界だと思った。

 しかし、言霊にさっきの言葉を入れたら最後、こいつは沙那にそれを聞かせて、自分の奴隷状態にするだろう。

 そんなことをすれば、この人非人(ひとでなし)は、沙那になにをするかわからない。

 

「胸だけじゃ寂しいのかしらね。尻の穴にする?」

 

 御影が笑いながら、宝玄仙の下半身側に回った。

 

「い、いやああ──。それだけはやめておくれ」

 

 必死で声をあげた。

 だが、ぐいと尻の穴に杖が挿し入れられた。

 

「ひぎゃあああ」

 

 お尻の穴に流された電撃の想像を越える苦しさに、宝玄仙は喚いた。

 そして、杖が抜かれる。

 

「十数えるまで待つわ。言玉はそこよ」

 

 御影が言った。

 宝玄仙の顔は頭が下げられないように、髪の毛を後ろ側に向かって縄で引きあげられている。 

 言霊は、その宝玄仙の顔のすぐ前で浮かんでいた。

 御影が涎を流している宝玄仙の顔をその言霊に向けさせる。

 束の間の静寂が流れる。

 宝玄仙の荒い息だけが、洞窟の部屋に響いた。

 

「十数え終わったわよ」

 

 御影が杖の先を宝玄仙の顔の前に示した。

 相変わらずびりびりと電撃の火花が飛んでいる。

 

「さ、沙那に……あ、あいつらに……て、手を出さないで……お、おくれ……。お、お前の……ふ、復讐は……わ、わたしだけで……」

 

「そんなことを口にしろと言っているんじゃないわ……。仕方ないわね。電撃をあげるわね」

 

 御影がまたもや後ろに回った。

 お尻の穴に、杖が挿し込まれる。

 

「うぐううっ、ああああ、あがあああ……」

 

 今度は本当にもの凄い電撃だった。

 杖が抜かれても、宝玄仙の裸身はがくがくと痙攣を続けていた。

 

「言玉よ──」

 

「い、いやだっ──」

 

 必死に叫んだ。

 杖が肛門に喰い込む。

 

「んがあああ」

 

 絶叫──。

 杖が抜かれる。

 宝玄仙のお尻から糞便が流れ出た。

 小尿も一緒だ。

 尻穴に入れられていた玩具も外に出たようだ。

 

「まるで豚ね。次から次へと」

 

 御影が手を振った。

 汚物の臭気があっという間に消滅した。

 道術で消したのだろう。

 すぐに冷たい噴流が股間とお尻に強く当たる。

 洗浄されているらしい。

 だが、その感覚も消えつつある。

 

「世話が焼けるわねえ。まあいいわ。これからは、豚のように過ごしてもらうつもりだしね。だけど、また糞便されると嫌だし、次は肉芽にするわ」

 

 御影の杖が股間に向かったのがわかった。

 

「ううっ、も、もう、やめて……」

 

 宝玄仙はがくりと項垂れて言った。

 本当にもう抵抗の力は残っていない。

 

「うぎゃあああ」

 

 すぐに股間に電撃が流し込まれた。

 

「あぎゃああ、言うう──。言うよお──。だ、だから、もうやめてえっ」

 

 宝玄仙は泣き叫んだ。

 御影がすぐに杖を股間から離した。

 またもや、尿が股間から流れ出た。

 

 宝玄仙は、命じられた言葉を口にするために口を開く。

 だが、言葉は出ない。

 沙那を陥れる言玉に入れてしまったら終わりだという考えが浮かぶ。

 こいつに沙那を渡したら、どんな残酷なことを沙那にさせるか……。

 

「観念したと思ったけど、空耳だったようね」

 

 御影が再び股間に杖を押しつけた。

 宝玄仙は絶叫した。

 

 

 *

 

 

 く、くそう……。

 

 びりびりに破かれた服をまとったまま、洞窟の中を歩き続けた。

 腰から下にはなにも身につけていない。壁に挟まれた状態で犯されたとき、腰から下についてはすべて破り取られたのだ。

 そして、さんざんに犯されて、足腰に力が入らない。

 すると、またもや、いきなり、少し離れた先に男が出現した。

 さっき壁の後ろから犯したのは、こいつだと思った。

 

「お、お前──」

 

 とっさに足元の石を拾って飛びかかった。

 

「落ち着けよ、沙那。宝玄仙に恨みを返すんじゃないのか」

 

 男は動じる気配も見せずに突っ立ったままだ。

 

「な、なに言ってんのよ。あんな目に合わせて、ただで置かないわよ」

 

「それにしちゃあ、悦んでいたじゃないか」

 

「うるさい──」

 

 距離が半分ほどに詰まったところで、力の限り石を投げつけた。

 しかし、石は男の目の前で、がんと跳ね返って戻ってきた。

 呆気にとられた。

 透明の壁のようなものが存在するようだ。

 

「落ち着けと言っているだろう。これじゃあ、話もできん」

 

 そのとき、悲鳴のようなものが天井から聞こえてきた。

 

「な、なに?」

 

 驚いて顔をあげたが、そこにはなにもない。

 だが、声が確かに聞こえてくる。

 声の主は宝玄仙だ。

 とても苦しそうだ。

 

「ご、ご主人様になにをしているの?」

 

「別に当たり前のことをしているだけだ。犯している。女が男に捕らわれれば、犯されるに決まっている。ましてや、あの宝玄仙は、御影殿の復讐の相手だ。ただ犯すのではなく、苦しませながら犯している。それだけのことだ」

 

 男が顔色も変えずに言った。

 だが、これはどう聞いても、犯されているときの声じゃない。

 拷問を受けている悲鳴だ。

 

「御影? そいつがご主人様を捕らえているのね?」

 

「まあ、そういうことだな、沙那」

 

 男は表情ひとつ崩さない。

 それが苛つく。

 

「こ、ここを開けなさいよ」

 

 目の前にある透明の壁を蹴った。

 これは結界のようなものではなく、限りなく透明に近い壁だ。ただ、怖ろしく堅そうだ。それに道術の力ようなものも感じる。

 

「開けてもいい。壁に四個の杭がある。それを同時に押し続ければ開く。真下と真上だ。よく見ろ」

 

 探すと確かに、目の前の透明の壁の床側と両手をあげたくらいの高さの左右に、全部で四個の杭がある。ちょうど両手両足を拡げてやっと四つ全部に届くくらいの位置だ。杭の長さは親指ほどだ。試しに、足元のひとつを足先で押すと、簡単に壁に喰い込んだ。離すとすぐに戻って来る。

 つまりは、透明の壁に両手両足を拡げて身体を押しつけ、一定時間そのままでいろということのようだ。

 間抜けな仕掛けに鼻白んだ。

 

「くだらないことはやめてよ。わたしはあんたらに協力すると言っているのよ。宝玄仙はわたしを騙して連れまわしている憎い相手よ」

 

「その首輪のことか? 服従の首輪というのだろう」

 

 男がくくくと笑った。

 相手が服従の首輪のことを知っていることに驚いた。

 

「そ、そうよ。これを外してくれたら、なんでも協力するわ。もともと、宝玄仙に義理はないのよ」

 

「そうだろうな。それよりも、早くしろ。四個の杭を同時に押さえなければ、前には進めんぞ」

 

 男が言った。

 

「くっ」

 

 観念して四肢を大きく拡げて杭を手先と足先で押しつけた。

 ぶーんという唸る音が体に密着している壁から聞こえてきた。

 下を見ると、じわじわと透明の壁が赤く染まって来ていた。

 もしかしたら、これが全部赤く染まったら、壁が開くのだろうか。

 それにしても、本当にゆっくりとした速度でしか赤い部分は上にあがらない。

 

「ところで、あんたは黒男ね?」

 

 そういえば、黒女が壁の後ろにいるのは黒男と口にした気がする。

 

「そうだ」

 

「そして、あんたらの仲間は三人ね?」

 

 すると、黒男がくすくすと笑った。

 

「その質問には、“そうだ”であり、“違う”だな」

 

「どういう意味よ?」

 

「俺も黒女も御影様の影法師だ。つまり、分身なのだ。もともとは御影様ひとりだ」

 

「なるほど、分身だから、殺しても死なないということね。黒女は以前に孫空女に首の骨を折られたはずだものね」

 

「そういうことだ。じゃあ、奥で待っている」

 

 透明の壁の向こうの黒男が、後ろを向いて立ち去っていく。

 呼び止めようと思ったが、不意に違和感を覚えて、身体を密着させている壁に視線をやった。

 身体の周りに房毛の玉のようなものが取り巻いていた。

 それが一斉に全身をくすぐり始めた。

 

「うわああっ」

 

 思わず身体を壁から離して飛びのいた。

 扉から鳴っていた唸り音もぴたりと止む。

 

「杭からちょっとでも手足を離せば、最初からやり直しになるぞ」

 

 黒男が振り返った。

 ふと見ると、透明の壁の赤い部分はなくなり、再び全部が透明に戻っている。

 

「あ、悪趣味ねえ」

 

 怒鳴った。

 そのときには、黒男は先の曲がり角の先に姿を消してしまっていた。

 仕方なく、もう一度四肢を拡げて、壁に密着する。

 またもや唸り音がして、房玉が同時に全身をくすぐり始める。

 

「く、くくく……ふふふふ……んふふふ……」

 

 出したくもない笑い声をあげさせられる。

 堪らず身体を悶えさせるが、杭だけは押し続けるように我慢した。

 だが、房玉は無数にあり、くすぐったい部分やいやらしい部分を次々に責めてくる。

 

「ひやああっ」

 

 しばらく耐えたが、股間と乳首の表面の壁が房毛に変化して振動をし始めたところで、またもや手を離してしまった。

 足首くらいまであがっていた赤い部分が、完全な透明に戻る。

 

「本当に、悪趣味ねえ──」

 

 天井に向かって叫んだ。

 そこからは相変わらず、宝玄仙の苦しそうな声が聞こえてきている。

 その声のする場所に、御影の本体がいるに違いない。

 黒男でも、黒女でもなく、本体の御影が……。

 

 そして、もう一度壁に身体をつけて杭を四肢で押す。

 すぐに房玉が全身をまさぐってきた。

 

 

 *

 

 

「……さ、沙那に……命令……。そ、その御影の言葉に……絶対服従……」

 

 宝玄仙はなにも考えられずに、耳元で怒鳴られる言葉を繰り返した。

 意識は朦朧としている。

 ただ、立て続けに流された電撃に、全身は激しい痙攣をいまでも繰り返している。その震えだけが激しい。

 

 そして、はっとした。

 いま、自分は沙那に対する「命令」を言玉に入れてしまった?

 

 愕然とした。

 眼を開く。

 すでに視界はかすんでいるが、言霊を手にした御影が愉しそうに笑っている。

 

「あっ、し、しまった──。だ、駄目だ──」

 

 宝玄仙は絶叫した。

 

「なにが駄目なのよ。じゃあ、これを使って、沙那をあたしの奴隷状態にしてくるわ。あんたの目の前で、沙那に自殺をさせるから見ててね」

 

 御影がくすくすと笑った。

 宝玄仙はぞっとした。

 御影がそのままどこかに行き始める。

 

「わっ、ま、待つんだ、御影──。ど、どこに行くんだよ。待つんだよ──」

 

 慌てて呼び止める。

 

「どこに行くって、沙那を迎えに行くのよ。言玉があっても、あたしの姿を見せないと、誰が御影だかわからないでしょう。連れてくるから待っててね」

 

 御影は今度こそ、どっかに行ってしまいそうだ。

 

「待つんだ、待ってたら──。そうだ──。と、取引だよ。取引きしよう──」

 

 宝玄仙は言った。

 振り返った御影が怪訝な顔になった。

 

「あんた馬鹿じゃないの? この状況で、あんたがどんな取引をするのよ」

 

 御影が呆れた顔になった。

 

「あ、あいつらは逃がしておくれ。そ、そうだ。奴隷の首輪を受け入れる。言の葉に乗せてやる。わたしにそれをしな。そうすれば、わたしはお前に逆らえなくなる。だから、あいつらに手を出すんじゃない」

 

「つまんないこと言わないでよ。奴隷の首輪は、ただ主人に反抗できなくなったり、逃亡できなくなったりするだけじゃないのよ。面白みはないわね……。それよりも、あんたの『服従の首輪』だったらいいわ。あれは面白いわね。言葉で理解できることをすべて自分の意思と無関係に実行するんだからね。あれこそ、絶対の支配魔具よ。あれを出しなさい」

 

「そんなものが二個もあるわけないだろう」

 

 宝玄仙は怒鳴った。

 本当にないのだ。

 宝玄仙がこの世に生みだした『服従の首輪』は、正真正銘、沙那の首にある一個だけだ。

 二個目はない。

 

「だったら、沙那の首を捩じ切って手に入れるまでね」

 

 御影が鼻を鳴らした。

 そして、出ていこうとする。

 宝玄仙は慌てて呼び止めた。

 

「だ、だったら、お前の分身の術を遣いな。わたしの手足を操ったらいい。それを受け入れてやろう。それで、服従の首輪をしているのと同じ状態だ。だから、沙那たちのことは……」

 

 宝玄仙は必死で言った。

 御影は自分のほかに「分身」を作って、それを自分自身でありながら、別人格のように動かす能力がある。

 それを応用した力で、御影は他人の手や足を自分の分身化して、勝手に動かすということもできる。

 かつて、御影に捕らわれたとき、それをやられて驚愕したことがあるのだ。

 ただ、宝玄仙の場合は、宝玄仙自身の霊力が強いので、簡単には御影の道術では宝玄仙は操れない。御影の道術封じの布は、宝玄仙の体内の霊力を凍結させてはいるが失くしてはいない。だから、他者の道術を跳ね返すという防護機能は、まだ生きている。

 あのときだって、御影の霊力を受け入れさせられるために、空っぽになるまで霊力を放出してから、それをされたのだ。

 しかし、宝玄仙の意思で受け入れれば別だ。

 そのときは、宝玄仙の霊力は、御影の霊力の侵入を邪魔をせず、御影の道術を受け入れることができる。 

 御影が目を丸くするのがわかった。

 

「そんなに供が大切なの? あんたのような冷血漢の嗜虐好きがねえ……。だけど、あたしは、一度にふたつの分身しか使えないのよ。あんたの両手を操れば、黒男と黒女が使えなくなるわ……。だけど、まあいいか。そんなに言うなら、遊んであげるわ。言の葉に乗せなさい」

 

 御影が宝玄仙に近づいてきた。

 そして、一瞬、御影の両側に黒男と黒女の姿が現われ、ふたりが御影自身に吸い込まれる。

 

「……み、御影の分身を受け入れる……」

 

 宝玄仙は口にした。

 道術遣いの霊力を込めた「言の葉」だ。

 それは、当然に道術師に抵抗のできない力を生む。

 途端に御影の分身が宝玄仙の両手に入り込むのがわかった。

 これで、宝玄仙の両手は御影の操り状態になった。

 

 御影が宝玄仙を縛っていた縄を解いて、宝玄仙の身体をやっと下におろした。

 すぐに手首の黒布も解く。

 だが、首と片脚だけは外されなかった。

 

「首に残しているのは、あんたの道術を封じるためよ。それと片脚だけは動かないようにしておくわ。万が一でも、片脚だけじゃあ逃げられないだろうしね」

 

 御影が操れる分身の数はふたつまでだ。

 宝玄仙の両手をそれぞれに支配すれば、脚は分身化することはできない。

 いずれにしても、すでに宝玄仙には、自分の力で立つ力は残っていない。

 

「仰向けになりなさい」

 

 御影が足で宝玄仙の身体を仰向けにひっくり返した。

 すると、両手が勝手に両腿を開くように抱える。

 御影が宝玄仙の両手を「分身」として動かしているのだ。

 

 御影が怒張を出して、宝玄仙の秘部を串刺しにした。

 

「あ、あああっ」

 

 拷問のあいだも、最初に挿入されていた淫具の玉が股間を暴れまわっていた。

 それが御影の怒張に押されて、ぐりぐりと宝玄仙の感じる場所を抉る。

 もはや、身体の耐性などない。

 宝玄仙はあっという間に、一度目の絶頂をしてしまった。

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