小屋の真ん中で宝玄仙が激しく悶え続けるのを見て、孫空女は今夜がおそらく特別な夜になりそうな予感がした。
朱姫が、相手が宝玄仙だろうと、孫空女であろうと容赦なく責めたてるのはいつものことだが、意外なのは沙那だ。
今夜は、いつになく沙那が随分と張り切っている。
むしろ、中心となって宝玄仙を責めたてているのは、朱姫ではなく沙那だ。
「へえ……、ご主人様、
根掘り葉掘りと有来有去にどんな責めをされたかということを沙那がしつこく訊いている。
宝玄仙は答えるのを嫌がっているのだが、宝玄仙の弱点である乳首に揉みしごいたり、丸い乳頭をこりこりと揉んだり、あるいは、乳首を音を立てて吸ったりして、その都度、あられのない悲鳴をあげさせて、宝玄仙を追いつめては、無理矢理に喋らせているのだ。
「わ、わかったから、いい加減に……ああっ……」
宝玄仙が全身を激しく悶えさせた。
質問を繰り返しているのは沙那だが、乳首を責めているのは沙那だけではない。
孫空女は、沙那の動きに合わせて、反対の胸を責めているし、朱姫は朱姫で、宝玄仙の股間の前にうずくまって、ちゅうちゅうと音を立てて、宝玄仙の肉芽をすすり舐めている。
さすがに敏感な乳首と肉芽を三人がかりで責められては、宝玄仙でもどうしようもないのか、激しく拘束された縄をきしませて、断続的な悲鳴をあげて、優美な裸身を激しくうねり舞っている。
そして、拘束された身体を狂ったように暴れ回し続ける。
孫空女は、乳首を責める沙那が大きく開いた宝玄仙の白い太腿の内側に手を這わせたのに合わせて、こちら側の宝玄仙の太腿の付け根をくすぐった。すると宝玄仙が絶叫するような声を出して、身体を仰け反らせた。
「ひ、ひい──い、いくっ──」
宝玄仙が脂汗にまみれた身体を暴れさせた。
沙那が合図した。
責めたてていたのを一斉にやめて、宝玄仙から手と口を離す。
絶頂寸前でまたもや寸止めを喰らった宝玄仙が、髪を振り乱して切なそうに身体を震わせた。
もう、同じことを十数回繰り返している。
つまり、宝玄仙は、絶頂寸前のところで、突然快楽をとりあげられるということを繰り返し味あわされているのだ。
すでに半狂乱だ。
「国都で有来有去から責められたのを同じようになぞっているんですけどいかがですか? わたしたちの焦らし責めと有来有去の焦らし責めとどちらが気持ちいいですか、ご主人様? 黙っていちゃあ、わかりませんよ。ちゃんと答えるんです」
沙那が絶頂を取りあげられて、悔しそうであり、また切なそうな表情をしている宝玄仙の顎を掴んで、ぐいと自分に向けさせた。
宝玄仙が歯を食いしばったまま沙那を見た。
中心になっているのは沙那だが、こうなったら、沙那は朱姫よりもしつこいし、始末に悪い。
朱姫のように感情的になり過ぎず、冷静に宝玄仙の反応を観察しながら心を削るように責めたてるのだ。
今夜も、絶妙の段階で責めを中断させ、そして、ぎりぎりのところまで昇り詰めさせて、宝玄仙を翻弄させている。
「も、もう……や、やめておくれ──。こ、降参だよ、降参……」
宝玄仙は泣くような声をあげた。
いまは、責めが中断されて、あがりきった快楽がゆっくりと冷えていくのを三人で待っている状態だ。
もう少しすれば、責めを再開する。
そして、宝玄仙を泣き叫ばせて、またやめる。
それを繰り返すのだろう。
孫空女も、調教と言われて、何度もこの寸止め地獄を味わった。
こんなにつらい責めはないと孫空女は思っている。
孫空女の身体は、宝玄仙に教えられた快楽で敏感すぎるくらいに敏感になっている。
快楽の頂点には必ず、絶頂の気持ちよさがあると身体に染みわたせられている。
だから、孫空女には、繰り返される寸止めは地獄の苦しみにも感じる。
孫空女も、この責めを果てしなく続けられて、自分もただの女であることをつくづく思い知らされた。
宝玄仙も同じだろう。
女である限り、寸止め責めに耐えられることはないと思う。
「降参なんてありませんよ、ご主人様……。わたしたちは、これをひと晩中続けるつもりです。それよりも続きを話してください。市民の前で磔になったときになにをされたんですか? もう一度説明するんですよ」
沙那の呆れる程のしつこさに、孫空女も嘆息した。
その沙那が、すっと宝玄仙の脇の下に指を這わせる。
始まりの合図だ。
三人でまた宝玄仙を責めたてる。
「う、うわああ──。さ、さっきも……あ、ああっ……言ったじゃないかぁ──。おしっこさせられたんだよ。そういう水を飲まされたんだよ──」
宝玄仙がすぐに情感の籠った身悶えを激しくさせる。
「そうですか……。大勢の市民の前でおしっこするなんて、恥ずかしかったですよね。でも、感じたんじゃないですか? どうでした?」
沙那が足元の性具の箱の中から筆と鳥の羽根を三本出した。
朱姫と孫空女には筆を渡し、自分は鳥の羽根を持つ。
沙那が宝玄仙の身体の埃を払うように宝玄仙の肌をくすぐり始めた。
孫空女と朱姫も、それに合わせて身体のあちこちを筆で擦りあげる。
「ふわっ──そ、それは……ひゃあ……ひゃ、ひゃ、ひゃあ……や、やめておくれ──」
宝玄仙が進退窮まったような嗚咽をあげた。
「ご主人様、可愛いです」
朱姫は今度は背中に回り、筆を双臀の亀裂に這わせるように動かし始める。
宝玄仙の動きが狂ったように激しくなる。
「ひおおぉぉぉ──や、やめて──」
「悲鳴ばかりあげるだけじゃあ、いつまでもこれは、終わりませんよ、ご主人様。市民の前でおしっこしたときに、どんな風に感じたか訊いているんです」
沙那が宝玄仙を責めあげている。
一度、嗜虐側に徹すると決めた沙那は、本当にしつこい。
ねっとりと宝玄仙を責め続ける。
「し、死ぬほど恥ずかしかったよ……。さ、沙那、い、いい加減にしておくれよ……ひぎいっ──」
「恥ずかしいだけですか? 磔にされただけで股間が濡れる程に感じるご主人様ですから、きっとおしっこをしても感じちゃたんじゃないのですか。正直に言うんです、ご主人様」
「そ、そんなこと──ひ、ひいいっ──」
宝玄仙が喉を上にあげて、激しく身体を揺らす。
この宝玄仙の乱れの理由は、朱姫のようだ。
朱姫が宝玄仙の双臀の菊花を責めに責めている。宝玄仙は筆を振り払おうと腰を動かすのだが、沙那と孫空女の羽根と筆も前側から責めたてていて、快感を逃がすことができないでいるのだ。
それに、いまは、かなり力も抜けきって、大した動きではなくなっている。
宝玄仙もただ無理矢理与えられる快楽に翻弄されるだけになっていた。
「き、気が狂うよう──」
宝玄仙が全身を仰け反らせた。
また、いきそうなのかもしれない。
「はい、終わり」
沙那が声をかけた。三人の筆と羽根がさっと宝玄仙から除けられる。
全身を硬直させていた宝玄仙の身体ががくりと垂れた。
「お、お前ら……」
宝玄仙が顔をあげる。
しかし、その顔には、いつもの女主人の慄然とした様子ではなく、全身の快感をあげるだけあげさせられて発散させてもらえない、哀れな美女の悲痛さが滲み出ている。
「さあ、やめてあげましたよ。じゃあ、白状してください。こうやって、苛められると、普通に責められるよりも感じるようになったんじゃないですか。そうなんでしょう?」
宝玄仙の正面に立っている沙那が勝ち誇ったように言った。宝玄仙が悔しそうに歯噛みした。
「お、お前ら、このまま済むと思うんじゃないよ……」
宝玄仙が呻くように言った。
「このまま済まないのはご主人様ですよ。それとも、このまま済ませたいんですか?」
沙那が言い返した。宝玄仙が悔しそうな表情になる。孫空女は、宝玄仙のその哀愁のこもったような表情にぞくりとしたものを感じた。
「そうですよ、ご主人様。沙那姉さんに、いかせてくださいって頼んだらどうですか? そうしたら、沙那姉さんも許してくれますよ」
朱姫が筆でちょんちょんと宝玄仙の胸を突いた。
宝玄仙は電撃でも喰らったかのように身体を跳ねたが、さっと朱姫が筆を離したのでまたがくりと力を抜く。
「まあ、こうなったら、いまだけでも屈服しなよ、ご主人様。屈服すれば楽になるよ」
孫空女も言った。
「く、屈服するよ……。し、仕方がない……。だ、だから、いかせておくれ」
宝玄仙が吐くように言った。
「ふ、ふ、ふ、屈服するんですか、ご主人様」
「ああ、沙那……。屈服するよ……」
「だったら、わたしは、奴隷である女主人の宝玄仙ですって言ってください。苛められると感じる変態の女主人ですとも付け加えてくださいね」
「なっ」
宝玄仙がきっと沙那を睨んだ。
「そんな顔をしても駄目ですよ。奴隷だと言ってもらいます……。ほらっ」
沙那が鳥の羽根の先で、宝玄仙の耳をくすぐりだす。宝玄仙が悲鳴をあげて、顔を反対側に避ける。
「もう、観念して、なんでも言いなよ、ご主人様。奴隷だって言うだけじゃないか。それに、苛められると気持ちよくなるのも本当なんだろう?」
孫空女は逃げる宝玄仙の反対側からもう一方の耳を筆で責める。
すると、朱姫が面白がって、宝玄仙の鼻の中に筆を入れてくすぐりだした。
逃げ場を失った宝玄仙の顔が鼻水と涙と涎で大変なことになる。
こんなになっても、まだ美貌を失わないというのも凄い。
「ひひゃあ、ど、奴隷──ふわっ……ひゃ、ひゃあん……ど、奴隷──奴隷です……奴隷で──ひゃああっ──」
さすがに堪らないのか宝玄仙が奴隷ですという言葉をついに口にする。
三人の筆と羽根が宝玄仙の顔から離れる。
「まだ、言うことがあるんじゃないですか。それとも、まだ繰り返しますか?」
「……わ、わたしは……い、苛められると……か、感じる……へ、変態だよ……」
宝玄仙はそう言うと、がっくりと身体を脱力させた。
「ご主人様、ほらっ、奴隷だと認めたら楽になったでしょう?」
沙那は言った。
だが、そのとき、孫空女は気がついた。
宝玄仙が奴隷という言葉を口にした瞬間、大きく開いた宝玄仙の股間からどっと蜜が溢れたのだ。
孫空女は、それではっきりと悟った。
沙那は、宝玄仙に嫌がらせをするために、出鱈目を言っているわけじゃない。
本当に宝玄仙は、肉体的に責められることだけではなく、自分たちに拘束されて責められることに、精神的な激しい快感を覚えている。
沙那は、それでしつこく宝玄仙をいたぶっているのだ。
いわば、これも宝玄仙への奉仕なのだ。
もっとも、これを機会に日頃の鬱憤を晴らそうとも思っているかもしれないが……。
宝玄仙は、もうなにも言い返す気力がないのか、汗びっしょりの身体を小刻みに揺らしながら、かちかちと歯を鳴らしている。
「じゃあ、国都のときと同じことをご主人様にしてもらいましょうか。そのまま、おしっこしてください」
沙那が言った。
すると宝玄仙が顔をあげて、ぎょっとした表情を向けた。
「朱姫、ご主人様のお椀を持ってきて」
「な、なにするつもりなんだよ、沙那──」
「なにかをするのはわたしじゃなくて、ご主人様です。そうやって磔のまま、おしっこするところをわたしたちにも見せてください」
沙那が言った。
そう言っている間に、この事態に喜々としている朱姫が宝玄仙用の食事のお椀を持ってきて、宝玄仙の足元に置いた。
「これでいいですか、沙那姉さん。でも、少し、小さくないですか?」
「そうね。じゃあ、ご主人様、やっていいですよ。でも、お椀が小さいので少しずつしてくださいね。それと、いっぱいになったら教えますから、一度、それで止めてください」
「ふ、ふざけるんじゃないよ──」
宝玄仙の顔が今度は怒りで震えた。
孫空女は感心していた。
滅多にない沙那の嗜虐だが、宝玄仙や朱姫と同様……。
いや、ある意味ではそれ以上に容赦がないのではないかと思った。
陰湿にねちねちと追い詰める沙那の責めには感心するほどだ。
「おしっこしないんですか、ご主人様? 奴隷なのに」
「で、できるわけないだろう」
宝玄仙が怒鳴りあげた。
「でも、ご主人様は変態なんですから、きっと人前のおしっこも快感を覚えてしまいますよ。ここには、わたしたち三人しかいなくて申し訳ありませんが、いつか、もっと人が多いところでさせてさしあげます」
沙那が言った。
「じょ、冗談じゃないと言っているだろう」
「そうですか……。じゃあ、仕方ありません。またくすぐり責めを味わってください」
沙那が言った。
また、全身を筆と羽根で責めたてる。
宝玄仙が悲鳴をあげて暴れ回る。
宝玄仙がこのまま排尿することを承諾したのは、かなり時間、羽根と筆で全身の性感帯を繰り返してくすぐられてからだ。
その頃には、もう、宝玄仙は完全に打ちのめされたような状態になっていた。
「おしっこしますね、ご主人様?」
沙那が勝ち誇ったように言った。
「す、する……。だから、もう……いかせて……おくれ……ああっ──」
宝玄仙はがっくりと縄に身体を預けたようにしながら、ささやくような声で言った。
「それはちゃんとわたしたちの命令に従ってからです。おしっこしてください」
沙那が言った。
「ねえ、沙那姉さん──きっと、ご主人様は、お椀の位置が真下すぎるから嫌がっているんじゃないですか。もっと、前に出して欲しいんじゃないですか」
朱姫が宝玄仙の股の下にあるお椀をすっと前にずらせた。
宝玄仙が悔しそうな表情をした。
「まあ、そういうことでしたか。じゃあ、あそこまで勢いよく飛ばしてくださいね、ご主人様。それと、さっきも言いましたけど、お椀に入る分だけ、少しずつ出すんですよ」
沙那が意地の悪い笑いをした。孫空女は呆れてしまった。
「もうやめなよ、沙那──。ご主人様、怒っているじゃないか……。明日に残るような陰湿な意地悪はやめなよ」
孫空女は前に出してあるお椀を宝玄仙の股の真下に戻した。
「そういうわけだから、さっさとしちゃえば、ご主人様……。ご主人様が嫌がると、朱姫はますます調子に乗るし、沙那はかさにかかって意地悪になるし、いいことないよ」
「くっ……」
宝玄仙の眼が閉じられて、口がしっかりと閉じられる。
しばらく待っていると、じょろじょろと宝玄仙の股間から尿が落ちだした。
一条の放水となって迸る尿は、お椀というよりは板張りの床一面に撒き散らされている。
しかし、さすがは宝玄仙だ。
すぐに水流が修正されて、お椀に尿が集中して落ちるようになる。
あっという間に椀に溢れるばかりになった。
「いっぱいです──」
しゃがんでいる朱姫が叫んだ。
「じゃあ、一度、とめてください、ご主人様」
沙那が声をかけると、流れていた宝玄仙の尿がきゅっととまった。
排尿を途中で中断させるということだけは、いくら教えられても孫空女にはできない。
孫空女は内心で感嘆もした。
「ちょっと待ってくださいね、ご主人様。お椀のおしっこを処分しますから」
沙那が言った。
そして、朱姫から尿の溜まったお椀を受け取り、なにをするのかと思ったら、ごくごくとそれを飲んだのだ。
孫空女はぎょっとした。
「ほら、見てください、ご主人様……。わたしたちは、ご主人様の奴隷ですよ。だから、ご主人様のおしっこを飲むなんてこと平気でできます。他の人のではできません。でも、ご主人様のなら飲めます」
沙那はお椀から口を離すと、じっと宝玄仙を見た。
まだ、小尿の途中でつらそうな表情をしていた宝玄仙の眼が、驚いたように見開いた。
「だから、自信を持ってください。ご主人様は、どんなことをしてもご主人様ですし、それは、道術があろうとなかろうと関係はありませんよ」
さらに沙那が言う。
宝玄仙は黙ったままだ。
しかし、孫空女は、なんとなく沙那の言いたいことがわかった気がした。
だから、沙那が持っていたお椀に手を伸ばして手に持った。
まだ、半分くらい残っていて、宝玄仙のぷんと匂いのする小尿が泡だっている。
孫空女もお椀の尿を飲んだ。少しだけ残して朱姫に渡す。
朱姫もにっこりと微笑んで残りを飲んで空にした。
「ご主人様、あたしたちは、ご主人様の供であり、奴隷だよ。最初は腹が立ったけど、いまでは、ご主人様に拾われてよかったと思っている。ご主人様に奴隷にすると言われて、一緒に旅に連れて来られなければ、あたしなんて、いま頃どんなことになっていたかわからないよ」
「あたしもです。あたしは、もう皆さんのいない人生は考えられません。ご主人様のそばに置いてください。沙那姉さんも、孫姉さんも一緒にいてください」
孫空女に続いて、朱姫も宝玄仙に声をかけた。
「わかりますか、ご主人様。ご主人様は、こんな風にわたしたちが意地悪く責めたとしても、やっぱり、ご主人様なんです。ご主人様の道術は、いつか三人で必ず取り戻します。ですから、元気出してください」
沙那は言った。
すると宝玄仙の口が綻んだ。
「わ、わたしは、元気がなく、自信がないように思えるのかい、沙那?」
「はい──。このところのご主人様は、どことなく、いつものご主人様ではないように思えました。きっと、道術が遣えないようになったということが、ご主人様を知らず知らず追い詰めているのだと思います。だいたい、わたしたちの責めなど、大したものじゃないはずです」
「た、大したことない……?
「ええ。それなのに、ご主人様がそんなに悲痛で余裕のない顔をなされています。それ自体が普通じゃないということですよ。もしかしたら、本当にわたしたちに、立場を変わられると思っているんじゃないのですか。そんなことあり得ないのに……。道術がなくなってから、ご主人様は、わたしたちがいまやっているような責めをわたしたちにしませんよね。それはなぜですか?」
「わ、わたしがお前たちに遠慮していると?」
「そういうことです。でも、わたしたちは、ご主人様に遠慮はしません。ですから、ご主人様もわたしたちに遠慮はしなくてもいいんです。供のわたしたちに、こんなにされて悔しいですよね。その悔しさをそのまま、わたしたちにぶつけてください。それでこそ、いつものご主人様です」
すると、宝玄仙の顔に笑みが浮かんだ。
しかし、すぐに苦しそうな表情に戻った。
「言いたいことはなんとなくわかったけど、いい加減に残りのおしっこをさせておくれよ。途中でやめさせるなんて、酷いじゃないか、お前ら」
宝玄仙が言った。
朱姫が笑って、宝玄仙の脚の下にお椀を戻した。
再び、じょろじょろと尿が落ちる。
すぐに溜まったので、宝玄仙の放尿をとめさせて、再び三人で飲んだ。
三回目のお椀で宝玄仙の尿は終わった。
余韻のような滴りもとまり、宝玄仙もほっとしたような表情になる。
「でも、大したものですね、ご主人様も……。一度目のときは床に撒き散らしたのに、二度目からはほとんどお椀の中にしか入りませんでいたね。いったい、どうやって、尿が落ちるところを操作しているんですか?」
朱姫が感心したように言った。
「じゃあ、明日から三人とも特訓させてやるよ、朱姫」
「お掃除しますね……」
朱姫がそう言ってから、尿で汚れた宝玄仙の股間を舌で舐めはじめる。
宝玄仙がまた激しく悶えだす。
「くっ……あ、ああ……ひうっ──」
しばらくすると朱姫が宝玄仙の股間からすっと口を離した。
宝玄仙が甘い息を大きく吐いて脱力する
束の間、顔を伏せていた宝玄仙が頭をあげてこっちを見回す。
「……くっ……。な、なにが、お前たちの責めは大したものじゃないだよ……。有来有去よりも、ずっとお前たちの方がしつこくて、陰湿だよ──。いつになったら、いかせてもらえるんだよ」
宝玄仙が恨めしそうに言った。
「まあ、だったら、もっとご主人様を責めたててさしあげます。国都で受けた恥辱など、きれいさっぱりに上塗りしてみせます。国都のことはなんにも思い出せないくらいに、今夜は責めますね」
「わかったよ、沙那……。お前たちも今夜は、この宝玄仙を責めたてて、なにもかも忘れさせおくれよ。その代わり、明日からはお前たちの番だよ。ぐうの音もでないくらいに、とっちめてやるからね。覚悟しなよ」
宝玄仙が言った。
「もちろんだよ、ご主人様」
孫空女も微笑んだ。
「はい、覚悟しています、ご主人様。でも、今夜は、わたしたちの責めを受けてくださいね」
沙那だ。
「わかったよ、じゃあ、好きなように責めな。この宝玄仙をお前たちの責めで泣き叫ばせてみな」
「そんなことを言ってもいいんですか、ご主人様……。わたしたちの責めもねちっこいですよ。ご主人様にいつもやられていますから」
「その代わり、明日にはお前たちは、泣く羽目になるよ。いいんだね」
宝玄仙が汗ばんだ顔で笑った。
「あたしがお手伝いしますね、ご主人様。明日こそ、沙那姉さんと孫姉さんを蟹をしましょうよ。蟹に──」
朱姫が言った。
「あ、あんた……。ここは、朱姫もわたしと一緒に、ご主人様の責めを受けますと言うところじゃないの?」
沙那は呆れたような声を出す。
「あたしは、責め側の方がいいんです」
あっけらかんと朱姫は答えた。
「まあいいわ。じゃあ、ご主人様、次は、ご主人様が買ってきた掻痒剤を試してみますね。お実にも、女陰にも、お尻の中にもたっぷりと塗りたくりますので、さっそく泣いてください」
沙那が荷物の中からがさごそと探ぐって、茶色い小瓶を取り出した。
「う、うわっ──。ちょっと、待ちな、そ、それだけは──」
宝玄仙が眼を見開く。
そして、激しく暴れ出す。
「なんと言われても、許しませんよ。わたしも、これ嫌いなんです。明日にはなんにも残らないように、これは、今夜、全部使い切ってきってしまいます」
沙那が指に大量の塗り剤を載せた。
「なるほど、全部、使ってしまえば、明日、あたしたちは苦しまないで済むというわけだ」
孫空女も小瓶から油剤を取る。
「そういうことよ、孫空女」
沙那が前に回ったので、孫空女は宝玄仙の背後に回る。
悲鳴をあげて逃げようとする宝玄仙の股間に前後から油剤を幾層にも塗り重ねていく。
「じゃあ、あたしは、ご主人様の胸に塗りますね」
朱姫は両手に油剤を載せると宝玄仙の乳首に油剤で包むように塗っていく。
油剤を塗りたくる三人の手管に耐えられなくなったのか、宝玄仙は突然に咆哮すると、堰が切れたように、全身をぴんと伸ばして打ち震えた。
「おっと」
宝玄仙の股間から尿の続きのような液体の塊りがぴゅっと出た。
沙那がさっと除けた。
宝玄仙の股間から噴き出したものは床を汚すとともに、そのままになっていた床の上のお椀の尿の中に入った。
激しく絶頂した宝玄仙が股間から潮を噴き出したのだ。
「あらあら、ご主人様……」
沙那がからかうような口調で言った。
「ねえ、沙那姉さん、このご主人様の潮が足されたおしっこをご主人様に飲んでもらうというのはどうでしょうか?」
「いいわねえ、朱姫」
沙那はそう言うと、床に置かれていたお椀をさっと持った。
「じゃあ、飲んでください」
沙那はお椀を宝玄仙の口に近づける。
宝玄仙は一瞬、きっと沙那を睨んだが、すぐに諦めたように口を開ける。
その宝玄仙の口の中に、お椀の中の液体が注がれていく。
陶酔したような表情で、自分の股間から出た液体を飲む宝玄仙を見て、孫空女は、なんだか恍惚とした気持ちになっていた。
やっぱり、今夜は特別なものになるに違いない。
孫空女は確信していた。