「そ、そこは……」
宝玄仙は思わず声をあげて、腰を浮かした。
「ああ、そこだね」
繊細さの欠ける大雑把な愛撫だが、だからこそ焦燥感が頂点に達する。
淫らな感覚が股間全体に拡がっていく。
そうやって、時折、股間に鈍い刺激を与えながらも、七芽は、乳首による乳首の責めをずっと続けている。
擦っては離れ、離れては擦るということが繰り返されていた。
長く擦られたために、宝玄仙の乳首は、絶頂のための鋭敏な器官になりすぎていた。
ほんのちょっとの刺激さえ、さらに与えてくれれば、宝玄仙はそのまま乳首で達することができるだろう。
しかし、そのほんの少しの刺激が加わらない。
巧みに宝玄仙の絶頂をかわしながら、七芽は宝玄仙を責め続ける。
激しいが断続的な乳首への責め──。
もどかしくて鈍い股間への刺激──。
そして、ときどき加わる唇による奉仕……。
それらが宝玄仙に加わるたびに全身に電撃のような衝撃が走る。
しかし、まるで宝玄仙の性感を読んでいるかのように、まさに絶頂寸前で七芽は責める場所を変えて、刺激を別のものに変えてしまう。
「い、意地悪しないでおくれよ、七芽……。欲しい……。欲しいんだよ」
宝玄仙は叫ぶように言った。
もう快感に対する飢餓感で爆発しそうだ。
満たされることのない淫情が宝玄仙の全身で暴れ回っている。
乳首でも股間でも肛門でもいい。
この激しい欲情を解放して欲しい。
どっぷりと愛液で自分の股間が濡れているのがはっきりとわかる。
女の性が宝玄仙を圧倒している。
もう、絶頂に対する焦燥感は頂点だ。
宝玄仙としての誇りや自尊心など、もうどうでもいい。
愛欲だけを求めて浅ましく叫ぶ雌の本能だけが宝玄仙を蝕んでいる。
「可愛い女だね、お前……。そんなに腰を振って……。欲しいのかい、宝玄仙……?」
七芽が押しつけていた身体をすっと離した。
そして、身体を起こして宝玄仙の肢体を眺めまわすように視線を動かす。
腰を……?
そう言われて、宝玄仙ははじめて自分が浅ましくも、腰で追いかけるように振り動かしていたということに気がついた。
おそらく、自分はずっと腰を振っていた。
七芽が少しだけ離れただけで、それを追うように腰を浮かしていた。
そんな余裕のない痴態をこの田舎女に見られたのかと思うと、かっと羞恥が宝玄仙の全身を襲う。
「いかせてくれって、ねだる気になったかい? はっきり口に出しな、宝玄仙」
「ほ、欲しい……。い、いかせておくれ」
宝玄仙は口に出していた。
七芽はにっこりと微笑んだ。
そのまま立ちあがって、寝台から離れていく。
そして、すぐに戻ってきた。
股間に黒い張形を装着している。
七芽は裸身に黒い革の下着をつけてきたのだ。
その下着の股間の部分には、男性器を模した張形が生えている。
「いくよ、宝玄仙」
「あ、ああ」
宝玄仙は、再び寝台にあがってきた七芽を迎え入れる態勢になった。
大きく脚を開く。
その脚の間に、七芽の大きな身体が載る。
七芽が宝玄仙の両脚を抱えて、両膝を胸に圧迫するようにした。
自然と宝玄仙の股間は、七芽に向かって突き出すようなかたちになる。
「覚悟はいいかい、宝玄仙……。長い夜の始まりだよ……」
「き、来ておくれ、七芽」
宝玄仙は頷いた。
七芽の股間の張形の先端が、宝玄仙の女陰の入口に当たった。
そして、いきなり来た──。
「おほおおおっ──」
ずんという衝撃とともに、七芽の全体重が張形に打ちこまれた。
一気に張形の先端が宝玄仙の膣の最奥を貫いていた。
身体全体が激しく震えた。
これほどまでに絶頂の寸前だったとは思わなかった。
全身が痺れている、
七芽の腰が激しく宝玄仙の女陰を突いている。
ひと突きごとに子宮を打撃するように張形を動かされる。
「いくううっ」
宝玄仙は身体を仰け反らせて叫んだ。
「いっておくれ、宝玄仙──。可愛いよ、お前は」
浮きあがった宝玄仙の身体を七芽が抱きしめた。
温かいものに包まれる──。
至福の幸せを感じながら、宝玄仙は深い深い絶頂に身を任せた。
*
「……宝玄仙、また、少し話をしようじゃないか。夜は長い……。朝まではたっぷりと時間がある」
「はあ……はあ……はあ──。は、話かい……? はあ……はあ……」
宝玄仙は激しい呼吸を繰り返しながら言った。
いま、宝玄仙は七芽の大きな身体に抱き潰されるように横たわっていた。
七芽の股間の張形は宝玄仙の女陰を貫いたままだ。
ただ、その状態で動きだけはとまっている。
七芽は深々と宝玄仙を貫いたまま、両手で宝玄仙の身体を抱きしめて、耳元でささやくようにそう言ったのだ。
どのくらいの時間、性交を続けたのか──。
宝玄仙はよく認識することができなかった。
おそらく、十回は達しただろう。
もしかしたら、もっとたくさんの数だったかもしれない。
女の身体は絶頂するたびに敏感になる。
そして、激しくいきすぎると、全身が性器そのものになったかのように鋭敏な状態になる。
いまの宝玄仙がそうだ。
いま、七芽の手は宝玄仙の背中に回されて擦るように動いているが、これが、この瞬間にでも爪を立てて強い刺激を与えられたら、それだけで宝玄仙は咆哮して絶頂してしまうかもしれない。
それくらい敏感な状態になっている。
いきすぎて頭が朦朧としている。
もうなにも考えられない。
力も入らない。
こんなにも深く達したのは久しぶりのような気がする。
女同士の情事は、男との情事とは異なる。
男の情事は射精すれば終わりだ。
どんなに長く続けようと思っても、数回の精を出してしまえば、それ以上は続けられない。
だが、女と女の性には終わりはない。
宝玄仙と七芽が望めば、明日の朝どころか、翌日も、その翌日も続けられる。
それが女と女の性だ。
宝玄仙は七芽の腰に装着された張形でいかされ続けたが、精を放つことがないその男性器だからこそ、延々と情事を続けられる。
飽きれば、いま七芽が言ったように寝物語をすればいい。
話にも飽きれば、また性交を再開すればいい。
それを宝玄仙と七芽は、何度か繰り返していた。
「……また、お前の子供の頃のことを教えておくれよ」
七芽はささやいた。
「こ、子供の頃かい……。わ、わたしは、そんな話をしたかい?」
よく、覚えていない。
子供の頃なんて、そんなことを他人に話したのか……。
どうやら、今夜は愛欲に酔いすぎたのかもしれない。
朦朧とした頭の中でそんなことを思った。
別に言いたくないわけじゃない。
ただ、他人が聞いても興味を持つような子供時代だと思わないだけだ。
「話したよ……。愉しそうな母親じゃないかい。あたしには、母親と暮らした記憶はないからね。どんな母親でも、思い出すことができるなんて素敵じゃないかい」
「素敵なものかい……。はあ……、さ、最低の母親だったよ」
「何度でも言うよ。最低でも思い出すことができるというのは羨ましいよ、宝玄仙」
宝玄仙は舌打ちした。
冗談じゃない。あんな母親……。
「母親と暮らした……。そうなんだろう? そう言っていたよ。性に解放的な女だったと言ったじゃないか。たくさんの愛人を囲っていて、いつも家中で情事が行われていた。そんな屋敷だったってね……。それも羨ましいよ。あたしも、いつか、この屋敷をそんな愛に溢れた場所にしたいものさ」
七芽は笑った。
「な、なにが、愛に溢れた場所だよ。愛なんてものはなかったよ。あ、あそこにあったのは、ただの肉欲だよ。獣のように性をむさぼり合う雌と雄がいただけさ。屋敷のあちこちで、男と女が……、いや、女と女、それとも、男と男──。とにかく、あらゆる性があそこにはあったね。妖魔だっていたよ。だけど、愛情はなかったよ。断言するね。そういう場所じゃないんだ。あそこは……」
宝玄仙は言った。
あの女は、一度も宝玄仙に愛情を注がなかった。
ただ、愛人たちと行う愛欲の玩具にしようとしただけだ。
最初の調教は八歳のときだったと思う。
妹の蘭玉は、まだよちよち歩きだったが、母親や愛人たちと一緒に、その光景を見ていたような気がする。
宝玄仙は、まだ宝玉であり、子供だった宝玄仙は、寝台に革帯で手足を拘束されて、妖しげな薬を股間に塗られ痒み責めにされて自慰を教えられたのだ。
それが最初の調教だった。
命令されれば、他人の前で自慰をしてみせる。
幼い女の子が淫らに自慰に耽るのを眺めることで、淫欲の舞台ができあがる。
そういう演出のために宝玄仙は、母親にそんな躾をされたのだ。
蘭玉と愛し合うことを強要されたのは十歳のとき……。
蘭玉は四歳だ。
裸になり前後逆さまに抱き合って、お互いの股間を舐め合うのだ。
幼い蘭玉の股間はそれで濡れることはなかったが、十歳にしてすでに絶頂を知っていた宝玄仙は、全裸で抱き合って見物する母親と愛人たちの前で、何度も達してみせた。
そういうようなことを毎日のように果てしなくやらされた。
それが宝玄仙の子供時代だ。
「母親と暮らしたのはいつまでだい?」
「十二だよ」
宝玄仙は言った。
母親が自分の愛人に宝玄仙を抱かせようとしたのが、その十二歳だった。
絶世の美女と称されて、神のような美貌と謳われた母親だったが、年齢にはかなわない。
だんだんと衰える自分の美しさの代償として、あの母親は宝玄仙を使おうとしたのだ。
自分の愛人が少女の宝玄仙を抱く。それを眺めることで、若い身体の自分が愛人に抱かれることを想像しようとしたのかもしれない。
もちろん、美貌を失くすことで離れていくかもしれない愛人をそれで繋ぎとめたいという思惑もあったようだ。
いずれにしても、宝玄仙は母親の思い通りにはならなかった。家を出て、天教の神殿に師事した。
宝玄仙の最初の師匠となった
そのときから、それが自分の名になった。
それから天教の神官としての宝玄仙の人生が始まった。
霊気も道術もすでに一流だった宝玄仙は、瞬く間に出世して、あらゆる天教の歴史を塗り替えながら、史上最も若い八仙にまで昇り詰めた。
「……それでいま、お前の母親はどうしているんだい、宝玄仙?」
七芽が耳元で言った。
「母親……は、もういないよ」
「死んだのかい?」
「さ、さあね……。ただ、あいつは、もう、わたしのことを覚えていない……。それだけさ……あ、あっ……」
「覚えていない?」
「わたし……わたしの記憶を消してやったのさ。道術でね……」
宝玄仙は言った。
「道術で記憶を消した?」
七芽の眼が大きく見開かれた。
「ああ……。あ、あいつと取引をしたのさ。わたしが神官長として故郷に戻った時にね……。二十一のときだよ。その頃には、わたしは、天教の僧侶として、かなりの地位にいたんだよ。それで故郷に戻った。く、九年ぶりの母親は……、少しも変わっていなかった。相変わらず綺麗で、毎日、淫欲に耽る生活を続けていたさ」
「それで……?」
七芽がすっと宝玄仙の乳房をぐっと絞りあげるように優しく擦った。
「ああっ」
突きあげるような鋭い愉悦に、宝玄仙はぶるぶると身体を震わせてしまった。
「ほらほら、続きだよ」
七芽の愛撫が続く。
宝玄仙はまるで操られているかのように、口を開く。
「……で、でも、本人だけは、自分の容姿が衰えたと思っていたらしいね。だから、わたしは、道術で死ぬまで変化しない永遠の若さを与えてやったのさ。母親も道術遣いだったけど、見た目の若さを維持するというような道術は遣えなかったんだよ。だけど、わたしはその道術が遣えた。だから、母親の望む見た目の若さを与えたんだよ、七芽」
「それが、記憶を失くすこととなんの関係があるのさ?」
七芽は不審な口調で訊ねた。
「わ、わたしたち姉妹についての記憶を失くすこと……。それが、わたしがあいつに若さを与える条件だったからさ」
宝玄仙は答えた。
九年ぶりに戻った母親の屋敷で、神官長の宝玄仙は取引きを申し出た。
母親が欲しがっている若さを与える。天教で修業した宝玄仙は、そんな道術は簡単にできるくらいに成長していた。
その代わり、自分たちについての記憶は消す。
十五だった蘭玉は、すでに母親やその愛人の性奴隷のような存在になっていたが、その蘭玉も宝玄仙が引き取る。
宝玄仙の提案はそれだった。
「母親から子供の記憶を奪うとはね……。残酷なことをするものさ」
七芽は言った。
「そ、そうでもないよ。ふたつ返事だったよ。母親は悦んで承諾したよ……。だから、あいつは、いまでも、まだ若いままで、あの場所にいるんだろうね。相変わらず、たくさんの愛人を屋敷に住まわせているんじゃないかな。ただ、自分に娘がいたことは覚えていないはずさ」
宝玄仙は大きく息を吐いた。
しばらく七芽は黙ったままだった。
相変わらず、張形は宝玄仙の女陰に挿さっている。
時折、七芽が身じろぎをして、宝玄仙に挿入されている張形が存在を主張する。
そのたびに、宝玄仙は小さな震えと喘ぎを繰り返していた。
「あの三人は……?」
七芽が話題を変えた。
「さ、三人というのは、沙那と孫空女と朱姫のことかい?」
「奴隷と呼んでいたね。本当にお前の奴隷なのかい?」
七芽が言った。
宝玄仙は声をあげて笑った。
笑うと股間の張形が揺すられて快感が迸る。
笑いの後に甘い息を吐いた。
「ま、まあ、そうだね……。手酷い手段で供にした三人だよ。道術で離れることをできなくして繋ぎとめている。そういう意味では奴隷だよ。あいつらを手放す気はないからね。一生、わたしの世話をさせるつもりだよ」
宝玄仙はうそぶいた。
「性の相手もさせるかい?」
「当たり前だよ。連中は性奴隷さ」
「成程ねえ」
「な、なにが成程なんだい?」
「……お前のことが少しわかってきたよ。やっぱり、わたしの勘は正しかったよ。お前は人一倍愛情に飢えている女だよ。満たされなかった母親との愛情を求めて、その代償として、激しい性愛に耽るのだよ。三人の供に求めていることも同じだね」
「同じ……?」
「……結局のところ、お前が求めているのは、あの三人の供からの愛情さ。母親から与えられなかったものを彼女たちに求めているのだよ。ただ、お前は、あの三人に対しては、母親役をやっているのさ。お前が唯一知っている愛情で、あの三人を愛そうとしているのさ。無意識かもしれないけどね」
「わかったようなことを言うんじゃないよ、七芽」
「そうだね。わかったようなことを言うべきじゃなかった……。じゃあ、また、始めようよ、宝玄仙」
七芽の唇が宝玄仙の唇と重なった。七芽の舌が宝玄仙の口の中に入ってくる。
宝玄仙の敏感な場所を舌先で撫ぜまわしてくる。宝玄仙もまた、七芽の口の敏感な場所を探してそこを舌で刺激した。
宝玄仙と七芽の舌と舌がもつれあう。
七芽の腰が動き出した。
激しい欲情が宝玄仙を襲う。
「あ、あああ……あひっ……はっ、はっ、はああっ──」
宝玄仙が七芽の背中に手を回した。大きな絶頂感が宝玄仙に襲いかかった。
*
寝台の下に転げ落ちた。
逃げようと思ったのだ。
しかし、立てなかった。
それで、宝玄仙は自分の腰がすでに抜けていることに気がついた。
「どこに行くんだい、宝玄仙?」
寝台から降りてきた七芽が、笑いながら床に四つん這いになっている宝玄仙に近づいてくる。
「ど、どこって……。きゅ、休憩だよ……。休憩──。お、お前、いい加減にしておくれよ」
宝玄仙は声をあげた。
「なに言っているんだよ、宝玄仙……。まだまだだよ」
もう外は明るくなりかけていた。
結局、夜通し続いた七芽との情交はまだ終わっていない。
達した回数も数十回を超えた。
さすがに限界だ。
責めるのは馴れているが、逆にここまで責められることについては馴れていない。
「す、少しだけ……休もうよ、七芽。お、お前のように、体力があるわけじゃないんだよ」
宝玄仙は悲鳴をあげた。
「体力がなくても、女はいつまでも情事を続けられるよ。それくらい、お前も知っているんだろう、宝玄仙」
七芽が宝玄仙の臀部を捕まえて引き揚げる。
完全に脱力している宝玄仙の身体は、七芽の大きな身体によって、簡単に持ちあげられる。
頭が下がってお尻が上にあがる。
その尻に七芽の股間の張形が当たった。
「そ、そこは駄目──」
宝玄仙は悲鳴をあげた。
この状態から宝玄仙の最大の弱点である肛門を犯される。
それがわかった。
宝玄仙の全身に恐怖が走る。
「なにを言ってるんだい、宝玄仙……。お前が、ここが弱いのは最初からわかっていたよ。だから、今の今までとっておいたのさ。あたしは、一番おいしいものは最後に食べる主義でね」
張形がゆっくりと、宝玄仙の肛門に挿入されてくる。
乳房が掴まれる。揉みしだかれる。
途方もない快感が宝玄仙に襲いかかった。
宝玄仙は縋れるものを探して、床に爪をたてた。
「はひいっ──ほおおっ──はあああっ──」
どんどん肛門の深い場所まで張形が入ってくる。
肛門の中でなにかが爆発する。
全身に快感が迸る。
宝玄仙の意識も砕け散る。
とてつもない快感──。
それだけが宝玄仙を支配する。
稲妻に打たれたような衝撃が宝玄仙を襲う。
もうなにも考えられない。
真っ白い光が宝玄仙を包む。
恍惚としたものが拡がる。
「宝玄仙、お前が気に入ったよ……。お前をこの
自分を犯している七芽が言った。
妖魔……?
突然に妖魔の気を感じた。
隠してたものが不意に出現した。
そんな感じだった。
だが、そんなことはどうでもよかった。
次第に消えていく意識の中で、宝玄仙はただひたすらに快感の波に翻弄されて、身体を痙攣させていた。
大きな快感が弾けようとしている。最大の絶頂が始まる──。
「はがあああ──な、七芽──も、もうだめっ──」
宝玄仙は絶叫した。
なにもわからない。
あまりにも大きすぎる快感──。
それが宝玄仙を支配している。
「七芽じゃない……。七雌妖さ。本当の名はね……。人間としては七芽──。だけど、本当は七雌妖という妖魔だよ。それがあたしだよ」
身体が浮かぶような錯覚──。
しかし、そうではない。
ただ、背後から犯されている。宝玄仙は床にしがみつくように指をたてながら発狂するような快感の中にいた。
宝玄仙は、確かに真っ白い光の中に浮遊していた。
快楽の限界──。
そこにいた……。
「気を失うのかい、宝玄仙──? それはやめた方がいいね。眼が覚めたら、すでにお前は七雌妖の奴隷に成り果てているよ。お前の全身に道術をかける。あたしから逃げられない奴隷にするためにね」
大きな笑い声が聞こえた。
「いくっ──」
宝玄仙は叫んだ。
それが宝玄仙の最後の意識だった。
とてつもないものが襲いかかり、それが宝玄仙の最後の意識を洗い流していった。