※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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329 特別性技講義(その3)・愛撫

「ね、ねえ……ご、ご主人様、もう……」

 

 朱姫は、両手を頭の上にあげたまま、堪えられずに身体をくねらせた。

 宝玄仙の命令で、羅刹(らせつ)という淫魔の性交術の練習台……というよりは、練習用の人形役をやらされて数刻経つ。

 

 この部屋には、朱姫と宝玄仙と羅刹の三人がいる。

 全員が裸だ。

 部屋の真ん中にある敷布の上に朱姫は立たされ、背後から羅刹の愛撫を受け続けていた。

 

 両手は頭の上から離してはならない。

 身動きしてはならない。

 声はいくら出してもいいが、しゃがんだり、肩幅に開いた脚を閉じてはならないし、膝を折ってはならない。

 それが宝玄仙の命令だ。

 

 その状態の朱姫の全身を羅刹が遠慮のない愛撫を続けている。

 羅刹の愛撫は、もう二刻(約二時間)は経っただろう。

 それを指導しているのは宝玄仙だ。

 

 宝玄仙は、羅刹に朱姫の身体を使って、女の身体の愛撫のやり方を指導している。

 それこそ、その指導の丁寧さは、ここまで指導しなければならないのかと朱姫が驚くほど執拗であり、指の角度から力加減。

 ちょっとした指の動きや、愛撫に連動した息の吹き方。朱姫の反応に応じた刺激の変化のやり方など実に細かい。

 ちょっとやっては、宝玄仙がやり方を直して、再び羅刹がやり、それをまた宝玄仙が指導する……というように続いている。

 

 いちいち中断されるので、達してしまうほどに追い詰められることはないが、あまりにもの執拗な羅刹の愛撫に、朱姫はもう腰に力が入らなくなっていた。

 閉じるのを禁止されている股からは、女陰から溢れた愛液が内腿を伝い足の指にまで滴り落ちていた。

 

 性行為の経験のなかった羅刹という若い淫魔に性の手ほどきをするということになり、宝玄仙が三人の供を使って、特別講義をするということになった。

 宝玄仙は奪われた道術を取り戻すために、どうしてもこの朱紫(しゅし)国で妖魔王と呼ばれる賽太歳(さいたいさい)に遭う必要があり、その妖魔城である獬豸洞(かいちどう)に向かっていた。

 しかし、獬豸洞に向かう方向に道術による炎の城壁があり、それを越える方法を探していたのだ。

 

 そのとき、この羅刹という淫魔がたまたま、この家の四人を襲うために侵入してきた。

 羅刹は淫魔としては新米もいいところであり、性経験もない未熟な妖魔だった。

 宝玄仙は、この淫魔見習いに、女を絶頂させるための性行為を教え、その代償として、羅刹は朱姫たち四人を炎の城壁の向こうに『移動術』で送るという約束をお互いに交わしたのだ。

 そして、宝玄仙の羅刹に対する性行為の講義の場所はここだ。

 朱姫たちは、隣の部屋に待機し、宝玄仙に呼び出されたら、羅刹の情事の練習の相手として、ここにやってくるのだ。

 

 最初に羅刹の相手をしたのは沙那だ。

 朱姫は、孫空女とともに待っていたが、壁を通して沙那の大きなよがり声は聞こえていた。

 感じやすい沙那のことだから、技量が多少稚拙の相手でも大袈裟に感じまくっているのだと思っていたが、いざ、羅刹の責めを受けてみると、宝玄仙の指導を受けながら加えられる羅刹の手管は、今夜が最初の性行為とは思えないくらいになかなかの技巧だった。

 

 いま、羅刹は背後から女の身体を刺激するやり方について、宝玄仙の指導を受けている。

 この段階に来るまでに、それこそ、頭の上から指の先まで、羅刹の手による刺激を受け続けてきた。

 もう、朱姫の身体に羅刹に触れられていないのは、股間そのものくらいのものだ。

 

「ね、ねえ……ご、ご主人様……」

 

「うるさいよ、朱姫……。しっかりと立ってな。お前が考えるのはそれだけだ──。そうだ、羅刹。脇の下に触れるときは、特に微妙な指の感覚が必要だ。力が弱すぎるとくすぐったいだけで、女はいっぺんに興を覚ましてしまう。しかし、力を入れすぎても愛撫にはならない。微妙な力加減はやって覚えるしかない……。そう、そうだ。うまいもんだ。流石は淫魔さ」

 

 宝玄仙が力のこもった指導を羅刹にしている。

 朱姫は脇の下に対する羅刹の責めを受けながら、仕方なく身体を逸らせて断続的に襲ってくる快感とも苦痛ともいえない刺激に耐えた。

 拘束されてはいないが、宝玄仙の命令は縄や鎖と同じだ。

 動くなと言われれば、どんなことがあっても我慢しなければならない。

 無防備な身体のあちこちを触られまくれなければならない朱姫は恥ずかしいし、甘美感もひと際だ。

 

「いいねえ……。そんな感じだ……。そうやって、できるだけ両手で刺激するのが大事だ。それから力加減については……」

 

「触るんじゃなくて擦るですね。わかっています、宝玄仙さん」

 

 羅刹の指が脇からすっと朱姫の胸の下あたりに移動する。

 

「ひううっ」

 

 乳房の下あたりを持ちあげられるように擦られて、朱姫は思わず声をあげた。

 羅刹も宝玄仙そんな朱姫など無視だ。

 朱姫はひたすらただ触られるだけの人形にされていた。

 

「……何度も言うけど、くすぐるような感じだけど、くすぐりとは違うんだ。だけど、言葉で表すとくすぐるようにとしか説明のしようがないんだ」

 

「でも、こつがわかってきました。こんな感じですよね」

 

 羅刹の手がまた脇の下に移動して、すっと身体の横をなぞる。

 

「あんっ」

 

 朱姫は身体を悶えさせながら、また声をあげた。

 

「くすぐったがる女の場合は、少しだけ強く触ってもいい──。そうじゃない。真っ直ぐに動かすんじゃない。愛撫の方向は曲線を描くようにだ。丸くだよ、丸く動かすんだ……。そうそう、丸く、丸く……。いいねえ。覚えておきな。それが基本だ」

 

 羅刹の手が朱姫の乳房を両手で撫でまわす。

 

「あふっ……」

 

 込みあがる快感が全身を駆け抜ける。

 

「ね、ねえ、ご主人様、そろそろ、もう、勘忍して……」

 

 長い愛撫で朱姫の全身はただれたようになっている。

 これ以上のしつこい愛撫はつらい。

 全身をこれだけ隈なく刺激されるのに、肝心の股間だけは触られないのだ。

 焦らし責めに遭っているようなものであり、朱姫の身体に渦巻く焦燥感は爆発しそうだ。

 

「うるさいと言っているだろう、朱姫──。それに、さっきから、お前はなんで、わたしに言うんだよ、朱姫……。お前の相手をしているのは羅刹だよ。ちゃんと羅刹に言いな」

 

 宝玄仙が笑った。

 

「で、でも……」

 

 朱姫は首を後ろに回して、羅刹の顔を見ようと思った。

 しかし、やっぱり、男を相手にするのはなんとなく苦手だ。

 男になんか絶対に触れるものかと思っていた時期もあったが、宝玄仙の供になって、もう、宝玄仙の命令で何度も男と性行為をさせられている。

 今更と思うのだが、やっぱり、面を向かうと苦手意識が湧き起こる。

 

「すみません、朱姫殿……。もう少し、付き合ってください。それとも、気持ち悪いですか?」

 

「き、気持ちはいいけど……」

 

 気持ちはいいけど、いい加減に埒を明けて欲しい……。

 そう言いたいのだが、さすがにそんなことを今夜あったばかりの妖魔に言えるわけがない。

 

「それとも、俺が苦手ですか?」

 

 羅刹の甘い声が息とともに耳にささやかれた。

 ぞわぞわとした感触に朱姫は思わず首をくねらせた。

 

「あふっ……」

 

「もう、すっかりと、朱姫殿の身体は覚えました……。まずは、耳です」

 

 羅刹が朱姫の耳元でささやいた。そして、急に唾液を朱姫の耳の中に入れてきた。

 

「ひっ」

 

 思わず悲鳴をあげた。

 そして、羅刹が唾液を耳の中に入れて、それを舐めとるように舌を動かす。

 

「あひん」

 

 全身に大きな震えが走った。

 朱姫は頭の上で手を組んだまま、首を丸めるようにすくめた。

 羅刹の手がすっと伸びて、朱姫の股間の肉芽を刺激した。

 

「あひいいいいっ──」

 

 峻烈な欲情が襲った。

 これまで焦らし気味だった愛撫が一転して、直接的に感じる場所に加えられたことにより、朱姫の身体ががっくりとなった。

 朱姫は膝を崩しそうになり、慌てて脚に力を入れた。

 しかし、羅刹がそれを邪魔するかのように、片手が朱姫の軽く開いている股間の内腿をするりと撫ぜる。

 内腿にはべっとりと朱姫の股間から漏れた愛液がついている。

 羅刹の手はそれをすくいあげるように、朱姫の脚の付け根まで動き、女陰そのものをくすぐるように指を動かした。

 

「いやあっ──はうっ」

 

 峻烈な刺激に朱姫は大きな声をあげた。

 がっくりと膝が折れて、朱姫の身体が前に傾いた。

 その身体を背後から羅刹の腕が掴む。

 

「おっと、大丈夫ですか、朱姫殿?」

 

「ひいっ──きゃあああああっ」

 

 羅刹が朱姫を背後から抱くように支えたので、羅刹の腰が朱姫のお尻にぶつかった。

 朱姫のお尻の亀裂に羅刹の男根が当たる。

 お尻に当たったのは、羅刹の怒張そのものだ。

 硬く勃起した肉棒の感触が朱姫のお尻の亀裂をなぞった。

 朱姫は思わず、それを避けようとして腰を思い切り前に押し出してしまっていた。

 

「おや?」

 

 朱姫が悲鳴をあげて、羅刹の腕を避けたかたちになったので、羅刹が戸惑いの声をあげた。

 

「朱姫──」

 

 宝玄仙の大きな怒声が部屋に響き渡った。

 

「す、すみません、ご主人様」

 

 朱姫は慌てて姿勢を戻す。

 宝玄仙の言いつけに逆らって、ついつい動いてしまったのだ。

 

「……動くなという、わたしの言いつけに背いて逃げるとは、なかなかにいい根性じゃないかい、朱姫。このところ、お前については、甘やかすことが多かったからね。こりゃあ、調教をやり直すべきかもしれないねえ」

 

 宝玄仙の冷たい声がした。

 朱姫は縮みあがった。

 そして、自分の顔から血の気が引き、蒼くなるのがわかった。

 

「ち、違うんです、ご主人様……。ただ、あたし、びっくりしちゃって……。そ、それだけなんです。さ、逆らうなんて……」

 

 朱姫は慌てて取り繕った。

 この宝玄仙を怒らせたらなにをされるかわからない。

 それは朱姫の身体の骨まで染みわたらせられている。

 

 供になったばかりの頃に、媚薬の道術の両方により五日間の焦らし責めにされた。

 媚薬浸けの身体を道術により絶頂禁止にされて五日間も放置されたのだ。

 あの苦しさはいま思い出しても震えが走る。

 そして、さらに、数箇月間も一日に三回の自慰をお尻でやらされた。

 来る日も来る日も、宝玄仙や沙那や孫空女の眼の前で、お尻で自慰をやらされたのだ。

 そのとき、宝玄仙の調教の恐ろしさは、朱姫の身体にしっかりと刻み込まれた。

 宝玄仙の調教には、およそ手加減というものがない。

 それこそ、発狂の一歩手前まで追い詰められる。

 それを笑いながらやるのだ。

 調教による官能の地獄に陥っている朱姫の姿を見て、面白くて堪らない様子で笑う宝玄仙のあの声は、まさに地獄の笑いだ。

 

「ごめんなさい、宝玄仙さん。朱姫殿は、俺が不慣れなので、少しばかり驚かせてしまったようです。申し訳ありません──。でも、朱姫殿、もう少し手伝ってくれませんか。淫魔として、なんとか一人前になりたいのです」

 

 羅刹が言った。

 そして、すっと羅刹の片手が、朱姫の片方の乳房を掴み、もう一方がお尻の亀裂をすっとなぞるように動いた。

 

「ひうううっ」

 

 一番敏感なお尻を刺激されて、朱姫は大きな悲鳴をあげて全身を硬直させた。

 しかし、今度は、羅刹が前に逃げられないように乳房を背後から掴まれているので逃げられない。

 羅刹の指が朱姫の肛門を探り当てて、指先を朱姫の肛門に入れた。

 

「ひやっ、ひやっ、ひやっ……」

 

 羅刹の指がくねくねとした動きをしながら、ゆっくりと朱姫の肛門に挿入してくる。

 朱姫は羅刹の思わぬ行為に、無意識のうちに、羅刹の肛門に加わる指を避けようとするように激しく身体を反応させた。

 でも、逃げられない。

 朱姫の身体は、しっかりと羅刹が押さえている。

 

「宝玄仙さん、そろそろ、朱姫殿は限界のようです。交替にしてあげてもよろしいのでは?」

 

 羅刹が言った。

 

「そうだね──。じゃあ、羅刹、朱姫との本番に移行しようか。沙那を相手に学んだことを思い出しながら実践するんだ。まだ、応用はいい。基本通りにね」

 

「わかりました」

 

 羅刹は言った。

 さっきまで女と性行為をしたことがなかったというのが信じられないほどに羅刹は落ち着きように思えた。

 そのことについて朱姫は少し驚いたが、とにかく、そろそろ解放されそうでありほっとした。

 

「ところで、さっきわかりましたよ。ここが朱姫殿の弱点ですね、ふふふ……」

 

 羅刹が笑った。

 朱姫の肛門には、まだ羅刹の指が入ったままだ。

 少しの間、指はとまっていたが、その指がくねくねと動き出す。

 

「いやっ、あああ」

 

 あまりもの快感に逃げようと思うのだが、まだ動いていいという許可はないので、朱姫は両手を頭の上にあげている。

 その状態の朱姫を一本の指で羅刹が責めてたてる。

 

「ひうううっ」

 

 腰が激しく反応した。

 あっという間に全身におこりのような震えが発生する。

 

「一発でわかりましたよ、朱姫殿。ここは朱姫殿の弱点なんですね」

 

「あひいいっ──あううっ──」

 

 脳天を官能の槍が突き抜ける。

 その直後に全身を砕くような快美感が全身に走った。

 快感が肛門から女陰に拡がり、ずんと子宮が弾けた。

 全身ががくがくと震え、朱姫は羅刹に押さえつけられたまま気をやった。

 

「ははは、朱姫の弱点はお尻だからね。よくわかったね……。そこをいじくれば、朱姫は面白いように絶頂を繰り返すよ」

 

「教えられたとおりにやっただけです。朱姫殿のお尻に触れたときの反応がまったく違っていましたからね」

 

 羅刹がそう言いながら、まだ指で朱姫の肛門に指を入れたまま動かしている。

 朱姫は再びやってきた絶頂の予感に激しく全身を悶えさせた。

 羅刹から責めを受け始めてから数刻──。

 はっきりとした絶頂は、いまが初めてだった。

 もっとも、軽い絶頂については、もう何度も朱姫は繰り返していた。ただ、そんなものとは比べものにならないくらいに、肛門で激しく朱姫はいってしまった。

 朱姫が指でいったのを確かめると、羅刹はやっと朱姫の肛門から指を抜いてくれた。

 

「そろそろ、いいだろう。朱姫、横になりな」

 

 宝玄仙が言った。

 朱姫は達したばかりの気だるい身体を倒した。その朱姫の裸身に羅刹の裸身が覆いかぶさってくる。

 

「いきますよ、朱姫殿」

 

「う、うん」

 

 羅刹の男根の先端が朱姫の女陰に押し入れられた。

 朱姫の狭い粘膜を押し入れるように侵入してくる。

 

「あ、あっ、ああっ……」

 

 朱姫は息を吐いて身体の力を抜くことにより、羅刹を受け入れる態勢を作る。

 羅刹が入ってくる。

 朱姫は息を吐いた。

 

 しかし、羅刹は拙速には責めてこない。

 ゆっくりと腰を朱姫の女陰に沈めてくる。

 宝玄仙の指示によるものだろうか……。

 羅刹は、朱姫が焦れったさを感じるくらいに少しずつしか貫いてはこない。

 ゆっくりゆっくりと朱姫のぐしょぐしょに濡れている粘膜の感触を味わうかのように羅刹は肉棒を朱姫の女陰に埋めている。

 じりじりと朱姫の肉襞を怒張を押し割っていくる。

 

「そ、そんな……」

 

 遅すぎる……。

 これまでに、朱姫を犯した男たちは、誰も彼も発情した雄獣ように朱姫の股間に怒張を突き入れ、荒々しく出し入れしては、少しでも早く射精しようとしたような気がする。

 しかし、羅刹の挿入は、そんな行為のどれとも異なっていた。

 まるで時間がとまっているかのように少しずつ朱姫に挿入しようとしている。

 こんなにゆっくりと挿入されるのは生まれて初めてだ。

 その分、朱姫の焦燥感と期待感は高まってしまう。

 朱姫の顔の表情、仕草、身体の震え、流れる汗の一滴さえも見逃すまいとするような羅刹の視線を感じる。

 

 男なんて絶対に受けれたくないと思っていたことを思い出す。

 しかし、いま、朱姫のどこかに、この優しげな若い淫魔の怒張を受けとめたいという積極的な感情が湧き起こっている。

 羅刹の熱い視線がじりじりと湧き起こる官能の波に押しあげられる朱姫をいたたれない気持ちに変える。

 

 ついに朱姫の膣の最奥に羅刹の怒張の先端が到達した。

 羅刹の腰がゆっくり動き出す。

 

「はうううっ……」

 

 朱姫は思わず長くて深い嬌声をあげた。

 羅刹の腰の動きは、朱姫の予想したものではなかった。

 荒々しく抽出を始めるのかと思えば、羅刹は深々と挿入したまま、朱姫の女陰の周りを押し揉むように動きはじめたのだ。

 抽出しなければ羅刹には快感がないはずだ。

 しかし、よく考えれば、淫魔である羅刹は、自分が快感を得るために性行為をするわけじゃない。

 羅刹のような淫魔が性行為を行うのは、相手の女の快感を呼び起こして、淫気を発生させるためだ。

 つまり、羅刹はひたすらに朱姫の快感をあげるためだけに責めたてるのだ。

 

 やがて、激しい放逸がやってきた。

 快感が突き抜ける。

 朱姫は大きな絶頂をしながら羅刹をしっかりと抱きしめていた。

 飛翔するような感覚とともに、朱姫は眼の前の羅刹を感じていた。絶頂しながら男の身体を掴むなど、生まれて初めての行為ではないだろうか。

 そんなことを思った。

 

「見事なものさ、羅刹……。さすがは淫魔だよ。一度、教えれば、見事なくらいに貪欲に性の技を吸収するものだね」

 

 絶頂の余韻に浸っている朱姫に、宝玄仙の感心している声が聞こえた。

 ふと、朱姫は宝玄仙のいる方向を見た。

 宝玄仙は、全裸で床にあぐらで座り、朱姫と羅刹に視線を視線を送っていた。

 

「ありがとうございました……。朱姫殿が落ち着くまでこうしていますよ」

 

 顔の前の羅刹が微笑みながらささやいた。

 まだ、羅刹の怒張は朱姫の膣に挿入したままだ。羅刹は射精はしていないはずだ。

 おそらく、射精が淫魔の目的ではないから、それは必要のない行為なのだろう。

 朱姫が絶頂し、大量の淫気を発生させた。

 それを吸収したことで、この淫魔は十分なものを得たに違いない。

 

「も、もう、落ち着いているよ」

 

 自分がこれだけ翻弄されて、深い絶頂に酔ったようになっているのに、たったいままで性行為をしたことさえなかった雄妖が、性行為の後に余裕のある表情で朱姫に優しげな視線を送る……。

 朱姫はなんだかそのことが恥ずかしくなり、羅刹を押しのけるようにして、自分の身体を裸身の身体から這い出させた。

 

「まだ、二人目ですが、性交術のこつがわかってきた気がしますよ、宝玄仙さん」

 

 羅刹が言った。

 

「ほう、さっきまで、性交が怖くて小さくなっていた情けない淫魔見習いのくせに語るじゃないか……。じゃあ、性交術の基本を言ってみな、羅刹?」

 

 宝玄仙が笑いながら言った。

 

「相手をしっかりと見ること──。これひとつです」

 

 羅刹の答えに宝玄仙は満足気に頷いた。

 

「いずれにしても、朱姫を恥らわせるなんて、なかなかのものさ──。もう、ほとんど教えることはないし、事実上の講義はこれで終わりだけど、せっかくなんで、残っている孫空女とわたしも抱いていきな」

 

 宝玄仙がそう言うと、羅刹がにっこりと微笑んだ。

 とても優しげな笑みだ──。

 なんとなく朱姫はそう思った。

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