「さ、沙那姉さん、しっかりして──」
朱姫の切羽詰った叫び声が聞こえた。
それで、沙那は顔をあげた。
どうやら、自分は顔を水面に浸けて溺れかけていたらしい。
しかし、覚醒と同時に全身が砕けるような疲労感が襲ってきた。
水の中とはいえ、立ったままの姿勢を保持することは、いまの沙那には大変な苦痛だった。
それくらい疲労困憊していた。
この屋敷に監禁されてからどのくらい経ったかわからない。
とにかく、
達した回数は数十回にもなっただろう。
いまは、用事があるということで一時的に責めを中断されたところだった。
その間、休んでいいと言われたが、ただ休めるわけがないと思った。
案の定、麗芳が壁を操作すると突然、床に丸い穴が開いて、麗芳はその中に沙那たちを蹴り落としたのだ。
金属の首輪の後ろに両手首を繋げ、両膝に金属の棒を挟んで股を閉じられないように膝枷をつけさせられている沙那と朱姫に抵抗の手段はなく、ふたりで床に掘った井戸のような場所に落ちていった。
その床に掘られた丸い井戸のような場所には、爪先立ちの朱姫の顎に達するほどの水が入っていた。
突き落とされた沙那と朱姫は、拘束された身体をなんとか立ちあがらせると、顔を水面の上に出した。
顔をあげると突き落とされた床までの高さは、人間ひとり分くらいの高さであることがわかった。
床の部分から、麗芳が沙那たちを見下ろしていてから、用事があるから、そこでそうしていろと言い残していなくなったのだ。
上の床の部分にがしゃりと金属網の蓋がされて、鍵を締める音がした。
水は冷たくはなかった。
どちらかといえば、ぬるいくらいだ。
そして、沙那たちが入ると水が勢いよく回りだした。
ただの水ではないと気がついたのはすぐだった。
肌が熱い。
特に乳首や肉芽が痛痒いような疼きに襲われる。
それは静かだった水がふたりが入ってすぐにぐるぐると回転しだすと、もっと顕著になった。
水ではなく、まるで柔らかい繊毛に全身を愛撫されているような錯覚に陥る。
すぐにここが媚薬の井戸だと悟った。
水が当たるだけでぴりぴりと全身に疼きが走る。
しかも、回転する水の中に浮き玉のようなものが無数に入っていて、水の動きとともに、沙那たちの裸身を刺激するようになっていた。
沙那の身体は一度達すると、際限のないほどの敏感な身体になってしまう。
水が動く刺激など大したことはないはずなのだが、全身に当たり続ける得体の知れない浮き玉がくすぐったくて、次第にそこから快感を受けてしまう。
それで、水に浸かりながら小さな絶頂を連続でしてしまい、それまでに数十回の絶頂で失神寸前だったこともあって、ついに意識を手放しそうになったのだ。
そのため身体が倒れて顔が水面に浸かってしまったらしい。
朱姫の悲鳴はそれで発せられたようだ。
「だ、大丈夫よ、朱姫……」
沙那はなんとか姿勢を戻す。
「ちょ、ちょっと待ってください、沙那姉さん」
沙那と同じように両膝に肩幅ほどの金属の棒を挟んだ膝枷をされた朱姫が、不自由な動きで両脚を交互に出して沙那の方に進んできた。
そして、沙那の身体を支えるように身体を密着させてきた。
朱姫もまた首輪をされて両手首をその後ろの金具の手枷に拘束されている。
背の低い朱姫では水面が顎に迫る。
それで、顔を上にあげるようにして、鼻と口を浮かせなければならないようだ。
朱姫は、沙那の顎の下に自分の頭を置くようにして、沙那が倒れないようにしてくれた。
「だ、大丈夫だから……」
沙那はなんとか言った。
でも、本当はありがたい。
こうしている間にも水の刺激は沙那を襲い続けて、沙那の体力を少しずつ削っている。
実際はこうして立っているだけでも苦痛なのだ。
「い、いえ……。あ、あたしもこうしていると沙那姉さんに身体を預けられるので楽なんです」
朱姫は言った。
朱姫の顔も上気して、身体はつらそうだ。
あの麗芳にふたり並べられて、さまざま性具で責められ続けた。
沙那ほどではないが、朱姫だってかなりの数の連続絶頂をさせられている。
身体を苛む虫やおかしな器具を全身につけられて、身体の体液という体液を迸らせるように達し続ける朱姫を沙那も見ていた。
もちろん、沙那も同じように連続絶頂責めにされた。
なんのためにそんなことをされているのかわからなかったが、ここにはいない宝玄仙と孫空女を含めて、沙那たちを性奴隷にしようとして調教しているということはなんとなくわかってきた。
沙那と朱姫を責めているのは、麗芳という雌妖だが、どうやらほかにもこの屋敷には雌妖がいて、別の場所で宝玄仙と孫空女を責め続けているらしい。
「や、やっぱり、道術は駄目なの、朱姫……?」
沙那は荒い息をしながら顔の下の朱姫に訊ねた。
「だ、駄目です……。あ、あたしの道術も封じられています。き、きっと、あの若い青年のような妖魔が
「鈴の音……」
「ええ……。国都の軍営でご主人様が道術を封じられたときにも鈴の音を聞いたとおっしゃっていましたから、それも同じ賽太歳だったに違いありません……」
朱姫がつらそうに言った。
こうしている間にも水の中の玉が沙那たちを刺激し続ける。
朱姫も股間や胸にくすぐるような刺激を受け続けているはずだ。
それは沙那と同じように、朱姫も甘い息を漏らしていることからもわかる。
「そ、そう……」
沙那は頷いた。
長女金──。
いまでは、あれは長女金の偽者だったと確信しているが、彼女の案内で妖魔の土地を進み、ある屋敷の前に連れてこられた。
そこは平屋の屋敷であり、玄関に立つと『結界罠』が作動してどこかに跳ばされた。
偽者の長女金からは、この屋敷の特別な造りとして、玄関からではなく、そこに刻まれた『結界罠』の道術により屋敷の中に入らなければならないと言われていたので、それについてはびっくりしなかった。
しかし、跳躍した先は、真っ暗闇の地下室のような場所であり、意識を失わせる毒の空気が充満されていた。
抵抗することもできずに、沙那をはじめ、ほかの三人もその毒の空気で気を失ってしまった。
沙那が覚えているのはそこまでだ。
次に沙那が知覚したのは「調教部屋」であり、それが頭上の網の蓋がされた床のある部屋だ。
眼が覚めた沙那は朱姫とともに、すでに全裸にされておて、両手と両脚を枷で拘束されていたのだ。
沙那と朱姫の前に立っていたのが麗芳であり、すぐに永遠に続くかと思うような色責めが始まった。
身動きできないように両脚を拡げて立たされて、全身を鳥の羽のようなものでくすぐられた。
そして、沙那と朱姫が少しでも感じた場所に、小さな芋虫のようなものを乗せられた。
それは、ちくり肌を刺して体内に強烈な媚薬を注いで、その部分を異常な感度にしてから、身体を震わせて刺激するのだ。
その虫を麗芳は「淫虫」と呼んだが、沙那と朱姫は、その淫虫を全身の性感帯という性感帯につけられた。
その淫虫責めで、まずは沙那も朱姫も果てしない絶頂地獄を味わった。
達しては責められ、責められては達した。
淫虫責めの後も色々な性具で責められ続けた。
あまりの絶頂回数の多さに、沙那は息もできなくなり、何度も意識を手放した。
それでも無理矢理に覚醒させられて、朱姫とともに責められる。
限度を超えた快楽は苦痛でしかない。
まさに、それは快感の地獄だった。
それでも、責めの間に麗芳は時々席を外すことが多かったので、なんとか朱姫と情報交換をして、なにが起きたのか、そして、ほかのふたりがどうしたのかを探ろうとした。
でも、朱姫もそれほどのことを知っているわけでもないようだった。
ただ、賽太歳だと思われる若い妖魔に、朦朧とした意識の中で最初に倒れた部屋で接したような気がするということだけは言った。
それだけが沙那の知らない情報だった。
「ああっ、はんっ」
沙那の膝ががっくりと崩れた。
渦巻くように回転する水に浮かべられた玉が沙那の勃起した乳首の先端に触ったのだ。
その刺激で沙那は艶めかしい声をあげてしまい、身体を崩しかけた。
回転する井戸の水に入っているその無数の浮き玉は、水の回転とともに動いて、沙那や朱姫の全身のあちこちを刺激し続けていた。
「ふふふ……、沙那姉さん、相変わらず、感じやすいですね……。ち、乳首を舐めて悪戯したくなっちゃいますよ……」
崩しかけた沙那の態勢を顔で支えてくれた朱姫が小さく笑った。
「の、呑気なことを言うんじゃないわよ、朱姫……。そ、それよりも、なんとか脱出できないかしら……」
脚に力を入れ直した沙那は上を見あげた。
手足が自由でさえあれば、手を伸ばせば沙那の跳躍力ならぎりぎり縁まで届かないことはない。
しかし、両手首はしっかりと首輪の後ろに装着されていて外せそうにない。
また、両膝の枷は、なんとかがに股でゆっくりと歩くことはできるが、自由に動くことは不可能だ。
「あ、あんたがわたしの肩にあがれば……」
朱姫が沙那によじ登って肩に載れないだろうか。
床部分の蓋には鍵がかかっているようだが、身体を突きあげるように力を入れれば……。
「どうやって沙那姉さんに登るんですか……?」
朱姫が途方に暮れた表情をした。
「そうよねえ……」
やはりどう考えても無理だ。
不可能だから見張りも立てずに、麗芳は沙那たちを残していったのだ。
沙那は嘆息した。
「ひうっ」
今度は朱姫が声をあげた。
どうしたのか……?
そう言おうとして、沙那にもなにかに股間を襲われた。
「ひっ……、な、なに?」
沙那も声をあげた。
水に混じって沙那や朱姫の全身を軽くなぶり続けた浮き玉の刺激ではない。
もっと、しっかりとした別のなにかだ……。
驚いて水面を覗きこんだ。
「な、なに、これっ」
「うわっ」
朱姫とふたりで同時に叫んだ。
いつの間にか水の中に小さな蛇を思わせる長い無数の細い魚が泳いでいる。
慌てて周りの丸い壁面を見た。
なにもなかった井戸の壁にたくさんの小さな穴が開いている。
そこから、次から次にその長細い魚が出てきているのだ。
「こ、これ……、
朱姫が悲痛な声で叫んだ。
「しゅ、襲雌魚ってなによ──?」
沙那は悲鳴をあげた。
その魚があっという間に沙那の股間にたかってきたのだ。
沙那の腰の周りを覆い尽くすように魚が集まり、そのぬるぬるとした皮膚を沙那の敏感な場所に擦りつけてくる。
「しゅ、襲雌魚は……よ、妖魔の国に棲む魚で……そ、その特徴は……ひいいっ……に、人間や妖魔の体液を餌にすることで……そして、そして……、あはああっ……人間の肌に触れると……そ、それを……身体の表面や口で吸い取ろうとして寄って……きます……。そ、それから、それから……ひゃああっ……」
「あ、あああっ……、そ、それから……あひっ、な、なによ──?」
沙那もまた襲雌魚という魚の刺激に全身を悶えさせながら叫んだ。
すでに魚が沙那の肛門や女陰に群がって吸い尽くそうとしている。
もう沙那の腰の周りには百匹はいるんじゃないだろうか……。
もちろん、朱姫の周囲にもいるが、沙那の周りに集まっている数は、その比じゃない。
「と、とりわけ……女の蜜が好きなんです。か、感じちゃいけませんよ、沙那姉さん──。感じすぎると、蜜を求めて、群がってくるだけじゃなく、穴に入ってきますよ──ひいいいいっ」
「も、もう、お、遅いわよおっ──ひゃあああ」
沙那は奇声をあげた。
百匹以上の襲雌魚が襲いかかり、沙那の股間に鈴なりになっている。
肉芽を吸い、内腿を擦りまくり、さらに勢いのいい魚が先を争って沙那の股間を突いて内部に潜ろうとしている。
股を閉じられない沙那には、それを防ぐ方法がない……。
沙那はぬるぬるとした体面の魚が女陰を潜り込むこの世のものとは思えない感覚に絶叫した。
「でも、我慢して……我慢してください……沙那姉さん──ひぐうううっ……あまり女の蜜を……出しすぎると……女陰だけでなく、後ろにも餌があると思って入ってきますよ……あん、あひっ、ああああ……」
朱姫が叫びながら激しく身悶えている。
「か、感じるなって……ど、どうしたらいいのよ──」
沙那は叫んだ。
すでに女陰の中に襲雌魚が入り込んでいる。
沙那の女陰に潜り込んだ襲雌魚は一匹ではないだろう。
この圧迫感と暴れ方は二匹、いや三匹かもしれない。
それどころか、まだ沙那の女陰の入口ではさらに潜り込もうとしている襲雌魚が暴れ回り、沙那の女陰の肉芽といい、襞といい、とにかくあらゆる場所を刺激し続ける。
「感じちゃだめ、感じちゃだめです……あはあっ──」
朱姫は一生懸命に叫んでいる。しかし、その朱姫の感極まった声から察すると朱姫もまた女陰に潜り込まれているのかもしれない。
いずれにしても感じるなと言われてもどうしていいかわからない。
「感じたらだめです……。後ろに、後ろにくるんです……いやあっ」
朱姫が泣くような声をあげた。
一生懸命に腰を振って、まとわりつく襲雌魚を払おうとしている。
沙那も真似をして腰を振るが、不自由な身体ではほとんど効果がない。
そして、ふと思った。
朱姫は、さっきから後ろがどうのこうのと一生懸命に言っていないか……。
「ねえ、朱姫、後ろって……?」
「前からの蜜が多すぎると、匂いだけでその獲物の身体に入り込もうとします。つまり、蜜がなくても、お尻の穴に潜ってきます……。だ、だから、前の穴に入られても……が、我慢しなきゃだめなんです……いや、ひいいんっ……は、離れて、お願いだから寄ってこないでえ──」
「お、お尻──?」
沙那は絶叫した。
冗談じゃない……。
我慢しなきゃ……。
でも、快感が強すぎる。
それに魚の刺激によりさらに沙那の身体は燃えあがって水中で汗をかいているのか、てらてらと光る襲雌魚の肌が沙那の胸や、背中や脇やわき腹を擦りまわす。
いや、そこだけじゃない。
もう全身だ。
臍や太腿、膝、とにかく全身のあらゆる部分をぬるぬるとした胴体で擦り、頭をぶつけてくる。
「ひうううううっ──」
沙那は身体を震わせた。
軽くいってしまった。
耐えることなどできなかった。
まるで無数の手によって全身を同時に愛撫されているようなものなのだ。
くすっぐたさと快感が同時に、しかも、沙那のありとあらゆる部分の全身を襲い続けるのだ。やっぱり耐えられなかった……。
「うはああああ──」
胯間に強烈な刺激が走った。
沙那の股間にまた新しい襲雌魚が潜り込んだのがわかった。
数匹でいっぱいだった沙那の女陰に強引にさらに割り込んでくる。
それが強く肉襞を刺激しながら奥に奥に……。
「あはおおおおっ──」
沙那は全身を大きく仰け反らせた。
続けて達してしまった。
今度はかなり激しく気をやってしまったと思う。
するとこれまで以上の襲雌魚が沙那に殺到した。
いままで朱姫の腰に張り付いていた襲雌魚までも、沙那の発した淫液に反応したのか、狙う獲物を変えて沙那に向かってくる。
荒々しく女陰を暴れ回る襲雌魚の責めは快感というにはあまりにも激しい。
引き裂かれるように女陰を抉る襲雌魚の刺激によって、沙那はまたもや大きな絶頂をした。
「あはあああ……」
沙那の頭が反り返り、次に反動で前に倒れた。
朱姫は襲雌魚の責めで沙那の身体を支える位置から離れていた。
支えのない沙那の頭はどぼんと水面に沈んでしまった。
朱姫が沙那を呼ぶ声が聞こえた気がする。
しかし、だんだんと意識が遠くなり、それも気にならなくなる。
いきなり顎に強い衝撃を感じた。
口に痛みが走る。
朱姫が水中で沙那の顎に頭突きをしたのだとわかった。
慌てて顔を水面に出す。
「はああっ……」
大きく息をする。
その間にも無数の魚が沙那の股間と全身を責め続けている。
「し、しっかり……して、沙那姉さん──」
朱姫が悲痛な表情で叫んだ。
「だ、大丈夫……」
なんとか言った。
だが、悶絶しかけた沙那に新しい脅威がやってきたのがわかった。
背中側に集まっていた襲雌魚が沙那の肛門の入口を小突きはじめたのだ。
「ひゃあああ……しゅ、朱姫──ど、どうしたらいいの? さ、魚が……魚が……魚がお尻に……お尻に入ろうとしているの──」
沙那は悲鳴をあげた。
「か、感じないで……感じちゃだめです……」
朱姫が息も絶え絶えの声で叫んだ。
感じるなと言われても無理だ……。
だから、どうしたらいいのか訊いているのだ……。
「はがああっ──」
沙那の固くすぼまった菊門に一匹目の襲雌魚が侵入してきた。
沙那は喉から絞り出すように絶叫した。
反射的に身動きのできない腰を懸命に振った。
肛門を絞りあげて、なんとか襲雌魚の侵入を阻もうとした。
「だ、だめえぇぇぇぇ──、ひうううっ」
今度は前だ。襲雌魚の肛門への侵入を阻もうと力を込めた瞬間に女陰に潜っている魚がこれまでにない獰猛さで暴れたのだ。
沙那はすぐにその理由を悟った。
肛門の筋肉と女陰の筋肉は連動している。
それは宝玄仙から教わった。
沙那たちは女陰で物を喰い締める訓練を何度もやらされたが、そのためによく肛門を締めろと宝玄仙に教わったものだった。
肛門の筋肉を締めると、女陰の筋肉も締まるという仕組みらしい。
だから、いま沙那が襲雌魚の侵入を防ごうと肛門を締めたことで、女陰に潜り込んでいた襲雌魚が激しく締めつけられたのだ。
それに苦しんだ襲雌魚が激しく暴れだしたということだ。
いずれもしても、沙那はもうこれでにっちもさっちもいかなくなった。
女陰から激しい刺激を受けて沙那の肛門が緩んだことで、すでに襲雌魚が肛門の奥に入ってしまった。
それを拒むために力を入れれば、女陰で襲雌魚が暴れる。
女陰で魚に暴れられれば快感で沙那の全身からは力が抜ける。
すると、さらにお尻の奥に襲雌魚が進むようなのだ。
そもそも、沙那の中に入ろうとしている魚はこれで終わりではない。これ以上は襲雌魚が入り込みようのないようなふたつの穴だが、それでも襲雌魚たちはさらに潜り込もうと殺到してくる。
「あはああっ……」
沙那はまた激しく絶頂した。
「あ、あたしもだめえぇ──」
沙那の前の朱姫が沙那に合わせるかのように身体をぶるぶると震わせて果てた。
朱姫の身体が一瞬沈んだ気がした。朱姫は沙那とは違って背が低い。
水面が首のところまである沙那に対して、朱姫は爪先立ちでなんとか鼻を口を水の上に出せるくらいなのだ。
少しでも姿勢を崩せば、朱姫は水面に顔を沈めてしまう。
「しゅ、朱姫──」
沙那は叫んだ。
しかし、すぐに朱姫は態勢を戻して顔をあげた。
「だ、大丈夫……」
にっこりと微笑みかけた朱姫の眼が大きく開き、その表情が変わった。
「い、いやあああ──」
朱姫ががこれまでにない絶叫をした。
「ど、どうしたの、朱姫……?」
「お、お尻いいぃぃ──」
朱姫が暴れだす。
沙那はそれで悟った。
朱姫も沙那と同じように肛門への襲雌魚の侵入を許してしまったのだ。
朱姫の身体ががくがくと痙攣した。
「ひぐうううっ」
朱姫の身体が仰け反った。
沙那の股間に群がっていた襲雌魚が一斉に朱姫の方向に動いた。
もちろん沙那の股間にも残っているが、かなりの数が今度は朱姫の股間に鈴なりに集まった。
「いくうっ」
また朱姫の身体がぶるぶると震えた。
朱姫は肛門が弱い。
弱すぎるのだ……。
でも、沙那もいまはそれほど朱姫のことを構えない。
新しい絶頂の波が沙那を襲おうとしていた。
前後に入り込んだ襲雌魚が連動するように全身を暴れさせている。
「いくっ──」
沙那は声をあげた。
もう歯止めがきかない。
沙那は自分がこれから際限のない連続絶頂をしてしまう予感に襲われた。
「あはああっ──、さ、沙那姉さん──」
朱姫がひと際大きな叫びをするとともに、今度はがっくりと身体を倒した。
「しゅ、朱姫──」
沙那は肩で慌てて朱姫を支えた。
沙那の肩にもたれかかった朱姫が、朦朧とした表情を沙那に向けた。
「あ、ありがとうございます……ひいっ」
微笑みかけた朱姫の顔が仰け反った。股間と肛門の襲雌魚がまた暴れているのだろう。
沙那も同じだ。
朱姫を励ましているようなことを口にしているが、沙那ももう限界だ。
しかし、これだけ深い水深ではいくら絶頂しても姿勢を崩すわけにはいかない。
膝枷をされた脚を拡げて立ったままの姿勢でいなければならないということだ。
つまり、襲雌魚の責めに無防備の態勢を晒して置かなければならないのだ。
「が……、頑張ろう、朱姫……あはあっ」
「は、はい、ひいっ───、沙那姉さん……。沙那姉さんも……」
ふたりで身体を支え合って壁にもたれるようにした。これで少しは違う。
沙那の肛門には新しい襲雌魚が侵入を果たそうとしていた。
悲痛な悲鳴をあげた。
その悲鳴に朱姫の嬌声が重なる。
沙那と朱姫の全身を襲雌魚が覆い尽くし、身体中の敏感な場所を苛んでいる。
もう限界……。
沙那と朱姫の周りにはもうびっしりと襲雌魚がたかっている。
その一匹一匹が狂おしい快感を全身に呼び起こす。
「いぐううっ」
沙那はまた絶頂した。
すると朱姫がそれに合わせるかのように身体を仰け反らせて大きな声をあげた。
死ぬ──。
いきすぎて倒れたら溺れ死ぬのだ……。
ましてや、連続絶頂で失神するようなことがあればそれで終わりだ……。
果てしなく激しい絶頂の快感に、沙那は死の恐怖を感じていた。
沙那は朱姫の身体を支えた。
そして、朱姫も沙那の身体を支えていた。
沙那と朱姫は、襲雌魚の怖ろしいほど強い刺激に懸命にふたりで励まし合って水面から顔を出し続けた。