「さっき、なにを聞いていたのよ、沙那。しっかりと腰を使えと言っているじゃないの。奴隷を公開する晩餐会は明日なのよ──。お前たちには、演技をした後で、客たちの相手を死ぬほどやってもらうことになっているのよ。お前が悦ぶんじゃなくて、相手を悦ばす技を覚えろといっているのがわからないの? 晩餐会は明日なんだから、もっと気合を入れな──」
沙那は、大きな卓に上半身を倒すようにうつ伏せにさせられて、両手と卓上に備え付けられた金具でしっかりと固定されている。
両脚は床につけているが卓の脚に左右から伸びた鎖によって大きく開脚されて足首に枷を嵌められている。
つまり、沙那は大きく脚を開いて卓の前に立ち、両手を伸ばして上半身を倒して乳房を卓の台上に密着したような格好にされているのだ。
それを麗芳が後背位で沙那を犯している。
下袴の上から革紐で張形を股間に装着して、沙那の女陰を突いているのだ。
明日、春嬌が主催の晩餐会が一階で開かれる。
そこで、春嬌の奴隷として披露された後、沙那と孫空女は集まった妖魔の客たちの性の相手をいまやっている状態ですることになっているのだ。
公開調教が終わった後、中央付近のふたつの卓から料理などが片付けられて、孫空女とふたりでこうやって客たちにお尻を向けて拘束されるらしい。
そして、沙那や孫空女に興味を抱いた妖魔が犯し放題になるということだ。
そのための練習をさせられているのだ。
沙那は雄妖の怒張に見立てた麗芳の股間につけた張形を女陰に挿入されている。
しかし、沙那は、いくら麗芳が教えても、挿入されてから沙那自身が達する時間が短すぎて、客が悦ぶような腰遣いをする暇がない。
そのため、どうしても言われたような腰の動きをすることができなくて、教育係を務めている麗芳がついに腹を立ててしまったのだ。
「わ、わかっているのよ……。わかっているの……」
沙那は息も絶え絶えに言った。
「わかっていたら、やりなさい、沙那」
麗芳が背後から沙那の股間を張形で突いたまま、ぴしゃりと沙那の腰の横を叩いた。
「沙那は感じやすいんだよ。しょ、しょうがないじゃないか」
沙那の隣の卓で、まったく沙那と同じ格好の孫空女が沙那を庇うように叫んだ。
孫空女もまた、綺芳が股間に装着した張形を後背位から突かれて性交の練習をさせられていた。
「お前も人のことはいいのよ、孫空女──。他人のことを心配するのは、言われた技をしっかりとやってみせてからよ──。次は、お尻でいくわよ。腰を動かして客を歓ばすのよ」
孫空女の相手をしている綺芳が、孫空女から張形を一度抜き、すぐに孫空女の肛門を張形で貫いた。
「ひ、ひいいっ」
孫空女が全身を仰け反らせて悲鳴をあげた。
この格好にさせられたときに、沙那も孫空女もしっかりと潤滑油を肛門の中に塗られた。
そのため、なんの抵抗もなく孫空女も張形を受け入れられる。
綺芳の張形を肛門で受け入れさせられた孫空女は、数回律動されただけで、もう達するような仕草を見せ始めた。
麗芳も綺芳も、沙那と孫空女に、自分がいくのは自重して、もう少し長くもたせて客を悦ばせろという。
しかし、そんな風に躾けられていないので、沙那も孫空女も女陰や肛門に刺激を与えられれば一直線に絶頂への階段を駆けあがってしまうのだ。
いま肛門を突かれている孫空女は、すぐにでも達するだろう。
長い付き合いだから、沙那も見ればわかる。
「ほら、余所見をするんじゃないよ、沙那──。腰を動かすんだよ。前後……回転……斜めと順に動いて、ちょっとだけ締める。ずっと締めつけるんじゃないよ。お前も悦んでいるんだと知らせることで、本気なんだと思わせるためだけに締めるんだから。だけど、本当に本気になるんじゃないのよ。あくまでも客を悦ばせるための演技なんだからね。自分が気持ちよくなりすぎると、客の道具を強く締めすぎちゃって、雄妖は律動がし難くなるのよ。律動ができないと却って気持ちよくなれないものなのよ……。ほらっ、動かして」
「は、はい……」
沙那は、仕方なく麗芳に言われた通りに回すように腰を動かした。
しかし、あっという間に自分の内部に法悦が湧き起こり、それを耐えるので精一杯になった。
「ああっ、あああ」
「とまるんじゃないの、沙那。ほら、動かすんだってばあ」
麗芳が怒鳴った。
しかし、下半身から押し寄せる快楽の波に、沙那はまた絶頂に向かって押し流されそうになる。
堪えようとしても喘ぎ声が口から洩れてしまい、やがて本格的な快感の中にどっぷりと埋まっていく……。
するといきなりお尻の横を思い切りはたかれた。
「い、いたいっ──」
びっくりして沙那は身体を跳ねあげた。
しかし、その動きで女陰に咥えた張形を膣の上下で抉るように動かしてしまい、女陰の内襞が激しく刺激されて、そのまま背中を仰け反らせて達していしまった。
「ひぐうううぅぅぅぅ──」
沙那は全身を震わせて、金属の枷で固定されている指で卓を掴むかのように指に力を入れた。
「いまのでいっちゃたの? 本当にどうしようもないわねえ」
麗芳が呆れたように言って張形を沙那の女陰から出した。
いやらしい音をたてて抜けた張形が、抜ける瞬間に肉芽を思い切り擦り、沙那はまた悲鳴をあげて身体を反応させた。
「まったく、誰が許可なくいっていいといっているのよ。躾を受けた奴隷は、許可なくいかないのよ。奴隷の躾がなってないのは、あなたじゃなくて春嬌様が笑われるのよ」
麗芳が怒りも露わに思い切り沙那の尻を引っぱたいた。
「ひいっ」
お尻を思い切り叩かれて思わず悲鳴をあげた。
それとともに、自重していた怒りが沙那を爆発させた。
「ひ、人が大人しくしていれば調子に乗るんじゃないわよ。あんたの女主人が笑われようがからかわれようが知ったことじゃないわ。せいぜい、晩餐会を愉しみにするのね。暴れるか、悪態をつくか、がなりたてるか……。とにかくどんな方法でも抵抗しまくってやるわ。あんたたちの言いなりのいい子になんかならないから見てらっしゃい」
沙那は上半身を卓にうつぶせにされたままがなりたてた。
抵抗しても逃亡の手段がない以上、反応的な態度は無駄だ。
それでいままでずっと機会を伺うために大人しくしていたのだ。
調教だって、素直に受け入れる演技をしていた。
だが、数日にわたって続けられた理不尽な責めで、ついに沙那は感情を解放させてしまった。
麗芳は調教が進んで、沙那については屈服して大人しくなったと思っていたのだろう。
首を動かして麗芳を見るとその麗芳が呆然としている。
麗芳としては、沙那についてはある程度の調教は終わったと考えていたはずだ。
だから、奴隷披露を明日に控えて、沙那と孫空女に対して、屈服させるための調教ではなく、とりあえず、客に奉仕するための練習をやらしていたのだろう。
沙那の前で、この麗芳が春嬌に対して、沙那と朱姫については、奴隷公開までになんとか躾が間に合ったと自慢げに報告していたのを朱姫ともに閉じ込められていた檻の中で耳にしていた。
だが、沙那はそういう演技をしていただけだ。
晩餐会を開いて春麗の新しい奴隷である沙那たちを多くの妖魔の客に披露すると耳にしていたから、そのときにこそ、なにか逃亡の機会が見つかるかもしれないと思っていたからだ。
しかし、もうそういう演技などどうでもよくなった。
孫空女にはこうやって一緒に調教を受けるようになったから状況はわかったけど、相変わらず宝玄仙の状況は不明だ。
それに、ずっと一緒に調教を受けさせられていた朱姫とも、今朝になって引き離された。
朱姫は明日の晩餐会において、奴隷として披露されるわけじゃなく、給女をやらされるということで、沙那とは違う準備をするということらしい。
いくら耐えていても逃亡の機会は訪れるどころか、お互いの状況さえいっこう掴めないとなっては、沙那はもうなにもかもどうでもよくなってきた。
それでついに感情が爆発したのだ。
「な、なによ、その態度は──。また、魚責めに遭わせるわよ。それとも媚薬塗り放置だからね、沙那。いいのね──?」
「す、好きにすればいいわよ。勝手になさい。もう、あんたらの命令には従わない。苦しめるなら、いくらでもやったらいいわ」
沙那は喚きたてた。
「あらら……。こうなったら、沙那はもう手が付けられないよ……。言っておくけど、明日の晩餐会は愉しみにしてな。あたしだって、身動きできなくても、沙那と一緒に喚きたててやるからね。それが嫌なら、猿ぐつわでもなんでもやりな」
孫空女の声だ。
沙那の剣幕が激しいので、孫空女に練習を施していた綺芳が孫空女を責めるのをやめてこっちを見ている。
「そ、そうね……。声を出せないようにしてくれたら、せめておかしな喘ぎ声を出さなくてすむものね……。とにかく、一生懸命に考えて、あんたらの馬鹿げた会で嫌がらせをやってやるわ。愉しみにしてなさいね」
沙那も言った。
「お、お前たち、これだけ責めても、まだ逆らうの?」
麗芳がびっくりしている。
「あ、当たり前だよ。なにをされたって、屈服なんてしないんだよ、あたしらはね」
孫空女が首を動かして汗まみれの顔をこっちに向けた。
実際のところ、沙那も同じだが、孫空女も限界に違いない。
これ以上の責め苦には音をあげてしまうそうだ。
だから、強気なことを言っているだけだ。
「あ、あたし、ちょっと春嬌様に報告してくるわ……」
綺芳が困ったような顔で部屋の外に出ていった。
沙那の剣幕でほんの少しでも調教係のふたりを動揺させることができたことに、少しだけ沙那の溜飲が下がった。
沙那が悪態をついたことに、なんらかの意味があったとは思えない。
でも、気だけは少し済んだ……。
だから、それでいい。
おそらく、いまの行為に対して、これから怖ろしい拷問が始まるに違いない。
それについては、もう沙那は覚悟している。
孫空女も一緒にお仕置きを受けるつもりで途中から沙那の悪態に参加してきたに違いない。
しばらくすると、報告をするといって部屋を出て言った綺芳の代わりに春嬌が部屋に入ってきた。
「沙那、孫空女……。お前たちが逆らい続けて、綺芳と麗芳を困らせているということじゃないかい」
春嬌は沙那と孫空女が拘束されている卓と卓の間に立った。
そして、にやにやと笑いながらそう言った。
意外な笑顔が不気味だ。
「しょ、春嬌……。ご主人様はどこだよ? いい加減にご主人様に会わせなよ……。それから、いま、沙那と話して、なんとかして明日の晩餐会を台無しにしてやろうとふたりで決めたところさ。もう、お前らの命令には従わないからね。好きなように調教でも、拷問でも、躾でもなんでもしな」
「こ、これでも、ご主人様に長くいろいろなことをやらされているからね。ちょっとやそっとじゃあ、屈服なんてしないわよ」
孫空女に続いて沙那も言った。
「いいわ。あんたら、ふたりがそれほどまでに強情なら、お仕置きは宝玄仙に受けてもらうわ」
春嬌は言った。
「ご、ご主人様は関係ないだろう。お仕置きならあたしにしなよ」
「そ、そうよ。孫空女の言う通りよ──。鞭でも棒でもいくらでもいいわ。持ってきなさいよ」
沙那は叫んだ。
「いい根性だけど、お前たちふたりがそんな肉体の拷問には屈服しないというのはわかっているのよ……。だからお前たちが逆らえば、罰は宝玄仙に与えると言っているのよ。わたしがずっと言ってきたことがわかっていなかったようね。お前たちは鞭打ちくらい耐えてみせるかもしれないけど、お前たちのご主人様はそうでもないようよ。お前たちがそんな態度をとり続けていたことで、ずっと宝玄仙は一身に罰を受けさせられていたんだよ」
春嬌がなにか含んだような笑みを浮かべている。
この春嬌の余裕のある表情が嫌な予感を感じさせた。
「連れておいで、綺芳」
春嬌が部屋の外に向かって声をあげた。
この部屋に入る扉はうつ伏せに卓に拘束されている沙那と孫空女の後ろ側にある。
沙那は首を曲げて後ろを見た。
綺芳が細い鎖を持ってやって部屋に入ってきた。
「ご主人様──」
「ご、ご主人様、そ、それ……」
沙那と孫空女は綺芳に連れてこられた宝玄仙の姿に絶句した。
宝玄仙は全裸であり腕だけを背中で拘束されていた。
だが、驚いたのはその全身だ。
宝玄仙の全身は惨たらしい鞭痕でいっぱいだったのだ。宝玄仙の白くて美しかった肌が見る影もない。
首から足の先まで、明らかに鞭痕とわかる線条痕が縦横無尽にまるで血そのものであるかのように真っ赤な色で残っている。
そして、もうひとつ驚いたのは、綺芳が手にしている鎖が繋げられている宝玄仙の身体の位置だ。
沙那が調教されるために檻から調教部屋に移動するときは、首に嵌められた首輪に鎖をつけられる。
だが、宝玄仙も首輪をしているものの、綺芳の手にする鎖は宝玄仙の首ではなく、股間に繋がっているのだ。
宝玄仙の女陰は、たくさんの金属の小さな輪が皮膚に孔を開けて取り付けられていて、それが内腿にも開けられたて取りつけられた金属の輪側に鎖で引っ張られて女陰の内側が大きく曝け出すようにさせられている。その中心に向かって鎖が伸びているのだ。
沙那は目を凝らして、宝玄仙の股間のどこに鎖が繋がっているのかを見ようとした。
そして息をのんだ。
鎖が繋がっているのは宝玄仙の肉芽だった。
女陰全体に孔を開けて小さな指輪のような輪が装着されているが、同じように肉芽そのものにもほんの小さな輪っかがあり、そこに細い鎖が繋がっているのだ。
「ご、ご主人様になんてことするんだい──」
横で孫空女が悲痛な声で怒鳴った。
しかし、沙那はすぐに反応できないでいた。
あまりにも宝玄仙の変わりように驚いていたからだ。
沙那が驚いたのは、鞭痕や女陰の惨たらしい惨状だけではない。
宝玄仙の表情そのものだ。
生気がなく眼が虚ろだ。
かなり激しい拷問を受けていたことは予想がつくが、いまの宝玄仙の顔には表情がなく感情が失われたようになっている。
上気した赤い顔で呆けていて、なんだか沙那のことにも孫空女のこともわかっていないようだ。
「ご、ご主人様──」
沙那は大きな声で呼びかけた。
すると虚ろだった宝玄仙の視線がやっと沙那と孫空女を認めた。
「あ、あががが……」
宝玄仙が声をあげた。まるで泣いているような声だった。
しかし、なにかがおかしい……。
「しゅ、春嬌、ご主人様になにかしたのかい? なんで喋れないんだよ──」
孫空女が横で怒鳴った。
「……綺芳、こっちに宝玄仙を連れておいで」
春嬌が不敵な笑みを浮かべて綺芳に声をかけた。
「来るのよ、宝玄仙」
綺芳がわざと宝玄仙の肉芽に繋げた鎖を一度強く引っ張った。
「ほごおっ」
宝玄仙が哀れに泣くように吠えた。
そして、大人しく沙那たちがうつ伏せに拘束されている卓の前に鎖で曳かれてやってくる。
宝玄仙が沙那たちの前に立っている春嬌の位置までやってくると、春嬌が綺芳から宝玄仙に繋がれている鎖を受け取った。
「口を開けな、宝玄仙」
春嬌が鎖を軽く引く。
「あがっ」
その動きで肉芽に強い刺激を受けたのだろう。
宝玄仙が泣き声をあげて膝をがくりと折りかけた。
「や、やめてよ」
沙那は思わず言った。
あまりにも宝玄仙が哀れだ。
「そ、そうだよ。そ、そんな仕打ちはあたしらにやりな」
孫空女も叫んだ。
しかし、春嬌は沙那たちの抗議など無視したように、宝玄仙が開いた口を持って沙那たちに強引に向けさせた。
「あっ」
「な、なに?」
沙那と孫空女は同時に声をあげた。
宝玄仙の口の中には、当然あるべきものがなかったのだ。
舌が根元から切断されている。
「わたしは、口数の多い奴隷が嫌いでね。だから、切り取ってやったのさ。それにこれは自殺防止でもあるのさ。舌を噛み切ったくらいじゃあ人間は死ねないけど、時々、自殺をしようとする馬鹿な奴隷が今までいたものでね」
春嬌が笑った。
「な、なんてことを……」
沙那は絶句してしまった。
「さあ、宝玄仙、久しぶりに会ったお前の供に挨拶代りの自慰をしな。お前が気に入った“あれ”を使わせてやるよ」
宝玄仙は沙那と孫空女の繋がれている台の方向にさらに近づけられた。
近くまで来たことで、沙那は宝玄仙の様子をもっと知ることができた。
全身が上気して真っ赤だ。
そして、身体全体にうっすらと汗をかいていて、宝玄仙がすでに欲情している状態であることはわかった。
女陰全体に装着された金属の輪と鎖で宝玄仙の女陰の外襞は拡げられていて膣口までがはっきりと外から丸見えになっているが、そこからはかなりの量の愛液で溢れているのがわかる。
よく見ると両方の乳首におかしな淫具を装着している。右の乳首は細い繊毛のようなもので覆われていて、それがくすぐるような感覚を常時与えるようになっているようだ。
左の乳首は薄い透明の膜のようなもので包まれていて、それが小さな振動をしている。
乳首の弱い宝玄仙には、あれを四六時中装着されて乳首責めを続けられるのはつらいだろう。
だが、沙那には、宝玄仙が異常に欲情しているは乳首の淫具だけではないような気がする。
「沙那、孫空女、こいつがこんなに欲情しているのは、朝から晩までたっぷりと媚薬を飲ませているからさ。こいつが口にする食事も水にも強烈な媚薬が入っている。それこそ、老女でも欲情させてしまうような強烈な魔薬で、そんなものを大量にこれだけ毎日口にすれば、頭の線も切れてしまうさ。こいつがいま少し反応が悪いのは、もう、脳が薬剤に犯されているからなのさ──。ほら、奴隷、脚を開くんだ」
「あ、あぎっ……」
鎖の刺激を与えられた宝玄仙が慌てたように脚を肩幅に開いた。
沙那は呆然とした。
こんなに惨めな宝玄仙は初めて見た。
沙那の中にここまでの仕打ちを宝玄仙にした春嬌に対するはっきりとした殺意が芽生えた気がした。
「か、必ず、助けますから、ご主人様……」
沙那は思わず言った。
「お前になにができるんだい、沙那。そんなみっともない恰好で助けるが聞いて呆れるよ。この宝玄仙は、もうわたしの奴隷として生きていく覚悟ができ始めているんだ。つまらない戯言でこいつを煩わせるんじゃないよ」
春嬌が大笑いした。
「準備ができました」
綺芳が長い一本脚の小さな台を運んできた。
台脚がついていて上側に小さな台がある。
台の高さは、丁度宝玄仙の開いた股間の位置くらいに調整がしてあり、綺芳は宝玄仙が開いた脚の真ん中にその台を設置した。
「ほら、宝玄仙、始めていいよ」
春嬌がその台の上に、いつの間にか手にしていた手のひらほどの平たい鉢を台に載せた。
鉢にはなにかが生えていて、それがうろうよと動いていた。
「あっ」
声をあげたのは孫空女だ。
沙那にもわかった。鉢の中にいるのは触手だ。
大人の中指ほどの長さの細い触手が数十本鉢に生えていてそれがうごめいているのだ。
「まだ幼生の山触手だよ。こいつで自慰をするのが宝玄仙は好きなのさ。媚薬で火照った身体は、ちゃんと定時的に発散しないと本当に悶え死んでしまうからね」
春嬌が笑った。
「あ、あああ……」
触手の繊毛はすぐに宝玄仙の剝き出しの股間を責め始め、宝玄仙はあっという間に身体を反応し始めた。
声をあげて、快感を増幅するように腰を動かしている。
「あっ、ああ、ああっ」
宝玄仙の股間があっという間に真っ赤に充血した。
もうすぐいくだろう。
沙那は宝玄仙の身体の変化からそう思った。
「沙那と孫空女、鉢をよく見てみな。鉢に生えているのは山触手だけじゃないよ。宝玄仙がお気に入りなのは、その山触手に囲まれた真ん中のものさ。触手の根っこを寄生させることに成功したから同じように動いているけど、中心に触手以外のものがあるのがわかるかい?」
春嬌が言った。
沙那は目を凝らした。
宝玄仙の出す愛液でまみれている触手群の中心に確かになにかがある。
赤っぽくてもっと大きいもの……。
「さ、沙那、あ、あれは……」
孫空女がびっくりしたような声をあげた。
「な、なに、孫女?」
「あれは、ご主人様の舌だよ」
「えっ──?」
沙那は声をあげた。
言われてみれば触手の鉢の中心で動いている大きなものは人間の舌だ。
春嬌は、宝玄仙の舌を切断しただけじゃなく、それに触手の根を寄生させて宝玄仙を責める淫具にしてしまったのだ。
春嬌の狂った行いに沙那はぞっとした。
宝玄仙の喘ぎ声が激しくなった。
全身がぶるぶると震えている。
そして、感極まったような熱い喘ぎ声を始めた。
「あはああっ」
歓喜の頂上に追いあげられた宝玄仙が身体を仰け反らせて吠えるような声をあげた。
「さっそくやったね、宝玄仙」
春嬌が哄笑した。
「も、もうやめてあげてよ、春嬌──」
孫空女が悲痛な声をあげる。
「そ、そうよ。わたしたちが悪かったわ。もう逆らわないから、ご主人様をこれ以上苛めないで」
沙那も言った。
これ以上惨めな宝玄仙は見てられない。
「なにを言っているんだい、お前たち。これは挨拶だよ。苛めなんかじゃなさ。その証拠に宝玄仙はこんなに悦んでいるよ」
春嬌が達したばかりの宝玄仙の腰に手を伸ばした。
宝玄仙がまた大きな嬌声をあげはじめる。
春嬌が指で宝玄仙の肛門を刺激しているのだとわかった。
宝玄仙は女陰を自分の舌が生えている触手の鉢を責められ、後ろから春嬌の指で責められて、すぐに狂乱の反応を見せ始めた。
「ひっ、ひゃあ、ひゃああああぁぁ──」
やがて、宝玄仙はさらに激しく沙那たちの前で果てた。
絶頂のときに宝玄仙の腰が前に突き出すように動き、股間から潮が噴出した。
その潮がびしゃりと沙那と孫空女の前に飛んできた。
「はははは……。こりゃあ、飛んだ挨拶になったものさ。そうだ、明日の披露式では、まずは挨拶代りに、こいつには、潮吹きをさせるとしようか」
春嬌がそう言うと、麗芳と綺芳がそれは素敵だと笑い合った。
「も、もう、やめて……。命令には従います。明日の晩餐会でも言われたことは全部やりますから──。だから、ご主人様をこれ以上痛めつけないでください」
沙那は叫んだ。
「本当になんでもするんだね、沙那?」
春嬌の眼が鋭く光った気がした。
「なんでもします」
沙那ははっきりと言った。