「──さあ、次の趣向よ。次の出し物は、人間の女戦士がふたり……。それが濃厚な女同士の性愛を見せてくれるわ……」
演台にあがった
「は、離して……、ああっ……な、なんでもするから……お、お願いよ……」
「しゅ、春嬌……、ひいっ……か、痒い……。た、助けて……は、早く……や、早く……ひいっ……ああっ」
猿ぐつわを外されるとすぐに常軌を逸したような声で沙那と孫空女のふたりが叫び始めた。
首から下を大きな袋に入れられたままのふたりが、天井から垂れた鎖に首輪を繋がれて袋入りの身体を激しく悶えさせる姿は、まるで二体の巨大な芋虫のようだ。
そのうえに、刺激を遮断する下着をつけさせたので、痒みを癒せないままほとんど丸一日が経過していることになる。
ふたりは半狂乱だ。
ただ、正気だけは失っていないし、しっかりとまともな意識も保っている。
それについては、大したものだと思う。
ふたりが、いまだ正気を保っているということは正直、少し信じられない気持ちでもある。
春嬌は、沙那と孫空女がそのまま毀れてもいいという覚悟をして、痒み責めのまま一日放置するということをやらせたのだ。
だが、このふたりは余程、こういう責め苦に耐性があるのか、半狂乱で暴れているものの、いまだ神経は焼き切れてはいないようだ。
あるいは、このくらいの責めでは本当にふたりを堕とすことはできないのかもしれない。
沙那と孫空女がすっかりと調教された身体というのはわかっている。
調教したのは宝玄仙に決まっているが、あるいは、もっと激しい責めをふたりは受け続けており、こんなことではまだまだ毀れたりしないのかもしれない。
「な、なんでもするから……。お、お願いだよ……。ひぎいいっ……こ、こんなの酷いよ……。か、痒い……」
「た、助けて……わ、わたしたちが悪かったわ……ああっ……愛し合う……。孫女と愛し合わせて……。お、お願いよ……」
孫空女と沙那が必死になって叫んでいる。
大声で悲鳴をあげ、拘束された身体を限界までのたうつことでなんとか正気を保っているのもしれない。
麗芳と綺芳によれば、このふたりは檻の中でふたりで肩を噛み合うことでお互いを傷つけ、その痛みでなんとか痒みを癒そうとしていたらしい。
ひと晩が経って、様子を見にいった綺芳が肩から流れる血で血まみれのふたりを発見し驚いて春嬌に報告してきた。
とりあえず麗芳に命じて『治療術』で傷を治して、ふたりを引き離した。
それから、いまに至っている。
完全に発狂してしまえば、晩餐会において公開調教をするには都合が悪いので、その一歩手前に引きとめておくつもりで綺芳に観察させていたが、ふたりとも狂ったように悶え暴れてはいたが、なんとか持ちこたえたらしい。
綺芳もこれだけの痒み責めの苦しみに耐え続けるふたりに驚嘆もしていた。
「うるさいねえ──。盛りのついたけだものかい。すぐに乳繰り合わせてやるよ──。だけど、お前たちの声でわたしの声が客に届かないだろう。少し黙っていられないのかい」
春嬌は苦笑して怒鳴った。
しかし、ふたりとも春嬌の言葉などどうでもいいのか、それとも、もう言葉を理解することができないくらい追い詰められているのか、ひたすら哀訴の悲鳴をあげ続けている。
春嬌は肩をすくめて、春嬌の横に立っている綺芳と麗芳に合図した。
芋虫のようにうごめいている沙那と孫空女から袋から出した。
ふたりとも全身が汗まみれで真っ赤だ。
全身が壮絶なくらいに淫情しきっているというのがわかる。
ふたりにさせている『刺激遮断』の胸当てと下着を取り去る。
そして、さらに股間につけさせていた朱紫芋茎の股縄を外させた。
「あひいいっ」
「ひぐううぅぅぅぅ」
ふたりがそれだけで達したような声をあげた。
股縄はふたりのおびただしい淫液ですっかりとふやけている。
塞がれていた女陰からふたりの淫液がどっと溢れてそれぞれの腿を濡らした。
「さ、沙那──」
「孫女──」
ふたりとも後ろ手錠のままだが、脚はもう拘束していない。
ふたりは、そのまま床を駆けて組み合おうとした。
しかし、離れている首の鎖のためにぎりぎり阻まれて、がちゃんと音がしてふたりが接触するのが阻止される。
ふたりが泣き叫ぶ。
「も、もう限界だよ……。しゅ、春嬌……恥でもなんでもかく……。沙那と……沙那と愛し合わせて……」
「た、助けて……、許して……」
どうしてもぎりぎり接触できないとわかると交互に春嬌に助けを求めるように哀願を繰り返し始めた。
その浅ましい姿に見物の妖魔の客たちがどっと哄笑した。
「わかった、わかった……。愛し合わせてやるよ。ただし、これを使ってもらうよ」
春嬌は笑いながら、準備していた淫具を大きくかざした。
双頭の張形だ。
男根をかたちどった張形が両方の端についている一本の淫具であり、女同士で愛し合うための道具だ。
お互いの女陰にそれを挿入して股間と股間をくっつけ合って愛し合うのだ。
もちろん、これはただそれだけの淫具ではないが、その仕掛けの説明はまだだ。
「これを使って愛し合ってもらう。鎖を緩めてやるから、お互いにこれを挿入しな。ただし、制限時間はこの砂時計が落ち切るまでだ」
春嬌はそう言うと横に台を運ばせて、その上に砂時計をひっくり返した。
そして、ふたりの真ん中に双頭の張形を置いた。
ふたりがきょとんとしている。
がらがらと音がして、ふたりの接触を阻んでいたお互いの首輪に繋がっている鎖が緩む。
これでふたりがくっつき合うことが可能になったはずだ。
「なにやっているんだい。時間切れになったら、また鎖が縮まって離れてしまうよ。お前たちの女陰の両方にそれが挿入されれば合格だ。手錠も外して愛し合わせてやるよ。ただし、間に合わなかったら鎖を短くして引き離し、さらに痒み剤を塗りたくって、ここで発狂するまで放置してやる──。さあ、始めな」
春嬌の大声でふたりがはっとしたように顔を見合わせた。
そして、慌てて身体を寄せ合う。
「さ、沙那」
「ま、待って、孫女」
沙那が張形に向かって屈みこんだ。
そして、張形の端を口に咥える。
孫空女は跪いて脚を開いた。
「待ちな、こっちを向くんだ」
春嬌は綺芳と麗芳に合図した。
春嬌と綺芳は、孫空女の身体を客の方向に向けさせて、結合部分が演台の前に集まっている客によく見えるようにさせた。
孫空女も沙那も抵抗はしない。
むしろ、積極的に動いて麗芳と綺芳を急かしている。
態勢が整うと、沙那が口に咥えた張形を孫空女の熟れきった女陰に挿していく。
「ほおおおおおぉぉ──」
沙那が口に咥えた張形がずぶずぶと孫空女の女陰に呑み込まれる。
孫空女が悲鳴のような嬌声をあげて身体を仰け反らせた。
全身をがたがたと振るわせて、口から泡のような唾液を噴き出させた。
「お前ら少しは自重しな。結合する前に達すると数が勿体ないよ」
さっそく達した孫空女の姿に春嬌は笑って揶揄したが、ふたりにはもう聞こえていないようだ。
今度は孫空女が女陰から突き出した双頭の張形の反対側を沙那の腰に向けている。
春嬌と綺芳が駆け寄って、ふたりの態勢を斜めにし、また結合部が客に見えるように動かす。
「そ、孫女、わ、わたしも……わたしも」
沙那が切羽詰った声で言った。
一刻も早く挿入したいようだ。ぼやぼやしていると春嬌の気が変わって、痒みを癒す機会を逸するとでも思っているのか、沙那も必死の形相だ。
沙那の女陰にも双頭の張形の端が触れた。沙那と孫空女の両方が腰を突き出すようにして、沙那の女陰にも張形が挿入した。
かちゃりと音がする。
「はあああああぁぁ……」
沙那が幸せそうな顔をして声をあげて、全身を悶えさせて昇天した。
春嬌はふたりの後ろの真っ白い壁に眼をやった。
そこに大きな文字で“一”という数字が映っている。
その横には、大きな青い縦長の四角が描かれている。ほんの微かずつだが、その四角は少しずつ短くなっていく。
「沙那、もっと……」
「う、うん……。孫女……、ああっ、気持ちいい……」
もう人目などどうでもいいのか、結合を果たしたふたりがまだ癒えない痒みを癒そうと股を擦り合せはじめた。
春嬌は麗芳に合図した。
頷いた春嬌は、一度奥手に引っ込み、桶を持って戻ってきた。
そして、激しい女同士の性交を始めたふたりの身体に桶に入った冷水を被せた。
「ひうっ、な、なに?」
「つ、冷たい──」
沙那と孫空女がびっくりしたように顔をあげてこっちを見た。
「話が済むまで乳繰り合うのをやめな。いうことを訊けば、手錠も外してやるよ。痒いのは女陰だけじゃないんだろう。お尻だって痒いはずだ。手が自由になれば、自分でやってもいいし、お互いに慰め合うこともできる。だから、少し待つんだ……。それよりもお前たち、一度、張形を抜いてみな」
春嬌が言った。ふたりはほんの少しためらいのような態度を示したが、すぐに動き出した。
沙那と孫空女が跪いたまま、水浸しの身体を揺すりながらお互いに少しずつ離れていく。
張形が女陰を抜き擦る刺激に、ふたりとも早くも恍惚とした表情を浮かべていたが、すぐにその表情が驚きに変わった。
「ぬ、抜けない……」
「なんで?」
ふたりが同時に声をあげた。
「よしよし、仕掛けはうまくいったようだね。それには、『道術錠』をかけたからね。条件を達するまで、それは抜き挿しの律動はできるけど絶対に抜けないよ。ぎりぎりで外れないはずだ。『道術錠』の解除の条件は二百回だ。後ろの壁の数字を見てごらん。いま、“一”となっているだろう。お前たちのどちらかが達する度に、あの数字は増える。数字が二百になれば、張形は外れるよ──。頑張るんだね」
春嬌はふたりに説明をしながらも、客たちに今夜の趣向が理解できるように解説する。
二百回の絶頂という春嬌の言葉に、面白がる客たちのひそひそ声が聞こえてくる。
「に、二百って……そ、そんな」
「む、無理だよ……」
沙那と孫空女が呆然としている。跪いて向き合うふたりの股間の間には双頭の張形が挟まれている。
それぞれの先端がふたりの女陰に挿さっていてぎりぎり抜けていない状態だ。
あれは、二百回達するまでそのままだ。
奥まで突き挿したり、ああやって離したりして律動も自由できるが絶対にふたりの女陰から抜けるところまでは離れない。
張形は、ふたりで二百回達するまで絶対に離れないはずだ──。
絶対にだ。
「ただし、ただ二百回達するだけじゃあ、愉しくも、面白くもないからね。条件を付けるよ。壁の数字の横に青い棒があるだろう。あれが制限時間だ。壁に映された青い棒は、砂時計の砂のように少しずつ短くなり、きっちり三刻(約三時間)で消える。それが制限時間だ。三刻(約三時間)経てば……」
春嬌は集まっている客を手で分けて、会場の真ん中に準備されているひとつの卓が沙那と孫空女に見えるようにした。
そのひとつの卓は、すでに料理などが片付けられている。
周りには誰もない。
ただ、沙那と孫空女が股間で咥えている双頭の張形と同じものがぽつんとひとつだけ置いてあるだけだ。
沙那と孫空女だけじゃなく、全部の客の視線も、その少し離れた場所にあるもうひとつの双頭の張形に注がれた。
それが大きな音がしていきなり爆発した。
大したものではないが、それでも載っていた卓が衝撃でふたつに割れるくらいの爆発ではあった。
ざわめきが会場に湧き起こる。
「わかったかい。あれが三刻後(約三時間後)のお前たちが咥えている双頭の張形の姿だ。状況が理解できたら、さっそく始めな。時間がもったいないよ。三刻(約三時間)以内に二百回だ。頑張っていきまくりな。いきすぎて気を失うわけにはいかないよ。どんどん制限時間は短くなるからね。気なんて失おうものなら、ふたり揃って三刻(約三時間)後は下半身を失うだろうよ……」
春嬌の言葉に客たちが拍手喝采した。
これから始まる間の女ふたりによる残酷な性愛の見世物の趣向がわかったのだ。客たちはわっと歓声を送り始めた。
「そ、そんな……二百なんて……」
「む、無理よ……。それに、たった三刻(約三時間)で──」
沙那と孫空女のふたりが蒼い顔をしている。
しかし、春嬌は構わず手を振った。
合図を受けた綺芳が沙那と孫空女の後ろ手の手錠を外す。綺芳はすでに次の準備のために下がっている。
沙那と孫空女の拘束を解くことは危険だが、いまは双頭の張形で女陰が密着した状態だ。
逃亡はできない。それにたとえ逃亡しても、三刻(約三時間)後に、そこで爆死するだけだ。
「ほら、ほら、始めた、始めた──。文句を言う前に励んだ方がよくないかい? 頑張って乳繰り合いな。死にたくなければね。だけど、意識は保つんだよ。いきすぎて気を失えば、それで終わりだからね」
春嬌は最後にふたりにそう言って演台を降りた。
「さ、沙那、や、やろう……」
「う、うん」
背後で孫空女と沙那がそう声を掛け合うのが聞こえた。
振り返ると、もうふたりはお互いに抱き合って、口を吸い合っていた。
女陰と女陰を密着させて淫らに擦り合わせながら、お互いの肛門に指を入れ合っている。
すぐに沙那ががくがくと震え出して身体を仰け反らせた。
壁の数字が“二”に変わる。
孫空女が軽く首を後ろにやって声をあげる。
“二”になったばかりの数字が“三”に変わった。
ふたりを見ている客たちが嘲笑の声をあげた。
しかし、もう、ふたりはそんな声などどうでもいいかのように、ふたりの世界に入っているようだ。
気にする様子もなく、必死になってお互いの身体をむさぼり合っている。
もしかしたら、本当に三刻(約三時間)で二百回いきを達成するかもしれない……。
春嬌はそんな風に思ってきた。
この趣向を思いついたときには、沙那と孫空女はこの晩餐会の席で性愛しながら爆死させるという趣向だったが、見事に条件を満たして命を長らえることができれば、明日からは、あのふたりにも春嬌自身の本格的な調教を受けさせることにしようと思った。
あのふたりなら宝玄仙以上に愉しい反応をして、春嬌を悦ばせてくれるに違いない。
結局のところ、宝玄仙は期待外れだった。
最初の数刻だけは、気丈に気力で抵抗していたが、すぐに屈服してただ泣き叫ぶだけの女になった。
春嬌は会場を横切るように歩き、沙那と孫空女のふたりが死の性愛をしている反対側にやってきた。
「んんんんんっ」
朱姫を立たせている卓の横を通り過ぎたとき、卓の上に立っている朱姫がなにかを叫んだ。
あんまりうるさいので、さっき猿ぐつわをさせていた。
そのため、声は言葉にならずにただの呻き声になっている。
春嬌は朱姫を無視して、綺芳が待っているもうひとつの見世物の場所にやってきた。
沙那と孫空女の死の性愛を見守っていた客の半分が、こっちでもなにかが始まりそうだという気配を感じてやってきた。
春嬌がやってくると、手配通りに綺芳が道術を動かす。
沙那と孫空女が性愛をしている一画を除いて、ふいに照明を落ちて晩餐会の会場が暗くなった。
客たちのざわめきが起きる。
しばらくすると、こっちの一画にも光が戻る。
いつの間にか、こちら側の光の中に宝玄仙がいた。
綺芳が闇に落とした時間の間に運んできたのだ。
すでに綺芳はさらなる準備のために、もういなくなっている。
春嬌は前に進み出て、宝玄仙の横にやってきた。
宝玄仙は雌馬をかたどった木馬にうつ伏せに拘束されていて、四肢を革紐でしっかりと拘束されている。腰の部分は突きあがるように上にせり上げっていて、宝玄仙の尻はまるでなにかを挑発するかのように高くあげられている。
ちょうど、雌馬が腰をあげて、牡馬を待ち受けるような姿勢だ。
もちろん、宝玄仙は全裸だ。
高くあがっている尻は、数日間金具で拡げっぱなしの尻穴が曝け出されている。
舌を切られて喋ることができない宝玄仙が悲しそうな表情をしている。
これから、なにをするのかは宝玄仙に説明している。
だから、恐怖に怯えているのだ。
哀れな宝玄仙……。
考えていた以上に骨がなかったのは残念だ。
春嬌が本当に興味があるのは、気の強い人間の女が屈服する様だ。
すでに屈服したものに興味はない。
そういう意味では、もう宝玄仙は春嬌の興味の対象からはほとんど外れかけている。
興味を失ったものに執着するほどの粘着性は春嬌にはない。
不要になった人間の女など、後はただ毀すだけのことだ。
今夜の見世物の結果、宝玄仙が毀れるのか、それとも保つのかは知らない。
いずれにしても明日からの宝玄仙の管理は春嬌ではなく、麗芳と綺芳の役割になると思う。
明日からは、三人の供のどれにしようか……。
それが春嬌の玩具になる。
少し離れた卓の上で、鎖で繋がれた首輪で吊られて喚いている朱姫か……。
それとも、沙那と孫空女が生き残るのか……。
春嬌はふと沙那と孫空女がいる演台の後ろの壁を見た。
数字が“十一”になっている。
なかなかの数字だ。
本当に三刻(約三時間)で二百超えをやりきるかもしれない。
「この宝玄仙の尻には、牡馬が発情する匂いがたっぷりとつけられています」
春嬌はこっちに集まってきた客に向かって説明を始めた。
客たちからこれから始まることに期待するどよめきが起きる。
それと同時に、宝玄仙が悲しそうな声をあげた。
そして、音楽が流れ出す。
綺芳がそれに合わせて、一頭の牡馬を曳いてきた。
普通の馬ではない。
股間から巨大な陰茎を突出させ、口に泡を吹いた唾液を溢れさせて発情しきっている馬だ。
大きな馬が現われたことで、客たちの拍手が一斉に起きた。
首を後ろにして馬を認めた宝玄仙が眼を大きく見開いて悲鳴をあげた。
宝玄仙を認めた牡馬は興奮の極みに達した。狂おしげに前足を踏み鳴らし、頭を上下に振って、たづなを掴んでいる綺芳を振り払おうとしている。
大人の腕ほどもある巨大な陰茎がぶるぶると震えている。
春嬌は綺芳に小さく頷いた。
綺芳が牡馬を宝玄仙に近づけた。
馬が大きくいななき、宝玄仙にのしかかろうとする。
宝玄仙が絶叫した。
綺芳がたづなを緩め、牡馬が宝玄仙を襲うのに任せた。
巨大な牡馬の陰茎が宝玄仙の拡がっている肛門に突き出されていく。
美貌の宝玄仙と発情した牡馬という組み合わせに客たちの興奮は最高潮に達した。
牡馬の陰茎が完全に宝玄仙の肛門に突き刺さると、宝玄仙の眼が一瞬白くなった。
しかし、始まった律動で再び黒くなる。
牡馬は狂ったように興奮していた。
それは危険なほどだった。
馬扱いのうまい綺芳が抑えているのに苦労している。
牡馬は頭を振って、必死に綺芳が握るたづなを振り払おうとしている。そして、その衝撃のすべてが馬の陰茎に尻を貫かれている宝玄仙に加わっている。
巨大な牡馬の陰茎を肛門に咥えたまま激しく身体を揺さぶられる宝玄仙が苦悶の悲鳴をあげ続けている。
それが続く。
そして、ついに宝玄仙の口からおかしな悲鳴が始まった。
頭の線がついに切れたような、なんともいえない甲高い声だった。
それがしばらく宝玄仙の口から流れた。
しかし、その宝玄仙のおかしな奇声も客たちの歓声にかき消された。
だが、これからが見ものなのだ。
もうすぐ牡馬の最初の射精が終わるが、一度では終わらないのだ。
牡馬は繰り返し連続で発情するように薬を飲ませている。
だから、射精をしても終わりはしない。
牡馬は宝玄仙の肛門に陰茎を挿したまま次々に精を放つ。
やがて、宝玄仙の肛門は注がれた馬の精液で溢れかえることになるだろう。
そのすべてを尻で受けた宝玄仙は、浣腸を受けたのと同じような状態になり、最後には馬の精液浣腸による排便をここで垂れ流すことになる。
おそらくそれは、まだ牡馬に犯されている最中のことになるはずだ。
それくらい長く牡馬の射精が続くように道術と魔薬を牡馬に施している。
だが、それは宝玄仙の正気がそこまで保つことができればの話だ。
観察する限り、もう宝玄仙はおかしくなりかけている。
口から発する奇声には、正気を失った者特有の甲高い獣じみた声であるし、顔からは生気が失いかけている。
おそらく宝玄仙はこれで終わりだろう……。
春嬌は牡馬に犯され続け、すでに苦悶の声さえあげていない宝玄仙を眺めて思った。
ふと、反対側で続いている沙那と孫空女の性愛の後ろの数字に眼をやった。
“三十五”──。
壁にはその数字がある。制限時間を示す青い線の帯は、まだ随分と残っている。
大したものだ……。
その数字が、一気に“三十七”に変わったことで春嬌はそう思った。
宝玄仙が再び呻き出した。
だが、その声にはなにか不自然なものがあった。
まるで刃物を擦り合わせて発するときの音のような長く尾を引く耳障りな声だった。
どうやら、完全に毀れたようだ。
何度も人間を精神破壊に追い込んだことがある春嬌には、完全に宝玄仙がそういう状態になったことがわかった。
こうなってしまえば、春嬌の知る限りどんな『治療術』でも元に戻らない。
これで宝玄仙という道術遣いは終わりだ。
目の前の廃人に興味を失った春嬌は、牡馬の精を受け続ける宝玄仙の仕置きを綺芳に任せて、沙那と孫空女の恥態を続ける演台の方に歩いていった。
(第53話『狂女の館』終わり、第54話『記憶巡りの旅』に続く)
*
【西遊記:69・70回、
(『288 女主人の謝礼』の後書きの続きとなります。)
朱柴国の国王の病を治した縁により、孫悟空は二年前に、
賽太歳という妖魔は、
しかし、金聖宮には、男が近づくと針が出る衣をまとっており、二年経ったいまでも、賽太歳は彼女に指一本触れることができないでいました。
そのため、賽太歳は、金聖宮の心を得て身を護る衣を脱がせようと考え、朱柴国から侍女をさらったりしますが、金聖宮は妖魔王になびくことはありませんでした。
孫悟空は、賽太歳の使者として朱柴国の王城にやって来た
(さらに続きます。)