「い、痛い……、くっ……い、いたたた……」
後手縛りの縄を樹木の枝に吊られて爪先立ちにされている春嬌の右足首に縄を結びつけている。
その縄は樹木の上側の枝に付けられた滑車を通って、樹木の根元の幹に結ばれていた。
その縄を根元のところにいる
春嬌の片脚が大きくあがり、股間が曝け出された。
春嬌が苦痛の悲鳴をあげ始めたのを見て、長女金が朱姫の顔をちらりと見た。
しかし、朱姫は容赦なく長女金に合図を送り続けた。
ついに、春嬌の膝が肩に密着するほどになったところで、やっと朱姫は合図をやめた。
春嬌の右脚を引き揚げている縄尻が樹木の幹に結び直された。
「まずは、味見をしようかな……。男の経験は実の弟の妖魔王だけというのは本当ですか?」
朱姫は長女金の股間に指を伸ばすと、膣の中に指をぐりぐりと挿し入れた。
「ひうっ──、い、痛い……。痛いよ。や、やめるんだよ──」
春嬌の女陰はからからに乾いていた。
朱姫は構わず強引に指をねじ入れた。
春嬌は身体を仰け反らせて苦悶の声をあげる。
「ちょっと狭いかな……。ご主人様、男性経験が少ないのは本当みたいですよ──」
朱姫は、せり出した屋根の下にいる宝玄仙に大きな声で言った。
もちろん、眼の前の春嬌に対する嫌がらせだ。
春嬌の唇が屈辱で震えている。
「しっかりと感じる身体にしてやんな、朱姫──。宝玄仙の奴隷に相応しい淫乱な身体にするんだよ。沙那や孫空女みたいにね」
宝玄仙が愉しそうに笑った。
「ひ、酷いですよ、ご主人様。わたしは関係ないじゃないですか」
横の沙那が頬を膨らませた。
「ど、奴隷ってなんだい、お前たち──?」
春嬌が真っ赤な顔をして声をあげた。
しかし、その顔には心なしか恐怖の色がある。
それは当然だと思う。
昨夜まで拷問をしていたぶっていた相手に、逆に自由を奪われて囲まれているのだ。
しかも、部下の
「ご主人様は、
「ど、奴隷だと──。ふ、ふざけるんじゃ……ひぐうっ──」
春嬌が声をあげようとしたところを見計らって、わざと指を動かす。
「知っていますか、春嬌……。責める者と責められる者が逆転する……。世の中にこれほど愉しいことってないんですよ」
朱姫は指を挿入している女陰をわざと痛みが走るように抉り動かした。
あまり、蜜が多い性質ではないのか、春嬌の女陰はほとんど湿り気をもっていなかった。
それにもかかわらず、わざと乱暴に指を動かしている。
かなりの激痛のはずだ。
春嬌は懸命に歯を食いしばっているが、それでも苦悶の悲鳴が漏れ出ている。
「早く、頑張って濡らさないと痛いだけですよ……。それとも、少し手伝ってあげましょうか?」
朱姫はくすくすと笑った。
「こ、こんなことやって、た、ただで済むと……」
春嬌が真っ赤な顔をして睨みつけた。
朱姫は春嬌の女陰から指を抜くと、乱暴に肉芽を握りつぶした。
「ひぎいいぃ──」
春嬌が絶叫して片足立ちの身体を大きく揺さぶった。
「いい加減にしなさいよ、春嬌──。あんたなんて、ここで殺されたって文句を言えないし、どんなに残酷な拷問をされても当たり前の立場なのよ。わかっているの──? 心にもなくてもいいから、泣いて謝ろうとか思わないの?」
「だ、誰が人間風情に……」
春嬌は悔しそうに朱姫を見た。
余程、感情が昂ぶっているらしく、肩を大きく震わせて、いまにも泣きそうな表情になっている。
「そんなに、あたしたちに弱みを見せたくないの、春嬌? こんな状況になっても」
「あ、当たり前だよ……。わ、わたしを誰だと思っているのさ」
春嬌が叫んだ。
その表情には、断固たる反抗の意思と、頑なな拒否の感情がはっきりと浮かんでいた。
しかし、朱姫はその必死の春嬌を見てほくそ笑んだ。
これは最後の気力だ──。
そう思った。
これを潰せば春嬌は折れるような気がする。
「だったらこう言いなさい、春嬌──。そうねえ……。ごめんなさい。もう悪いことはしません。許してくださいってね」
「し、死んでもそんなことは言わないよ」
春嬌が怒鳴る。
「これでも?」
朱姫は春嬌の無毛に無造作に手を伸ばすと、陰毛の束を握って引き抜いた。
「ひぐううっ」
春嬌が片足立ちの全身をのたうたせて苦悶の声をあげた。
そして、激痛に涙をぼろぼろと流す。
「あらっ、もう泣いちゃたんですか、春嬌──。だったら、早く、ごめんなさい。もう悪いことはしません。許してくださいと言った方がいいですよ、春嬌」
朱姫がまた陰毛を握ってひと固まりを握り抜く。
「あふううっ」
春嬌はうなじを大きく仰け反らせて、苦痛の声を洩らす。
ちょっとやそっとじゃ泣きを見せそうもなかった春嬌がもう涙を流しながら苦痛に泣くのを見て、朱姫の溜飲は少し下がった。
「いつまで持つのかしらね……。陰毛を引き抜かれるのって、痛いでしょう? 素直に謝ったらやめてあげますよ」
朱姫はそう春嬌に言いながら、春嬌の恥毛にさらに手を伸ばす。
まとまった束を掴むと春嬌の顔に恐怖の色が浮かんだ。
朱姫はその顔を見ながら徐々に掴んでいる毛を引っ張る。
しかも、苦痛が強まるようにわざと一気には引き抜かずに、徐々に力を入れて引っ張っていく。
春嬌の太腿にはぶるぶると痙攣が走り、食いしばっている口から吠えるような悲鳴があがる。
「まだ、頑張るの、春嬌? 口だけでいいんですよ。心にもない言葉だけで……。謝ってください。口だけでいいんです」
朱姫は春嬌の耳元にささやくように言った。
口先だけでいいの……。
朱姫は繰り返しそうささやいた。
その言葉を春嬌の頭に刷り込ませるために……。
だんだんと春嬌の息が静かになっていくのがわかった。
そろそろ春嬌は朱姫の『縛心術』を受け入れ始めているようだ。
朱姫にはその確信があった。
まずは、朱姫の言葉を春嬌の頭に受け入れさせる。
それを続ければ、だんだんと朱姫の言葉が、本来の春嬌の意思とだんだんと入れ替わる……。
そして、最終的には、朱姫の言葉そのものが春嬌の心と身体を支配してしまうようになる……。
心にもない言葉でも、朱姫の言葉を繰り返しているうちに、徐々に春嬌は朱姫の『縛心術』にかかっていくのだ。
『縛心術』は朱姫の得意中の得意の術だ。
道術を遣えば一発だが、道術が遣えなくても時間をかければ『縛心術』にかけることができる。
だから、朱姫の『縛心術』は道術を持たない人間にもだってかけることができる。
宝玄仙でさえも、朱姫の『縛心術』には一目も二目も置いている。
宝玄仙も朱姫も、簡単に春嬌が賽太斎の弱点や道術の秘密を喋るとは思っていなかった。
だから、『縛心術』にかけようとしているのだ。
色々なことを言って春嬌を言葉で責めているが、すべては『縛心術』にかかりやすくするために、春嬌を追い詰めるためなのだ。
「あたしが言った言葉を繰り返しなさい、春嬌……。口先だけでいいんですよ」
朱姫はまた新しい陰毛を引き抜いた。
脂汗を滲ませながら春嬌は、苦悶の表情を歪める。
だが、むしった毛がかなりの量になったとき、春嬌の顔色が変わった。
そして、みるみるうちに、明らかな興奮状態になり、狂ったように喚き始めたのだ。
「ふ、ふざけるんじゃない──。とっとと殺しな──。お、お前の言いなりになるくらいなら死んでやるよ──。殺せ──殺すんだ──。人間め。わたしを残酷に殺して、死骸をその辺りにばらまきな──。それで、やっとあの臆病者の賽太歳も眼が覚めて、人間の国に妖魔軍を送る肚ができるというものさ──。殺せ、殺すんだよ、わたしを──」
春嬌は、片足立ちの全身を大きく揺すって喚き散らした。
その常軌を逸したような態度にさすがに朱姫もたじろいだ。
だが、すぐに、それだけ春嬌が精神的に追い詰められているということでもあるだろうと悟った。
陰毛むしりくらいどうということはないかもしれないが、これまでいたぶってきた相手に逆に捕らえられて拷問されているという異常な状況が春嬌を追い詰めているに違いない。
春嬌は必ず堕ちる……。
朱姫にはそういう確信が生まれた。
春嬌の気力を崩す。
崩せば春嬌は『縛心術』を受け入れる。
春嬌の恥毛は最初の半分くらいになっていた。
強引に陰毛を引き千切った土手の部分は真っ赤に腫れあがっている。
「じゃあ、しばらく、陰毛毟りはやめてあげますね。その代わり、次はこっちにしようかな……。たくさんあるからむしり甲斐があるし……」
朱姫はそう言うと、春嬌の髪の毛の一部を無造作に持った。
春嬌の顔が引きつる。
華奢に見えても朱姫の身体の半分は妖魔の血だ。
通常の人間の男よりもずっと力はある。
朱姫が力一杯に髪を引き千切ると音を立てて髪が春嬌の頭から引き抜かれる。
「いぎゃあああ──」
春嬌が獣のような声をあげる。
構わずにどんどん髪の毛を引き千切っていく。
春嬌が暴れ回る。
引き抜いた髪の束が春嬌の足元に次々にばら撒かれた。
やがて、ついに春嬌が観念した。
かなりの量の髪を引き抜いた頃だ。
「……ご、ごめんなさい…。もう……悪いことは……しません……。許して……ください……」
ついに、春嬌が小さな声で呟いた。頭の側面のところどころが丸い禿げになっている。
余程悔しかったのか、春嬌はぼろぼろと涙をこぼした。
「やればできるじゃないの、春嬌……。もう一度言いなさい。今度も口先だけでいいわ」
朱姫はまた言ったが、春嬌はすぐには口を開かなかった。朱姫はまた陰毛を握ると、思い切り引っ張り抜く。
「はぎいっ──」
春嬌が泣き喚いた。
「喚くよりも先に言うことがあるでしょう、春嬌?」
朱姫は今度はまた髪の毛を掴む。
「ご、ごめんなさい……。許してください……」
春嬌が慌てたように口にした。
同じことを十回ほど繰り返させた。
最後には毛を毟る仕草をしなくても素直に朱姫の言葉に従い、すぐに言われた言葉を口にするようになった。
朱姫は満足した。
「いい子ね……。じゃあ、ご褒美よ」
朱姫は春嬌の背後に回ると、身体の正面を宝玄仙の方向に向け直させた。
そして、背中側から春嬌の乳房と股間に手を這わせる。
「ひうっ……さ、触るんじゃ……いやっ……くっ……」
春嬌の身体を朱姫の手が這い回り始めると、たちまちに春嬌の身体からは汗が滲み始め、白い肌が真っ赤に充血していく。
それとともに口から切なそうな甘い声が吐息とともに吐き出されていく。
「うふふ、嫌がっても無駄ですよ、春嬌。あたしからは逃げられませんよ。どんなに頑張ってもいかされるんです。それよりも、気持ちいいでしょう? 素直にあたしの言葉を受け入れれば、こんなにいい思いができるんですよ……」
今度の朱姫の声も春嬌の耳元でささやくような声だ。
この声が春嬌の潜在意識に擦り込まれて、朱姫の声を春嬌の意思と入れ替えてしまうのだ。
「くっ、お前……だ、だめっ……そ、そんな……」
春嬌が悔しそうに呻く。
しかし、身動きできない相手を性の手管で追い詰めるなど、朱姫にとってはいとも容易いことだ。
最初は大きくはなかった春嬌の反応が激しいものに変わるのにいくらも時間はかからなかった。
「だんだんと春嬌の身体の気持ちいいところがわかってきました。こんな風に胸を揉まれると気持ちいいですよね?」
「あっ、だめっ」
朱姫は両手で乳房を波打つようにさせながら指先で乳頭部を下から跳ねあげる。
しかも、右と左で乳首の刺激の速さを変えている。
左右の刺激を巧みに別々にさせると、備えられない刺激が女の官能を増幅するのだ。
朱姫の手が動くたびに、春嬌は身体を悶えさせて淫らな声をあげるようになった。
「かなり、いい感じですね。そろそろ、いきますか?」
「ふ、ふざけるんじゃ……あっ、ああ……」
春陽は必死で抵抗しようとしている。
しかし、無駄なことだ。朱姫はゆっくりと片腕を春嬌の股間に移動させた。
「ち、畜生……あぐ、ああ……あふうっ……や、やめ……」
朱姫は剝き出しになっている春嬌の肉芽をつまんだり回りをなぞるように指で動かしたり、擦りあげたりする。
性急にはしない。くすぐるほどの柔らかい刺激だ。
「どうしたんですか、春嬌? 随分と震えてますね。自分がいたぶってきた女に弄ばれるのがそんなに嫌ですか? だったら、我慢してみせてください。最初にも言いましたけど、あたしの持ち時間は一刻(約一時間)なんです。残り、半刻(約三十分)耐えれば、あたしの番は終わりです。意地でも耐えて見せてください」
朱姫は耳元に息を吹きかけながら春嬌にそう言った。
そして、片手は春嬌の秘肉を撫で上げ、もう片手はすっかりと弱点のわかった春嬌の乳首をこねまわし続ける。
「あ、ああっ……く、くそうっ……いや、いやだ……いきたくない……いきたくない……ち、畜生……こ、こんなの……ああっ……ひうっ……ひいっ……い、いきたくない……」
春嬌の身体の反応が激しくなった。
腰がぶるぶると震え出し、どうしようもなく漏れ出る嬌声とともに、春嬌はしきりに、いきたくないという言葉を喚き散らした。
そして、ひと声高く絶叫したかと思うと、一本脚で立っている全身を大きく仰け反らせて、全身を震えさせた。
「あはあああっ──」
そして、痙攣が収まるとがっくりと身体を脱力させた。そのまま顔を俯かせて激しく息をする。
「いきましたね、春嬌……。気分はどうですか?」
朱姫はうな垂れている春嬌の顎を持って、顔を上にあげさせた。
「く、糞が……」
春嬌が真っ赤な顔で朱姫を睨んだ。
「いい顔ですよ。じゃあ、次にいきますね」
朱姫はがっくりとなっている春嬌の背後に準備してある木箱から、あらかじめ準備しておいたふたつのものを取り出す。
一本は黒い色をした張形だ。春嬌たちが責め具として使っていたもののひとつで、朱姫が霊気を込めるとぶるぶると先端をうねらせながら振動を始めた。
もう一本は張形に似せて切断しただけのただの木の枝だ。
先端は小刀で尖らせたが、表面は樹の皮もそのままだ。
その二本を両手に持ち、春嬌の前にかざした。
朱姫の持っているものが春嬌の視界に入った途端、春嬌は悲痛な顔をして吊られている縄が千切れるかとおもうくらいに身体をよじらせた。
「な、なにするんだよ、そんなもの」
春嬌が絶叫した。
「もちろん、春嬌の股間の穴に入れるに決まっているじゃないですか。わかりますよね。春嬌のお股にはふたつ穴がありますよね。そして、ここにも二本。ひとつは張形で、もうひとりはただの木の枝です。でも二本です。穴がふたつで、これも二本……」
朱姫はくすくす笑った。
「……でも、春嬌に選ばせてあげますよ。どちらかが前で、どちらかが後ろです。どちらを前にしますか?」
朱姫は言った。
春嬌が悲痛な表情になった。
「だ、駄目……ぜ、絶対に駄目──」
春嬌が絶叫した。
「そんなことは聞いていませんよ。どちらを前にするか訊いているんです」
「だ、駄目……」
春嬌が怯えた表情で首を横に振った。
「だったら、あたしが決めます。樹の枝を前にしますね……」
朱姫は削っただけの枝を春嬌の股間に近づけた。
「だ、駄目ええぇ──。張形を前に──。張形を前の穴に入れて──」
春嬌が叫んだ。
「なんだ、ちゃんと選べるじゃないですか。じゃあ、張形を前に入れてあげますね」
朱姫は一度木の枝を地面に置くと、肢一本で全体重を支えている春嬌の秘肉をぐいと割り裂いた。
「い、いやっ……」
春嬌の顔に少女のような怯えが浮かんだのがわかった。
確かに性経験は豊富ではないようだ。
女陰にものを入れられるということを随分と怖がっている。
「大丈夫ですよ、春嬌……。一度、達しているんです。そんなには痛くないはずです」
朱姫はそう言うと、張形の先端を気をやったことで半開きになっていた春嬌の女陰にあてがった。
「ああ、ひぎいっ……ゆ、許して……入れないで……いやあぁ」
春嬌は恥も外聞もなく、恐怖の本能のまま身体を震わせた。
「息を吐くんです、春嬌──。抵抗しても痛いだけですよ」
朱姫は強く言った。
春嬌が息を吐き始めた。
朱姫はそれに合わせて、ずぶずぶと膣肉に張形を入れていく。
挿入が深くなると春嬌の声は悲痛なものだけではなく、艶めかしい女の快感を示すものも混ざりはじめる。
朱姫は春嬌の呼吸を見ながら、なるべく苦痛が少ないように注意深く抉っているのだ。
「あああ……はあ……んん……」
張形が進み入ると、大きく開かれている内腿がひくひくと痙攣した。その動きで春嬌の小さ目の乳房も波打っている。
「さあ、奥まで入りましたよ」
完全に張形が沈み込むと、春嬌はもうぐったりとなっていた。
「……もちろん、これからですけどね」
朱姫は霊気を込めた。
道術力は奪われているが、そのために遣われることのない霊気が身体には充満している。
霊具にあらかじめ刻まれている術式に、充満している道術を注ぎ込めば簡単に霊具を動かせる。
張形が春嬌の女陰の中で淫らな動きを開始した。
「んっ……んああっ……ほおっ……ひああ……や、やめろ……く、くそお……ほおっ、ほっ……」
濡れている女陰をこれでもかという具合にかき回されて、春嬌があっという間に絶叫し始めた。
「ここもなぶってあげますよ」
朱姫は張形を押さえている手の指で真っ赤に充血している春嬌の肉芽をくりくりと刺激しはじめた。
「あふううっ……ああっ、や、やめないか……あうっ……」
肉芽を愛撫しはじめると、春嬌の腰はがくりと力が抜けたようになった。
片足立ちの脚の震えが大きくなる。
「もしも達したら、お尻にさっきの木の枝を挿しますからね。それが嫌なら我慢するんですよ」
朱姫がそう言うと、春嬌の表情が悲痛なものになった。
春嬌が張形の動きでもう達しそうなのはわかっている。
だからこそ、朱姫は春嬌をさらに追い詰めるためにそう言っているのだ。
「ああ、だめっ……いきたくない……もう、嫌……嫌……ああっ……あっ、ああっ……」
「ほらほら、達すると木の枝でお尻ですよ。もっと、我慢するんです。我慢です」
朱姫はささやく。
春嬌は必死になって快感に耐えている。
その耳元で朱姫は我慢しろとささやいている。
そろそろ『縛心術』に完全にかかりかけている
朱姫にはそれがわかっている。
いまは、春嬌自身の意思で我慢している。
しかし、それとともに朱姫が耳元で“我慢しろ”ともささやいている。
追い詰められている春嬌は、いまは、自分の意思と朱姫の言葉のささやきにより、なんとか官能の崩壊を防いでいる。
つまり、春嬌の身体は、春嬌自身の意思と朱姫の言葉が繋がっている状況ということだ。
次にやることは、春嬌の身体から春嬌の意思を切り離し、朱姫の言葉を繋げ変えることだ……。
「達してはいけませんよ。我慢するんです……。さあ、言葉にしなさい」
朱姫はさらに肉芽に与える刺激を大きくする。春嬌の悶えがさらに大きくなる。
もう、春嬌は限界まで追い詰められている。
あとはいかせるも、耐えさせるのも朱姫の指先ひとつだ。
「いかない……。いっては駄目……」
春嬌が呻くように言った。
「じゃあ、次は朱姫の言葉の通りに喋ってください……。でも、春嬌は気持ちよすぎて達してしまう……」
朱姫は言った。
すでに必死に快感を抑え込んでいて、圧倒的に襲いかかってくる官能の暴風に追い詰められているだけの春嬌には、もう朱姫の言葉に逆らう気力がないのか、素直に朱姫の言葉を繰り返し始めた。
「……春嬌は……あっ、ああっ……気持ち……よすぎて……ああ……だめ……達する……ああ、あはああああっ──ああああ──」
ついに春嬌の快感の波が炸裂した。
絶頂にすべてを覆い尽くされた春嬌は、もう恥も外聞もなく、淫らな叫びをあげて、腿とがくがくと震わせて強烈な絶頂をした。
「ああ、ああ、あふうっ……」
強烈な絶頂に我を忘れたのか、快感の波が収まると、春嬌は精根尽きたかのように、頭をがっくりと落とした。
「呆気なく達したねえ……。じゃあ、朱姫、お前の言葉の通りに、次は、その奴隷の尻にさっきの木の枝を突き挿すのかい?」
背後で春嬌の対する朱姫の責めを見守っていた宝玄仙が手を叩いて笑って言った。
「そんなあ、もうあんまりでは……」
ずっと黙っていた長女金が耐えられなくなったかのように言った。
「なにがあんまりだよ。お前もこいつには酷い目に遇わされたんだろう。遠慮なんかいるものか。それに、こいつはもっと追い詰めて『縛心術』にかかってもらわなければ困るんだ。賽太斎の道術とあの鈴の音には絶対になにか秘密がある。いつもあいつが大きな道術を遣うときには、鈴の音がしていることはわかっているんだ。それを白状させるんだ。それに、多少壊れても『治術術』があるから大丈夫だよ」
宝玄仙は言った。
「……その必要はないようです、ご主人様──。春嬌は、あたしの『縛心術』に完全にかかりました」
朱姫は荒い呼吸を繰り返している春嬌を見つめながら言った。
「……春嬌、顔をあげてこっちを見なさい」
朱姫は言った。
春嬌が顔をあげて、その虚ろな目をしっかりと朱姫に向けた。
その眼は虚ろだ。
完全に朱姫の術の支配下になっている。
「お見事……」
宝玄仙がまばらな拍手をしてくれた。