「これは俺っち特性の股紐だ。これを股に喰い込ませて、腰を揺さぶれば、手を使わなくても自慰ができるということだ。尻が弱い沙那さんのために、沙那さんの尻に当たる瘤は特別に大きなものを作ったぜ。せいぜい、腰を振って沙那さんの自慰を眺めさせてくんな」
「な、なんですって──?」
かっとなって思わず叫び、眼の前の
だが、慌てて自重した。
ここで激昂して暴れても逃亡の機会がなくなるだけだ。
気を静めるために深呼吸する。
冷静になれ──。
冷静になることだ。
いまできることはそれしかない……。
抵抗の手段は封じられているが、必ず連中が油断する一瞬がやって来る。
それを待つ。
沙那は抵抗せずに、彼らの責めを甘受すべきだと自分に言い聞かす。
そして、緊張していた身体の力を抜く。
「ほう、諦めたかい、沙那さん」
李保が沙那の様子が変わったことに気をよくして言った。
「抵抗するなよ、沙那──。すぐに指を鳴らすぜ。お前の股間につけた『仕置き膜』は、俺の指の音に反応するんだ」
沙那に蹴り飛ばされないように離れた場所にいて指図だけをしているのだ。
どこまで卑怯な男なのかと思った。
「おうおう、本当に蹴り飛ばないでくれよ、沙那さんよ。ただ、ちょっとばかり、気持ちよくなるだけじゃねえか。どうってことねえさ」
李保がにやにやしながらぱちんと沙那の尻たぶを叩いた。
思わず本当に蹴り返しそうになり、沙那は歯を食いしばって耐えた。
「だ、大体、なんでこんなことするのよ……。犯すんなら、犯せばいいじゃないの……」
紐瘤なんかで辱められるくらいなら犯された方がましだ。
本当にそう思った。
「まあ、これも調教の一環だな」
「調教?」
沙那は張須陀の言葉に鼻白んだ。
「ああ、調教だ。今日からは犬のように躾けてやる。一箇月経った頃には、お前は自分のことが雌犬としか思えなくらいに洗脳されているさ。いままでの女もそうだったしな。お前も同じだ」
張須陀が大きな笑い声をあげた。
冗談じゃない。
しかし、いまは耐えるだけだ。
もう、なんでもすればいい……。
抵抗する手段がない以上、いまは耐えるしかない……。
「好きなようにすればいいわ……。また、それでわたしを感じさせようと言うんでしょう……」
沙那は捨て鉢な気持ちで言った。
「まあな。人一倍に感じやすい淫乱な沙那さんのことだ。きっと悦んでくれると思うぜ」
李保がそう言って、沙那の腰の一番細い部分にまずは腰縄を締めつける。
そして、その腰縄の前側に、持っていた腰紐を結びつけて、沙那の股間に紐瘤を割り込ませた。
「くっ」
敏感な部分に大小のふたつの縄瘤が喰い込む。
沙那は股間の急所を突きあげられて、思わず腰を捻った。
しかし、李保が当てた瘤はすでにしっかりと当たっていて、沙那が腰を動かしたことで、却って大きな疼きが湧き起こった。
動くことができなくなった沙那の股間にさらに強く腰紐が引き揚げられて、もうひとつの大きな瘤が沙那の肛門を抉る。
じっとしていても、じわじわという疼きがだんだんと大きくなる。
全身から汗がどっと吹き出す。
「な、これは……」
沙那は自分の股間にしっかりと紐瘤が喰い込んでいるのを自覚せずにはいられなかった。
こんなものを喰い込まされるのは、全身の血が沸騰するような屈辱だが、同時に妖しい快感もざわざわと込みあがっている。
「さて、いいぜ、沙那さん、じゃあ、腰を振って自慰をしな」
李保がぴしゃりと沙那の尻たぶを叩いて離れていった。
沙那は身体の芯まで凍らせるような屈辱感に身体を震わせた。
「腰を振るんだよ、沙那。聞こえねえのかい」
張須陀の怒声が聞こえた。同時にぱちんという指を鳴らす音もした。
「ひごおおおぉぉぉ──」
股間をとてつもない激痛が襲った。
沙那は咆哮してその場に崩れ落ちた。
この激痛だけは耐えられない。
鞭でも棒でもいくらでも痛みには耐えられると思ったが、この世には耐えることができない痛みもあるということを初めて知った。
沙那の全身からどっと脂汗が噴き出すのがわかった。
「立って腰を振れと言っているだろう。また、指を鳴らすぞ」
張須陀があざ笑うかのような声をあげた。
心からの恐怖心で沙那は慌てて身体を起こす。
口惜しいなどという感情は、この激痛の前にはどこかに吹っ飛んでしまう。
本当に股間を金槌で力いっぱい殴られたような痛みだ。
それが股間から脳天に貫くのだ。
人間に耐えられる痛みを遥かに超えている。
おそらく、道術によって痛覚そのものを刺激しているのだ。
だから、耐えられない。
沙那は歯を喰いしばって腰をゆっくりと左右に動かす。
「ふざけるな、沙那──。そんな大人しい腰の動かし方があるかい。ちゃんと前後に振らねえか」
張須陀が怒声をあげる。
仕方なく沙那は腰を前後に動かす。
「あっ、ああ……」
股間と肛門を抉っている紐瘤が沙那の敏感すぎる場所を激しく刺激する。
沙那は全身が燃えるように熱くなるのを感じながら、喘ぎ声をあげて腰を懸命に振った。
「沙那、少しでも速度を落とせば、指を鳴らすからな」
張須陀が沙那の痴態を見ながら哄笑した。
身体の一部から屈辱で血の気がなくなるのを感じた。
だが、すぐに快感が圧倒する。
沙那は半ばやけになって腰を揺さぶり、尻を振り、そして、口から喘ぎ声を出して悶えた。
三人がそんな沙那の姿に手を叩いて笑い合う。
もう背骨まで貫く快感が全身を支配している。
じんという疼きが身体を覆う大きな甘美感に次々に変わっていく。
もうすぐいく……。
そう思った。
「兄貴、沙那さんは、さっそくいきそうですよ。もう、喰い込ませた紐の色が変わるくらいにびっしょりになってますよ」
李保が笑った。
口惜しい……。
沙那は顔を俯かせてぎりぎりと奥歯を鳴らして、それでも懸命に腰を動かした。
この卑劣な男たちの前に、自分がどんな醜態を晒しているのかと思うと、気を失うほどの恥辱感が湧き起こす。
それでも、もっと醜態を晒さなければならない。
あとちょっと腰を動かし続ければ当然そうなるのだ。
「ちょと、腰振りが遅くなったな……。気合が入るように指を鳴らすか、沙那?」
張須陀が言った。
「ちょ、ちょっと、い、一生懸命に揺すっているわよ。だ、だって、もうすぐ……」
かっとして沙那は思わず叫んだ。
「もうすぐなんだ、沙那殿?」
すかさず項延が冷やかすような口調で言った。
腰を懸命に動かしながら、はっとして沙那は口をつぐむ。
「もうすぐ、気をやるくらいに一生懸命に腰を振っていると言いたいんだろう、沙那さんよ?」
李保が笑った。
「結構じゃねえか。早く気をやりな──。そうだな……。いまから十数えるうちに気をやりな。できなかったら『仕置き膜』で気合を入れ直してやる──。ひとつ……、ふたつ……」
張須陀が大きな声で数をかぞえはじめる。
面白がった項延と李保がいっしょになって声をあげる。
「そ、そんな、待って……」
沙那は必死になってさらに腰を振り動かす。
こんな男たちに惨めに縄瘤で自慰をする姿を見せなければならない情けなさ──。
こんな男たちにあられのない狂態など本当は晒したくない。
だが、やらなければ、あの恐ろしい激痛の罰が待っている……。
なにかがやってきた。
「……四つ……、五つ……」
男たちが愉しそうに声をあげる。
沙那は懸命に腰を前後に振る。
もう、腰だけではない。全身を動かしている。
そうやって、少しでも早く歓喜の頂上に昇ろうと必死になった。
「八つ……」
男たちの声が聞こえた。
快楽の絶頂がやってきて、全身を貫く。
「あはあっ──いくうっ」
沙那はひと声あげて、ぶるぶると身体を震わせた。
達した……。
口惜しさよりもほっとした感情がまさった。
男たちの数える数字は九だった。
沙那はじっとりと愛液が滲み出ている太腿をぎゅっと閉じ合せて、絶頂の余韻に束の間浸った。
しかし、次の瞬間、ぱちんという音が聞こえた。
「あがああ──」
股間に『仕置き膜』の激痛だ。
思ってもいなかった仕打ちに、沙那は咆哮して腰を砕かせた。
「な、なんで……?」
十を数えるうちに気をやった……。
腰を振れというから死ぬような恥に耐えて、瘤紐で自慰をやってもみせた。
それなのになんで……。
沙那は恨みの感情のままに張須陀の顔を見あげた。
「気をやるときに、顔を隠していたからな。時間には間に合ったが。残念ながら罰だ。そう言ったろう?」
張須陀が笑いながら言った。
怒りが込みあがる。
「そ、そんなことは言わなかったわ──」
思わず声をあげる。
罰を与えない条件に、気をやるときに顔を張須陀たちに向けるというのがあればそうした。
だが、そんなことは一度も言われていない。
「いいや、ちゃんと言った──。なあ、お前ら?」
張須陀が項延たちに視線を向ける。
「ああ、確かに兄貴はそう言ったな」
「俺も覚えているな」
馬鹿にされているのがわかった。
血が沸騰しそうだ。
沙那は背中に縛られた両方の拳をぐっと握る。
「あんたは、そんなこと言わないわ。絶対に言ってない──」
沙那は叫んだ。
なんでこんなつまらないことにこだわっているのだと、自分でも呆れた。
しかし、沙那は、それでも必死で三人に声をあげていた。
「……なら、本当に言っていなかったかどうか、指を十回ほど鳴らしてやるから、頭を冷やして考えてみるか?」
張須陀が頬に笑みを作ったまま、眼を細めて指を見せた。
思わずぞっとした。
「そ、それは……」
沙那は恐怖で絶句した。
十回など……。
たった一回ずつの激痛で神経をずたずたにされるくらいの衝撃を受け続けているのだ。
それなのに連続十回など……。
「どうなんだ、沙那……?」
張須陀が沙那を睨んだ。
「わ、わたしが間違っていたわ……」
沙那は小さな声で言った。
つっと悔し涙が頬を濡らしたのがわかった。
「じゃあ、調教を始めるか──。いつまでも座ってないで立て」
調教という言葉が沙那の心臓を抉るようにわし掴みをする。
凄まじいばかりの怒りが込みあがり、沙那はそれを表に出さないように懸命にならなければならなかった。
宝玄仙に調教と言われることについてはなんとも思わないのに、なぜ、同じ言葉を張須陀に言われると、これ程までに尊厳を傷つけられた気持ちになるのか……。
しかし、激昂してもなんにもならない。
ひたすら耐えるのだ……。
逃亡の機会がやってくるまで耐える。
「沙那、やることは簡単だ。これを見ろ」
張須陀が、一本の木の棒を沙那に示した。長さは一尺(約三十センチ)ほどで、太さは一寸(約三センチ)くらいだろう。
それをいきなり張須陀が洞窟の奥に放り投げた。
この洞窟は随分な深さがあり、張須陀が投げた棒は、三間(約三十メートル)ほど奥の地面まで飛んでいった。
「十数えるまでに取って来い、沙那。いくぞ──。お前らまた数をかぞえろ」
張須陀が項延と李保に促し、いきなりふたりが数をかぞえだした。
「な、なによ、ど、どういうこと……?」
沙那は訳がわからず狼狽えてしまった。
「早く、行った方がいいぞ。遅れれば罰だからな」
張須陀が言った。
罰と言えば『仕置き膜』に決まっている。
沙那は慌てて投げられた棒に向かって駆けた。
しかし、数歩進んだところで、いきなり瘤縄に股間と肛門を抉られて、うっと腰を屈めた。
脚を前に出すと、突きあげられるような官能の芯を刺激されて、下腹部にずんと疼きが走ったのだ。
こんな状態で走れない……。
沙那は身体を引き摺るように前に歩み出す。
しかし、一歩出ては股間が疼いて愛液が迸り、また、進んでは刺激に腰をよろめかせる。
沙那はふらつきながらやっとのこと、棒が投げられた場所に着いた。
両腕は後手に縛られている。
持って帰れと言われれば、口で咥えるしかない。
沙那は腰を屈めて顔を棒に近づけたが、そのときも沙那を困惑させることが起こった。
屈んだ衝撃で肉芯と女陰と肛門が同時にさらに強く刺激されて、一瞬で気をやりそうになったのだ。
一瞬身体が止まり、慌てて口を開いて棒を咥える。
「……七つ……、八つ……」
数をかぞえる大きな声が洞窟に響く。
沙那は懸命に戻ったが、半分も戻らないうちに、十になった。
すると待っていた張須陀が指を鳴らして、沙那は絶叫してその場に倒れ込んだ。
「……投げられた棒を持って戻ってくる。こんな簡単な芸もできないとは、躾のなってない雌犬だな」
沙那に近寄ってきた項延が、沙那の口から離れた棒を拾いあげて言った。
「仕方がないよ、項延。この沙那さんの雌犬として調教は、今日からなんだからな」
李保が笑った。
「ほら、沙那殿、さっきみたいに刺激を受けないように進んだんじゃあ、とてもじゃねえが間に合わねえぞ。股間が疼こうが途中で気をやろうが、遮二無二走るんだ。それが罰を受けないためのこつだ」
項延が沙那の後手縛りの縄を取って引き起こした。
そして、意地悪く、さっきよりもさらに遠くに棒を放り投げた。
「いくぞ、沙那殿、ひとつ……、ふたつ……」
数が始まる。
沙那は髪を振り立てて駆けた。股間が疼き、二度三度と脚が絡まるようによろける。
それでも、懸命に駆ける。
棒を口で咥えるときに、軽い気をやって身体がぶるぶると震えた。
それでも力の抜ける腰を引き摺るように起こすと、倒れかける勢いのまま走る。
なにも考えない。
ただ走る。
股間に淫液が溢れ出てべちょべちょになった。
それでも脚を動かす。
張須陀は、最初にいた場所でいつの間にか木箱を持ちだして座っている。
その手前に項延と李保がいて数をかぞえている。
沙那はそのふたりに向かって懸命に脚を進めた。
やっと項延と李保のところに戻ったときには、信じられないくらいに汗びっしょりになっていた。
沙那が口に咥えた棒を顔を突き出すようにすると、項延が笑ってそれを受けた。
「やればできるじゃあねえか、沙那──。まあ、正直なところ、二回目でできるとは
思わなかったけどな……。まあいい。じゃあ、ご褒美だ。ほらっ」
木箱に座っている張須陀が言った。
張須陀は、自分が座っている木箱の横にさらに木箱を置き、そこに果実や干し肉を山盛りにした皿を置いて、それを食べながら見ていた。
張須陀がその手元の皿から沙那に向かって、なにかを放った。
やはり、必要以上に沙那には近寄って来ない。
こうやって、腕を拘束された沙那を前にして、いまだに用心深く沙那を警戒しているのだ。
そのうち、きっと油断するときがある。
それまでは耐える。
きっと逃亡の機会はある。
懸命に言い聞かす。
沙那の眼の前に、ひと口大の干し肉の欠片が降ってきた。
実は、沙那はここに監禁されて以来、水は十分に与えられていたが、満足な食べ物はほとんど与えられていない。
時折、思い出したかのように、彼らの食べる残飯をほんの少し貰えるだけだ。
だから、眼の前の肉片が投げ捨てられたとき、自分が怖ろしいくらいに空腹であることがわかった。
しかし、地面に投げられた肉片から受けた衝撃は、気を失いそうになるくらいの惨めさだった。
まるで犬のように躾けられている……。
それがわかった。
棒を投げて口で咥えて持ってくる。
失敗すれば『仕置き膜』による激痛の罰──。
成功すれば、肉片のご褒美──。
やらされていることがわかると、たとえ、どんなに空腹でも喉に肉片を口に入れる気にならない。
「食えよ、沙那」
張須陀が得意気に沙那を見ている。
沙那は張須陀を睨んだ。
ここから張須陀のいる場所までは、ほんのちょっとだ。
しかし、それが遠い。
沙那がいま飛びかかっても張須陀は指を鳴らすことで簡単に沙那の動きを封じることができる。
それにいまは腕が拘束されている。
もしも、張須陀の身体に蹴りが届いたとしても、それで終わりだ。
たちまちに抑えつけられるし、出入り口の岩を動かして外に出ることもできない。
逃げることもできないし、もっと念入りに拘束されてしまうだけだ。
耐えることだ……。
いま、沙那がやるべきなのは、ひたすらに耐えて機会を待つことだ。
そのためには、眼の前の肉片を食べることも、少しでも体力の回復を望むことも沙那がやるべきことなのだ……。
沙那は身体をゆっくりと屈めて、地面に落ちた肉片を口にした。
「だんだんと犬らしくなったな、沙那。果物を喰え──。李保、お前のお得意のやつをやってやれよ」
張須陀は口の中のものを咀嚼しながら、今度は、李保に向かって赤い果実を放った。
「おう、沙那、じゃあ、俺が食事の運び係になってやるよ」
李保が意味ありげににやりと笑うと、受け取った果実を自分の口の中に入れた。
「ほれ、喰え」
李保がやってきて、沙那の前にかがみ込み口を開いた。
その口の中には、咀嚼されてぐちゃぐちゃになった食べかけの果実がある。
ぎょっとした。
これを口移しで食べろというのか……。
さすがに頭から血の気が引いた。
逃亡の機会が来るまで耐えるのだと誓った心ががらがらと崩壊しそうだった。
「おかしな素振りをするなよ、沙那。指を鳴らすぞ」
沙那の殺気を見抜いたのか、張須陀がすかさず言った。沙那の身体が小刻みに震えだす。
もうどうでもいい……。
なにもかも捨てて暴れてやろうと思った。
それで殺されるなら、それでいい。
こんな恥辱を受けながら、生き恥を晒すことなどもうできない──。
沙那はぎゅっと身体に力をいれる……。
だが、沙那は目をつぶり静かに鼻から息を吸った。
そして、吐く……。
もう一度……。
まだ、駄目だ……。
他人の口の中のものを食べるなど初めではないじゃないか……。
自分に懸命に言い聞かせる。
こんなことはなんでもない。
宝玄仙の口の中のものも食べた。
孫空女のものの……。
朱姫のものも……。
彼女たちはどうしているのか──。
探してくれているとは思うが……。
まだ、沙那の興奮は収まらない。
もう一度……。
沙那は眼を開けた。
「も、貰うわ……」
口を李保の口に向ける。
李保が沙那の肩を抱き、唇を重ねてくる。
李保の唾液とともにどろどろに唾に溶けかかっている果実の欠片が沙那の口の中に入る。沙那は吐気に耐えながら、それを喉に入れた。
「じゃあ、ご褒美も貰ったし、次だ。取って来い──」
突然、項延がさっきの棒を放った。
いやらしいほど遠くまで棒が転がっていく……。
「ひとつ……、ふたつ……」
項延たちの数が始まる。
「ぼうっとするな、沙那。罰だぞ。今度は二発だ」
張須陀が声をあげた。
沙那は慌てて立ちあがって棒を追う。
たちまちに股間に疼きが襲う。骨まで砕け散るような汚辱に気を落ち着かせることも許されず、沙那は再び股間を抉られながら棒を追って駆けだした。
股間を刺激する瘤に耐えながら身体を引き摺るように走った。
だが、途中で耐えられなくて駆けながら気をやってしまった。
沙那は、そのまま、ぶるぶると身体を震わせてその場にしゃがみ込んでしまい、はっとして、慌てて立ちあがった。
だが、そのときには、項延と李保が笑いながら、十を告げている最中だった。
結局、二発の激痛を受けて、沙那は泡のようなものを口から出してのたうち回らされた。
連続で受けた二発の衝撃は大変なものだった。
一発目の激痛の余韻の収まりを待たずに、二発目を受けると、二倍どころか四倍もの痛覚に増幅するようだ。
息がとまって身体をぴくぴくと動かしながら、沙那は股間からじろじょろと尿がでるのを感じた。
「失禁するとは何事だ、沙那──。罰だな」
離れた場所にいる張須陀が、さらにぱちんぱちんと指を鳴らした。
「ほごおぉぉ──」
およそ自分のものとは思えない自分の咆哮を聞きながら、沙那は自分の意識がすっと消えるのを感じた。