※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

385 / 819
385 奴隷式の排泄

 五日目の朝だ。

 傷を負って意識のなかった最初の三日間を含めれば八日が経った。

 

 沙那は玄関に備え付けられた檻に閉じ込められていた。

 それが沙那の寝床なのだ。

 寝床といっても、檻は大型の犬を閉じ込めるほどの大きさしかなく、そこに入れられると、沙那は背を屈めてしゃがむか、身体を丸めて寝るくらいしかできない。

 檻は鉄格子に囲まれている。

 何度か試したが、思いのほか頑丈でとてもじゃないが鍵をかけられてしまえば出られそうにない。

 その鍵は、いつも姉妹のうちの妹の愛寧(あいねい)が腰にぶら下げている。

 どんなとときでも外しそうにない。

 どんなときでもだ。

 

 そして、信伸(しんしん)というこの家の長兄の前で嗜虐されるときに、この檻から出され、ひと通りの責めを受けてから犯される。

 犯されればもう用がなくなったかのように、この檻に入れられる。

 檻を出されるのは、嗜虐されて犯されるときだけであり、圧倒的にこの檻に入ってる時間の方が長い。

 それだけに隙がない。

 そういう日々が続いていた。

 

 檻にいる間に、定期的に皿に載った食事と水──。

 身体を拭くための布も与えられる。

 檻に入れられてしばらく経てば、桔梗の香りの真毒の効果が消えていき、手足が動くようになる。

 それで食事と身体の手入れができるというわけだ。

 しかし、手足が自由になっても完全に鍵のかかっているこの檻から脱出する方法は見つからない。

 

 また、夜の間には、腰に布を身に着けることを許されていた。。

 ただし、それはおしめだ。

 檻に閉じ込められている間に粗相をしないようにということだ。

 沙那が自由に許される排泄は、そのおしめにすることだけだ。

 

 一日の始まりは、兄妹の真ん中の愛華(あいか)が山に出ていき、しばらくして、愛寧が沙那の様子を確認するためにやって来る──。

 そのとき、大抵は愛寧は沙那に与える食事を運んでくる。

 食事は檻の下にある隙間から中に入れるだけだ。檻が開けられることはない。

 そうやって、一日が始まる。

 

 この日も愛華は、随分と朝早くから、膝までの丈の服一枚だけの姿で外に出ていった。

 愛華の仕事は、山に入って薬草や魔草を集めることだ。

 真ん中の愛華が山歩きで薬草と魔草を集め、それを定期的に兄の信伸と末の愛寧が城郭に売りに行く。

 それでこの一家の生計は成り立っているようだ。

 両親はいない。

 この三人の兄妹で暮らしている。

 

 ただ、なぜか真ん中の愛華の扱いは、完全な奴隷扱いだ。

 山歩きも、随分と早朝に出発して、夕方まで戻ってこない。

 毎日、相当の量の草を集めてくるのだが、決められた割り当てはかなりの分量らしく、この五日とも一度も規定の量を集めて帰ってきたことがない。

 割り当てを守れなければ、信伸か愛寧の鞭打ちの罰だ。

 それで愛華の身体は鞭打ちによる蚯蚓腫れの絶えることがない。

 

 実際、愛華の肌は惨たらしい傷だらけで惨い状況だ。

 しかし、どうやら、この家には蚯蚓腫れの傷など、あっという間に消せる魔草もあるらしい。

 だが、それは売りものだからという理由で、愛華は使わせてもらえないようだ。

 自分で集めた魔草を自分の傷を癒すために使わせてもらえない……。

 そんな理不尽な扱いなのだが、愛華はなにひとつ文句を言わない。

 割り当てがこなせければ鞭で打たれるのは当たり前と思っているようだし、決められている割り当て量が多すぎると不満をいうことはない。

 愛華は、ただ黙って鞭打ちを耐えるだけだ。

 

「お、お早う、沙那……。具合はどう? 朝のお勤めよ。仕事が一段落したからね」

 

 愛寧がやってきた。

 手に香炉を持っている。

 その香炉には、沙那がすっかりと毒に侵されている魔草の桔梗の香りが焚かれている。

 本来は、花のいい香りなのだが、沙那にはつんという刺激臭に感じる。

 そして、この香りを近づけられると、沙那の手足は完全に弛緩して力を失ってしまうのだ。

 既に、手足の感覚がかなりなくなってきている。

 沙那は焦った。

 このままでは、沙那はのっぴきならない状況に追い詰められてしまう。

 

「あ、愛寧……。もう、駄目なの。は、早く──」

 

 愛寧を認めると沙那は叫んだ。

 実は早朝から何度も叫んでいる。

 しかし、家の裏で作業をしている愛寧と信伸には聞こえなかったのか、それとも聞こえていて無視したのか、とにかく、沙那の叫びに全く反応がなかった。

 いま、やっと苦悶している沙那の檻に、初めて愛寧が来てくれたのだ。

 

 山歩きをしている愛華に対して、信伸と愛寧も、愛華が採集してきた草を加工して薬にするという作業をしている。

 沙那は一度も家の外に出たことも、眺めたこともないが、家の庭には薬草や魔薬を乾燥させたり、日干しにする場所もあるようだ。

 家の裏には薬剤を加工する小屋があり、ふたりは日中のほとんどをそこに籠っているようだった。

 

 それが隙なのではないかと思い、沙那は外に人間の気配を感じると助けを求めて叫んだりしたが、いまのいままで成功したことはなく、却って愛寧に罰の口実を与えるだけだった。

 それに『結界術』がこの家全体に刻まれているとすると、この家から発する悲鳴も物音も結界の外には漏れ出ない可能性が高い。

 いまでは、沙那は叫んで助けを求めることを完全に諦めている。

 

「なにが駄目なの、沙那? それよりも、お兄ちゃんがお待ちかねよ。あんた、余程、気にいられたのね。あんたがやってきてから、お兄ちゃんはあんたしか犯さないものね。本当によかったわ。あんたを捕まえて……」

 

 愛華が笑った。

 

「そ、そんなこといいわよ……。そ、それよりもお願い……」

 

 沙那は脂汗を流しながら言った。

 

「あら、どうしたのよ、沙那? そんなに身体に汗をかいて……。それに随分と震えているわ。よく見れば、鳥肌も立っているじゃないの」

 

 愛寧がわざとらしく嘲笑った。

 

「う、うるさい……。ひ、卑怯者──。あ、あんた、わたしの朝食になにか盛ったでしょう──?」

 

 沙那は抗議の声をあげた。

 朝食を与えられたのは、もう二刻(約二時間)も前だ。

 愛華が山歩きに出ていくのは、陽が昇るか昇らないかの薄明るい時間だが、大体その後に、檻の下側の隙間から皿に載った残飯のような食べ物が与えられるのだ。

 

 檻の中では拘束もされていないし、皿にはさじもついていて、普通に食事ができる。

 残飯であろうと、なんだろうと、体力を失っては逃亡の機会があっても逸すると思い、なにを出されても全部食べることにしているが、今朝、朝食を食べ終わるとすぐに下腹部に腹痛が襲ったのだ。

 そして、それはすぐに猛烈な便意になった。

 うろたえた沙那は懸命に檻から叫んで愛寧を呼んだが、愛寧は沙那のいる土間にまったくやってこない。

 兄の信伸も同様であり、沙那はひとりで便意に苦しみながらずっと檻に放置されていたのだ。

 

「なにか盛ったかは失礼よ。便通の悪い奴隷に、うんちが出る魔草を食べ物に混ぜただけじゃないの……。それで、どうしたの。おしめを使ったの?」

 

「つ、使うわけないでしょう。か、厠に連れて行ってくれとは、もう言わないわ。せめて、おまるを使わせて。桶でもいいわ」

 

 沙那は訴えた。

 

「だけど、あんた、毎日のように木桶にうんちをして、あたしに処理させるじゃないの。それはいいんだけど、なんか手間かかるしさあ……。お兄ちゃんの前でさせようとしても、なんか我慢しちゃって時間をかけるし、お桶を当ててやれば泣き叫ぶし、そんなに嫌なら、この檻に入っている間におしめにすればいいと思って、魔草を使ってやったんじゃないの……。いいから、おしめにしなさい。うんちは拭いてあげるから」

 

 愛華は言った。

 この間にも香炉の煙が沙那の身体にどんどん入ってくる。

 もう完全に手足は動かない。沙那はそれを知覚していた。

 

「わ、わかったわ……。ふ、ふたりの前でする……。でも、おしめにするなんて情けないことだけは許してよ」

 

 沙那は言った。

 

「もう駄目よ。この五日、毎日、浣腸してお兄ちゃんの前でうんちさせたけど、そろそろ、退屈になってきたのよね。あんたの恥ずかしそうな泣き顔もいいんだけど、さすがに同じことをしても飽きるでしょう。だから、とりあえず今日はいいわ。それよりもしばらくは、ここにいてもらうんだから、おしめにうんちをすることも覚えないと……」

 

「なに言ってんのよ──」

 

「とにかく、おしっこはできるようになったんだから、うんちもおしめにしなさい、沙那──。いい子にしてたら、そのうち、解放してあげるわ。いつまでも、お前を永遠に監禁するとか言わないから……」

 

 愛寧が檻の外にしゃがんで、沙那の入れられている檻を覗きこむようにして言った。

 

「ふ、ふざけないでよ……。じゃ、じゃあ、いつになったら、わたしに飽きて解放するのよ──?」

 

「さあ……。まあ、お兄ちゃん次第だと思うけど、半年か……一年か……。お兄ちゃんは、結構執着心が強いのよね……。もしかしたら、一生飽きないかも──」

 

 愛寧は笑った。

 

「じょ、冗談じゃないわ……。わ、わたしには仲間がいると言ったでしょう──。帰らないといけないのよ。わかってよ──」

 

「だ、か、ら……。その仲間はとっくの昔に附国を出立したと教えたじゃないの。いい加減に認めなさい。あんたがいなくなって何日経っていると思っているのよ──。あの宝玄仙とかいう女主人は、あたしの嘘で、はっきりとあんたが逃亡したと思い込んだわ。もう、あんたのことなんて、誰も探してないわよ。それよりも、あんたは見捨てられてしまって、行き場はあるの? なんだったら、お兄ちゃんが飽きても、逆に、この家にいられるようにしてあげましょうか?」

 

「くっ……」

 

 なにを言っても無駄だということはわかった。

 しかし、それよりも沙那は、いまこの苦悩に追い詰められている。

 

「そ、それよりも……。もう、もう駄目……。本当にお願い……。後生だから、おしめに排便するなんて、惨めなことはさせないで──。せめて、木桶にさせてよ」

 

 沙那は訴えた。

 

「もう無駄よ。いまじゃあ、もう手足が弛緩して、その木桶も跨げないんじゃないの? そのおしめにするしかないのよ」

 

「だ、だったら、また縛ってくれていい──。大股開きでもいい──。おしめだけは許して……」

 

 沙那は唇を震わせた。

 

「そんなに嫌なの?」

 

「嫌っ──」

 

「だったら尚更ね。どんな感じか一度やってごらん、案外、やみつきになるかもよ」

 

 愛寧が哄笑した。

 

「そ、そんなあ……」

 

 沙那は悲鳴のような声をあげた。

 

「もう、いいわ。つべこべ、言わずに出てきなさい」

 

 鍵が開けられて檻が開いた。

 だが、沙那にはもう自分の力で外に出ることができない。

 弛緩した腕を取られて檻の外に引きずり出された。

 沙那は手足を投げ出した状態で土間に仰向けにされる。

 桔梗の魔草の香りの毒が効いている沙那は、もうその恰好で動けない。

 

「ううっ……」

 

 猛烈な便意が襲っている。

 だが、このまますれば、おしめの中に大便を垂れ流すことになる。

 そんな惨めなことは死んでも嫌だ。

 それだけの思いで、必死に沙那は耐えていた。

 

「し、信伸様──。お願いです……。そこにいるんでしょう? なんでもするから、木桶にさせてください。おしめだけは嫌なんです」

 

 沙那は一縷の望みにかけて、家の奥にいるはずの信伸というこの家の長兄に頼んだ。

 もう、愛寧になにを言っても無駄だ。

 だが、信伸だったら……。

 もう、卑屈でもなんでもいい……。

 いまは、おしめに排便するというこの狂った仕打ちさえ免れたら……。

 

「まだ、手間取っているのか、愛寧?」

 

 奥からやってきた信伸は、土間よりも一段高くなっている家側から、土間にひっくり返っている沙那を見下ろして言った。

 その顔には酷薄な冷笑が浮かんでいる。

 

「なんか、意外にしぶといのよ、お兄ちゃん──。どうしても、おしめにうんちは嫌みたいなの」

 

 愛寧が肩をすくめた。

 

「だっから、浣腸をしてやれ。一度、おしめにすれば、それで性根も直るさ。明日からは、手間をかけさせずにおしめにするだろう。奴隷は甘やかすな、愛寧」

 

 信伸は冷たく言った。

 

「そ、そんな……」

 

 沙那は思わず悲鳴をあげてしまった。

 もう便意の限界にあり、少しでも気を緩めれば大便が漏れ出てしまいそうな沙那に、今度は浣腸までするというのだ。

 この無慈悲な兄妹は、なにが愉しくて、そこまで沙那を追い詰めるのか……。

 

「そうね。お兄ちゃんの言う通りだわ。奴隷は甘やかしては駄目ね」

 

 愛寧が奥に引っ込む。

 本当に愛寧が浣腸の支度を始めたのだとわかって、沙那は激しく狼狽した。

 

「や、やめてよ──。そんなことしないでください、信伸様──」

 

 沙那は信伸を見あげて懸命に訴えた。

 本当は、こんな男に丁寧な言葉遣いなどしたくない。

 だが、いまの沙那には、この信伸の慈悲にすがるしかない。

 なんだかんだで、愛寧は信伸に逆らわない。

 信伸が許してくれさえすれば、沙那は落下無惨な姿を晒さないでで済むのだ。

 

 沙那は血が沸騰するような怒りをぐっとこらえて、哀れな口調で懸命に信伸に訴えた。

 しかし、信伸はにやにや微笑むだけで、完全に沙那の哀願など無視だ。

 

 愛寧が戻ってきた。

 手に薬剤の入った革袋を持っている。

 浣腸袋だ──。

 袋の先端には管があり、それを肛門に挿し入れて革袋を絞れば、中の薬剤が沙那の腸に注がれるのだ。

 この五日で何回かそれをされたので、その中身が強烈な排便剤であり、肛門に注入されれば、あっという間に強烈な便意が襲うのを沙那は知っている。

 いま、そんな強烈な薬剤を受ければ、沙那の限界は崩壊する……。

 

「じゃあ、おしめを一度開けるけど、まだ粗相をしては駄目よ。漏らしたら、汚れたおしめをそのままつけさせるからね」

 

 愛寧がそう言って、沙那の脚を開かせておしめを開けた。

 手足の弛緩している沙那の身体は大きな赤ん坊だ。

 

「まあ、おしっこはしていたのね。すっかりとびしょびしょ──」

 

 おしめを外して、そこを覗きこんだ愛寧がわざとらしく言った。

 沙那は自分の顔が恥辱に歪むのを感じた。

 すぐに沙那の肛門に革袋の先端の管が挿し込まれた。

 

「あはあっ──」

 

 沙那は悲鳴をあげた。

 入ってくる……。

 体内におぞましい薬剤が送り込まれる感覚に沙那は身体を震わせた。

 

「終わったわ」

 

 薬剤を注ぎ終わった愛寧はふうと息を吐き、また、元のように沙那の股におしめを付け直した。

 

「……お、お願い……。せ、せめて、木桶に……」

 

 沙那は身体を震わせて弱々しく言った。

 もう、大声を出すこともできない。

 

「……そんなにおしめに排便するのは嫌か、沙那?」

 

 ふとなにかを思いついたような口調で信伸が言った。

 

「い、嫌……」

 

 沙那は首を振った。

 首は動く……。

 身悶えくらいなら胴体も動く。

 しかし、手足はまったく動かない。

 指一本もぴくりともできない。

 

「だったら口で奉仕をしてみるか? 俺の一物から精を出すことができたらおしめに排便することは勘弁してやるぞ」

 

 信伸が言った。

 

「や、やるわ──。やらせてください……」

 

 沙那は言った。

 男に対する口の奉仕は、宝玄仙にさんざんに教え込まされた。

 もう、限界なのだが、なんとか短い時間でやってみせる……。

 

「お、お兄ちゃん──?」

 

 しかし、愛寧が驚いたような声をあげた。

 

「いいんだ。試してみたい……」

 

 信伸はなにかを決心したような真剣な口調で言った。

 だが、沙那はそれどころではない。

 もう、便意は限界を遥かに超えているのだ。

 いま、崩壊を支えているのは、おしめに排便をするという恥辱だけは死んでも嫌だという、沙那の強い意思だけだ。

 家側と土間は段差があり、信伸がそこに腰を降ろす。

 

 沙那は愛寧に身体を持ちあげられて、信伸の股間に顔を埋めるような態勢にされた。

 両脚は愛寧によって正座のかたちに畳まれる。

 手足は動かないので、愛寧にそうやって手足を曲げたり、伸ばしたりされてその姿勢をとらされただけだ。

 信伸が自分で下袴と下着を足首まで下ろした。

 

 沙那の顔の前に信伸の一物が現れる。

 まだ勃起はしていなかった。

 そのだらりとした一物を沙那は口で咥え、まずは唾液をまぶした。

 口は自由に動く。

 宝玄仙に教えられた技をすべて使って精を絞り出してみせる……。

 

 激しい便意に襲われながら、沙那は奉仕を開始した。

 唾液に濡れた男性器から一度口を離して、挨拶するように口づけをする。

 たっぷりと情感を込めて……。

 そして、再び咥える。

 先端の亀頭の部分の皮を舌で剥いて、さらに唾液をたっぷりとつける。

 

 先端から幹に……。

 幹から先端に……。

 甘噛みで幹を刺激し……。

 そして、先端に舌を這わせる。

 強く……。弱く……。

 

「ちっ……」

 

 信伸の焦ったような声がする。

 

「お、お兄ちゃん……」

 

 愛寧の心配そうな声がした。

 だが、沙那はそれどころじゃなかった。

 焦っていた……。

 なぜか勃起しないのだ。

 

 精を放つどころか、まだ勃たせることもできない。

 宝玄仙には口でやる奉仕のこつは、相手の反応に合わせることと教えられた。

 少しでも気持ちがよさそうな場所があれば、徹底的にそこを責めるのだ。

 だが、この信伸は反応そのものがない。

 

 どうしていいかわからない……。

 責めの場所を変えてみるか……。

 睾丸に……。

 

 男性器そのものではなく、睾丸が気持ちいい男もいると宝玄仙に教えられたような……。

 口いっぱいにふたつの睾丸を頬張り、吸ったり溜めたりした。

 

 だが、しばらくやったが反応しない。

 今度はもう一度男根そのものを咥える。

 もっと口の奥まで入れて、口全体で男性器を包み込むようにする。

 音を立てる……。

 

 なんで……?

 大きくならない……。

 信伸の性器を舐めつつ、顔をあげて信伸の顔を見た。

 苦痛の表情だ……。

 

 どうして……?

 早くしないと便意が……。

 

「畜生……」

 

 信伸が悪態をついて、いきなり乱暴に沙那の顔を跳ね避けた。

 

「この下手糞──。お兄ちゃんの精を出すどころか、気持ちよくすることさえできないの──」

 

 突き飛ばされて、土間にひっくり返った沙那を愛寧が罵った。

 愛寧の顔には憤怒の表情がある。

 

「も、もう一度やらせて……」

 

 どうして失敗したのか……?

 宝玄仙に教わった通りにやった。

 張須陀たちに囚われていたときも、彼らは沙那の口の奉仕は気持ちがいいと絶賛していたのに……。

 

「お前が下手だから駄目なのよ、沙那。もう、二度とさせないわ」

 

 愛寧は、怒りに震えた様子で、仰向けになっている沙那の下腹部を思い切り踏んだ。

 

「はがあっ」

 

 ぶりぶりぶりと沙那のお尻から激しい音がした……。

 おしめの中に大量の排泄物が漏れ出ていく……。

 

「ああっ……」

 

 沙那は泣き声をあげた。

 

「あら、やっちゃたのね?」

 

 愛華が笑った。

 一度出始めたものはもう止められない。

 腰につけられたおしめの中で排泄物が拡がり沙那の股間になすりつく。

 そこにさらに新しい排便がどんどんと足されていく。

 

「案外、大したことがなかったでしょう。やってみれば、どうってことないんじゃないの? 大騒ぎしたけど、明日からは朝の奉仕までにおしめにしておくのよ。あたしが始末してあげるから……」

 

 愛寧が言った。

 しかし、沙那にはもう反応することができない。

 まだ、おしめの中では、沙那の肛門から大量の大便が漏れ続けていた……。

 ただただ、沙那は股間に汚物がまみれるおぞましい感触に身体を震わせるだけだった。

 

「今朝はもう、お兄ちゃんへの奉仕はいいわ。その代わり、面倒かけた罰として、もう一度、そのまま檻に入ってもらうわ、沙那。おしめを替えてあげるのは、あたしたちの仕事がひと仕事終わってからよ。さあ、入り直しなさい──」

 

 沙那は汚物にまみれた股間をそのままに、信伸と愛寧に両側から抱えられて檻に放り入れられた。

 再び鍵がかけられる。

 

「許されなければ、大便で汚れたおしめも替えてもらえない……。それが奴隷よ。しばらくそうやって、奴隷の自覚をしなさい」

 

 愛寧が冷たく言って、土間から離れていく気配を感じた。

 いつのまにか信伸もいなくなっていた。

 沙那は檻にひとり残された。

 

 おしめの中から発散する自分の汚物の悪臭……。

 しっかりと設置された檻の前の桔梗の香り……。

 

 それが、檻に入った沙那に襲いかかり、沙那をひたすらに惨めな気持ちにさせていった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。