「孫空女が下着姿で踊った?」
階下が居酒屋で、二階が娼婦を抱くための部屋なのだが、余分な代金を支払ってこの部屋をひと晩借りきっている。
つまりは、明日の朝まで、ここを宿として使えるということだ。
ここで男を漁るつもりだった美麓は、沙那という男装の女を誘ってしまい、その沙那とふたりだけでこの部屋にやって来たのだ。
無論、美麓と沙那がここにやってきたのは性交が目的てはない。
美麓が数日前にここで会った宝玄仙という妙な女の一行について教えてやるためだ。
この沙那は、あの宝玄仙の供のひとりであったが、なにかの理由ではぐれてしまい懸命に追いかけてきたらしい。
ふたりで部屋に入ると、美麓は宝玄仙たちのことについて、知りうる限りのことを美麓は沙那に語った。
彼女たちが階下の居酒屋で起こした喧嘩──。
孫空女の下着姿の踊り──。
そして、後天袋が彼女たちに声をかけてそのまま夜旅で連れていってしまったことなどだ。
おそらく、黄眉という亜人に囚われたに違いないとも言った。
ただし、宝玄仙が悪ふざけをして、美麓の股ぐらを掴んで路銀を脅し取った一件だけは黙っていた……。
沙那は、料理を口にするとともに、自分が買った瓶の水を口にしながら美麓の話に耳を傾けていた。
食べてもいいと言った美麓の肉には手をつけようとしない。
もしかしたら、用心をしているのかもしれないが、自分が口にする水の瓶を美麓に預けたのは失敗だろう。
すでに美麓は、命に別状はないが一時的に昏睡状態にする毒を沙那が飲んでいる水の瓶に仕掛けている。
さっきから平気でその水を口にしているから、すぐにでも毒の効果が沙那に発揮するはずだ。
美麓は毒が効いてくる時間を稼ぐつもりで、沙那に宝玄仙たちについて話した。
美麓が三日ほど前に出遭った宝玄仙たちの様子を語るのを沙那はずっと静かに聞き続けた。
とにかく、あの宝玄仙たちは、この小西天にやってくるや、下の居酒屋で騒動を起こして、短い時間であっという間にこの町の有名人になったのだ。
なにせ、女連れであることすら珍しいのに、三人とも大変な美女で、しかも十人の荒くれ男たちをあっという間に叩きのめしたかと思えば、次には、見物料をとって裸踊りに近いような芸をやって騒いだりしたのだ。
滞在はわずか数刻なのに、いまでもあの孫空女の下着踊りはこの町の住人の口の葉に取り沙汰されるほどだ。
結局、その後すぐに宝玄仙たちは、ここから少し行ったところにある小雷音という場所に棲む
黄眉は、美女ともなれば、次々に浚っては剥製にして飾るのが趣味だというとんでもない奴であり、この界隈では有名な殺人鬼だったが、この町にやってきたばかりで、なにも知らなかった宝玄仙たちは、騙されてそこに向かったのだ。
彼女たちがどうなったか知らないが、正直に言えば、美麓はもう宝玄仙たちは死んでいると思っていた。
沙那は冷静さは保っていたが、美麓にははっきりと沙那の興奮を見抜くことができた。
どうやら、本当にあの女主人たちとの再会を望んでいて、はぐれてしまった彼女たちを懸命に追っていたようだ。
しかし、残念ながらもう手遅れだろう……。
あのときは後天袋はたったひとりだったが、あれはただ、宝玄仙たちを油断させるためだけのもので、実は大勢の部下を抱えるこの町の顔役のひとりだ。
美麓はもちろん、あの場にいた全員が知っていた。
そして、宝玄仙たちが連れていかれたのは三日も前だし、彼女たちを連れていった後天袋がすでにこの小西天に戻っていて、取り巻きとともに羽振りよくしているのを美麓は今朝も見ていた。
あの後天袋が美麓の泊っている宿屋に、毎朝食事をとりに来ることは本当だが、それは護衛の部下を引き連れてのことで、沙那がその後天袋をその場で取り押さえるなど無理だろう。
宝玄仙が連れていかれた夜だって、ひとりで宝玄仙に接触した後天袋と離れて、護衛の数名も店の中にいた。
宝玄仙をこのまま、騙して小雷音まで連れていくことが可能だとわかると、後天袋はこっそり護衛を追い払ったのだ。
その仕草も美麓はしっかりと見ていた。
いずれにしても、沙那には、美麓が宝玄仙たちを黄眉から救うことに協力するようなことを言ったが、実のところ、あの後天袋に連れていかれた三人がどうなったか、美麓には興味はない。
美麓が考えているのは、もっと別のことだ。
つまり、あのとき宝玄仙に持っていかれた路銀を回収することだ。
別に致命的な損ではないが、あの場で大声で美麓が女であることをばらすと脅されて、思わず財を渡したことが、美麓は悔しくて仕方がなかった。
それがこんなかたちで、早くも回収の機会がやってくるとは思わなかった。
沙那には悪いが、女主人の不始末は供の不始末だ。
いくらかでも回収させてもらう……。
「……だいたいのことはわかったわ、美麓。感謝するわ。それよりも、黄眉というのは、どういう存在なの?」
沙那はさらに訊ねた。
「力の強い道術を遣うという話ね。噂によれば、人間の美女を剥製にして集めるのが趣味だという話ね。本当に許せないわ……」
美麓は言った。
後天袋は、そうやって女たちが次々に殺されているとわかっていながら、女をそこに浚っては連れていくのだ。
後天袋も黄眉同様に卑劣な男に間違いない。
もっとも、美麓には関係のない話だとは思っているが……。
沙那は黄眉について、根掘り葉掘り美麓から情報を引き出そうとした。
だが、美麓自身もそれほど詳しく知っているわけではない。
知っていることは教えたが、それはそれほど多い情報ではなかったと思う。
沙那はこれ以上、美麓から引き出せる情報がないと悟ったのか大きく頷いた。
そして、懸命に思考を巡らすような仕草になった。
それにしても美麓は、さっきから不思議に思っていた。
なぜ、いまのところ、沙那はなんともないのだろう。
美麓の最初の目論見では、沙那はとっくの昔に身体が動かなくなり意識を失っているはずだった。
そして、眼が覚めるのは明日の朝だ。
その間、美麓は沙那の持ち物から金目のものを回収する。
沙那が眼が覚めたときには、もう美麓はいない。
美麓の置手紙を残しておいて、あの女主人がしでかした不始末は知らせるつもりだ。
だが、なぜか沙那は、少しも身体に異常をきたす様子がない。
さっきから何度も水を口にしているようには見えるのだが……。
「じゃあ、最後にもうひとつだけ教えて、美麓……」
沙那は言った。
「なに?」
美麓は言った。
沙那の身体が一瞬傾いた気がした……。
次の瞬間、美麓は自分の背からどっと冷たい汗が流れるのを感じた。
気がつくと、いきなり喉に沙那が横に置いていた細剣の先が突きつけられていたのだ。
沙那が剣を抜いたのはかろうじて見えたのだが、あまりもの早業で反応することもできなかった。
美麓だって、それなりに剣にもある程度の心得えがある。
その美麓がなんの対応もできなかったのだ。
沙那の剣技が並大抵のものでないことはそれだけでも理解できた。
「その瓶の水を手に取りなさい、美麓……。そして、飲み干すのよ。死にたくなければね」
沙那は美麓の喉に剣を突きつけて、美麓から眼を離さないまま言った。
「な、なにを……?」
美麓は笑おうとしたが、沙那はすっと剣先をさらに前に出した。
喉につんと痛みが走って、美麓は結局、笑みを浮かべることができなかった。
「いいから、手に取りなさい、美麓。そして、全部飲むのよ……」
沙那は言った。
「あ、あの……。あんた、もしかして、まったく水を飲んでなかった……?」
「そうね。あんたがこっそりと、なにかを水の瓶に入れたのは気がついていたわ。とりあえず、水を飲む素振りをして、その辺にこぼしただけよ」
沙那はにっこりと笑って立ちあがると、左手で腰の横の部分を軽く触れた。
そこがびしょびしょに濡れていた。
どうやら、飲む演技をしていただけのようだ。
そのことにも、まったく美麓は気がつかなかった……。
「わ、わかった──。わかったわ……。その瓶に入れたのは毒じゃないわ。ただの昏睡薬よ。命に別状はないわ。ただ、少しの間、意識がなくなって寝るだけよ」
「立派な毒じゃないのよ──。一体全体、どういう真似なの、美麓──?」
沙那が詰め寄った。
美麓は観念した。
「こ、降参よ。降参──。あんたから少しでも路銀を回収してやろうと思っただけよ。あんたの女主人から奪われた路銀をね……」
美麓は声をあげた。
「ご主人様があんたの路銀を奪った?」
沙那が眉をひそめた。
美麓は剣を突きつけている沙那をじっと見た。
隙はない……。
大した遣い手だ。
頭のおかしな魔女のくせに、宝玄仙には実にいい供がついている。
この沙那といい、男十人を相手に瞬殺してしまう孫空女といい……。
朱姫という小娘だって、ただ者でなさそうだった……。
美麓は全身にびっしょりと汗をかいていた。
こんな緊張など久しぶりだ……。
「ねえ、ご主人様があんたから路銀を奪ったっていうのはどういう意味よ?」
沙那が剣先を美麓の喉に突きつけたまま言った。
剣先は微動だにしない。
おそらく、一瞬で沙那は美麓の喉を斬り裂ける。
そして、そのことに、この沙那は少しも躊躇しないだろう。
必要だったら容赦なく殺す……。
そういう覚悟と意思がこの沙那からは感じられる。
ある意味、美麓と同じ……。
「意味もなにもないわね。その言葉とおりの意味よ。あんたのご主人様は、あたしの股倉を掴んで、実は男だとこの場でばらされたくなければ、見物料を払えと脅して、あたしの路銀の半分を持っていったのよ」
そして、美麓は詳しい顛末を沙那に語った。
思い出しても本当に腹が立つ。
あの変態女め……。
「ご主人様ったら……」
沙那が大きく嘆息した。
その一瞬の隙を美麓は見逃さなかった。
美麓は自ら前に出て、喉を剣先に触れさせて、皮一枚分わざと斬らせた。
自分の首からまとまった量の血が流れるのがわかった。
「うわっ」
悲鳴のような声が沙那の口からあがった。
美麓が自ら沙那の剣で自分を傷つけたことに沙那はびっくりしたようだ。
たじろぎで沙那の剣が少し離れた。
美麓はさっと身体ごと首を振った。
流れ出る美麓の血が飛ぶ。
沙那の口と鼻に美麓から飛んだ血が当たり、美麓の血の固まりが沙那の口に入るのを確認した。
次の瞬間、沙那の顔が曇った。
「えっ……」
沙那の腰が抜けてその場に崩れ落ちる。
すかさず、美麓は、沙那の手に握られたまま床に落ちた剣を踏みつけた。
「あたしの血はただの血じゃないわ……。あたしの全身の体液には、毒が混じっているのよ。あたしの血を舐めれば、全身の力が抜けるわ……。残念だったわね」
美麓は沙那の右手を蹴飛ばして、剣を遠くに離した。
その反動で沙那が倒れ、背後にあった寝台にもたれかかるかたちになった。
「し、しくじったわ……。というか、血そのものが毒でもあるだなんて……。あ、あんた、何者なの?」
沙那が悔しそうな顔をした。
全身がすでに弛緩したのか、寝台にぐったりと身体を預けている。
両手は力が抜けた状態で身体の横に置かれている。
「あたしの二つ名は毒遣いの美麓。これでも一流の殺し屋よ……。あたしの体液はあたしの意思で毒に変えられるのよ。血だけじゃなく、愛液で男を殺すこともてきるわ。まあ、いまは休業中だから、あんたのことを殺しはしないわ。あんたの女主人が奪ったものを少しばかり返してもらうくらいで勘弁してあげる……」
美麓は沙那に近づいた。
しかし、いきなり、その沙那の右手が美麓に伸びた。
経絡突き──?
一瞬で美麓は悟った。しかし遅かった……。
すでに沙那の指は強く美麓の下腹部に喰い込んでいる。
油断した……。
完全に手足は弛緩していなかったようだ。
今度こそ、沙那は最後の力を使い果たしたかのように右手をぐったりと落とした。
「な、なにしたのよ、沙那──?」
美麓が身体に異常を感じたのはすぐだった。下腹部がもの凄く熱くなる。思わず両手を股間にやった。
しかし、布が股間を擦って、そこから大きな快感が沸き起こり、思わず声をあげそうになった。
みるみるうちに股間から蜜が溢れてきているのがわかる。
なんだこれは……?
全身があっという間に火照る……。
この感覚は異常だ。全身から脂汗のようなものが噴き出す。
「あ、あんた……」
美麓は沙那を睨みつけた。
自分の顔が真っ赤になっているのがわかる。
快感が増幅する経絡を打たれた?
それしか考えられない。
経絡というのは、絡脈ともいって、つまりは、身体の中の気血榮衛の通り道のことだ。
身体の気を操作するつぼは八百ともいわれ、それを正確に突くことで、相手の呼吸でも血でも、五臓六腑でも自在に操作できるという。
沙那がその技の持ち主とは知らなかったが、沙那はよりにもよって、美麓の快楽を活性化させる経絡を打ったのだ。
「……あ、あたしの身体の感度をあげる経絡を突いたわね──。この変態……」
美麓は思わず股間を押さえながら言った。
腰に力が入らない……。
膝が笑うようにがくがくとする……。
「へ、変態は酷いわねえ……。し、仕方ないじゃないの。手に届く経絡はそこしかなかったんだから……。そ、それに、その経絡は普通はそんなに効きはしないわ。あんたがもともと淫乱だから、淫情が暴発したような感じになるのよ──」
沙那が怒鳴り返した。
美麓は舌打ちしたが、とりあえず命に別状のあるような経絡を打たれたのではなくて安心した。
自分の首に手をやって血を指に塗る。
その指を沙那の口の中に入れる。
「ううっ……」
沙那が呻き声のようなものをあげた。美麓には、もう沙那の身体が完全に弛緩したのがわかった。
今度こそ、完全に美麓の血の毒が沙那の身体に入ったようだ。
美麓は沙那から離れると沙那の荷を探った。
手頃な布があったから、まずはそれを喉に巻いてとりあえず血を止める。
次に布の横にあった縄を手に取る。
「なにをする気よ?」
縄を持って近づくと沙那が睨んだ。
美麓は返事をせずに沙那の身体を反対に向かせて、両手を後手に縛った。
そのまま、担ぎあげて寝台に載せる。
そして、沙那を寝台に仰向けに横たえると、沙那の下袴に両手をかけた。
「な、なにすんのよ、あんた──」
美麓が沙那の下袴を脱がそうとしていることに気がついた沙那が狼狽えた声をあげた。
「なにって、責任とってもらうわよ。こ、こんなんじゃあ、歩けないじゃないの……。どうしてくれるのよ」
美麓も怒鳴り返した。身体の疼きはどうしようもないものになっている。
淫情を暴発させる経絡を打つなど、本当にとんでもないことをする女だ。
お陰で美麓の身体は快感が暴発して、いまは服を着ていることもうっとうしいほどだ。
身体を動かすたびに全身の敏感な場所が布で擦れて、そこからどんどん疼きが走るのだ。
こんな状態じゃあ、部屋の外に出られない。
沙那の下袴を足元から抜く。
「ちょ、ちょっと待ってよ……。わ、わかったわ。経絡を打ち直す。身体を元に戻すわ。冷静になってよ、美麓」
「待たないわ──。ああ、もういい。どうせ、今夜は手頃な男を見つけて愛し合うつもりだったのよ。こうなったら、あんたでもいいわ」
美麓は沙那の下着に手をかけた。
「ま、待ってたらぁ──」
狼狽えた様子の沙那から下着を抜く。
沙那は上半身に服を着て、下半身はすっぽんぽんという姿になった。彼女の顔が羞恥で真っ赤になる。
それが可愛らしくて、美麓は思わず笑みをこぼした。
沙那の状態をもう一度、確かめた。
身体は完全に抵抗の力を失くしている。
それを確認すると、美麓は自分の服を脱ぎ出した。
服を脱ぐと欲情した自分の体臭がむわっと溢れて、思わずむせ返りそうになった。
胸に巻いていた晒しを解き、そして、下着も脱ぐ。
全裸になると美麓は沙那の身体に覆いかぶさり、今度は沙那の上衣に手をかけた。
すると沙那の顔が引きったようになった。
「ね、ねえ、本当にわたしを抱くの? あんたも女同士でもいいの?」
沙那が声をあげた。
「こうなったら女でもいいわ……。まあ、考えてみれば、この辺りじゃあ、男よりも女の方が安心かもしれないし……」
美麓はそう言って、どんどん沙那の上衣をくつろげていく。
「わ、わかったわ。相手をする……。相手をするからひとつだけお願いをきいてよ」
「お願い?」
美麓は上衣を左右に開いた。
「うわっ、どうしたの、これ?」
沙那の乳房は晒しで巻いて膨らみを潰していたが、美麓が声をあげたのはそれが理由ではない。
沙那の上半身には惨たらしい鞭痕がたくさんあったのだ。
しかも、ひとつふたつじゃない。
それこそ、上半身全部にわたっており、どうやら、それは背中にも至っているようだ。
「……こ、これは、あの女主人の仕業?」
思わず言った。
そんな風に女の供の身体を傷つけるようには見えなかったが、実は供を家畜のように扱う残酷な女主人だったのだろうか……?
「ち、違うわよ。これはちょっとしたことで受けた拷問の傷よ。わたしがご主人様たちとはぐれる原因にもなったね……。いずれにしても、ご主人様は、わたしたちの身体だけは大切にしてくれるわ。傷つけたりすることだけはしないわ。それ以外はともかくとして……」
沙那が言った。
「ふうん。まあいいわ。じゃあ、早速、愉しみましょうよ、沙那」
美麓は沙那の晒しを解いて露わになった沙那の乳首に口を寄せた。
「ちょ、ちょっと待ってたらあ──。ちゃんと、相手するから……。その前に、これを解いてよ。そして、解毒剤をちょうだい。これじゃあ、あんたに奉仕できないわ」
沙那が言った。
「へえ、相手してくれる気になったの?」
美麓は少しだけ迷ったが、脱ぎ捨てた自分の服の内袋から薬を出した。
大抵の毒薬や解毒剤は肌身離さず持っている。
美麓はその解毒剤の錠剤を沙那の口元に近づけた。
「本当に相手してくれるのね、沙那? また、面倒な闘いになるのは嫌よ」
「もう、諦めたわよ……。それから、わたしの荷の下側に貴重な魔草の束が隠してあるわ。それを売ればかなりの財に変えられるはずよ。それをご主人様がやったことの償いにあげる。それに、あなたのお相手もする。その代わり、黄眉という亜人から、ご主人様たちを助け出すのを手伝って」
「まあ、考えておくわ」
美麓は沙那の口に解毒剤を放り込んだ。