「将校用の性奴隷は、病気になったらすぐに気づかせるように、前の茂みは剃り落とすのが決まりだ。さっそくだが、そこに横になって、股を拡げな、奴隷」
にやにやと笑いながら賊徒の兵のひとりが言った。
「し、茂み……?」
はっとして
だが、すぐに諦めて全身の力を抜いた。
昨日、ここの賊徒たちの将校に輪姦された盗賊団の砦の集会場だ。
午前中のうちに、この集会場を連れ出されて、将校用の兵舎の地下にある牢舎に入れられた水晶だったが、数刻後、再び賊徒の兵がふたりがやってきてここに連れ戻されたのだ。
おそらく、もうすぐ夕刻くらいの時刻だと思う。
その賊徒ふたりは、自分たちは将校用の性奴隷の監視兵だと言い、水晶が再び牢舎から出される理由は、頭領の
そして、大勢の賊徒が訓練をしている砦の広場を再び素っ裸で引き立てられた。
広場の真ん中にある集会場では、権白狼が卓に食べ物を置かせて、ひとりで食事をしていた。
その権白狼に言われたのは、もうすぐ新しい性奴隷がやって来るから、ここで待てということだった。
そう言えば、賊徒たちは昨日の宴で、以前からいた性奴隷や水晶の仲間たちを抱き潰してしまい、今日は一隊がどこかに向かって、新しい女奴隷を狩りに行っていると教えられていたことを思い出した。
その女たちがここに来るのだろう……。
そして、ここでただ待つのも時間がもったいないから、ついでに股間の恥毛を剃りあげてしまえと、いま言われたのだ。
水晶はびっくりしてしまった。
だが、すぐに心を閉じる。
ここでは、なにをされても仕方がないこの世の地獄なのだ。
婚約者の目の前で犯され、その
一緒に捕らえられた女たちが生きながら焼かれるのも見た。
これから水晶がどれくらい生かされるのかわからないが、もう水晶の望みは早く死ぬときがきて、心が楽になることだけだ。
首に装着された首輪は、水晶から自殺の意思を奪うらしいが、もしも、可能であれば、婚約者の自分を他人に汚される屈辱を与えられた雷雲のためにも、水晶はすでに自殺をしていただろう。 それができないいまは、ただただ心を石にして、なにも考えない自分を作るだけだ……。
「早くしねえか、水晶――」
権白狼が皿に載った羊の肉を口に入れながら言った。
水晶は諦めて集会場の床に横になった。
だが、これから賊徒たちの手によって、股間を剃りあげらるのだ。
そう思うと、その屈辱と羞恥に全身がかっと熱くなる。
横になった水晶の足元に屈んだのは、水晶をここまで連れてきたふたり賊徒の兵だ。
どうやら、このふたりが水晶の股間の毛を剃るらしい。
卑猥な笑みを浮かべた兵ふたりが、盆に載せた剃刀二本と金盆に入ったぬるま湯を水晶の足側に引き寄せる。
「膝を曲げるんだ。そして、大きく股を開きな」
「そうだぜ。そんな情けない顔をするもんじゃないぜ。一人前の性奴隷になるための儀式みたいなもんだ」
「そうだなり聞いたところによると、お前さんは、さっそく、昨日のうちに将校殿たち全員に犯されたらしいじゃねえか……。まあ、いつか、俺たち用の女になったときに、病気だったんじゃあ困るからな。俺たちがしっかりと毎日点検してやるぜ……」
「俺たちは将校用性奴隷の監視係だ。俺たちに任せておきな。お前がおかしな性病にならないようにしっかりと管理してやるからな」
「そういうことだぜ。毎朝、女陰の中から尻の穴の奥までしっかりと点検してやるからからな。秘所を覗き込まれるくらいで、そんなに怯えてたら神経が何本あっても足りやしねえよ」
ふたりの兵が代わる代わるからかって水晶を冷やかす。
その卑猥な口調によって、水晶の身体に耐えようのない悪寒が走り、思わず横たえている内腿に力が入った。
昨夜、さんざんにここで犯されて、もうどうでもいいと覚悟をしていたのに、女の恥毛を無惨にも剃り取ろうとする冷酷な行為は、どうしても全身の筋肉を緊張で強張らせてしまう。
「こらっ――、水晶、てめえは手間かけさせるつもりか――。仕方ねえ。おい、お前たち――。水晶をその柱に立ち縛りにして股を拡げてしまえ」
兵ふたりが水晶を躾けるのを椅子に座って見守っていた権白狼が、床を大きく踏み鳴らして怒鳴った。
命じられた兵ふたりが陽気な声をあげて、横になっていた水晶の身体に掴みかかった。
水晶は悲鳴をあげた。
「か、勘忍してください――。あ、脚を開きます……。逆らいません……。だから、縄で括るのはもう勘忍してください……」
水晶は慌てて叫んだが、兵たちが構わず水晶を抱え起こす。
集会場の真ん中には、太い丸太が柱になっている。
水晶はその柱を背にして押しつけられた。
両腕を柱の後ろに回して縛られる。
さらに胴体と柱をしっかりと縄で雁字搦めにされた。
「ああっ……」
素っ裸の身体を拘束される情けなさに思わず声が出てしまう。
ついに身体はまったく身動きできないくらいに柱に拘束されてしまった。
「さてと、じゃあ、あんよを開いてもらうかな……」
水晶の足元にうずくまった兵が水晶の両足首に縄を掛ける。
それをぐいと後ろ側に引っぱられた。
両足首も手首と同じように柱の後ろ側で束ねて縛られる。
「あっ」
脚が支えを失って体重が前にかかる。
しかし、胴体にかかっている縄が倒れるのを阻み、水晶の身体はぐいと前方に開いた股間を前に出すようなかたちになった。
「じゃあ、さっそく、始めるか……」
剃毛の道具一式を載せた盆を兵のひとりが水晶の足元に持ってきた。
ひとりが湯に浸した水刷毛で水晶の股間をそっと撫ぜあげた。
「あ、あはあっ……ま、待って……」
刷毛の感触に耐えようのない嫌悪感と妖しい疼きが股間から迸り、水晶は髪を振り乱して全身を揺さぶった。
そんな水晶の反応が面白いのか、水晶の股間の前にしゃがんだふたりの兵は、代わる代わるに水刷毛で水晶の股間を掃く。
しかも、恥毛だけではなく、敏感な肉芽や女陰の襞をくすぐるように刷毛を動かしてくるのだ。
その刺激で水晶はどうしてもあられのない声を迸らせてしまう。
「こらっ、あんまり腰を動かすんじゃねえ。仕事がやり難いじゃねえか――」
水刷毛を操っている男がげらげらと笑いながら言った。
そして、今度は恥毛ではなく、肉芽そのものに刷毛をこちょこちょと動かした。
「だ、だめえぇ――」
水晶は激しい官能の疼きに襲われて大きく身悶えた。
「こりゃあ、どうにもならねえや。おい、お前、ちょっと押さえてくれよ。こんなにがたがた腰を動かされると仕事になりゃあしねえや」
ひとりが笑いながらそう言って水刷毛を剃刀に持ち替えた。
するともうひとりの男が、途中で交替しろよとか言いながら、水晶の内腿に手を置いて割れ目が開くように手をかける。
「あ、ああっ……」
太腿に手をかけられて動きを封じられた水晶は、思わず声をあげてしまった。
ついに冷たい剃刀の刃が肌に触れた。
「ひうっ……」
剃刀が動き、ぞろりとまとまった毛が剃られた。
水晶は、込みあがったものに耐えられずに、喰い縛った歯の間から呻き声も洩らした。
「いまは、まだ性奴隷になったことを受け入れられねえかもしれねえが、ここが丸坊主になれば、すっかりと奴隷になった気になれると思うぜ……。へへへ……。まあ、とにかく、これからはよろしくな、水晶」
剃刀を動かしている兵が水晶の顔を見あげながら笑った。
「おう、やっているな――」
不意に集会場の入口ががらりと開いた。
水晶は顔をあげて、声の方向に視線を送る。
次の瞬間、水晶は自分の顔からさっと血が引くのがわかった。
入ってきたのは
それだけでなく、手足を切断されて犬のような姿になっている雷雲の首輪に鎖を繋げて、この部屋に連れてきたのだ。
「頭領、水晶をなぶるときは、この雷雲もその光景を聞かせるという決まりじゃなかったんですかい? こいつ、恋人に置き去りにされて、地下牢の廊下で寂しそうにしてましたぜ」
秀が言った。
「そう言えばそうだったな……。忘れていたぜ……。そこに繋げときな――。おい、雷雲、いまは、お前の婚約者の股ぐらを剃りあげているところだ。ここの奴隷女の掟でな……。その後、もうすぐやってくる新しい奴隷女と一緒に、またここで犯すんだが、そこで見物していけ……。いや、その眼は俺たちが潰したんだったな。じゃあ、聞いていけ」
権白狼が雷雲に向かって大笑いする。
雷雲の顔が悔しさに歪むのが水晶にはわかった。
雷雲は決して力の弱い道術遣いではなかった。
しかし、気を失っている間に、霊気の根源である視力を潰され、道術を遣えなくされたのだ。
それで、ここで水晶とともに性的いたぶりを受けるという仕打ちだけじゃなく、手足を短く切断されて、さらに喋れないように舌を斬られるという虐待を受けたのだ。
しかも、雷雲も水晶と同じように自殺防止の首輪を嵌められ、その首輪に鎖をつけられて犬のように引っ張りまわされている。
もう、自分のことはいい。
だが、雷雲の前で水晶がいたぶられることで、雷雲がさらに惨めな思いになるのは耐えられない。
「ら、雷雲殿……。お、お願いでございます……。どんなことでもいたしますし、もう、逆らいませんから、雷雲殿の前でなぶるのだけはお許しください……」
水晶は哀願した。
「それはできねえな、水晶。この男は昨日の襲撃のときに散々に俺たちに歯向かって大勢の俺の部下を殺しやがったんだ。だから、簡単には殺さず、生まれたのを後悔するくらいの恥辱と屈辱を与えてやろうと決めているのだ。てめえの婚約者が他人に犯されてなぶり尽くされるのは、おそらく自分が痛めつけられるよりも悔しいはずだ。だからこうやってそれを聞かせてやるのさ」
権白狼が大きな声で笑った。
自分の存在が雷雲を辱しめることに使われる。
そのことで、激しく込みあがった感情に耐えられなくてわっと泣き出した。
すると声を奪われて言葉を喋れない雷雲が吠えるような声をあげた。
「うるせえんだよ、この犬野郎――」
するといきなり秀が雷雲の無防備な腹を力いっぱい蹴りあげた。
「あっ、雷雲殿――」
水晶は悲鳴をあげた。
「はがああぁ――」
身体が宙に浮かぶ程の秀の蹴りを腹に受けた雷雲が、短い四肢の身体を空中で一回転させて、背中から床に落ちる。
その股間を今度は秀が思い切り蹴りあげた。
太股の半分から下の部分を切断されている雷雲には、秀の股間への蹴りを避ける手段がない。
まともに秀の凄まじい蹴りが雷雲の股に食い込む。
「ほごおおぉ――」
雷雲の顔が真っ赤になり、口から泡のようなものを噴き出した。
そして、白眼を剥いて脱力する。
しかし、その雷雲を秀が、股間といわず、腹といわず、その全身を狂ったように蹴りあげては踏みつけ続ける。
首輪の鎖で遠くに逃げられない雷雲は、その秀の凄まじい蹴りの攻撃を受け続けるしかない。
雷雲は、ただ悲鳴をあげながら、身体を丸めるだけだ。
手足のない雷雲に容赦のない秀の蹴りが喰い込み続ける。
「や、やめてください――。雷雲殿を蹴らないで――。わたしを蹴ってください――」
水晶は必死で懇願した。
このままでは、雷雲が死んでしまう――。
するとやっと秀が雷雲を蹴るのをやめた。
秀は蹴り疲れで肩で息をしている。
雷雲は短くなった四肢を床に横たえてぐったりとしている。
「ふん――。お前の元婚約者に免じて、これで許してやるぜ……。痛い目に遭いたくなったから、これからは勝手に喚くんじゃねえ。女の悲鳴はともかく、男の悲鳴は耳障りだ。ほら、立てよ。立たねえと、この蹴りをお前じゃなくて、あの女に食らわせるぞ」
雷雲はよろけながらも、懸命に四つん這いの姿勢に戻した。
すると秀が、起きあがった雷雲の横顔に今度は思い切り回し蹴りを浴びせた。
「はばあっ」
眼の見えない雷雲は、その顔面への蹴りを全く避けられない。
雷雲の身体は横倒しに倒れて、血の塊とともに口から歯が数本飛び出した。
「雷雲殿――」
水晶は絶叫した。
仰向けになった雷雲は短い手足を投げ出したような状態で動かなくなった。
「そうだ……。雷雲、お前の股間の陰毛も剃りあげてやろう……。婚約者だけが剃られるなんていうのは不公平だからな――。おい、剃刀を一本貸せ――」
狂気のように雷雲を蹴っていた秀は、突然にそう言って水晶の前にいた兵に剃刀の湯の入った金桶を持ってこさせた。
そして、水刷毛で雷雲の股間を濡らすと剃刀を当てる。
「動くんじゃねえぞ、雷雲。まあ、抵抗して、その肉棒がすっぱりと無くなろうが、俺は構わないがな……。どれ、動いてみろよ。口惜しいかい……? てめえの陰毛を剃ってんだぜ――。昨日、お前たちを俺たちが襲撃したとき、お前が反撃して殺した連中には、俺の親友もいたんだ――。生半可なことじゃあ、殺してなんかやらねえからな。たっぷりと生き残ったことを後悔させ続けてやるぜ」
秀がそう言って雷雲の股間に剃刀を動かす。
雷雲はもう半分意識がないのか、それとも、その気力がないのか、小さな呻き声のようなものをあげるだけで、仰向けの身体をそのままにして、秀のなすがままに任せている。
「ほらっ、じゃあ、こっちも再開するか……。向こうに気をとられている暇はねえぞ、水晶」
水晶の前の兵がそう言い、また水晶の股間を剃毛する作業に戻る。
「こりゃあ、いい光景だぜ――。たった昨日までは、婚儀を間近に控えた幸せな婚約者同士のふたりが、一夜明けりゃあ、賊徒に捕まって揃って陰毛を剃られるとはなあ。こりゃあ、なんともとんでもない目に遭っているものだ――」
なにがおかしいのか権白狼が、肉を食べながら声をあげて笑った。
やがて、水晶の股間はすっかりと翳りをなくした状態になり、もう最後の仕上げの段階になった。
もうほとんどの恥毛はなくなり、ほんのわずかに中心に残るだけだが、それも淫靡に動く剃刀でたちまちに剃りあげられていく。
「さあ、できたぜ……どれ、割れ目がはっきりと顔を出した股間を頭領に見てもらいな」
ついに、水晶の股間は跡形もなく剃りあげられた。
ふたりの兵がさっと身体を移動して、水晶の前からどいた。
「こっちも終わりだ――。さあ、頭領、見てくれ」
秀もそう言って雷雲の股間の前から身体を避けた。
「毛が一本もない女の股間というのはいつ見てもいいものだな。それに比べれば、毛のない男の股ぐらというのはなんだか気味が悪いぜ――。童子の珍棒ならともかく、立派な大人の道具にあるべきものがないんじゃあ……」
権白狼が水晶と雷雲の股間を交互に見比べながら言った。
雷雲の口から漏れ出るような嗚咽が始まった。
水晶もまた込みあがったものがやってきて、啼泣してしまう。
「ほらっ、てめえが陰気に泣くから、女に感染したじゃねえか。それでも男かい――。しっかりしやがれ」
秀が雷雲の身体を押さえつけて、雷雲の睾丸と肉棒を嫌がらせのように弄くりだした。
雷雲が激しく悶えだす。
水晶は、それ以上その可哀そうな光景を見ていられなくて眼を逸らした。
すると突然、集会場の外の広場から大きな喧騒が聞こえ出した。
たくさんの騎馬が外の広場にやってきたような気配がする。
馬車の音もする。
賊徒たちの声に混じって、女の泣き声もするようだ。
もしかしたら、女狩りに行っていた一団が戻ったのだろうか……?
しばらくしてから、また集会場の戸が開き、兵に囲まれた女がふたり入ってきた。
ふたりとも背中側で手首を縛られている。
首には水晶や雷雲がしているような例の自殺防止の首輪が嵌められていて、その周囲を十数名の賊徒たちが連行しているのだ。
「ほう、これが新しい女奴隷か……。こりゃあ、この水晶に勝るとも劣らねえ美女じゃねえか……」
権白狼が感嘆したように言って、椅子から立ちあがって女のいる方向に寄っていった。
「ほかにも何人か到着したんですけど、このふたりは別格の別嬪です、頭領。まあ、頭領も不服はないと思いますよ。ほかの女はこいつらに比べれば、見劣りするんで、そのまま兵用に回したいと思います」
兵に指図をしてふたりを連れてきた男が言った。
そいつも、夕べ水晶を犯した男の中に入っていた。
この盗賊団の幹部のひとりだ。
「こいつは驚いた。あの町からは、いい女は奪い尽くしたと思っていたから、あまり期待もしちゃあいなかったがこいつは上玉だ。こんな女も残っていやがったのか」
頭領の権白狼がそう言うのも無理はなかった。
連行されてきたふたりの女は、女の水晶も驚くほどの美女だった。
ひとりはまだ十五、六だろう。
なぜかすでにほとんど全裸に近い前掛け一枚の姿で、しかも乳房の半分と股間の付け根までをかろうじて覆っている白い布一枚だ。
もうひとりは、二十代半ばと思われるような黒髪の美女だ。
こっちはきちんとした服を着ている。
部屋にいた賊徒が新しくやってきた女たちの周りに集まった。
いままで水晶の恥毛を剃っていた兵ふたりも同じだ。
雷雲をからかって遊んでいた秀も雷雲の首の鎖を壁の留め具に結びつけると、そのふたりの女の前に興味深そうに歩み寄った。
「しかし、こりゃあなんでい? この娘がこんな破廉恥な服を着ているのは、今日、あの町に女狩りに行っていた連中の趣味か?」
秀が娘のお尻に手を伸ばしながら言った。
その娘が身に着けているのは、短い前掛け一枚であり、背後にはなんにも身に着けていない。
秀の手が娘の臀部に触れると、娘は小さな悲鳴をあげて身をもがいた。
「いや、これは最初からこいつはこの格好だったんですよ、秀の兄貴……。どうやら、このふたりは旅の女だったみたいで――」
女を連行してきた賊徒のひとりが言った。
「そりゃあ、運が悪かったな……。たまたま、旅で立ち寄った町で俺たちの奴隷狩りに遭ったというわけだ。それにしても、いい女だぜ」
秀が逃げようとする娘の縄尻を掴んで縄を手繰り寄せるようにして、自分の手元に近づける。
そして、娘の身体に手を伸ばして肌に触れようとした……。
娘はさらに悲鳴をあげて、今度は黒髪の美女に向かって逃げた。
「汚ない手で
すると黒い髪の美女が突然に声をあげた。
そのあまりにも堂々とした態度と声の強さに周囲の賊徒たちが静まり返った。
秀も娘をからかおうとしていた手をとめる。
「いま、なんて言った、このあま」
一瞬の間があり、はっとしたように秀が鋭い声をあげた。
「喚くんじゃないよ。うるさいねえ……。わたしの名は
宝玄仙と名乗った女が言った。
「な、なにっ――? お前、自分の立場がわかっているのか? それとも、馬鹿か?」
秀が声を荒げる。
「うるさいと言ってるだろう。近くで大きな声をあげるんじゃないよ。いちいち、喚かなくてもちゃんと聞こえているよ……。まあ、よく気が小さい男はすぐに大きな声を出すとも言うからねえ……」
「な、なんだとう」
宝玄仙と名乗った女の煽り言葉に、秀が激昂して顔を真っ赤にする。
「そうだ。本当に気が小さいかどうか、点検してやるよ。気が小さい男は、道具も小さいだろうさ。お前、ちょっと下袴と下着をそこで脱いで、ちっちゃな、ちっちゃなちんぽこを見せてみな。人並みのものは持ってんのかい?」
宝玄仙が大笑いした。
水晶は唖然としてしまった。