「も、もう、知っていることは話したよ……。隣の
同じ長屋で暮らしている陳達、陳女の夫婦の家だ。
そこで、花凛はふたりに挟まれるようにして仰向けに横たわっていた。
壮絶な糸吊り責めからは解放されたが、花凛は相変わらずの素っ裸だった。両腕は後ろ手に縄で縛られている。
「まあ、そんなこと言っちゃ寂しいわ、花凛さん。花凛さんも満更でもなかったようじゃない? ねえ、あなたもそう思うでしょう……? わたしたちのような異常な夫婦には、彼女のような存在も必要と思わない?」
「確かにそうだな。必要かもしれないな」
陳女と陳達は床に横になっている花凛の裸身の左右に座って、花凛の身体を挟み込んでいる。
ふたりが申し合わせたように左右から花凛の身体に手を伸ばす。
「でも、あんなにこの人の筆で達した花凛さんだけど、まだ精は受け取っていないんでしょう? わたしに遠慮しなくてもいいのよ。この人に精をもらったら、花凛さん?」
「まあ、あれだけいけば、もう、精はいらないかもしれないな。二刻(約二時間)でどれだけいったか覚えているかい、花凛?」
この変態夫婦は左右からそう言いながら、花凛の乳房を触り、お尻を撫でまわす。
連続絶頂の余韻で花凛の性感はまだ激しい昂ぶったままだ。
たちまちに冷えかけていた身体が熱くなり、花凛は身体を竦めた。
「あ、ああ……、や、やめてっ……。も、もう、勘忍して……。もう、いいでしょう……。き、金板もいらない……。あ、あんたらにあげるよ……。い、いま、行けば、まだ、あると思う……。床下を探してきたら……い、いいじゃない……あっ、ああっ……」
「なにを言っているんだい、花凛。いま、そこから俺たちがそこから掘り出せば、俺たちがお前を拷問して情報を取り出して、床下の財のことを知ったと、あの王奇とかいう若い男にばれるじゃないか。そうしたら、今度は俺たちの命が危ない。そうはいなかいさ」
「あ、ああ……、だ、だったら、好きにしたらいいじゃない……。も、もう、解放してよ……」
「そうはいかないと、言っているじゃないか。いま、解放したら、あんたはあの王奇と組んで、俺たちを襲ってくる……。だから、こうなったら、あんたを完全に屈服させて、こっちに引き入れるしかない」
「も、もう、逆らわないと言っているじゃないの──」
花凛は声をあげた。
そして、陳女もまた、花凛の身体を愛撫しながら話しかけてくる。
「そうね……。でも、わたしもこれまでに色々な経験をしたから、簡単に人を信用できないの……。屈服させるのであれば、口ではなく完全に屈服した姿を見たいの。もう、わたしひとりのことじゃない……。わたしの失敗は、この人の身も危うくするわ」
「く、屈服してるって」
「いいえ。あなたには、申し訳ないかもしれないけど、心の底から完全に屈服してもらうわ。こうなったら、それしか、身を護る方法がないから……。大丈夫よ。この恥辱の向こうに快感があるの……。ちゃんとそこまで世話をしてあげるから……」
陳女の口調は優しいが、その手は花凛を厳しく責めたてている。
しかも、いまは花凛の双臀の下に手を置いて、指を肛門深くにねじ込んで中を刺激している。
「お、お尻はやめて……、ああ」
花凛は声をあげた。
お尻を責められることで、妖しくて激しい快感が迸ったのだ。
これはなんだろう……?
頭にもやのようなものがかかる。
肛門からやってくる疼きが激しい。
陳達も股間や乳房を刺激しているが、それよりも陳女が責めている肛門の快感が大きすぎる。
尻を責められるという快感と汚辱感……。
それがなぜか花凛の子宮を突きあげるような官能の波になり、いっそう花凛の甘美感を増幅する。
「あ、あはあぁ──」
陳女の指が肛門の中で曲がり、こねくるように動く。
我慢していた嬌声が口から洩れる。
「ほう、尻姦の素質があるようだな。いい反応をしているようだ……。それにしても、いまは真っ昼間だ。うちの家が四六時中、性交をしていて、声が激しいことは長屋でも知れ渡っているから、いまさら外に聞こえても、怪しい思う者もいないだろうけど、恥ずかしければ声は控えめにしておいた方がいいな。どれ、身体を裏返しにしてみるか……」
陳達が言い、花凛の身体はうつ伏せにされた。
「これを使ってみよう……。初めてでも、痛くはないはずだ。そういう霊具だからな」
花凛の眼の前に黒くて細い蝋燭のようなものが不意に示された。
もちろん、それがなんの道具なのかわからないが、霊具という言葉に驚いた。
霊具などというものは貴重品であり、そう簡単に手に入るものではない。
しかも、眼の前の物は、霊具というよりは性具のようだ。
性具であり、霊具でもあるのだろうか……。
「俺たちの恩人になる人に霊具作りの名人の道術遣いがいてね……。これはその人が作ったもので、尻穴調教用の霊具だ。これを花凛の尻に入れてもらう」
「そ、そんな、酷い──。そんなことを嫌よ」
花凛はこれからなにをされるのかをいうことに気がついて大きな声をあげた。
「大丈夫よ、花凛さん……。それは、わたしも使われたことがあるの……。病みつきになるかも……」
陳女が花凛の身体を押さえつけながら言った。
いつの間にか花凛も小さな小瓶を持っていて、その中から半透明の塗剤を指ですくっている。
「な、なにが、大丈夫よ……。あ、あんたみたいな変態女と一緒にしないでよ──」
「いいから、いいから……」
陳女が笑いながら花凛の肛門にその塗剤を塗り込み始めているし、陳達はその長細い性具に塗剤を塗りたくっている。
なんなんだ、この変態夫婦──。
「か、勘忍してよ──。そんなことしなくても、なんでも言うこと聞くから──」
「いいから、尻の穴を開くんだ……。もっとも、この霊具は、被虐者の尻穴に合わせて、痛みを感じさせないようにするらしいし、便で汚れることのない便利な性具のようだぞ」
「ち、陳達さん、勘忍して──。お尻なんて嫌よ」
「食わず嫌いはよくないな、花凛」
「そうよ。ほらっ……。息を吐いて……」
陳女が両手で身体を押さえつける。
線の細い女のくせに、陳女はなかなかに力がある。
その陳女に後ろ手の身体を押さえつけられたら逃げようがない。
陳達の持つ性具の先が花凛の肛門に当たる。
「ひいっ」
花凛は悲鳴をあげた。
入ってくる……。
「もう、霊具の力が働いている、花凛。もう逃げられないよ。その証拠に、俺は性具から手を離しているが、それでもその『尻棒』が捩じり入るだろう?」
陳達が笑った。
花凛の身体を押さえる陳女の二本の手に、さらに陳達の両手が加わった。
四本の腕に押さえられて、花凛はもう完全に床に貼りつけられた。
その花凛の肛門にお尻の責め具がくるくると回転しながら捩じり入ってくる。
お尻の粘膜が無理矢理に拡げられるおぞましい感触が伝わる。
しかし、同時に妖しい感覚もゆっくりと呼び起こすように責め具の表面が肛門の内側の粘膜を擦って刺激する。
「こ、これは……」
花凛は耐えられずに口をぱくぱくと開ける。
お尻にあんな棒を入れられるなど痛いだけだと思っていた。
しかし、痛くないのだ。
それよりも圧倒的な快感が肛門から迸る。
お尻が拡げられて性具を押し込められる圧迫感と肛門の内側の粘膜が焼けるような快感……。
花凛は狂乱した。
「ほらっ……、受け入れて、花凛さん……。受け入れるのよ──」
「恥辱を感じているんなら、それは忘れるんだ……」
陳女と陳達が代わる代わる声をかけてくる。
苦痛を感じるはずの恥部で与えられるのは快感だけ……。
おぞましい……。
だが、気持ちいい……。
花凛は錯乱した。
「う、うう……あ、ああっ……」
花凛は呻き声をあげた。
肛門を閉じようとすれば、内膜を擦られる快感で込みあがる甘美感が強くなる。
しかし、緩めればどこまでも深く入ってくるような恐怖感──。
いつのまにか花凛ははっきりとした嬌声をあげていた。
「は、入ってくる……入ってくる……止めて……もう、止めて……あはあ、は、ああっ……」
花凛は顔を仰け反らせていた。
「全部飲み込んだな。これで、俺が特殊な合言葉を告げない限り絶対に抜けないぞ」
陳逹が陽気そうに言った。
「そうね……。とにかく、これで、挿入の段階は終わりよ、花凛さん……。この後、この霊具は、女のお尻の快感を探すように振動したり抽入や送出の動きをしたりするわ。これからがつらいのよ……つらいというのは、快感が激しくなってつらいという意味だけど……」
陳女も笑った。
「そうなのか、陳女?」
陳達が言った。
「そうです……。これはつらいんですよ。それなのに、あなたったら、これをわたしに一日中つけっぱなしにさせたりして……」
陳女が拗ねたような口調で陳達にそう言った。
「でも、悪いものじゃないだろう、陳女……」
「そ、それは……。まあ、そうかもしれないですけど……」
陳達と陳女がそんなことを言い合っているが、花凛はそれどころじゃなかった。
肛門に深く入り込んだ霊具は、小刻みな振動を続けながら微妙な前後運動をし続けて、花凛を責めたてる。
動きは緩やかだが、確実に花凛の快感の場所に微妙な刺激を与えてくる。
苦痛はない。
それが花凛の苦悶を一層大きくする。
「さっきも言ったが、それは、もう、俺が念じないと取れることはないんだ。じゃあ、縄を解いてやるから髪を整えな」
陳達がそう言うと、やっとふたりが花凛の身体から手を離した。
花凛は陳女に抱き起こされるように上体を起こされた。
しかし、起きあがると肛門に挿入された圧迫感が募る。
それで、思わずうっと呻いた。
肛門の性具による花凛の神経を磨り減らすような振動は続く。
ただれるばかりの快美感は続いている。それどころかどんどん拡大する。
「ああ……」
思わず花凛は吐息とともに声を出してしまった。
縄が解かれる。
やっと自由になった両腕は自然と裸身を隠すように動いた。
その花凛の前に小さな姿見が置かれた。
「髪を整えるわね」
陳女がそう言って後ろから花凛の髪を櫛でとき始めた。
姿見を覗くと、半日に渡る激しい責めで花凛の髪は激しく乱れていた。
それが陳女の手できれいに整えられる。
花凛は、もう呆然として陳女のするがままに任せていた。
「服はこれでいいかな……」
しばらくすると、奥の引っ込んでいた陳達がなにかを花凛の前に投げた。
「ふ、服……?」
花凛は顔をあげた。
「そうですね……。こんなものでいいでしょうね。庭に行くだけですし……」
当惑している花凛に代わって、陳達が投げた布を受け取った陳女がそれを拡げた。それは一枚の貫頭衣だった。
それを陳女によって、裸身にそのまま着せられた。
庭に行く……?
不吉な予感が花凛に走る。
「な、なにをさせる気さ──?」
花凛はびっくりして叫んだ。
まさかとは思うが、いま、花凛を外に連れていくようなことを言った……?
「なに、ちょっとした散歩と言いたいところだけど、最初だから、庭に行って、近所の人に挨拶でもするだけで許してやるよ。さあ、今日はいい天気さ。少し陽の光でも浴びようか、花凛」
「ま、待って……。だ、だって、お尻に……」
お尻におかしな性具が挿さったままだ。
まさかこのまま……?
花凛は蒼くなった。
「その貫頭衣は特別性だぞ。立ってみな」
陳達が言い、陳逹に腕をとられて、無理矢理にその場に花凛は立たされる。
「あっ」
花凛は思わず声をあげた。
着せられた貫頭衣はとても薄いものであり、素肌の上にじかに着せられると、はっきりと勃起した乳首が浮きあがるし、下袍の丈は屈めば下半身が剝き出しになるほどに短い。
「よく似合っていますよ、花凛さん」
陳女がそう言って胸元のぼたんを上から二つほど開いて、胸元が半分ほど見えるほどにくつろげた。
拘束はされていないが、抵抗などできない雰囲気だ。
「じょ、冗談でしょう──。この格好で外に?」
陳女は自分の大胆な恰好に狼狽えるとともに顔がかっと火照るのを感じた。
「庭に行くだけだ、花凛」
「だ、だって、庭って外じゃないのさ、陳達さん」
花凛は声をあげた。
庭といっているのはこの長屋のすべての家についている裏庭のことだろう。
庭というほどのものじゃない。
ただ、腰の上ほどの高さの木の垣根に囲まれた狭い空間で、垣根の向こうは長屋の前の通りだ。
つまり、住民が普通に往来する道と同じだ。
「い、嫌よ」
花凛は抗議したが、陳達と陳女に両腕をとられて無理矢理に庭に連れ出された。
「ひっ」
昼間の明るい陽射しと温かい外気が花凛の露出した肌を襲う。
また、肛門にはおかしな性具は入ったままだし、ほんの軽くだが淫らな動きを続けている。
しかも、着ているものはいまにも乳房や股間が覗きそうな大胆な服装だ。
低い垣根の向こうには、長屋の女たちが普通に会話をしたり歩いているのが見えた。
花凛は怯えた。
「たったこれだけのことなのに、凄く興奮するでしょう、花凛さん?」
陳女が耳元でささやいた。
花凛は陳女、陳達にぴったりと挟まれるように、垣根に密着して長屋の外を覗くように立っていた。
確かにそれだけのことなのかもしれない。
垣根のために向こう側からは短すぎる下袍は見られることはないし、少し胸元が開いた服を着ているだけで、夜の仕事をしている花凛としては、それほど違和感のある服装ではないはずだ。
だが、花凛は異様なほどに神経が過敏になり、膝が大きく震えるほどの興奮状態だった。
「おや、花凛じゃないかい? あんた、こんなところにいたのかい? 洛葉婆さんの家に暴漢がうろついているという話があったんで、さっきみんなで心配してたんだよ。なにせ、あんたのところは、道端だし、それに洛葉婆さんの家の隣だしね」
不意に声をかけられた。
花凛は心臓が止まるかと思う程にびっくりした。
「さ、
花凛はやっとのこと言った。
碌でなしの夫を持つ子だくさんの苦労人の女だ。
それはいいのだが、お喋り好きでいつも近所の女と色々なことを噂にして愉しんでいる。
おかしな性戯に興じていると知れたら、どんな噂話を拡められるかわかったものじゃない。
また、暴漢というのは、花凛と一緒にいた
一昨夜のことだが、洛葉の家に幽霊騒動が起きていることを心配したこの夫婦が、それを確かめようと明け方近くに洛葉の家にやって来たのだ。
それをうとましく思った王奇が背後から近づいて、道端で陳達を脅した。
それで洛葉を襲おうとしている暴漢がいると大騒ぎになり、洛葉は大家のところに避難し、その隣の花凛もお節介な近所住民から、しばらくどこかに避難したらどうかとしきりに勧められていたのだ。
とにかく、花凛は慌てて胸元を隠そうと思って手を上にやりかけたが、さっと両側から陳達と陳女に垣根のこちら側で手を握られてそれを阻止された。
それだけじゃない。
陳達の肘が軽く花凛の腰に当てられると、突然に肛門の性具が激しく振動しはじめたのだ。
「あっ」
悲鳴をあげかけて、花凛は慌てて唇を噛み縛った。
「様子を見に行ったら、すっかりと怯えた様子だったんで、夫と相談して二、三日、わたしたちの家で暮らしてもらうことにしたんです」
陳女が陽気に言った。
「なるほど……。それで、そんなにしょげたような顔をしてたのかい、花凛。まあ、怖がることはないよ──。でも新婚の夫婦者のところに転がり込むのはどうかと思うけどね……。まあ、でもうちのところは子供がたくさんいるし、飲んだくれの亭主もいるしねえ……」
采女ががははと笑った。
采女は花凛が顔をしかめているのを別の意味に勘違いしたようだ。
だが、花凛は泣きそうだった。
淫らな振動が肛門をこねくり回し、その異様な感覚が花凛の神経をずたずたにして追い詰める。
女陰からは溢れるばかりの愛液が下着のない内腿に滴り落ち、花凛は気がつくと股を開きそうになり、慌てて、それを閉じては、また開くということを繰り返していた。
「なに、我が家は大歓迎ですよ。花凛はうちの陳女と仲がよくて、話し相手になるし……。それに困ったときはお互い様だし……」
陳達がそう言いながら、花凛の隣から自然な動きで陳女の真後ろに移動した。
そして、なぜか陳達が陳女の真後ろに密着するように立った。
だが、花凛はそれどころじゃない。
肛門に挿入された霊具は淫らな激しい運動を続ける。
花凛は我を忘れて淫らな声をあげないように気力を絞るのがやっとだ。
「それに、花凛は可愛いですから……。こんな可愛い娘が家にいるのは悪くない」
「なに言ってんだよ、陳達さん。奥さんのいるところで、ほかの女のことを褒めちゃあ怒られるよ──」
采女がまた笑った。
いつまで話しているのか……。
はやくどこかに行け──。
花凛は心の中で叫んだ。
しかし、次の瞬間、ぎょっとした。
眼の前に采女がいるというのに、陳女の身体の背後で陳達が下袴の前を開いて、勃起した一物を取り出したのだ。
そして、采女と他愛のない話をしながら、一方で片手で陳女の下袍の後ろを捲りあげて、陳女の肛門にそれを挿入し始めたのだ。
花凛は驚愕した。
なんでもない様子を装っているが陳女の顔が真っ赤になり、額からみるみる汗が噴き出しだす。
陳女はやや腰を後ろに引くようにして、陳達を受けれる態勢をとった。
その陳女の肛門にぐいと陳達の男根が深く入り込んだ感じがした。
陳女が花凛の手を握る力にもの凄い力を加えてきた。
「それにしても、あんたらいつも仲いいよねえ……」
采女の側から見れば、陳達は陳女の真後ろに立ち、優しく片手で肩を抱いている感じだろう。
しかし、垣根一枚隔てたこちら側では、陳女の肛門に陳達の男根が挿入されているのだ。
「俺の勘じゃあ、数日以内でこの騒動には決着が着きますよ……。おそらく、いま、この瞬間にも……」
陳達がそう言いながら陳女の背後で軽く腰を動かしだした。
陳女の膝ががくがくと震えて砕けそうになったのがわかる。陳女は片手を垣根に置いて身体を支えるようにし、もう一方の手をすがるように花凛の手を握る手に力を込める。
「そうだといいけどねえ……」
采女がそう言って立ち去っていく。
去り際に采女は花凛と陳女に一言ずつなにかを声をかけていったが、花凛にはなにを言われたかまったくわからなかった。
采女がこちらから視線を外して、歩き去ろうとしたとき、陳達のもうひとりの腕が花凛の腰をぐいを引き寄せた。
すると激しかった肛門の性具の振動がこれまで以上に強くなり、しかも、複雑な動きを始め出す。
また、引き寄せた陳達の手が花凛の短い下袍の前側を捲り、肉芽と女陰を刺激しはじめる。
真昼間の長屋の外で、近所の住民がすぐそばにいるという状況の中で肛門をいたぶられ、股間を苛まれるという信じられない羞恥に花凛の頭は思考停止に陥った。
「あくうううっ──」
不意になにかがやってきた。
覚悟するとか、耐えるというものではない。
凄まじい破壊的な衝撃があっという間に花凛に襲いかかり、包み、飲み込んでいった。
気がつくと、花凛はその場にしゃがみ込んで全身を大きく痙攣させて絶頂していた。
「ふんんんんっ」
そして、陳女もまた一瞬だけ声をあげたかと思うと、花凛の横に膝を割るように倒れ込んできた。
その肛門にはしっかりと陳達の一物が挿入されたままだ。
「怖かったが、気持ちよかったろう、ふたりとも……」
陳達が大きな鼻をぐいと近づけて花凛と陳女の顔に微笑みかけた。
その微笑みに花凛は身震いするほどの冷酷さと、酷薄さ……、そして、淫靡さを感じていた。
「続きは家の中だ……。さて、花凛、どうする? 俺はいまからこの陳女を犯すが、お前については自分で選ばしてやろう。これで解放して許してやってもいいし、あるいは抱いてやってもいい……」
「えっ……?」
頭が働かない。
花凛は生返事していた。
「抱くのであれば、今度は陳女と一緒だ。普段、陳女にやっているような嗜虐的な抱き方をしてやろう。雌犬のようにふたり並べて犯してやるが、どうする?」
陳逹が言った。
花凛は焦点の合わない視線をあげて陳逹を見た。
陳逹の表情は一見酷薄だったが、その瞳の奥には深い懐と包容力のようなものを感じた。
あまりにも深く達したために、まだ全身の力は入らない。
一瞬だが完全に真っ白になった頭は、まだ朦朧としている。
「こ、こんなのは序の口よ……。まだまだ、深い性の極みに到達できるわ。一緒にそれを味わいましょう、花凛さん……。この人に本当に抱かれれば、こんなものじゃあ済まないわ……」
陳女が上気した顔をこちらに向けた。陳女もまた、さっきの行為の余韻でまだ激しい興奮状態であるようだ。
「い、いいの、陳女さん……?」
陳逹は夫であろう。いままでは、性具や手で責めるだけだったが、花凛は陳逹と性交をしたわけではない。陳女は、夫がほかの女を抱くということに嫉妬のような抵抗はないのだろうか……?
「あなたと一緒にこの人と抱かれたいわ、花凛さん……」
陳女はうっとりと言った。
痺れるような快感はまだ継続している。
おそらく、花凛のこれまでの性経験でも今日ほど連続で、かつ、深く達したことはなかっただろう。
それを遥かに凌駕する快感だという。
花凛はごくりとつばを飲んだ。
どう考えても、拒む理由は思いつかなかった。
「お願いします……。抱いて……」
花凛は口にしていた。