※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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458 隷属支配の恥辱と恐怖

 はっとした。

 

 そういえば、大旋風(だいせんぷう)は道術契約の示す勝者になった場合は、魔凛を衆人の前で犯すと言っていたはずだ……。

 

「わ、わたしをここで犯すつもりか……」

 

 魔凛は男たちに身体を押さえられながら呻くように言った。

 おそらくそうするのであろう。

 もう、水晶の杖を取りあげられた魔凛にはそれを拒む力はない。

 しかし、魔凛の言葉に大旋風は爆笑した。

 

「もちろん犯すが、それはもっと後の話だ。お前には俺の性欲解消の淫具に成り下がってもらうぜ。一切の命令に逆らえない哀れな俺の道具にな」

 

「淫具?」

 

「そうだ、淫具だ。さっきもお前は俺の淫具だと言っただろう──。淫具が一人前に俺に犯してもらえるなんざおこがましいぜ。それよりも、俺が望むのは、名実ともにお前が俺の淫具になる仕打ちをすることよ……。つまり、これだ」

 

 大旋風が今度は懐から銀色の首輪を出した。

 魔凛は目を見張った。

 眼の前にかざされただけで、なにか強力な霊気を帯びている霊具だということがわかる。

 それを魔凛に嵌める気に違いない。

 正体のわからないもの強力な首輪の霊具を装着されようとしていることに、魔凛の全身を恐怖が走る。

 

 本能的に思わず魔凛は逃げようとした。

 しかし、前後左右から身体を押さえられて自由が封じられていてできない。

 それどころか、後ろに立った男に髪を掴まれて、大旋風のかざすその首輪の霊具に向けて首を押しやられる。

 

「な、なんだ、それは……?」

 

 大旋風が魔凛の首に銀の首輪を触れさせた。

 怖ろしいほどの霊気のこもった霊具だ。

 魔凛はこれほどまでに霊気のこもったものに接するのは生まれて初めてだ。

 

 ぞっとした。

 絶対にこれを嵌められてはならない──。

 本能がそれを告げていた……。

 魔凛は顔を振ってなんとか逃げようとした。

 しかし、それを魔凛を膝立ちに拘束している男たちが阻む。

 大旋風はぐいぐいと魔凛の首にその銀色の首輪を押しつけてくる。

 

「今回のご褒美に俺が青獅子様から授かったものだ。『服従の首輪』というものだそうだ。これを嵌められたものは、嵌めた者の命令を未来永劫一切拒否することができねえという究極の支配霊具だそうだ──」

 

「支配霊具? つまり、隷属具か?」

 

「そうだ。まあ、お前の『支配術』のようなものだが、それよりももっと完璧で簡単な霊具ということだな……。だが、この霊具は一番最初に支配される者が支配を受け入れると口にすることが必要らしいんだ──。そういうことだから、道術契約によって要求するぜ、魔凛──。この『服従の首輪』を受け入れろ。俺の支配に入るんだ。そして、俺の命令には一切逆らえない俺の淫具に成り果てろ」

 

 大旋風が言った。

 冗談じゃない──。

 魔凛の全身から一斉に汗が噴き出した。

 

 そんなものを受け入れたら最後、本当に魔凛はこの大旋風の奴隷以下の立場になる。

 この霊具が帯びている夥しい霊気から考えると、おそらくこの首輪は大旋風が喋った通りの効果があるに違いない。

 それくらいの強い霊気だ。

 

 絶対に受け入れてはならない──。

 魔凛は心の中で絶叫した。

 しかし、魔凛の口はまったく魔凛の意思と反する言葉を口にしようとしていた。

 魔凛にはそれがわかる。

 

 道術契約の力だ──。

 

 お互いの霊気と霊気を刻んで絶対の約束を結ばせる道術契約だ。

 道術契約で魔凛は、青獅子に宝玄仙の身柄を渡したものを勝者と認めて、その勝者の命令にひとつ従うと誓ってしまっている。

 そして、嵌められたとはいえ、魔凛は大旋風を勝者と認識してしまっている。

 その大旋風の命令が『服従の首輪』という霊具を受け入れることなのだ……。

 

「う、受け入れる……」

 

 魔凛の口が魔凛の意思を完全に無視してそう呟いた。

 大旋風が魔凛の首に押し当てていた首輪が、がちゃりと音を立てて自分の首に嵌るのがわかった。

 けたたましい笑い声が部屋に響いた。

 勝ち誇った様子の大旋風の哄笑だ。

 魔凛を押さえつけていた男たちがやっと手を離した。

 

 とっさに魔凛は出口に向かって駆けた。

 なにも考えていなかった──。

 とにかくこの恐怖から逃げること──。

 それしか頭にない──。

 

「こっちを向け。そして、もう動くな。命令だ──」

 

 大旋風が言った。

 出口に走りかけていた魔凛の身体が勝手に反転して大旋風の方を向く。

 そして、身体が凍りついたように動かなくなった。

 

「こ、これは……」

 

 魔凛はぞっとした。

 大旋風の“こっちを向いて動くな”という命令で身体が動いて、その後、動かなくなったのだ。

 本当に逆らえないのだ……。

 これが『服従の首輪』の力……。

 

「魔凛、俺から逃げることを禁止する。未来永劫にだ。これも命令だ……。もう、お前は俺から逃げられねえ。俺がどこに行くにもついて来い。命令だ。自殺することも禁止する。俺を危険に及ぼすようなことをすることや、それを看過することも禁止だ。わかったな、命令だ」

 

 矢継ぎ早に加えられる命令を自分の心が受け入れているのがわかる。

 魔凛の全身から冷や汗が噴き出す。

 

「魔凛、青獅子様にすべての道術を譲渡する道術契約を結べ──。期限は無期限。代償はお前が俺の奴隷になることだ。命令だ」

 

 大旋風が魔凛の顔の前で、馬鹿みたいに笑いながら、微笑みながら言った。

 道術契約は一応は相互契約だ。

 お互いに道術によって、破れない約束事を結ぶのだ。

 しかし、この場合、魔凛の道術を譲渡する代わりに、大旋風の奴隷になるのでは、魔凛からの一方的な搾取だ。

 だが、お互いに認めているのだ。

 契約は成立する……。

 

「あ、青獅子様に……す、すべての道術を譲渡する……。誓う……」

 

 魔凛の口が勝手にそう口にするとともに、道術契約を結ぶための道術を発散しだした。

 

「誓おう──」

 

 青獅子が声をあげた。

 その瞬間、魔凛の持つすべての道術が青獅子に移動するのがわかった。

 魔凛は愕然とした。

 一方で、得体の知れない支配具による大旋風への隷属に続いて、道術契約による奴隷化が成立した。

 つまり、大旋風に対する魔凛の隷属が強化されたということだ。

 自分が道術を失った無力な存在になったのがわかったのだ。

 

「おう、これが魔凛の『支配術』の力か──。なるほど、これは独特の能力だ。ほうほう……」

 

 青獅子が感嘆の声をあげている。

 一方、魔凛はまだ愕然として言葉が出せないでいた。

 自分はすべての道術を失った。

 自分の身体の一部が空っぽになったような感覚からそれはわかる。

 そして、首には、大旋風の命令には一切逆らうことのできない人形になることを強要する霊具の首輪……。

 この霊具が本物の支配霊具だということは、いまの二度の命令ではっきりと悟った。

 

「これでお前はただの小娘だな……。いや、娘以下だな。俺の命令に逆らえない人形……。つまり淫具だ」

 

 大旋風が意地の悪い笑みを魔凛に向けた。

 

「これでお前は終わりだ、魔凛──。もうひとつ教えてやろう。今頃は俺の部下が、お前がこの遠征に率いてきたの鳥人族の連中を奇襲しに向かっているぜ──。うまい具合に、お前が鳥人族だけであの行政府の建物を占拠してくれていたからな。お陰で面倒はなさそうだ。あの建物中に睡眠剤を噴出する薬玉を放り込むように命じておいた」

 

「なに?」

 

 ほかの鳥人族だと──?

 

「おそらくひとたまりもないさ。そのまま眠ってもらって、お前の部下が眼が覚めたときには、全員がそのまま司令部の軍営にある檻の中だというわけだ。生意気な連中だったが、今日でおしまいだ──。あの軍営はお前らの掃除をしたらちゃんと俺たちが使っておいてやるから心配するな──」

 

 大旋風が大笑いした。

 魔凛の部下にまで手をかけるつもりであることがわかり、魔凛は自分の顔面から血の気が失せるのがわかった。

 

「わ、わたしの部下を──? そ、そんなことは許さんぞ、大旋風」

 

 魔凛は叫んだ。

 

「もう、お前はそんなことは、なんにも気にしなくてもいいぜ──。なにせ、お前はもう俺の所有物の淫具だからな。そいつらももうお前の部下でもなんでもねえ──。とにかく、お前は俺の命令がなければ、自殺することもできない哀れな息をする俺の淫具だ──。俺も俺の仲間も、お前ら鳥人族の連中は気に入らなくて仕方がなかったんだ。あの鳥人族の一隊の連中は男も女もたっぷりと惨めな目に遭ってもらうぜ……」

 

「ま、待ってくれ──。わ、わかった──。なんでもする。だから、ほかの鳥人族には……」

 

 魔凛は叫んだ。

 

「お前がなんでもするのは当たり前だ。じゃあ、さっそく、この前の仕返しをさせてもらうかな……。忘れたとは言わさないぞ、魔凛……。お前は、俺を陣営の真ん中で下袴と下着を剥いで睾丸を握りしめてくれただろう? そうだな。ちょっと、自慰をそこでしてみろ。下着に手を入れてな。ほれっ、命令だ──」

 

 大旋風が嘲笑った。

 周りの亜人たちが一斉に手を叩いて悦んだ。

 

「だ、大旋風、き、貴様……」

 

 魔凛は血が出る程に唇を噛んだ。

 できることならこのまま舌を噛んで死にたかった。

 しかし、さっき受けた命令が効いている。

 本当に自殺することもできないのだ……。

 つっと冷たいものが顎に触れた。

 それが自分の涙だとわかったのは、自分の手が勝手に軍装の下袴を緩めて下着の中に手を入れたのと同時だった。

 魔凛の手が自分の股を愛撫しはじめる。

 

「魔凛……。今後、俺の喋ることはすべて命令だ。すべてに従うんだ。命令だ──。少し脚を拡げな……。もう少し膝を開け。肩幅以上に開くんだ」

 

 魔凛は命じられるまま立ったまま肩幅に膝を拡げた。

 

「ちょっとばかり、見せな──」

 

 誰かが後ろから緩んでいた魔凛の下袴を掴んで、いきなり膝までずりさげた。

 

「な、なにすんだい──」

 

 魔凛は片手を下着に入れたまま、開いていたもう一方の手を振り向きざまに振り回して、その男の顔に腕を叩きつけた。

 

「うわっ──」

 

 悲鳴をあげてその男が後ろに転がった。

 

「動くな、魔凛──。服を脱げ、その場で素っ裸になれ──。おいおい、雷名(らいめい)よ──。気をつけなよ。魔凛が言いなりになったとはいえ、それは俺の言葉だけなんだぜ。別に凶暴さが消えたわけじゃないだからな。うかつに近づくんじゃねえよ──」

 

 大旋風が大笑いした。

 

「だ、だったら、俺の命令にも逆らわないように命令してくださいよ、大旋風の兄貴」

 

「冗談じゃねえよ。こいつは俺の性具だ──。お前に任せた麗芳は、あっという間に毀れちまったじゃねえかよ。これは俺の大事な玩具だ。お前みたいな阿呆に触らせねえよ」

 

 この雷名が麗芳を……。

 もちろん雷名のことは知っている。

 大旋風を兄貴と慕う大旋風の弟分だ。

 大旋風と同様に下衆な男だ。

 魔凛は踏みつけてやろうかと思ったが、服を脱げという命令が効果を発揮し始めている。

 もはや、手足が自由にならなくなっている。

 

 魔凛の両手が軍装の上衣に手をかけた。

 心の葛藤が魔凛の指を震わせるために、うまく動かないが魔凛の手は確実に上衣をくつろぎ始めている。

 

「おっと、片手はちゃんと自慰をやりながらじゃないと駄目じゃないか……。片手で脱げない分は引き千切りな。もう、お前が軍服を着ることなんかねえんだ。遠慮なくびりびりに破きやがれ──」

 

 大旋風が言った。

 右手が再び股間に戻っていく。

 すでに魔凛の周りには大旋風の仲間の青獅子の側近の連中が野次馬のように取り巻いている。

 

 魔凛を罠に嵌め、こんな卑怯な霊具を使って身体を操って恥辱的なことをさせて悦ぶような連中だ──。

 そんな下衆な連中の前で魔凛の手は片手で股間を弄りながら、もう片方の手で次々に服を脱いでいる。

 片手では脱げないようなぼたんや紐はどんどんと引き千切っていく。

 上衣を取り去り、胸当てを投げ捨てた。

 

「おお──」

 

 魔凛のふたつの乳房が揺れて周囲の男たちがわざとらしいどよめきを洩らした。

 眼からつっと恥辱の涙がまたこぼれる……。

 

 その間も魔凛の指はこんな卑劣な男たちの視線にさらされながら股間を弄くっている。

 恥ずかしさと口惜しさに魔凛は気が遠くなりそうだった。

 自分の指だが、まるで他人の指であるかのように指は魔凛の女陰を揉みしだいている。

 だが、あまりの屈辱で快感は湧いてこない。それだけが救いだ……。

 

「なんか、感じ方が足りないんじゃないですか、兄貴」

 

 魔凛の身体の正面の位置を確保している雷名がからかうように言った。

 

「こ、殺すぞ、お前──。い、いつか、頭の皮を剥いでやるからな──」

 

 魔凛は叫んだ。

 それはちょうど、魔凛の意思を失っている魔凛の片手が魔凛の最後の一枚の腰布に手をかけたときだった。

 腰が沈む。

 魔凛の股間から下着を脱がしやすいように身体が屈んだのだ。

 

「それもそうだな……。そうか。そういうことも命令しなきゃならんのか。魔凛、感じるように自慰をしろ。気持ちのいい場所を擦るんだ──」

 

 大旋風がそう言って笑った。

 

「あはあっ」

 

 次の瞬間、思わず声が出た。

 感じる場所を自慰しろという命令で、いきなり魔凛の股間を弄くる自分の指の動きが変わったのだ。

 その魔凛の突然の嬌声にまわりの男たちが悦んでどっと沸いた。

 魔凛は羞恥で全身が真っ赤に染まるのを感じた。

 

 しかし、魔凛の指は快感を求めて、どんどんと責める場所と力加減を変化させながら魔凛自身の股間に襲いかかる。

 自分の身体を知り尽くしている魔凛自身の指だ。

 魔凛の指は、気持ちいい場所を擦れという命令に従い、魔凛の身体から次々に快感を隠す覆いを引き剥がしていく。

 内臓がひくつくような快感が走りだす。

 あっという間に秘口から蜜が溢れだした。

 次々に快感が襲う──。

 

「片方は乳房を揉め──。淫らに踊りながら自慰をしな」

 

 また大旋風の卑猥な命令だ。

 魔凛の手は肉芽を擦りながら、さらに乳房も揉みだした。身体が勝手にくねり出す。魔凛の惨めな自慰をしながらの裸踊りに周囲の男たちが大喜びで喝采した。

 

「ああ……くうっ……はっ、はあっ──」

 

 血も凍るような屈辱の行為だが、魔凛の身体は確実に愉悦に襲われて喘ぎ出す。

 法悦に襲われて魔凛の素っ裸の身体が震え出す。

 膝ががくがくと揺れる。

 羞恥と恥辱に気が遠くなりながらも、魔凛は確実に快感に襲われていた。

 

 そのとき、魔凛は自分をじっと見ている李媛(りえん)たちの視線に気がついた。

 蔑むような表情の彼女たちは無言のまま、強要された痴態を演じている魔凛を見つめている。

 人間族とはいえ同性の女たちに自慰の姿を眺められるというのは、男たちの前で晒す恥辱よりも魔凛には堪えた。

 

「そろそろ、いきそうか、魔凛? だが、大旋風、その前に引導を渡してやったらどうだ?」

 

 青獅子が不意に声をかけた。

 引導──?

 

 これ以上、なにをしようというのだろう……?

 魔凛は股間を弄りながら不吉な予感に襲われた。

 

「そうですね。わかりました、青獅子様──。じゃあ、魔凛、羽根を拡げろ。それと自慰の場所をお前の好きな尻穴に変えろ。浣腸をするには、事前に穴をほぐした方がいいだろうからな」

 

 大旋風が言った。

 浣腸?

 まさか──。

 

 自慰でのぼりかけていた血が一斉に下にさがっていく気がした。

 ここで魔凛に浣腸をする気か?

 だが、大旋風に指示を受けた数名が浣腸道具や液剤の準備をするために部屋の隅に移動していった。

 冗談ではなく、この周りの男たちは本当にここで魔凛に浣腸という淫虐行為を実行しようとしている気配だ。

 魔凛はびっくりして、思わず顔を左右に激しく振った。

 

「ま、待って──。か、浣腸って……ま、まさか、ここでするつもりじゃないよね。そんなこと許されないよ。しょ、正気かい、あんたら?」

 

「許されるか、許されないか、青獅子様に聞いてみるかい、魔凛?」

 

 大旋風がからかうように言った。

 情けないことに、魔凛の手は大旋風の言葉に従い股間を弄り回していた指を肛門に移動させていた。

 指を深く入れやすいように、魔凛の身体は勝手に中腰の姿勢に変えている。

 そんな魔凛の浅ましい姿に周囲の男たちが拍手喝采した。

 そして、なんのためにそんなことをやらされるのかわからぬまま、背中の黒い翼を拡げていろ。

 

「魔凛、魔王宮の玉座の間で大便をすることを許す──。もっとも、三魔王軍の歴史の中でも、玉座の間で大便をした女は魔凛が初めてかもしれんのう」

 

 青獅子がそう言って笑った。魔凛の周りの亜人たちも爆笑する。

 魔凛は男たちに笑われながら片手で乳房を揉み、片手で肛門に指を入れてくねくねと踊るように身体を揺らしていた。

 さっきの命令が取り消されていないので、まだ魔凛は屈辱の自慰踊りを続けているのだ。

 

「そういえば、魔凛は肛門と女陰を同時になぶられるのが好きだったなあ。。乳房じゃなくて女陰と尻穴の両方に指を入れて自慰をしながら、しばらく踊ってな。すぐに浣腸の準備はできるはずだ」

 

「か、浣腸とはなんだ──。や、やめてくれ──。な、なにを考えててるんだ、大旋風」

 

 魔凛はついに泣き声をあげた。

 しかし、自分で股間と肛門を弄りながら悪態をついても却って惨めな気分を味わうだけだ。

 しかも、そんな屈辱の中でも魔凛はしっかりと快感をむさぼってしまっている。

 自分の指に前後の穴を襲われている魔凛は、全身を汗にまみれさせてどうしても込みあがってしまう悶え声を口にしていた。

 

「そらそら、もっと気分を出しな、魔凛。そうすりゃあ、浣腸なんてつらくもなんともなくなるぜ」

 

 背後に回った大旋風が、拡げている魔凛の翼を避けるように魔凛の身体の前に手を回すと、いきなり悶え揺れている魔凛のふたつの乳房に手をかけた。そして、手のひらで包むようにゆっくりと揉み始める。

 

「ひううっ、や、やめろ──」

 

 魔凛は必死になって身体を左右に振って悲鳴をあげた。

 避けるなという命令はないので、身体を激しく左右に振って大旋風の手を振りほどこうとすることはできるようだ。

 しかし、両手は命令により自分の股間と肛門に指を入れている。

 だから、結局のところ魔凛は柔らかい手管で乳房を揉んでくる大旋風の手をどうすることもできないでいた。

 自分で股間を苛みながら、大旋風の手によって乳首を摘ままれて、乳房を揉まれると悲しいくらいに切羽詰った快感が魔凛に襲いかかってくる。

 

「いいなあ、兄貴、俺たちにもやらせてくださいよ──」

 

 雷名が不満そうに叫んだ。ほかの男たちからも羨ましげな声があがる。

 

「うるせい──。こいつは俺の玩具だ。お前らは見るだけで我慢しろ。そのうち、やらせてやるかもしれん──。それよりも、お前らはやることがあるだろうが。そっちをやれよ──。

 

「ちっ、じゃあ、仕方がねえ。始めるかい、みんな──」

 

 雷名が言った。

 するといつの間にか準備されていた平たい木箱がすっと、肩幅に開いている魔凛の足の間に差し入れられた。

 これからなにが始まろうというのか──?

 

「もういい、魔凛、両手は頭の上に置け。これからなにをされても絶対に動くな。翼は拡げたままだ」

 

 大旋風がやっと魔凛から手を離して言った。

 部屋の隅で浣腸の準備をしていたふたりの男が戻ってきたのだ。

 小さな車輪が脚に付いた台を運んできてその台の上に浣腸袋が載っていた。

 浣腸袋というのは、袋の中に薬剤を入れて、袋の先についている管を浣腸を受ける者の肛門に挿し入れて、袋を潰すようにして薬剤を腸に注ぎ込む霊具だ。

 袋を潰すように絞れば、道術がかかっている袋が緊縮して袋の薬剤を管から送り出すというものであるが、もちろん、魔凛はそんなものを自分が受けるのはこれが初めてだ。

 魔凛の両手はさっと頭の上にあがる。

 

「さあ、魔凛、これからこれを注ぎ込んでやるぜ。わかっていると思うが、お前が排便を終わるまで、動くなという命令は解除してやらねえ。床が汚れないように脚の下に箱を入れてやったから遠慮なく立ったまま垂れ流しな。これがこの間、俺の睾丸を握りしめてくれたお前への俺の礼だ」

 

 大旋風は魔凛の顔に浣腸袋の嘴管の先を触れさせながら笑った。

 袋が揺れて中に入っている大量の薬剤がたぷたぷと音を立てた。

 魔凛はすっと自分の血の気が引くのがわかった。

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