「さあ、魔凛、これからこれを注ぎ込んでやるぜ。わかっていると思うが、お前が排便を終わるまで、動くなという命令は解除してやらねえ。床が汚れないように箱を脚の下に入れてやったから遠慮なく立ったまま垂れ流しな。これがこの間、俺の睾丸を握りしめてくれたお前への俺の礼だ」
大旋風は魔凛の顔に浣腸袋の嘴管の先を触れさせながら笑った。
袋が揺れて中に入っている大量の薬剤がたぷたぷと音を立てた。
「いやああっ、待って、待ってよ、大旋風──。お願いだよ。これ以上恥をかかせなくてもいいじゃないか。い、いくらなんでも、わたしは女だよ。女のわたしに立ったまま排便しろというのかよ──」
魔凛はその瞬間、つんざくような悲鳴をあげた。
激しく抵抗しようと思うのだが、命令により静止を命じられている魔凛の身体はぴくりとも動かない。
「この後に及んで悪あがきをするんじゃねえよ、魔凛──。それにこの世にこんな恥もあるんだというようなことを最初に味わっておきな。お前は、これから長い人生を恥という恥をかきながら送ることになるんだからな」
大旋風はそう言うと、浣腸袋を持ったまま魔凛の背後に回った。
同時に周囲の男たちもまた慌ただしく動くと魔凛の背後に回っていった。
魔凛は部屋の真ん中で素っ裸で両手を上にあげて翼だけを拡げている格好だったが、後ろに回った男たちはその魔凛の翼に一斉に手を伸ばしたのだ。
「な、なにをするんだ──や、やめろっ──」
魔凛は絶叫した。
翼に群がった男たちが一斉に魔凛の翼の羽根を千切りだしたのだ。
どうやら剃刀のようなものを全員が手にしているようだ。
剃刀についてはあらかじめ準備していたのだろう。
男たちが魔凛の翼から一枚一枚羽根を根元で切り、脚の下に置かれた木箱に投げ捨てている。
自分の股間の下に置かれた平らな箱にどんどんと魔凛自身の翼の羽根が溜められていっている。
「や、やめてくれ──。た、頼む。ひいいっ──」
魔凛は頭の後ろに手をやったまま泣き叫んだ。
翼は鳥人族の誇りであり象徴だ。
それを他人に触れられるということさえ、鳥人族にとっては禁忌行為なのだ。
魔凛は自分の翼をそれこそ、
それは麗芳も同じだろう。
その翼を周りの男たちは、触るどころか羽根をどんどんと切断して毟っているのだ。
翼には神経のようなものは通ってはいないから痛みはないのだが、それを切断されて羽根を毟られるという行為は心を引き裂かれているのも同じだ。
その羽根をまとまった単位で切断されては箱に放り込まれていくのを見て魔凛はあまりの仕打ちに気を失いそうになった。
「気を失うことは禁止だ、魔凛。命令だ……。麗芳のときは、ここで気絶されてしまったからな。釘を刺しておかないとな──」
大旋風が笑いながら言った。
麗芳も同じ目に遭ったのだ。
魔凛の口惜しさが倍増する。
しかし、どうすることもできない。
魔凛は必死になって哀願するだけだ。だが周囲の連中は嘲笑うだけで、鳥人族として命よりも大切な魔凛の翼の羽根を毟るという行為を少しもやめようとしない。
「た、頼む、やめさせてくれ、大旋風──。後生だ。翼だけは……。ほかのことならなんでもする。お願いだから翼には手をかけないでくれ」
魔凛は恥も外聞もなく自分の背後にいる大旋風に叫んだ。
しかし、大旋風は笑うだけだ。ほかの男たちも魔凛の狼狽と哀願が愉しくて仕方がないという気配だ。
「もちろん、ほかのこともなんでもしてもらうさ。お前は俺に逆らえないんだからな。だが、立ったまま糞をするという行為もやってもらうさ。お前たち、天人とか、天子族の別名のあるお前ら鳥人族にとっては、翼というものは特別に意味のあるものなんだろう? だから、その大切な翼で特製の便器を作ってやったんだぜ。感謝してくれよ」
大旋風は冷たく言った。
そして、肛門に管がすっと触れるのを感じた。
「や、やめろっ」
浣腸袋だ。
魔凛は昂ぶった悲鳴をあげた。
すぐに大量の薬剤が肛門の中に注がれてくる。
「あ、ああっ」
魔凛はうなじを浮き立たせるように歯を噛み鳴らした。
生ぬるい薬剤がみるみる体内に送り込まれるのがわかるのだ。
だが、どうすることもできない……。
怖ろしい首輪の道術に支配されて、魔凛は身体を揺さぶって浣腸袋から逃げることさえも禁止されている。
浣腸液を受け入れ終われば最後、この卑劣な連中は魔凛を解放することなどないだろう。
間違いなくこの卑劣な連中の眼の前で立ったまま大便をすることになるはずだ。
そう考えると魔凛の下腹部にずんという不思議な疼きが走った。
もう観念するしかないという絶望感に浸りきったとき、なぜか魔凛の全身に不可思議な快感が交錯してきたのだ。
魔凛は混乱し、気がつくと切羽詰った啼泣を口から洩らしていた。
この間にも、まだ足の下の箱には新たに毟られ続けている魔凛の黒い羽根がどんどん放り込まれている。
「つくづく、鳥人族という連中は翼を毟るときには同じような反応をするものだな。そういえば、麗芳もいまの魔凛とまったく同じように泣き叫んで哀願していたのう……」
愉しそうにこっちを眺めている青獅子が笑った。
青獅子のその言葉で魔凛は可哀そうな姿になった麗芳も、こうやって翼をよってたかって毟られて、その羽根の上に大便をさせられるという仕打ちをこいつらに受けたのだとわかった。
つらかっただろう……。
口惜しかっただろう……。
だが、すぐに魔凛にはそんなことを考える余裕がなくなった。
これまで感じたことのない痛みが下腹部に襲いかかってきたのだ。
「おっ、そろそろ、もよおしてきたか、魔凛? 我慢できなくなったら、遠慮なく垂れ流していいぞ。存分に大便を出していいぞ──。その箱にな──」
今度は前側に回ってきた大旋風が言った。
その片手には袋の部分が空になった浣腸袋を手にしている。
「どうだ、魔凛、人前で浣腸をされるというのも満更悪い気分じゃねえだろう?」
大旋風がまだ涙を流し続けている魔凛の顔にその空になってぺちゃんこになった浣腸袋をかざしながら言った。
「それにしても、こんなにきれいな鳥人族の魔凛でも垂れ流すものは、やっぱり臭いものなんですかねえ?」
後ろで羽根を千切る作業を続けている男たちのひとりが言った。
「そりゃあ、そうさ。麗芳のときもそうだったしな。きっと、鼻が曲がりそうに臭いに決まってるぜ」
「だけど、そうしたらこんな平らな箱じゃあ間に合わねえんじゃねえか? そういやあ、麗芳のときだって結構跳ねとんだじゃねえかよ」
男たちが魔凛の周りで好きなことを言っている。
しかし、もう魔凛にはそんなことはもう気にならない状態になっていた。
浣腸を受ければ、当然のように込みあがる大きな便意に襲われ始めていたからだ。
そして、男たちがやっと魔凛の翼から羽根を毟る作業をやめた。
随分と軽さを感じる翼がいまどういう状況になっているのかを確かめる術は魔凛にはない。
だが、足の下に溜まっている毟った羽根の量を考えると、もう翼からはほとんどの羽根が毟り取られて、翼を支える骨だけの状態になっているというような気がする。
逃げ出したい──。
このままでは死んだ方がましなくらいの醜態をここで演じることになる。
だが、身体が凍りついたように動かない。
本当にぴくりとも全身を動かすことができない。
動くのは激しい生理的な苦痛で魔凛の意思とは無関係に震える腰だけだ。
このままでは……。
下腹部の鈍痛がもうのっぴきならないものに成長しようとしていた。
魔凛は思わず足元を見た。
すでに大量の羽根の溜まった木箱がそこにあった。単に排便姿を晒させて魔凛を辱めるだけではなく、鳥人族の誇りである翼を毟り、それを魔凛自身の糞尿で汚させようというあまりもの卑劣で意地の悪い仕打ちに魔凛の全身は小刻みに震えだす。
「おっ、魔凛が妙に腰を動かしだしたぜ」
「どうしたんだろうなあ? 震えているから、もしかしたら、裸で寒いんじゃねえか。それとも、苦しいのか? なあ、魔凛、なんでそうやって尻を振りだしたのか、ちょっと俺たちに教えてくれねえか?」
いまではすっかりと魔凛を囲んで、これから起きようとしている魔凛の崩壊を見物する態勢になっている男たちが魔凛をからかいだす。
「さあ、魔凛の場合はどれくらい持つんだろうなあ? 麗芳の場合は、四半刻(約十五分)というところだったか? まあ、仮にも総司令官殿だからな。その倍は持つんじゃないか?」
「案外、あっという間に粗相をするんじゃないかなあ。さっきの自慰なんて、まんざらでもなかったようだし、おそらく、こいつ人前で辱められるのが嫌いじゃなさそうですね」
「まあ、魔凛のような気の強い女ほど、実は被虐心が強かったりするしなあ」
猛烈な排泄感に脂汗を流して苦しんでいる魔凛の肢体を眺め回しながら男たちが次々に卑猥な言葉をかけてくる。
そのとき、魔凛は自分の前に大旋風が『映録球』を設置しているのがわかった。
魔凛は驚愕した。
「な、なにをしているのだ、大旋風──?」
魔凛は絶叫した。
「もちろん、お前の醜態を記録しておこうと思ってな。お前の排泄姿を『映録球』に記録して、牢に放り込んだお前の部下の連中に繰り返し眺めさせてやるんだ。もちろん、金凰魔王様にも送るがな」
大旋風はげらげらと笑った。
排泄姿を記録され、それを魔凛の仲間たちに無理矢理に見させるのだという大旋風の言葉に魔凛は総毛立った。
しかし、魔凛にはそれをどうすることもできない。
そして、それよりも魔凛は激しくなる便意のことしか考えられなくなっていた。
身体の底からずきんずきんと込みあがる凄まじい便意だ。
もう長くは耐えられそうにない……。
魔凛は歯を喰い縛って必死に苦痛と戦っていた。
「それにしてもなかなかの乳房だよなあ。本当に吸いつきたくなるような乳だぜ」
「おっと、抜け駆けなしだぜ。最初は大旋風隊長と決まっているんだ。それが終われば、俺たちもやり放題にやらせてもらえるらしいからな」
「愉しみですぜ、隊長──」
魔凛が苦痛によがる間、周囲の男たちは魔凛の身体に顔をくっつけるようにして眺めて批評めいた言葉を浴びせてくる。
便意に苦しみながら魔凛は、意地の悪い言葉に恥辱で身体を震わせていた。
「た、頼む──。か、厠に行かせて……。い、いえ、行かせてください、大旋風様。これまでのことはお詫びします。だから、どうか、厠に──」
便意はもうどうしようもないところまできていた。
最後の望みをかけて、魔凛は大旋風に叫んだ。
この大旋風に哀れに媚を売るような真似は屈辱で身体が引き裂かれそうだが、もうこれ以上は我慢できない。
もう限界だ。
排便はそこまできている。
「大旋風様とはいいなあ……。だが、遠慮することはねえぜ、魔凛──。お前の羽根をもいで作った特製の便器だ。出したくなったら、たっぷりとそこに垂れ流しな──」
大旋風が笑った。
やっぱりどうしてもこのまま排便をさせる気なのだ。
魔凛は奥歯を噛みしめて肛門を引き締めた。
もはや、魔凛にできるのはただ耐えることだけだと悟った。
魔凛はそれからしばらくはそうやって耐えた。
大旋風を初めとして周囲の男たちは、さかんに魔凛をからうような言葉をかけるのだが、途中から魔凛にはよく聞き取れない状態になっていた。
眼の前にいる男たちの顔も朦朧としてよくわからなくなる。
「それにしても、しぶといなあ。この女、どうしても我慢する気かよ」
「まったくだぜ。そろそろ諦めて垂れ流しなよ、魔凛」
やがて、男たちが文句を言い出した。
「本当によく我慢が続くものさ。やっぱり、強情だぜ」
大旋風が残酷にも魔凛の下腹部をゆっくりと押し始める。
「うあっ──」
魔凛は眉を寄せて必死になって、便意に苦しむ腹を押すという残忍な仕打ちに耐えた。
「そらみろ、もう漏れそうなんじゃねえか。お前への仕返しについては、色々と予定が詰まってんだぜ。そろそろ、粗相をしても構わんぞ、魔凛」
大旋風が言った。
「そうだぜ、兄貴の言う通りだ。早くしねえか。お前には、みんなで考えた予定が詰まってんだよ。その羽根に大便を垂れ流したら、尻の穴をみんなで洗ってやることになってんだ。そして、お前はここにいる全員の性器をしゃぶることになるはずだ。もちろん兄貴が最初だがな。その後は剃毛だ。そして、綺麗になった下腹部に大旋風の兄貴の花押を焼印することにもなってんだ。兄貴の道具と誰にでもわかるようにな──。わかったら、さっさと尻から汚いものをひり出すんだよ──」
前から見ている雷名が苛立ったように怒鳴った。
「そ、そんなこと……。し、死んだって……す、するものかよ……」
魔凛は息も絶え絶えに呻いた。
「まあ、そこまで我慢できるところを見ると、まだまだ、浣腸が足りないのであろうなあ、大旋風。ところで、考えてみるとここにいる李媛にとっては、この魔凛も憎い敵のひとりであろう。二本目の浣腸袋を李媛にさせてやれ」
玉座で見物の態勢だった青獅子がそう言って、李媛の首輪から鎖を外した。
青獅子に促されて全裸の李媛が裸身をふらつかせながらこっちにやってくる。
青獅子の言葉に大旋風をはじめとする周りの側近たちは大喜びだ。
二本目だ、二本目だと騒ぎながら準備をしに部屋の隅に行った。
もう限界に達している肉体にさらに浣腸を追加しようという冷酷さに魔凛は震えた。
しかも、それを李媛にやらせるのだ。
李媛がどういうつもりで、自分たちの前で残酷に責められている魔凛を眺めていたのかわからない。
李媛が魔凛の眼の前に立った。
近くで見ると、李媛に施された青獅子の残酷な仕打ちがわかる。
李媛の両方の乳首には細い金属の棒のようなものが突き刺してあった。
それを留め具にして、大きな赤い宝石が両方の乳首にぶらさがっている。
同じものが股間にもあり、股間の宝石は女陰の上側の肉芽に乳首と同じように刺された留め具にぶらさげられているようだ。
ぶらさげられている宝石には小さな金属の飾りもぶらさがっている。
どうやら李媛が動くたびに、その三つの宝石が李媛の乳首と肉芽を揺らして苛むようになっているらしい。
ここまで歩いてくる間、李媛はかすかに甘い息を吐きながら、上気した顔を悶えるようにしてここまでやってきた。
「ほら、浣腸袋だ──。俺たちのことも憎いだろうが、こいつだってお前は憎いはずだ。浣腸をして溜飲を下げな、李媛」
大旋風が薬剤で膨らんだ浣腸袋を李媛に渡した。
李媛は無表情のまま、困惑した表情でそれを受け取った。
そして、促されるように魔凛の背後に回る。
「り、李媛、お、お願い……」
魔凛は悲痛な声で哀願した。
同じ女ならば、人前で排便させられるという屈辱がわかるはずだ。
魔凛はせめてもの慈悲を同じ青獅子の犠牲者となった李媛に縋ろうとしていた。
しかし、李媛はまるで魔凛の声など聞こえないかのように、淡々とした仕草で魔凛の肛門に浣腸袋の嘴管を挿入してくる。
「あがああっ──」
魔凛は引きつった声をあげて叫んだ。
浣腸袋の先端を魔凛の肛門に挿し込むや否や、李媛がもの凄い力で浣腸袋を握りしめたらしいのだ。
道術の力も借りたもの凄い勢いでひと袋分の浣腸袋の薬剤が魔凛の腸内に追加された。
空になった浣腸袋を大旋風に返しながら、李媛は魔凛の耳元でほとんど聞き取れないような声でなにかをささやいた。
しかし、思いもよらない李媛の激しい浣腸液の注ぎ込みように大笑いしていた周囲の男たちには李媛の言葉は聞こえなかったようだ。
だが、魔凛はしっかりと李媛の冷たい声をはっきりと耳にしていた。
“あんたも含めて亜人たちはひとり残らずいつか呪い殺してやる……”
李媛は確かにそう言った。
ふた袋の薬剤を体内に注がれてしまった魔凛は、愕然とした気持ちで青獅子のところに戻っていく李媛の後ろ姿を見送った。
「じゃあ、せいぜい、我慢することだな──。だが、耐えられなくなったらやってくれ。お前の排便姿はすぐに鳥人族の連中に届けさせるぜ。牢の中に投影して何度も何度も立体映像で再現してやる」
大旋風が勝ち誇った声をあげた。
しかし、李媛のことはそれ以上考えることはできない。
ふた袋目の薬剤を受け入れてしまった魔凛の身体は、激烈に突きあげる便意をもう一瞬も抑えることはできないようになっていた。
「うわああっ──」
魔凛は絶叫した。
それと同時に凄まじい勢いで自分の脚の下の箱に排便を噴き出させた。
「うわっ、始めやがったぜ」
大旋風がわざとらしく頓狂な声をあげた。
その仕草にどっと周囲の男たちが哄笑した。
猛烈な汚辱感と屈辱感を覚えながら魔凛は号泣しながら排便を続けた。
立ったままさせられた排便はかなりの量が身体の後ろ側に汚物混じりの水流を噴き出させたようだ。
そして、しばらくして最初の塊りを魔凛の肛門は箱の中に落とした。
男たちの嘲笑の中で魔凛はすっと頭の血が下がり、気が遠くなるような気がした。
それからさらに水流を垂れ流しながら、魔凛の肛門はひとつ、ふたつと汚物を落としていく。
放出するたびにどっと笑い合う男たちの卑劣な揶揄の中で、魔凛はもうなにも考えられなくらいにぼんやりとしていた。
それとともになぜか下半身から沸き起こってくる愉悦の感情に戸惑ってもいた。
「おう、臭えのなんの。さすがに鳥人族の中でも美女中の美女の魔凛でも垂れ流すものは同じだな」
「恥を知りな、魔凛──。これだけの男の前でこんなに垂れ流しやがって」
「大旋風の兄貴、どうです。これをそのまま、鳥人族を監禁する牢に届けてやったらどうですか? 連中、眼を白黒させますぜ。『映録球』の映像とともに、魔凛の排便がこいつから毟った羽根の上に載って届けられるんだ。連中の反応はちょっとした見物になるに違いありませんぜ」
雷名もほかの男に続いてそう言った。
その思いつきに、大旋風はそれはいいと悦んで手を叩いた。
魔凛はもう精根尽きた思いでそれをぼんやりと聞いていた。
「それよりも、もういいのかい、魔凛。まだ、残っているんじゃねえのかい? こうなったら、最後までどんどん垂れ流しな」
大旋風が言った。
もう心身ともに崩壊しかけている魔凛は言われるままに、下腹部に力を入れた。
そして、身体をぶるぶると震わせながら最後に残っていた固形便を足元に落とした。
同時に激しい放尿まで魔凛の股間は噴き出させた。
これには大旋風だけではなく、少し離れている青獅子までも噴き出した。
「魔凛、誰が小便までしていいと言ったよ──。まあいい。一緒に鳥人族たちを監禁する牢に届けてやるぜ」
大旋風が笑った。
やっと股間から出ていた尿も終わった。
魔凛はもうなにも考えることができずに、ただひたすらにすすり泣いていた。
すると今度は大旋風がすっと背後に回った。
そして、がちゃんという金属の触れ合う音がした。
それが大旋風が腰の剣を抜いた音だとわかったのは、かすかに剣先が魔凛の視界に入ったからだ。
「な、なに?」
魔凛は後ろを振り向こうとしたが、まだ効果を及ぼしている首輪の道術がそれを阻止する。
次の瞬間、魔凛は自分の背後で剣が振りかぶられる気配を感じた。
背中にどんという衝撃を感じた。
なにが起きたのかわからない。
即座に感じたことがないくらいの激痛が全身を貫いた。
「があああ──」
魔凛は発狂したような声をあげていた。
自分の背中からなにかが落ちた。
襲いかかった激痛と衝撃が魔凛の意識を飛ばす。
魔凛は自分の身体が前に向かって倒れていくのを知覚した。
便の垂れ落ちている箱に向かって自分の身体がゆっくりと倒れ落ちていく。
数名の男たちが倒れかかる魔凛の裸身を辛うじて支えた。
「片方じゃあ、飛べねえだようから、反対側は残しておいてやるぜ。糞便箱の中身に使う羽用だ。それにしても、いいざまだぜ、魔凛。鳥人族は美しさから、天使にも喩えられるらしいが、それじゃあ、堕天使だ。二度と飛べねえしな」
大旋風が大笑いする。
魔凛は自分を抱えた男たちの腕の中でそのまま意識を失っていった。
気を失う寸前の魔凛が見たのは、大旋風の剣によって背中の根元から断ち斬られたらしい魔凛の片側の翼の残骸だった。
(第71話『女族長の失敗』終わり、第72話『雌畜飼育』に続く)