460 家畜魔女
意識が混沌としていた。
宝玉が覚えているのは沙那に口移しでなにかの液体を大量に注ぎ込まれるまでのことだ。
もちろん、それは宝玄仙の意識の話であり、宝玉は宝玄仙の耳目を通じて、深層意識の中でそれを知覚していたにすぎない。
いずれにしても、あのときの沙那は操られていたのだと思う。
宝玄仙の意識を通じて、宝玉は自分たちに起こったことをはっきりと認識している。
宝玄仙は鳥人族にさらわれた沙那を
沙那には、宝玄仙の作った霊具の首輪を事前にさせていたので、宝玄仙の『移動術』の道術で追いかけることが可能だったからだ。
それで沙那が囚われている現場に一気に跳躍し、強引に助け出して、再び『移動術』で逃亡する。
そういう策だったらしいが、救出しようとしていた沙那そのものに罠が仕掛けられていた。
沙那にはなんらかの操り術が刻まれていて、宝玄仙の油断をついて、口の中に昏睡剤のようなものを注ぎ込んできた。
それで宝玄仙は意識を失った。
もちろん、宝玉の記憶もそれで途切れる。
意識が戻ったのは、どこかの地下牢のようだった。
宝玄仙ではなく宝玉の意識として出現したのは、まだ、宝玄仙の意識が昏睡状態にあったからだ。
宝玄仙の意識よりも早く意識を回復した宝玉は、宝玄仙に変わってこの身体に出現した。
まず、宝玉の視界に映ったのは石牢の壁と天井だった。
部屋の四隅にはそれぞれに蝋燭台が置かれていて、窓のない石牢を明るく照らしていた。
四個の蝋燭には霊気を感じる。
おそらく、燃え尽きることも消えることもないように術を刻まれた霊具だと思う。
こんな地下牢に貴重な霊具を無造作に使うということは、ここは道術の生活に染まっていない人間族の牢ではないに違いない。
人間族にとっては貴重な永久照明の霊具も、道術力の強い妖魔、つまり、亜人からすれば、いくらでも量産できる二束三文の霊具だ。
地下牢のような場所においても、消耗して交換しなければならないただの蝋燭よりも、ああやって霊具を使った方が効率的だと考えるのかもしれない。
石牢はかなりの広さがあったが、牢の中にいるのは宝玉ひとりだった。
沙那はもちろん、孫空女、そして、宝玄仙に異変があれば追いかけてくるように命じてあった朱姫はいない。
彼女たちがどうなったかわからない。
しかし、こうやって、まだ宝玄仙の身体が誰かに囚われたままであるということは、彼女たちもまたどこかに囚われているのかもしれない。
捕らえられた宝玄仙を見捨てて逃亡するような三人ではない。
宝玄仙が捕えられたとすれば、彼女たちもまた抵抗空しく捕えられている可能性が高い。
そのとき、牢の外に誰かが近づく気配を感じた。
宝玉ははっとした。
自分はまったくの全裸だったのだ。
下着はおろか、サンダルさえも履いていない。
宝玉は慌てて起きあがろうとした。
しかし、そのとき初めて、宝玉は手足が異常に重く感じることに気がついた。
特に拘束されているというわけではない。
訝しんでふと見ると、手首と足首に灰色の革帯のようなものが巻かれている。
すぐにその革帯が持っている霊気を感じた。
これは霊具だ。
霊具が宝玉の手足の力を奪っているのだ。
宝玉は霊気を動かして道術を刻もうとした。
装着されている霊具を外そうとしたのだ。
しかし、次の瞬間、愕然とした。
霊気がうまく動かない。発生させた霊気がどこかに吸い込まれるのだ。
そのとき、やっと股間の違和感を覚えた。女陰の中になにかが挿さっている。
なにかが密着したように子宮近くに潜り込んでいるようだ。
宝玉はびっくりして、自分で指を入れて取ろうとした。
しかし、まったく取れるような感じではない。
宝玄仙の身体の能力を使って膣の筋肉で外に出そうと思っても、まるで身体の一部にでもなったかのように微動だにしなかった。
宝玉は焦った。
すると石壁にある鉄の扉ががちゃがちゃと音を立てだした。
急いで扉の反対側まで移動して背中を石壁に密着させるとともに、両手で乳房を隠した。
鉄の扉が開いて、牢内に十名ほどの亜人の兵が雪崩れ込んできた。
続いてのっそりと入ってきたのは、青いたてがみをした猫型の肉食獣を思わせる風貌の男の亜人だった。
身に着けている服装などから考えると相当の身分の者のように思う。
さらにその背後には、中年の痩せた女の亜人と背の高い武将風の亜人がいた。
そのふたりは人間的な風貌だったが、肌の色や耳目のかたちがなんとなく人間とは離れているので亜人だとわかったのだ。
「あ、あんたたちは誰なの?」
宝玄仙は両手で身体を隠しながら言った。
しかし、三人は宝玉の問いに答えることなく、舐め回すような視線を宝玉の全身にぶつけてくる。
宝玉は嫌な気分になった。
「なるほど、噂通りの美女だな──。余は青獅子という。魔王青獅子、あるいは、三大王、第三魔王、いろいろな呼び方があるようだ……。ところで、お前は宝玄仙だな?」
魔王だと名乗った青獅子が言った。
「そ、そうよ」
宝玉は答えた。
宝玄仙ではなく宝玉だと答えても話がややこしくなるだけだ。
「口に気をつけろ、宝玄仙──」
青獅子の横の亜人の武将が怒鳴った。
「よいわ、
「なるほど」
玄魔と呼ばれた亜人が頭を下げた。
家畜?
その言葉に宝玉は訝しんだ。
家畜とはどういう意味だろう……?
この宝玄仙の身を家畜にすると言ったようだが……?
「しかし、惜しいことですよねえ……。見てくださいよ。綺麗な手足だわ、陛下。なくなってしまうなんて惜しいわねえ」
女が身体をくねらせながら言った。
「仕方がない。宝玄仙を家畜化にするというのは、三魔王の約束事であるしな。家畜である以上、四つ脚化の措置はせねばならんのだ。これも三魔王合意事項でな。余の一存では勝手には変更はできんのだ、
「陛下が家畜部屋に来られるのですか? まあ──」
中年の女は輪廻というらしい。輪廻はわざとらしく驚いた表情を見せた。
「ひひひ、十日もくだされば、それなりに躾けておきましょう、この
突然、三人の背後から声がした。
そのとき、初めて宝玉は、さらにもうひとりの老婆がいることに気がついた。
細い金属の杖を突いているようだ。
「か、家畜とはどういう意味よ──?」
宝玉は黙っていることに耐えられなくなって声をあげた。
この四人の会話から醸し出される雰囲気に我慢できなくなったのだ。
この四人はなにかおかしな危害をこの身体に加えようとしている。それはわかった。
しかし、宝玉の質問は見事に全員から無視された。
「輪廻、例の薬を飲ませろ。七倍でいいだろう」
青獅子が言った。
そして、身に着けている装飾具を外して傍らの兵に渡し始める。
どきりとした。
宝玉はさらに後ろに下がって背に石壁をぴったりとつけて脚を縮ませた。
「七倍も? 宝玄仙が毀れてしまいますよ」
輪廻が苦笑している。
毀れる?
七倍?
なにをこいつらは話しているのだろう──?
宝玉の心に恐怖が走る。
「余も時間がないしな。大旋風が始めている魔凛の調教も見物したいし、宝玄仙の供についてもなかなかの美形揃いで興味がある……。新しい雌犬たちの躾も余が自らやっておるから、それもある……。もう、獅駝の城郭の魔王軍が占拠していることを隠す必要もないのでな。新しい趣向を考えている……」
「趣向?」
輪廻がおもねるような物言いで青獅子を見る。
「今日から雌犬を散歩をさせて、人間の住民たちに余の飼い犬を披露しようと思うのだ。首輪をつけて四つん這いで歩かせるのだぞ。余が自ら鎖を曳きながらな。これで余人洩らさず、この城郭を魔王軍が占拠したということが内外にわかるであろう」
「陛下もお忙しいことで……。雌犬とは、あの
「冷酷か、輪廻?」
「いえ、よい趣味でございますわ。ぞくぞくします。わたしもご一緒したいほど……」
輪廻がころころと笑った。
それよりも宝玉はいまの青獅子の言葉の一部にはっとした。
いま、青獅子は宝玄仙の三人の供を捕らえているということを仄めかした。
あの三人はやっぱり捕えられたのだ。
「さ、沙那と孫空女と朱姫はどこなのよ? さ、三人に会わせて──」
宝玉は声をあげた。
「あんたはそんなこと気にしなくてもいいのよ、宝玄仙……。でも、ただの家畜にそんな大層な名前は不自然ね──」
輪廻が宝玉に近づいてきて、宝玉の前にしゃがみ込んだ。
「
青獅子が横から言った。
「わかりました、陛下……。じゃあ、お前は今日から“宝”よ。ただの宝。覚えておきなさい。それがこれからのお前の名よ」
輪廻は腰にさげていた箱からなにかの粉を取り出した。
それを薬紙に載せて宝玉の口に近づけてくる。
「な、なによそれは──? や、やめて、輪廻」
宝玉は声をあげた。自分の顔がひきつるのがわかった。
「さあ、口を開けなさい、宝──。あんたら、何人かで宝を押さえつけてちょうだい。嫌がると思うから」
輪廻が兵に言った。
得体の知れない薬を飲まされようとしていることに宝玉は恐怖を覚えた。
びっくりして、顔の前の薬を手で払い除けようとしたが、それよりも早く両側から四人の兵に手足を掴まれる。
「怖いことはないのよ、宝。ちょっとばかり強力な媚薬というだけよ。これをこの量だけ飲めば、その蝦蟇婆だって、この場で自慰を始めると思うわ」
輪廻が笑った。
「わしを引き合いに出さんでもいいわ、この変態医師が──」
「まあ、酷いわね。変態だなんて」
輪廻がそう言って、薬を持っていない側の手でしっかりと口をつぐんでいる宝玉の顎を掴んだ。
顔を左右に振って振りほどこうと思ったがかなりの力だ。
さらにやってきた玄魔が宝玉の鼻を摘まんだ。玄魔は横に水筒を持っている。
「さあ、口を開けるのよ、宝。抵抗しても無駄よ」
輪廻が愉しそうに笑った。
宝玉は懸命に口をつぐんだが、鼻を摘ままれてはどうしても口を開かないわけにはいかない。
「ぷはっ」
宝玉は息を吸うために口を開けてしまった。
すると宝玉の顎を持つ輪廻の手に大きな力が加わった。
「あがあっ──あっ、ああっ?」
すると今度は口が閉じられなくなる。宝玉は眼を見開いて悲鳴をあげた。
「まあ、そんなに怖がっちゃって可愛いわね……。このまま、しばらく顎を外したままでいる、宝? 結構、顎外しは調教で使えるのよね。顎を外されるって怖いでしょう? しばらくはそのままでいなさい。ここでは、どんなことでも逆らえば罰があるのよ。いま、わたしに逆らおうとしたのがこの罰……。ふふ、でも綺麗な顔がそうやってだらしなく口を開けたままでいるのは、せっかくの美貌が台無しね」
輪廻が宝玉の口の中に薬を入れる。
すかさず玄魔が水筒の水を口に注ぎ込んだ。
薬は水で流しこまれるように喉の奥に流れていく。
しかし、水の半分ほどは、だらだらと口の外にこぼれていき、宝玉の乳房や腹部を濡らした。
「あ、あああ、あああ……」
手足を捕まえていた兵が離れる。
口を閉じられない宝玉は顎を戻してくれと輪廻に顔で訴えた。
「人間族の美女がそうやって醜い顔になって顔を歪める様はいいな。その苦しむ表情だけで余の一物は元気になるわ」
青獅子が嬉しそうに言った。
そして、すでに軽装になっていた下袴を下着ごとその場で脱いで兵に渡した。
逞しくなっている青獅子の一物が股間にそそり勃っている。
「相変わらず、よい御趣味です、陛下……」
輪廻が笑って宝玉から離れた。
男根を晒している青獅子と裸身の宝玉の間に誰もいなくなる。
「あ、ああ……」
口の中の涎が顎に伝う。その情けなさに宝玉は思わず泣き声をあげた。
股間を露出させた青獅子が迫ってくる。
宝玉は身体をぺたりと石壁に密着させる。
犯される──。
女の本能で全身に恐怖が走る。
しかし、退がる場所はどこにもない。
しかも、宝玉は自分の身体の異変にもう気がついていた。
全身がびっくりするくらいに熱い……。
こうやって座っているだけで全身から汗が噴き出してくる。
さっき強引に飲まされた媚薬のせいだ。
こんな身体で身体を触られたら大変なことになる。
宝玉は心の中で悲鳴をあげた。
「なかなかに張りのある乳房だな。こんなに大きいのに垂れてもおらんし、乳首もきれいだ。それに全身がまるで十代の生娘であるかのように張りのある肌だ……。蝦蟇婆、家畜といっても宝の身体の手入れは怠るな。この綺麗な肌を醜くするのではないぞ」
「畏まりましたわい、陛下。毎日、色責めにしますわい。餌には男の精液も加えましょう。それで、宝はますます艶を磨いたようになるはずじゃ」
蝦蟇婆が奇妙な音を立てて笑った。
しかし、宝玉はそれどころではなかった。
身体の熱さはますます酷くなる。
視界が揺れる。
頭が朦朧としてなにも考えられなくもなる。
それなのに、全身が性感帯にでもなったかのように鋭利な敏感さを抱いてもいる。
毛穴という毛穴から汗が吹き出し、触れられてもいない股間からはだらだらと愛液が垂れ流れる。
さらに、これも媚薬のせいだろうか。
だらしなく開いている口からは夥しい涎が垂れてもいる。
「どれ、宝よ。では、抱いてやろう」
宝玉の前に胡坐に座った青獅子に楽々と抱きかかえられて横抱きに両膝の上に載せられた。
抵抗することはできなかった。
まるで鉄の塊でも巻かれているかのように重くて手足が自由にならないのだ。
しかも、顎を外されて開きっぱなしの口が宝玉から抵抗する心を削ぎ取っている。
青獅子が宝玉を支えている片手で宝玉の胸の隆起をねちっこく揉みだした。
乳房から破壊的な快感が走った。大きな疼きが全身を駆け巡る。
異常な感覚だ。
青獅子は大きな手で円を描いてゆさゆさと乳房を揺すったかと思うと、次には一転して指で乳首を摘まんで小刻みに擦ったりする。
なにをどうされても激しい愉悦が全身に迸る。
全身を巡る熱さがさらに拡大する。
「あ、ああ……あはああ……」
「乳首の感じ方が異常だな……。これは薬のせいだけではないようだ……。それにこっちも凄い濡れようだ──」
青獅子の手が宝玉の股間を触りだした。
自分でもわかるくらいに宝玉の股は愛液でびっしょりだった。
あまりの大きな快感に、宝玉は手でそれを遮ろうとしたが、ただ青獅子の腕に手を添えさせただけに終わった。
もう全身に力が入らない。
「腰を動かしだしたな。もっと刺激が欲しいか、宝?」
「あはあああ……」
青獅子の指が肉芽に添えられて、一度だけくねくねと動かす。
それだけで宝玉の身体は限界まで追い詰められた。
しかし、それ以上の動きがない。
青獅子は意地悪く、一度動かした指をいつまでも宝玉の肉芽の上に添えたままでいる。
「あ、ああっ」
これ以上我慢できない……。
もう、宝玉の身体は宝玉の意思とは無関係に燃えあがり、与えられる刺激を求めて、肉芽に添えられた青獅子の指に股間を擦り付けるように動かしていた。
浅ましくて恥辱的な行為とはわかっているが、指に擦り付けることで股間から全身に拡がっていく愉悦が凄まじい。
宝玉は一度始めた自慰のような行為をどうしても止められなかった。
「あ、あがあっ……」
宝玉は涎を流しながら狂ったようにしばらく腰を動かし続ける。
「おうおう、浅ましく腰を動かしおるわい」
青獅子が馬鹿にしたように笑った。宝玉の心に一瞬だけ恥辱の冷たい氷が刺さった気がしたが、それでも宝玉は自慰のような股間の擦り付けをやめられないでいる。
「その様子では、もう媚薬が効いてきたようだけど、さっきの薬はまだまだ入口部分なのよ、宝? そのうち意識が飛ぶわ。意識があって愉しめるのはいまのうちだけだから、意識のあるうちに快感を味わっておきなさい。意識がなくなれば、多分、あんたは雄の匂いを求めて、尻を振り立てるさかりのついたけだもののようになると思うわよ」
輪廻の嘲笑が聞こえた。
しかし、だんだんと周りのものが頭に入らなくなる。
輪廻の言葉も、もうどこか遠くで喋っているような声にしか感じない。
それよりも、だんだんとここがどこでどうして、誰に抱かれているのかの知覚ができなくなる……。
いや、宝玉を抱いているのは青獅子という亜人の魔王だ。
辛うじてなんとか記憶が繋がる。
だが、それよりも身体が燃えるようだ。
もっと欲しい。
この疼きを──。
快感を──。
もっと──。
「股間に一物を入れてやりたいところだが、魔法柱をすでに入れておるしな。ならば、余はこっちで愉しませてもらうか……。後ろの準備もよいか、輪廻?」
「すっかりと……。事前に道術と薬剤で洗いほぐしておきました、陛下」
「よし」
青獅子の指が刺激される場所が肉芽から肛門に移動した。
「あほおおおおおおっ──」
宝玉の口から咆哮のような声が迸った。
肛門に指を入れられることで衝撃と愉悦が全身を駆け巡ったのだ。
それだけで限界に達した身体なのに、さらにもう片方の手で片側の乳首も転がすように動かされた。
「はひゃあああっ──」
宝玉の身体はがくがくと震えて弓なりに反りかえった。
あっという間に絶頂の矢が全身を貫いていた……。
あまりにも激しい快感だ。
これがさっきの媚薬のせいなのか……。
「おう、これは──」
男がびっくりした声を発した気がした。
なにかが股間から迸ったのだ。
「あらあら、もう潮を吹いたの、宝? いくらなんでもお尻に指を入れられただけで潮を吹く女って初めてよ。あの媚薬を飲まされていたとしても、これはちょっといやらしすぎるわねえ」
輪廻の声だと思う。
「しかし、宝の股間には魔法柱を挿入しておるのでしょう? それでも蜜や潮は普通に噴き出るのですか?」
しわがれた声は蝦蟇婆だ。
その蝦蟇婆は宝玉の身体を見下ろせるくらいの近くに移動してきた気配だ。
だが、それさえも意識が朦朧としている宝玉にはよくわからない。
「穴は塞いでしまうので男の性器を受け入れることはできなくなるが、膣の中の愛液も尿も汗も普通に外に出る。そうでなければ家畜の健康が損なわれるからな。蝦蟇婆、魔法柱の管理もお前に任せることになるぞ。魔法柱の管理に詳しい助手を付けてやろう。協力して宝を管理せよ」
「わかりましたわい、陛下──」
蝦蟇婆の声がした。
それにしても全身に走るただれるような快感が凄い。
全身のどこを触られても電撃が走ったように子宮を揺らす。
もう宝玉の身体は強い刺激を求めて暴れ回っている。
だが、まだ、青獅子は乳首と肛門に指を触れさせるくらいで、まだまだ強い刺激は与えてこない。
薬で焼けつくような淫情に襲われている宝玉にはこれは逆に堪えた。
「あ、あっ、あがあげ、あっ──」
宝玉は懸命にもっと強く刺激してくれと訴えた。
もう恥も外聞もない。
これ以上このままではおかしくなる。
だんだんとなにも考えられなくなる。
指が肛門の中でゆっくりと動いている。
あとは時折、くすぐるように乳首を弾かれる──。
与えられる刺激はそれだけだ。
もどかしさに身体が疼く。
いっそのこと、自分で愛撫しようと思って手を自分の股間に持っていこうとするのだが、宝玉を抱いている男に簡単に阻止される。
この男は誰だ?
もはや、それもわからない。
とにかく、もっと快感を──。
しかし、訴えたくても、開いたままの口では言葉を発せられない。
その焦れったさに身体が悶え狂う。
それにしても自分を抱いている男は誰なのだ?
なにを笑っているのだろう。
とにかく身体が熱い。
もう、どうしようもない……。
「どうした、宝? もっと激しく犯して欲しいのか?」
自分を抱いている男がささやくように言った。
「ああ……あっ、ああ……」
宝玉は思わず激しく首を縦に振った。
その勢いで大量の唾が顔に飛んだ。
宝玉の情けない姿に周りから嘲笑が聞こえた気がした。
しかし、もうどうでもいいのだ。
男が宝玉の体位を変えた。宝玉を四つん這いの姿勢にして、自分に尻を向かせるような態勢にしたのだ。
「宝、尻を犯して欲しければ、挿入し易いように腰を高くあげろ」
「ああ……」
宝玉は慌てて頭を床につけて腰を上にあげた。
また、周りから宝玉を馬鹿にしたような笑い声が聞こえた。
「あんなに腰を振っちゃって可愛いわあ……。手術のときに可愛がってやろうかしら、宝」
「その後はわしじゃ。従順な魔法石の家畜に育ててやろうのう……」
次々に誰かが宝玉に語りかける。
それよりも早く──。
お尻に──。
「急くな……」
自分の腰を掴んでいる男が言った。
次の瞬間、ずぶりと肛門に男の性器が侵入を開始した。
「あはああああ──あひああああ──」
尻穴を塞ぐ圧迫感とともに、全身をばらばらに砕くような快感の衝撃に襲われた。
宝玉は悶え泣いた。
貫いている男の一物から拡がる激情の凄まじさに泣いていた。
「あはああっ」
宝玉は男の性器を肛門で受けながら全身を再び弓なりにしていた。
途方もない絶頂感が身体を貫いていた。
「ほう、もう達したわ。まだ半分挿しただけだぞ。そんなので、余が満足するまで耐えられるのか?」
男が笑っている。
しかし、それも気にならない。
大きな淫情が男根が進み入るに連れておこりのように繰り返す。
宝玉は果てしない絶頂地獄に陥る予感に襲われた。
このままではおかしくなる。
それはわかっているのだが、どうしてもこの快楽を手放す気持ちにならない。
そして、ついに男根の先が肛門深くに届いた気がした。
宝玉はまた、身体を震わせて果てた。
一瞬意識が飛び、そして、覚醒する。
なにがどうなっているのかわからない。
しかし、この快感があれば、もうなにがどうなってもいい。
絶対にこの快感を離さない──。
宝玉は半ば無意識に尻を犯している誰かの怒張を絞りあげていた。すると大きな快感が身体を貫く。
「あはあああ──」
宝玉は肛門の内襞を擦りあげる愉悦に咆哮していた。
もう、男はなにもしていない。ただ、宝玉の尻穴に男根を挿しているだけだ。
しかし、それでもいい。
快感は宝玉が絞り取れる。
宝玉は肛門の内襞を収縮するように動かしていた。
一度の収縮で意識が飛ぶような絶頂が走り、次の収縮で意識を戻してさらに肉棒を締める。
気がつくとそれを痴呆のようにひたすら繰り返していた。
「うおおっ、こ、これは……。うわあっ、出る──」
男が悲鳴のような言葉を発するとともに、肛門の中に精を飛ばしたのがわかった。
しかし、まだ足りない……。
もっと、もっとだ──。
「い、いかん、ま、まただ。ひいっ、なんだ、こいつの尻は──」
男がさらに悲鳴をあげたのがわかった。
だが、それよりももっと精を──。
もっと、擦って──。
「あらあら、青獅子魔王陛下ともあろう者が家畜奴隷に返り討ちになっているのですか?」
女が笑っている声が聞こえる。
いったい誰だろう?
しかし、宝玉の思考は快感で痺れきっている。
なにも考えられない。
なんでもいいのだ。
それよりも、身体を溶けさすこの途方もない快美感が堪らない。
それが尻の筋肉を動かすだけでいくらでも手に入る……。
宝玉は次々に押し寄せる快感をむさぼり食い、痙攣をひたすら繰り返しながら、それでも肉棒を肛門で食らい続けていた。
「いいから、こいつをなんとかしろ、輪廻。余の一物を狂ったように尻で咥えて離さんのだ……。し、しかも、上手い……。精を絞り取る妖怪のようだぞ、こいつ──。く、くうっ、ま、まただ……」
宝玉の後ろの男が喚いている。
「はいはい、薬で危険に陥ったのは、宝玄仙ではなく、陛下の方でしたのね」
女が笑いながら、なにか針のようなものを首の後ろに刺した気がした。
その瞬間、宝玉の意識は急速に萎んでいき、やがて無意識の中に強引に引きずり込まれていった。