「お待たせしました。ただいまより、恒例の女戦士調教の続幕を開演します。主役を演じますのは、お馴染みの人間族の女戦士沙那──。剣を持たせれば鬼神も避けるという女傑なのですが、実は素っ裸でなぶられるのが大好きだという正真正銘の変態の人間女でございます。どうぞ、ご期待ください──」
秋分の口上が終わると、真っ暗の舞台に煌々とした道術の光が当てられた。
舞台を照らす明るい光と薄暗い酒場の客席の違いによって、沙那には、酔客たちの姿がよく見えなくなる。
しかし、同時に割れんばかりの拍手が耳に入ってきた。
沙那はそんな観客たちの前で、股間を隠す小さな布の横に紐が付いているだけの真っ白い股布と、やはり三角の小さな白い布をふたつの紐で繋げているだけの胸当てを身に着けて舞台の中央に立っていた。
両腕は背中側で手首をまとめて縄で縛られている。
沙那の腕を縛っているのは、もちろん、演目としての演出でもあるが、亜人軍に捕らえられた人間である沙那の逃走防止でもあるのだろう。
しかし、沙那の手首と足首には、筋肉を弛緩させる逃走防止の革帯の霊具が装着させられている。
その霊具は、沙那の筋力を著しく低下させてしまっており、春分と秋分に抵抗するどころか、どこかに走ることもできなくしている。
こんな霊具を装着させられているのでは、逃亡を図るのは無駄であるし、無駄な抵抗をすることで厳重な拘束をされてしまえば、もしかしたら訪れるかもしれない千載一遇の機会を失わせることになるかもしれない。
全く逃亡や抵抗の素振りを見せなければ、どんな相手でもだんだんと油断をするようになるものだ。特に、春分と秋分の姉妹がやっているように、決まったことを継続的に繰り返すという行為の場合は、絶対にそのうちに気が弛む。
それを待つのだ……。
すでに、五日……。
沙那は、もうすっかりと抵抗を諦めて、この女調教師たちに従順に従う虜囚の役割を演じることにしていた。
ここで毎日繰り返して、様々な調教を受けさせられる沙那には、気の弛みなどとんでもないが、このふたりは熟練した調教師であり、酒場で獲物を嗜虐する行為を客に観せて愉しませるというのは、彼女たちにとっては繰り返される日常のことに違いない。
だから、この酒場で沙那を調教することが彼女たちの恒常業務のようになるのを待つ……。
そこに付け入る隙が生まれるはずだと思った。
いまは、とにかくふたりを油断させて機会を待つしかない。
なによりも仲間の居場所と状況を探ることだ。情報がなければ話にもならない。
それだけを思っていた。
とにかく、なんでもいいから情報が欲しかった……。
この城郭にさらわれてから沙那が接する場所は、
誰にも接しない軍営の牢で情報が取れるわけもなく、沙那の情報源になりそうなのは、この酒場だけだ。
ここはかなり広い酒場であり、亜人軍の戦士たちと思われる者がたくさん集まっている。
その亜人たちと直接に会話する機会があれば、もっと情報が取れるとは思うが、いまのところ、その機会はない。
店の奥側には余興用のちょっとした舞台があり、沙那はそこで連日にわたって見世物としての調教を受けさせられていたが、集まっている酔客とは会話をしたことはないのだ。
調教をするのは春分と秋分という亜人姉妹であり、この城郭を占領した亜人の魔王専属の調教師だそうなのだが、この姉妹は客を舞台にあげるということはしないからだ。
この五日間、沙那は城郭にある軍営の牢に監禁され、午後になれば『移動術』でこの酒場に跳躍させられて、夜まで数回に分けて調教の見世物をさせられ、深夜に再び『移動術』で軍営に戻されるという生活を送っていた。
いまだに宝玄仙やほかの仲間と接触することはない。
仲間たちがどこに監禁されているのかもわからない。
いまのところ脱出の機会どころか、仲間の状況を知る手掛かりもない。
しかし、春分と秋分が時折口にすることを整理すると、青獅子という魔王の目的は、宝玄仙の身体そのものであるようだ。
つまり、宝玄仙を殺すとかではなく、なにかの役割をさせるためにさらった気配がある。
春分と秋分は宝玄仙が魔王の飼う“家畜”になったという表現をするが、それがどういう比喩的表現なのか見当はつかないが、ともかく、宝玄仙は生きており、この城郭のどこかに監禁されていることは間違いないと思う。
それは、孫空女や朱姫も同じだ。
宝玄仙を含めて朱姫以外は、数日後には、この城郭以外のどこかに運ばれる気配であるが、それは戦利品や女奴隷としての価値を認めたことでもあるようだ。
だから、簡単には殺されはしないと思う。逃亡の機会を待つ時間はあるはずだ。
それにしても、この亜人たちは宝玄仙を使ってなにをさせようというのであろう?
宝玄仙になんらかの価値を見出だすとすれば、あの大きな霊気と途方もない道術力、あるいは、霊具を作る天賦の才のどれかだと思うが、それ以上はわからない。
いずれにしても、自分たちを捕らえた青獅子という魔王が、外縁地域に巣食う大きな亜人の勢力地を支配する三魔王のひとりだということはわかっている。
だが、本来の勢力地は、この獅駝の城郭よりも遥かに南方のはずだ。
それで沙那たちはその勢力地を通過するのを避けて、獅駝嶺の山地地帯を南進する経路をとったのだが、その獅駝嶺の出口にある獅駝地方が亜人の支配を受けていたというのは知らなかった。
この店で調教の演目をやらされながら、客たちの会話や様子を観察する限り、彼らがここを占領したのは、ほんの数日前のことのような感じだ。
それを考えると、まさかとは思うが、宝玄仙という大きな獲物を捕らえるために、人間の城郭ひとつを占拠したとも考えられるのではないか……。
そんなことさえ思ったりもした。
もっとも、たったひとりの人間の道術遣いを捕らえるために、無関係の人間族の王国と戦争をするというのは常識では考えにくいから、たまたま亜人の勢力と獅駝地方を治める行政府とが諍いになり、それに合わせて宝玄仙を捕らえる罠を仕掛けられたと考えるのが自然なのかもしれない。
しかし、その罠の一部にされた沙那としては忸怩たる思いがある。
この恥を注ぐためには、なんとしても亜人たちに一矢報いて反撃や逃亡の糸口を沙那が掴みたい。
そのためにも、しばらくは大人しいふりをして、このふたりの調教の演目に付き合うしかないのだろう。
「さあ、沙那……」
春分が沙那を舞台の中央に促した。さっき舞台裏で命じられたことをやれというのだ。
この五日間は、演目の口上は春分か秋分が交替でやっているだけだったが、今日からは沙那も自ら口にしろというのがその命令だ。
初日の抵抗が嘘のように、この四日、沙那は彼女たちの調教に大人しく従うふりをしている。
だから、このふたりもただ拘束してなぶるだけの演出から、沙那に破廉恥な言葉や行為を強要して、演目に変化をつけようということなのだろう。
鼻白む思いだったが、ぐっと煮えたぎるものを耐える。
沙那は口を開いた。
だが、なかなか声が出ない。
沙那の心に残る屈辱を受け入れない心がそれを邪魔するのだ。拘束されて抵抗のできない状態にされて、無理矢理に嗜虐されることと、強要されているとはいえ、自ら下品な言葉を喋ったり、卑猥な行為をすることとは違う。
どうしても沙那の自尊心が口上を強要されている舌を硬直させる。
「……だいぶ素直になってきたと思ってたけど、この期に及んで逆らうのかい、沙那……。仕方ないねえ。じゃあ、初日のときに使った痒み剤の演目に変えるかねえ……」
春分がささやいた。
沙那の身体に恐怖が走った。
あの恐ろしい痒み剤だけは嫌だ。
全身を苛む発狂するような痒みが走り、なにをしてもそれが収まらないのだ。
初日の調教の演目のときに局部に痒み剤を塗られていたぶられ、解毒剤を与えられることなく軍営の牢に戻された。
結局、そこでも解毒剤は渡されず、翌日の午後にふたりがこの酒場の調教の演目に出演させるために迎えに来るまで、沙那は文字通りのたうち回った。
かろうじて残っている記憶の中に、あの日、迎えにきたふたりの足元に号泣してひれ伏し、解毒剤をねだった自分の惨めな姿がある。
あれから、あの痒み剤を使った調教は受けてはいないが、逆らえば使うぞと言われると、沙那の身体は竦みあがる。それこそ演技ではなく心からの恐怖が走り、なんでも従う気になってしまう。
「……わ、わたしは大勢の観客に見られながら恥ずかしいことをされるのが大好きなど変態です──。どうぞ、この変態の雌犬である人間の女をご覧ください──」
沙那は慌てて叫んだ。
こうなったら恥も外聞もない……。
観客席から歓声と野次が飛んでくる。
「よくできたわね……。じゃあ、縄を解くから手足を拡げて柱の前に立ちなさい、沙那」
秋分が笑って言った。
今日の舞台には、昨日までなかった二本の柱がある。
ちょうど沙那が大きく手脚を拡げると柱に届くような間隔であり、手首と足首の位置になる場所に拘束のための革帯がついている。
秋分が沙那の後ろ手の縄を解いた。
抵抗に意味はないので、沙那は観念して柱にある革帯のある部分に手首と足首を伸ばす。
左側の柱を春分、右側の柱を秋分がそれぞれに革帯で沙那の手足を拘束した。
「さあ、始めるわよ……。まずは、口づけよ……。あなたって、口づけはうまいのよね。いつもみたいに情熱的な口づけをしてちょうだい……」
秋分が調教の道具一式が載っている台を引き寄せて、盃に水差しから水を注いだ。それを自分の口に含んだ。そのまま唇を沙那の口元に近づけていく。
沙那が女調教師から受ける水をおいしそうに飲むという演出だ。
責めというよりは、女同士でかわすただの口づけであり、なんということのない行為なのだが、最初に沙那が宝玄仙に教え込まされている舌技を使った際、沙那を責めている側の春分と秋分が、沙那の舌使いにたじろいでしまったのだ。
それが一方的になりがちな責めの調教の味付けの変化になって客が悦んだので、このふたりは必ず、演目の最初に、この口移しで水を飲みながら舌を絡めるという行為を沙那にさせるようになっていた。
沙那は口を半開きに開いて顔を秋分に向けた。
秋分の唇が沙那の唇に重なる。秋分の唾液の混じった生温かい水が沙那の口の中に入り、沙那はそれを喉に流し込んだ。
だが、秋分の唇はまだ重なったままだ。
沙那は口の中に入ってきた秋分の舌に自分の舌を絡めてそれを吸った。
秋分の鼻息が少し荒くなる。沙那は舌と舌を合わせながら、もっと積極的に秋分の口の中に自分の舌を侵入させて、秋分の口の中の上の部分や舌の下側を舌先で強く擦った。
沙那は口の中のそこを刺激されると、思わずぼうっとなるくらいに気持ちがよくなる。
秋分も同じに違いない。
責めているはずの秋分がうっとりとした表情に変わるのがわかった。
「上手ね……うふふ……。ちょっとぼうっとなっちゃったかも……。演技でも嬉しいわ、沙那」
秋分が口を離してにっこりと微笑んで言った。
「じゃあ、あたしもちょうだい……。あんたには感謝しているわ、沙那──。そうやって、従順なふりをしてくれるからあたしたちの面目も立つわ。あたしたちも、あんたを陥すことができなければ、役立たずの用済みとして魔王様に処分される身なのよ……。あんたにはあたしたちに調教をされるなんて理不尽と思うけど、あたしたちはあたしたちで必死なのよ……。ある意味ではあたしたちもあなたと同じ……。そのうちにわかると思うけどね……」
観客には絶対に聞こえないような小さな声だ。
春分がそう沙那の耳元でささやきながら、秋分と同じように水差しの水を盃に汲んで自分の口に含んだ。
春分の唇が沙那の唇に重なる。
唾液とともに水が沙那の口に注がれる。
そして、春分の舌が入ってくる。
春分の舌技もうまい……。
沙那はそれに応じるように春分の舌を舐め、春分の口の中を刺激していく。春分もまた熱い鼻息を洩らしながら沙那の口の中に舌を這わせていく。
甘く溶けるような春分の舌遣いに、沙那は全身が熱くなるのを感じながら、さらに積極的に春分の口に舌を差し入れた。
「んん……」
春分が耐えきれなくなったような声をあげた。
少し驚いたが、演技という感じはない。
むしろ酔ったような目つきになり、春分はもどかしげに身体をくねらせながら、沙那と濃厚な接吻を求めてくる。
沙那は春分のねちっこい舌に身体が痺れるような感覚を味わっていた。
こうなったらもうどうでもいい……。
こんな場所で晒し者のように調教の演目をさせられている口惜しさや恨みの一切を忘却してしまおうと思った。
沙那はさらに自棄になって春分の口をまさぐった。
そういえば、宝玄仙にさらわれるように供にされたのは、もう三年以上も前のことになるのだろうか……。
拘束された身体で、懸命に春分の舌に沙那の舌を絡ませながら思った。
宝玄仙に出遭う前の自分は、こんな口づけなどできはしなかった。
それがいまや、自分を責める女調教師をたじろがせるほどの接吻ができるほどになった。
宝玄仙は無事でいてくれているだろうか……。
「凄いわね……。ちょっと、ここがどこだか忘れちゃったかも……。できれば、あなたとはこういうかたち以外で遭いたかったわね……。いいえ……、別のかたちで出遭ったら、あんたみたいな女戦士があたしたちみたいな亜人の女調教師なんて相手してくれるわけないか……。だったら、やっぱりこんなかたちでも出遭えてよかったかも……」
春分が口を離して苦笑した。
「さあ、次はまたあたしよ」
秋分が再び水を口に含んだ。
そして、唇を重ねる……。
そうやって、ふたりの唇から水を五回ずつほど受けた。
さすがに沙那も濃厚な口づけの繰り返しに、頭がぼっとしてくる。
亜人の酔客たちが野次の混じった歓声をかけるが、もうそれはあまり気にならない。
「じゃあ、お礼に今日も念入りに仕上げてあげるわね……ふふふ……」
秋分が言った。
「いい子にしてくれたら、あんたの知りたがっていることをなんでも教えるわ。なんだか、あなたの口づけを受けていると、そんな気になってきたわよ……。よく考えると、あんたに恨みもないし、あたしたちも命令されてこんなことをやっているだけだしね」
興奮で思わず、沙那はぐっと拳を握った。
沙那はいま情報に飢えていた。
なんでもいい──。
嘘の情報でもいい……。
嘘なら嘘で、それを類推してなんらかの結論に辿りつけるのだ。
いまのようになにもわからないというのは、どうしようもない。
「い、いい子にするわ……。だから、お願いよ……。仲間のことを教えて……」
沙那は春分にささやいた。
「じゃあ、いい子だったらね……。今日の演目は五回よ。最初の二回は、いまのようにただあたしたちの愛撫を受けるだけでいいわ。後半の三回は、犬のように四つん這いで舞台を這うのよ……。できる?」
「な、なんでもする……。なんでもするわ──。だ、だから約束を守って……。仲間の情報を……」
沙那は必死で言った。
「それはあなた次第ね──」
秋分が沙那の胸当ての紐を外して、乳房を露わにした。
観客からこれから始まる沙那への責めを期待して拍手が起きる。
「さあ、あんたの好きな乳房責めだよ。かたちのいいおっぱいにしてやるよ──」
秋分が演出のための乱暴な口調に戻った。
背後から沙那の乳房を掴む。そして指で乳首を挟んで激しく揉みあげてきた。
「はああっ──」
沙那はあっという間に込みあがった情感に声をあげた。
「……いいわ……。いつもながらにあっという間に淫らに反応を見せるわよねえ……。あまりにも呆気なく悶えてくれるから、最初はあたしたちを油断させるために演技しているのかと思ったくらいよ……」
秋分が言った。
演技などとんでもない……。
秋分から与えられる刺激に、激しく身体をくねらせながら思った。
乳房から込みあがる愉悦が全身に迸る。
たちまちに全身から汗が吹き出し、口からは甘いよがり声が漏れ出てくる。
秋分の手が沙那の豊かな乳房を揉みしだき、乳首をくりくりと動かす。
息がとまるような衝撃が全身を貫く。
波のように繰り返してやってくる熱い情感の嵐に、沙那は歯を噛み鳴らして喉を仰け反らせて喘いだ。
「ふふふ、これが演技だったら、あたしは調教師をやめるわ、秋分……。この身体はすっかりと調教されて、全身のどこを刺激されても色情狂のように感じる肉体にされてしまった女の反応よ……。感じたくないのに、快感を拒否できない沙那の心の葛藤を感じるわ、ふふ……。さあ、見てください──。この娘はちょっと胸を揉まれるだけで、こんなにはしたなく股から汁を流しております──。この下着は沙那の股間から流れる愛液に反応して色が変わるように細工をしているのです──」
春分がまずは秋分にささやくように言い、次いで大きな声で口上として観客に向かって叫んだ。
愛液に反応して股布の色が変色すると聞かされて驚いた。
観客の視線が一斉に沙那の履かされた小さな布片に向かう気配を感じた。
すかさず、春分が道術によって明るい光を沙那が履いている小さな布の股布に当てる。
「おおう──」
「ちょっとばかり乳を揉んだだけで、その反応かよ」
「好き者かよ」
一気に亜人の客たちが興奮状態になる。
沙那も首を曲げて自分の股間を見た。
そして、予想通りの恥辱の光景に、すぐに沙那は視線を反らせて歯噛みした。
そこには、真っ白い布に濃い青色の丸い染みができていたのだ。
今日履かされた下着に、そんな意地悪な仕掛けがあったとは思わなかった。
昨日まではなかった演出だ……。
しかし、そんな仕掛けをされては、沙那が人一倍に敏感な身体をしているという事実がここで晒されてしまう。
それは恥ずかしすぎる……。
「そ、そんな……はああっ──」
沙那は羞恥で震えた。
しかし、秋分が容赦なく胸を揉んでくる。どうしても股間が熱くなるのを止められない。
「あっ、ああっ……、はあっ……や、やめて……ああっ……」
沙那は悶えつつも、快感を少しでも逃がそうと身体をくねらせた。
しかし、股間に走る熱いものをとめられない……。
「どんどん濃くなるぜ──」
「あれだけ濡れれば、もうどろどろじゃねえか。特出し頼むぜ、春分の姉貴──」
観客から声が飛ぶ。
その声で沙那はさらに自分の身体が羞恥で熱く染まる気がした。
そのとき、沙那は官能の痺れとは違う別の違和感を股間に覚えた。
まずい……。
沙那は狼狽えた──。
そして、春分と秋分の意地の悪い企みを悟って愕然とした。
「しゅ、春分に秋分──。あ、あんたら──」
焦った沙那は思わず声をあげた──。
「どうしたの、沙那? なにか焦ったような感じだけど……?」
秋分が沙那の胸を揉む手を休めて、わざとらしく訊ねた。