まずい──。
沙那は焦った。
股間に尿意が襲ってきたのだ。
最初に春分と秋分から口移しで飲んだ水が原因に違いなかった。
「しゅ、春分に秋分──。あ、あんたら──」
焦った沙那は思わず叫んだ。
「どうしたの、沙那? なにか焦ったような感じだけど……?」
春分と秋分が沙那を責める手を休めて、手足を拡げて二本の柱に拘束されている沙那の前に回ってきた。
ふたりの顔がにやにやと微笑む。
その表情から沙那は、自分の予感が正しいということを確信した。
このふたりは、さっき沙那に飲ませた水に尿意を催す薬剤を混入していたに違いない。
沙那は愕然とした。
しばらく前に、薬師の変態兄妹に監禁調教されたことがある。
宝玄仙たちと一時的にはぐれたときのことだ。
そのときに、沙那は彼らの尿道調教を受けて尿道や尿袋を快感を覚える場所に変えられてしまっている。
正確にどういうことをされたのかはわからないのだが、彼らは薬師の能力を発揮して、強力な媚薬を尿道管から沙那の体内の尿袋に繰り返し逆流させて媚薬浸けにしたのだ。
その結果、沙那は排尿をするたびに快感で身体が疼くだけではなく、尿意がいっぱいに溜まると異様な痺れが全身を襲うようなおかしな肉体に変えられてしまった。
やがて、苦労の末に宝玄仙と再会を果たしたのだが、宝玄仙はそういう沙那の身体を面白がって、『治療術』で正常な身体に戻してくれない。
そのため。沙那は尿をするたびによがって声をあげてしまうことで、ずっと宝玄仙からからかい続けられているのだ。
だから、この姉妹の公開調教を受けることになったときにも、そんなおかしな身体について知られたくなくて、尿意だけは気をつけていた。
春分と秋分のふたりがやってくる直前には必ず牢の中で排尿を済ませていたし、最小限の水分しかとらないようにもしていた。
幸いにも、このふたりの調教でいつも汗びっしょりにさせられるので、水分が渇いた状態にもなっていて、公開調教の途中で尿意を催すということは避けられていたのだ。
しかし、いまさっきの利尿剤入りの水のために、沙那の身体の尿袋はあっという間に破裂しそうなくらいにいっぱいになってしまった。
そのために沙那の身体には、尿袋を通じたあの得体の知れない快感がじわじわと拡がってきていた。
それに、あのときの尿道調教依頼、尿意を溜めるとそれに応じて快感が強くなる気もするのだ。
それが怖くて。あれから小まめに排泄をして、体内の尿袋に尿を溜めないように気をつけていた。
利尿剤などで無理矢理に尿を尿袋に集められたりしたら、自分がどうなるか見当もつかない。
「あ、ああっ……か、勘弁して……くうっ……」
沙那はじわじわと込みあがる情感に耐えられずに、身体を小刻みに震わせて呻いた。
弱みを見せれば、絶対にこのふたりは、それを嗜虐の材料にすることはわかっていたが、思わず口にしてしまったのだ。
「ふふふ……あんたに履かせている下着はねえ……。水分を吸いこむと千切れ落ちるようになっているのよ……。だから、尿を洩らしたりしたら股布が破れおちて恥ずかしい股間を丸出しにしなければならないという趣向なのよ、沙那……。愛汁で感じすぎても股間が破れると思うけどね……。とにかく、素っ裸になりたくないなら我慢しなさい……」
秋分がすでにすっかりと股の部分が青色に変色している沙那に履かせている小さな布を指で突いてからかった。
沙那はいまだに尿意が膨らみ続けている股間を刺激されて、拘束された身体をのたうたせた。
「待って、秋分……。なんか、反応がおかしいわね……」
春分が秋分に声をかけた。
はっとして沙那は顔をあげた。
すると首を傾げて訝しげな表情をしている春分と眼があった。
「あんた、なにか隠しているわね、沙那……」
春分が沙那の顔を見透かすようにささやいた。
「か、隠すって……な、なにも……」
沙那は狼狽えて言った。
だが、そのあいだにも沙那の尿意はどうにもならないものになっていた。
沙那は尿意の苦しみと、さらにそれによる淫靡な快感の膨れあがりに、身体を波打たせて喘いだ。
「……そうか……。そういえば、あんたって、
春分が低い声で言ってにんまりと微笑んだ。
沙那はどきりとした。
「どういうこと、春分姉さん……?」
秋分はきょとんとしている。
「なるほど……。あんたは、尿道まであんたのご主人様とやらに調教されてしまったというわけね……」
春分が沙那の腰に手を伸ばして、青色に変色しかかっていた股布の紐を解いて取り去った。
「おおおっ──」
「いよいよ、丸出しかあ──」
「待ってましたあ──」
酔客たちが一斉に声をあげた。
「姉さん、どうしたの……? 沙那におしっこをさせて下着をびしょびしょにさせて、千切れ落ちさせる趣向にするんじゃなかったの?」
秋分が春分に寄って来て小さな声で言っている。
「それよりも面白そうなことに気がついたからよ……。さあ、沙那、白状なさい──。お前、ご主人様に尿道調教を受けたことがあるわね? 尿意を催すと快感が走るように肉体改造を受けたんでしょう?」
春分が笑いながら言った。
「ええっ、本当?」
秋分も舞台の上で声をあげた。
「ち、違うわ──。ご主人様じゃない……」
沙那は尿意と官能の嵐に翻弄されながら思わず言った。
口にした瞬間に、自分らしくない軽はずみな発言だと思ったが、もう遅い。
春分がにっこりと笑って、沙那の顎を片手で掴んだ。
「つまり、ご主人様じゃないけど尿道調教を受けたということね……。へえ……。だから、あんたは尿意を催すたびに気持ちよくなってしまうというわけね?」
「くっ」
すっかり見抜かれてしまって、沙那は羞恥に歯を喰い縛った。
「ねえ、正直に言いなさいよ……。あたしたちはもう仲良しでしょう……? 悪いようにはしないわよ……。ほら、答えなさい──」
春分が沙那の背後に回って、手だけを股間の前に回して、ちょうど尿道口の付近をさわさわと触れてきた。
「ひうっ──だ、だめえっ──」
尿意が限界に達している股間……。
しかも、尿道を直接に刺激された衝撃に沙那は四肢を拡げている身体を大きく仰け反らせた。
「い、言う──。言うから、やめて──」
沙那は身体を震わせながら悲鳴をあげた。
身体は迫っている尿意の限界ではっきりとした震えを示しだしている。
それとともに、全身が熱くなりすっかりと快感が全身を覆い尽くしてきた。
いよいよ、調教された尿道と尿袋の淫靡な仕掛けが本領を発揮し出したのだ。
「……い、以前、ご主人様たちとはぐれたことがあって……そのときに……。や、薬師の兄妹に尿道を薬剤で悪戯されたのよ……。お、お願いだから拘束を解いて尿をさせて──」
沙那は仕方なく言った。
すでにばれている。
これ以上隠すことは無駄だ。
それよりも駄目でもともとの哀願をした。
沙那の顎を掴んだままだった春分の眼が光った気がした。
「秋分、おいで──」
春分が秋分を呼び寄せた。
そして、何事かをささやく。
なにを言ったのかわからなかったが、秋分がにっこりと笑って、舞台袖に一度引っ込んだ。
秋分が舞台からいなくなると、春分は沙那の顎を離して、客席に向かって身体を向けた。
「さあ、皆様──。突然ですが、ただいまより出し物を変更して、この女剣士沙那の排尿の演目をご覧にいれます。実は、この変態女の沙那は、普通の性交では飽き足らず、自らお願いして尿道調教を受け、いまや、排尿をしながらよがり狂うど変態でございます。どうか、滅多に見れないよがりながら尿をする女の姿をご覧ください──」
春分が大きな声で客席に叫んだ。
照明を落としている客席からどよめきのような歓声が起きた。
沙那は底知れぬどん底に落とされたと気がした。
やはり、これから自分はこの大勢の亜人の男たちの前で、屈辱の排尿姿を晒さねばならないのだ。
しかも、尿をしながら悶え震えるという珍妙な姿を示しながらだ──。
沙那は絶望に打ちひしがれてがっくりと首を垂れた。
「こらっ、なにを顔を伏せているんだい──。おかしな身体の変態女の小便姿を見てくれと、皆さんに挨拶しないかい──」
春分が沙那の栗色の髪をむんずと掴んで、沙那の顔を強引にあげさせた。
「……さっきの約束を覚えている……? ここで恥をかいてくれれば、後でお前に訊かれたことを答えてやるわよ……」
春分が沙那の髪をぐいぐいと引っ張りながら、一方で優しい口調で沙那の耳元でささやいた。
沙那はこの姉妹の調教師としての沙那の追い詰め方には舌を巻く思いだった。
もちろん沙那は、これまでの数日とは一転して、心を許したように語りかけてくる春分や秋分の優しい言葉をそのまま受け入れるほど馬鹿ではない。
これが連中の手だというのはわかっている。
愛情と躾──。
あるいは、飴と鞭を交互にうまく使い分けるのが本当の調教だ──。
そういえば、そんなことを宝玄仙が口にしていたことがあると思う。
連中はそれをやっているだけだ。
沙那はそれもわかっている。
しかし、わかっていながら、彼女たちに心を折られかけている自分にも気がついていた……。
まず、このふたりは、沙那を発狂寸前の痒み責めにして半日以上も放置し、ふたりに対する恐怖を完全に沙那に刷り込んだ。
これは鞭だ。
しかし、冷徹な責めを続けつつも、いまのように、一転して口説くような優しげな口調で接してきたりすることがある。
これが飴だ。
沙那をたらしこもうとするような、そんな態度はふたりの思惑だということには、さすがに沙那はわかっている。
しかし、追い詰められているということは確かだ。
このふたりの調教師として緩急をつけて心を崩していく手管に、沙那は確かに屈服しかけている気がした。
心の底にこの姉妹の優しさに頼って、希望を見出そうとしている自分がいる……。
沙那はそれがわかっている……。
この姉妹が本当に沙那に優しくしようと思っているわけがない。
沙那を陥すためのただの手段だ……。
しかし、わかっていて、このふたりに縋ろうとする気持ちを捨てられない……。
いずれにしても、沙那は観念した。
どうあっても恥はかかされるのだ。
こうなったら恥をかいた分は、せめて情報でも手に入れた方がいい。
「……わ、わたしは……お、おしっこをしながらよがる変態です──。わ、わたしの変態姿をご覧ください──」
沙那は客席に向かう薄闇に向かって声をあげた。
観客たちからたくさんの野次が返ってきた。
「よくできたわ、沙那──」
春分が沙那の髪を離した。
がっくりと首を垂らしながら、自分は本当にこの姉妹の軍門に下ろうとしているのではないか……。
そんな不安が心を過ぎった。
このふたりに屈服した素振りをしながら逃亡の機会を待つつもりで、だんだんと身体と心がこのふたりに縛られているのではないだろうか……。
本当に調教されようとしているという恐怖が沙那の全身を包む。
それにしても、もう尿意は限界だった。
身体も熱い……。
荒い息が止まらなくなっている。
「しゅ、春分……」
沙那は顔をあげて、限界に迫った排尿感を訴えた。
快感を覚えながら耐える尿意は苦しい。
尿意を我慢すればするほど、快感が上昇して沙那を追い詰めるのだ。
「我慢するんだよ、沙那──。いま、秋分がお前が小便をするための容器を探しにいっているよ──」
春分が怒鳴った。
さっきの耳元でささやいた優しい口調とはまるで違う調教師としての強い声だ。
「春分姉さん、あったわ──」
秋分が戻ってきた。
顔を向けると、手に金桶を持っている。
沙那は鼻白んだ。
このふたりは、おそらくこの状態で立ったまま沙那に排尿をさせるつもりだろう。
そうすれば金桶に勢いよく垂れる沙那の尿は、恥ずかしい音を派手に立てるに違いない。
沙那の羞恥をあおるとともに、観客たちを悦ばせるための演出だ。
沙那は歯を喰いしばりながら、これから晒さなければならない恥辱に震えた。
だが、沙那は秋分がもう片方の手に持っている道具に目が留まった。
それは一個の
上側が口径の大きな液体の集め口になっていて、下側の細い管から集めた液体を容器に注ぐ道具だ。
なんでもない道具だが、沙那は嫌な予感がした。
「許可なく尿をしたら、あの痒み剤の責めをするからね──。今度は、半日じゃなくて丸一日放置してやるよ──。それが嫌なら死んでも耐えな──」
痒み責めと聞いて、沙那の身体に心の底からの恐怖が走る。
「な、なにするの──」
いきなり秋分に背後から顔を掴まれた。
金桶は横に置いたようだ。
その代わりに、漏斗をしっかりと持っている。
腕を顎の下に入れられて顔を天井に向かされた。頭もしっかりと抱えられてしまう。その状態で沙那の口に手で漏斗を差し込もうとしている。
「い、いやっ──」
沙那が暴れたが、両手両足をしっかりと拘束されている身体では大した動きはできない。
見た目は人間の女をそんなに変わらなくても、首と頭を羽交い絞めにしている秋分の力はやはり亜人だけあって凄い力だ。
沙那の顔は天井を向いたままびくともしない。
「んんんんっ──」
簡単に口の奥に漏斗を差し入れられた。それも秋分の指で固定される。
「さあ、水差しの水を飲ませてあげるよ、沙那──。今日はこの中にたっぷりと利尿剤が入っているからね。利尿剤でお前の小便袋を一杯に満たしな」
春分が水差しを持ってやって来る。
「んっ、んんっ──」
沙那は顔を左右に振ろうとしたがまったく動かない。
すでに膀胱は限界で破裂しそうだ。
その上に、水差し一杯の利尿剤など冗談じゃない。
「言っておくけど、許可なく洩らしたら痒み剤責めのやり直しというのは嘘じゃないのよ、沙那──。あたしたちも、これ以上あんたを苦しめるのは本意じゃないわ──。だから、それこそ死にもの狂いで尿を耐えなさい……」
春分が今度は耳元で言った。
沙那はぞっとした。
春分が水差しの水を容赦なく漏斗に注いでいく。
しばらくは口の中の水を吐き出そうと抵抗したが、春分に鼻を摘まれてしまい、結局は漏斗に注がれた水を全部飲み込まされた。
漏斗が空になったら、すぐにまた水差しから水が注がれる。
かなり大量の水だったが、沙那は咳込みながらも水差しの水をすべて飲み込まされた。
そして、この姉妹はこの状態から、さらに奥から二個の水差しを運んできて、それもすべて飲ませたのだ。
さすがの沙那も、三個もの水差しの水を一気に飲まされてしまっては、全身から力という力が抜けて消耗しきってしまった。
「いい腹になったじゃないかい──。臨月とまではいかないけど、まるでちょっとした妊婦くらいのものじゃないかい──」
秋分が水差しと漏斗を横の台に片付けた。
沙那の下腹部は、飲まされた大量の利尿剤入りの水のためにかなり膨らんでいる。
その腹を秋分がぎゅっと押した。
「ひぐうううっ──がっ、や、やめ……」
全身を突きあげる尿意とそれが作る快感で身体の芯まで痺れ切っている沙那への容赦のない仕打ちに、沙那は眼を剥いて吠えるような悲鳴をあげた。
「春分姉さんに言われたんだろう、沙那──? 洩らすんじゃないよ……。あの痒み剤は苦しかったろう……? あれをまた一日だよ──」
秋分が笑いながら腹を押したり揺すったりする。
「よ、容器を──、容器を当てて──、お、お願い──」
沙那は絶叫した。
「半刻(約三十分)だよ──。それだけ耐えな。そのくらい耐えてもらわないと演目にならないじゃないか──」
春分がそう言って、沙那に近づいてくる。
沙那はびっくりした。
尿意はもう限界を越えている。その限界の状態で腹が膨れるほどの利尿剤を飲まされたのだ。
これから半刻(約三十分)も尿を耐えられるわけがない……。
「ゆ、許して──。も、もうおしっこさせて──」
もう恥ずかしいというような感情はどこかに吹っ飛んだ──。
沙那は大声をあげた。
だが、春分が秋分に手渡したものに気がついて、もはや抗議の声をあげることもできずに絶句した。
春分は秋分に柔らかそうな刷毛のついた筆を渡したのだ。
ふたりはくすくすと笑いながら、沙那の左右に屈むと沙那の股間に筆を触れさせた。
「はあああっ──ああっ──あはあっ──よ、容器──容器を──おしっこ──おしっこさせて──」
沙那は狼狽して絶叫した。
「おしっこ、おしっこって、少し慎みがなさすぎないかい、沙那……」
春分が沙那の肉芽や尿道の穴を中心に筆をくすぐらせる。
秋分は秋分で沙那の最大の弱点でもある肛門から蟻の門渡りにかけた部分に筆を這わせていく。
沙那は神経を錯乱させて左右に激しく身体を振った。
もう一瞬も耐えられない──。
大勢の男たちの衆目の中で小便を洩らす恥辱よりも、あの痒み責めの再開の恐怖が沙那を追い詰めていた。
「あたし、足の裏をくすぐるわ、姉さん──」
秋分が言って、片側の柱に行くと沙那の足首を縛っている革紐を解く。
思わず蹴り飛ばそうとするが、筋肉を弛緩させている霊具のために力は入らない。
秋分に脇で抱えるようにされるともう沙那の足は逃げることができない。
筆が沙那の足の裏をくすぐりだした。
「あぐううっ──よ、容器を──容器を当ててください──」
沙那は突如襲った眩暈とともに、拘束された全身を襲った戦慄に身体を仰け反らせるようにした。
その瞬間、音を立てるような激しい放水が沙那の股間から飛び出した。
「やったわね──。半刻(約三十分)は我慢しろと言ったじゃないの──」
春分が大きな声で叱咤の声をあげると、それが合図であるかのように、店中から割れんばかりの嘲笑と騒ぎが起きた。
秋分が沙那の足から手を離して、さっと金桶を放水の先に差し入れる。
また、ほどかれていた足首も再び直柱に縛り直された。
金桶の底に大きな音をたてながら沙那の尿が落ちる。
「あ、ああっ、あああっ、あはああっ──」
沙那は身体を仰け反らせたまま、凄まじいばかりの絶頂に身体をがくがくと震わせていた。
しかも、排尿をしながら同時にもうひとつの穴からも尿のようなものが飛び出したのだ。
なにが起きたのか理解できない沙那だったが、次々に襲いかかる随喜の絶頂に全身を弾ませるように震わせ続けた。
「お、お前──尿をしながらそんなに動くんじゃないよ──。金桶に入らないどころか、あたしたちまで尿まみれじゃないのさ──」
秋分がわざとらしく悲鳴をあげたが、沙那はそれどころじゃなかった。
排尿とともに、津波のような快感の波が繰り返して襲い、それが全く止まらないのだ。
沙那はしばらくのあいだ、大勢の男たちの視線に晒されながら、尿を撒き散らしながら絶頂を繰り返すという醜態を演じた。
やっと尿が止まると、襲っていた快楽の嵐も、やっと余韻のようなものに移行していった。
「これまでの人生で接した中で、一番派手な小便だったよ、沙那──。小便をしながら股ぐらから潮まで吹くなんて初めて見たよ……。尿意が溜まれば溜まるほど、快感を覚えるように身体が仕込まれているんだねえ……。面白いよ──」
「お陰でお客さんは大悦びさ──。いい演目だったよ、沙那……。これからは、毎日、お前の放尿を演目に加えるさ。放尿姫の看板を見せの前に出してやるね」
春分に続いて、秋分も沙那をからかうように言葉をかけた。
客席からは割れんばかりの嘲笑と拍手喝采だ。
「……まあ、あたしたちは約束は守るわ……。約束だから、今日の五回の演目が終わって牢に戻ったときに、なんでも質問していいわ……。あんたの知りたいことはすべて答えてあげる」
春分が言った。
「ただし、こっちの約束も守るわよ……。半刻(約三十分)耐えられなかったから、痒み剤の責めのやり直しね。今回は丸一日だったわね……。質問する理性が残っていたら、質問でもなんでもするのね……」
秋分が沙那の撒き散らした尿や潮を掃除しながら言った。
沙那の全身を正真正銘の恐怖が貫いた。