※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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472 おもらし人形の屈服

「いやあ、いやあっ」

 

 沙那は、演台の上で泣き叫んでいた。

 二本の柱に左右の両手を伸ばすように拘束されている沙那は、さらに片脚だけを膝で大きく引きあげられて、片脚で立たされている。

 上半身には、胸だけを包む薄物を身につけさせられているが、下半身にはなにもない。

 つまりは、沙那は片脚を大きくあげて、股間を露出させられて、集まった酔客に股を晒させられているというわけだ。

 その無防備な股間と身体を、左右から秋分と秋分の亜人姉妹に刷毛でくすぐられている。

 

「うふう、そこは、や、やめえてえっ」

 

 沙那は哀願の言葉を吐いた。

 股間に近い内腿のもどかしい場所をくすぐっていたかと思うと、いきなり、無防備な股間をふたりが左右から刷毛で襲ったのだ。

 沙那は必死になって、片足立ちの身体を左右に捻り悶えた。

 

 いつもの亜人の酔客相手の見世物の演目である。

 毎日、ここで公開調教とやらをさられて、おそらく、十日足らずくらい……。

 いまだに、大勢の亜人たちの前で痴態を晒す屈辱と羞恥には慣れることはない。

 宝玄仙たちとも離れ離れにさせられ、いまだに再会は果たせない。

 こうやって、毎日破廉恥な見世物にされながらも、懸命に情報を探ったいが、結局のところわかったのは、三人はまだ生きているらしいということだ。

 もっとも、それすらも真実なのかどうかはわからない。

 ただ、この春分、秋分と名乗る亜人の女調教師がそう言っただけなのだ。

 しかし、沙那は、とにかく、仲間の行方を辿る努力をやめるつもりはない。

 だが、毎日のこの女調教師たちの調教だけは……。

 

「ほら、ほら、おしっこが洩れそうかい? まだ砂は半分もあるよ。勝手に洩らしたらお仕置きだからね」

 

 身悶える沙那の臍の付近を春分の操る柔らかい刷毛の先がくすぐる。

 もう一方の秋分は、脇腹だ。

 

「うううっ、くふふふふっ、や、やめっ、やめてええ、うくふふふふ、いやああはははっ」

 

 これまでの感じさせるような刺激から一転して、本格的なくすぐりに変化した。

 沙那は笑い声を迸らされた。

 

「あら、脇腹も感じるの? じゃあ、もう一度、脇もくすぐってあげるわね。我慢してね。痒み責めが嫌ならね」

 

 すると、春分も秋分に応じるように、脇の下をくすぐってきた。

 

「あははははは、いひひひひひ、いやああ、やめてえええ、あああ、だ、だめえええ、ち、力が……あはははは──」

 

 沙那は無理矢理に笑わされる苦しさに耐えながら、必死になって股間に力を入れる。

 だが、ふたりは、沙那の懸命の努力を嘲笑うかのように、無防備な裸体のあちこちをくすぐり続ける。

 観客は、沙那の痴態に大喜びだ。

 屈辱で血が沸騰しそうになるが、いよいよ、利尿剤の効果が表れて、猛烈な尿意が襲い掛かってきた。

 すると、沙那特有の身体の仕組みにより、膀胱と尿道から大きな疼きが発生して、全身に快感の波が拡がっていく。

 沙那は首をのけぞらせて、歯を噛みしめた。

 だが、刷毛の刺激が無理矢理のように口を開かせて、そこから話笑い声とともに、嬌声が迸ってしまう。

 酔客の野次と嘲りの言葉が降りかかる。

 

「も、もういやああ、んふううっ、はああっ、あはははは、ああ、んんんっ、んふふふふ──」

 

 もう恥ずかしい股間を隠すことも、頭に思い及ぼせない。

 それよりも、くすぐったさと、気持ち良さの両方を我慢するなんて無理だ。

 すっかりと限界まで追い詰められている沙那は、ちらりと演台の端にある机の上の砂時計を見た。

 砂はまだ半分も減っていない。

 悶え声混じりの笑い声を出したながら、沙那は愕然としてしまった。

 

 沙那がやらされているのは、この数日の公開調教の演目のひとつである「おもらし人形の我慢」という馬鹿げた名前がついた破廉恥行為だ。

 すなわち、こうやって裸体を拘束され、たっぷりと利尿剤を飲まされる。

 そして、ふたりから刷毛で刺激されて、砂時計から砂が落ちきるまで放尿を耐えるというものだ。

 こんな痴態をやらされて、口惜しさに血が凍りそうになるが、できなければ、あの恐ろしい痒み剤を塗られて放置されることになっている。

 すっかりと、春分と秋分の使う痒み剤の恐ろしさが肌に染みている沙那は、それだけは嫌なので、懸命に放尿を我慢しているというわけだ。

 だが、我慢すれば我慢するほど、尿道の疼きが大きくなり、そっちでも追い詰められる。

 快感に悶えれば力が抜けそうになるのだ。

 沙那はすでに切羽詰まっていた。

 同じようなことをこの数日で十回もやっていて、我慢しきったのは二度くらいだ。

 しかし、あの痒み剤だけは、慣れるということはない。

 

「いやああ、あははははは、ふぐふふふふ」

 

 沙那は悶え続ける。

 砂は、なかなか少なくならない。

 道術のかかっている特別の砂時計であり、まるでとまっているかのように、砂はほんの少ししか落ちない。

 全部の砂が落ちきるまで半刻はかかる。

 まだ、半分以上……。

 沙那は絶望に陥りつつある。

 

「じゃあ、足の裏にしようかしら。ちょどいい具合にあがっているし」

 

 秋分がお道化ながら、あがっている沙那の片足に刷毛を移動した。

 柔らかな土踏まずを穂先が襲う。

 

「ひやああ、ゆ、許してええええ」

 

 拘束された足で刷毛を蹴飛ばさんばかりに、足を振りたてる。

 一方で、春分の刷毛は、沙那の我慢に源の尿道口そもののをくすぐり出した。

 沙那は悲鳴を迸らせた。

 

「ほらほら、もっと逃げないと、どんどんとくすぐられるわよ。おしっこをもらしたら、今度は痒み剤を塗って、くすぐってあげるわね」

 

「もちろん、利尿剤を飲んでからね」

 

 秋分の刷毛が足の裏や膝裏、太腿から股間に這いまわる。

 春分の刷毛は、脇や横腹、首に耳と攻撃の場所を変えながら執拗に襲う。

 場所を変えるのは、沙那に慣れさせないためだろう。

 沙那は追い詰められていた。

 

「ひああああっ、いやあああ」

 

 吹き出すように股間から尿が迸った。

 同時に耐えていたものが崩壊して、大きな絶頂感もやってきた。

 沙那はおしっこをもらしながら、身体を弓なりにして昇天していた。

 

「笑ったり、悶えたり、そうかと思ったら、放尿しながら絶頂するなんて、忙しいことだねえ」

 

「まったく、堪え性のない人間族さ。なんとか言いな──」

 

 春分にぴしゃりと生尻を叩かれた。

 

「ご、ごめんなさいい、いひいいいっ」

 

 放尿と快感に襲われながら、沙那の口は信じられないくらいに自然に、春分たちに謝罪の言葉を口にしていた。

 観客たちが拍手喝采して、一斉に野次を飛ばした。

 

 

 *

 

 

 放尿我慢の公開調教──。

 利尿剤を飲んで尿意に耐える……。

 砂時計が終わるまでに放尿すれば、罰……。

 

 同じことを今日は十回近くやらされた。

 気絶も三回した。

 放尿を時間まで耐えるなど、今日は一度も成功することもなく、沙那は痒み剤だけを重ね塗りされることになり、もう限界だった。

 午前中に始まった沙那の公開調教は、すでに夕方になろうとしているのに、いまだに続いている。

 

 それまで、一度も休ませてもらっていない。

 羞恥もあるが、それよりも身体がくたくただった。

 片足立ちだった姿勢も、両膝を曲げて、大きく客席に向かって足を開く体勢に変わっている。

 沙那の股間からは、拭かせてもらえない尿と蜜口からの愛液が滴っており、それが宙吊りになって曝け出されている。

 死にたくなるような恥ずかしさだが、いまの沙那はそれよりも、股間に痒さに追い詰められていた。

 

「ああ、あああ、か、痒いいいっ、ああああ」

 

 沙那は右に左にと、腰と顔を激しく振る。

 そして、唇を噛みしめて、ぶるぶると身体を震わせる。

 だが、春分と秋分は、かなりの時間、にやにやとするだけで、こんな格好にした沙那を眺めるだけでなにもしてくれないでいる。

 

「刺激ばかりされても飽きるだろうから、休憩をさせてあげるわ。感謝してよね」

 

「休憩時間だから、なにをしてもいいわよ」

 

 そう言って、立ち去ってしまった。

 沙那はひとりで四肢を吊られたまま、演台に放置されてしまった。

 

「ああ、ゆ、許してよおお──。も、戻ってええ──」

 

 沙那は泣き声をあげた。

 だが、これも演出のひとつなのだろう。

 本当に戻ってこない。

 

 すると、酒場にわっと新しい喧噪がやってきた。

 がらがらと音を立てて、小さな車輪付きの大きめの犬小屋ほどの檻を押して、二十人ほどの人間族の女たちが半裸でやって来たのだ。

 さらに、女たちを追い立てるように、十人ほどの亜人兵が檻を運ぶ女たちの後ろから店に入ってきて、出入り口を塞いだ。

 実は、これは この数日間で始まったこの酒場の新しい余興なのだ。

 檻の中には、小さく身体を畳まれた人間の男たちが入っており、運んでいる女たちの夫らしい。

 

 沙那も最初にそれを教えられて、唖然とするとともに、悪趣味さに鼻白んだが、この獅駝(しだ)の城郭を占拠している青獅子の部下である大旋風という男の亜人が考えた遊びとのことだ。

 女たちは、夫を入れられた檻を押しながら運び、城郭のあちこちにいる亜人たちのところを回り、夫の前で亜人たちの精を強請るのだ。

 一回ごとに、亜人に消えない道術の墨を刻んでもらい、夕方までに既定の回数の精を集めれば、夫を開放してもらえ、集められなければ、檻に入れられたまま夫は殺されるということになっているみたいだ。

 だから、女たちは必死になって、こういう亜人の集まる酒場などに檻を運びながら、その前で亜人に奉仕を強請るということである。

 わざわざ、人質の夫を運ばせるというのは、その大旋風とやらの亜人隊長の思いつきとのことだ。

 顔は見たことはないが、こんな鬼畜なことを考える大旋風という亜人男は、まさに下衆そのものだと思った。

 

 あちこちで、人間族の女が亜人の酔客たちに身体をすり寄っていく。

 すぐに性交が始まったり、あるいは、口の奉仕が開始される。

 どの女たちも必死の様子だ。

 それを亜人の男たちがからかうように、人間女の身体をむさぼりだす。

 

「ううう、くうううう……」

 

 一方で沙那は歯を喰いしばり、せめて身悶えをやめようと思って、身体に力を入れようとした。

 だが、どうしても身体をとめられない。

 噛みしめたつもりの歯ががちがちとなり、そのあいだから喘ぎ声が洩れる。

 いつの間にか、呻き声は情けない泣き声になり、とてもじっとしていられなくて、知らずに浮いている腰がうねっていた。

 

「ああ……うう……あああ……」

 

 股間が火のように熱い。

 痒みを伴う疼きが沙那を襲う。

 意識すれば急速に痒みが膨れあがることはわかっているが、耐えられるものじゃない。

 

「おい、人間──。そんなに痒ければ、犯してやろうかああ」

 

 浴びせかけられる野次の中から、そんな言葉が聞こえてきた。

 この十日に近い日々の中で、恥という恥、屈辱という屈辱を味わってきた。

 いまさら守りたい貞操でもないし、もしも、この痒みが収まるなら……。

 沙那の頭にそんなことがよぎる。

 そして、自分の思考に愕然としてしまう。

 

「じゃあ、いつでも言いな。俺はこっちをもらうからよう。だが、犯して欲しいなら、早い方がいいぜ。女はたくさんいるから、弾切れになるかもだからな」

 

「いや、大丈夫だ。俺は続けて五発はいける。お前の分もあるぞ」

 

「こっちは七発は問題ない──」

 

 続けざまに揶揄の声が飛んできた。

 だが、最初に声をかけた男を含めて、三人とも人間族の女を捕まえて、その場で犯しだした。

 ふと目をやると、犯される女たちの太腿には、五本の線で作った記号がふたつできかけていて、もうすぐ十に達する感じだになっていた。

 もしかしたら、十人の精を一日で集めるのが命令なのだろうか……?

 

「ああ、痒いいいい──。が、我慢なんか、できないいい」

 

 しばらくは耐えていたが、ついに沙那は大きな声をあげて、腰を大きく淫らに跳ねあげた。

 自分の行動を浅ましさを省みる余裕はない。

 痒みはもう、ずきんずきんと沙那の身体を突きあげる。

 その猛烈な痒みは、沙那の身体をどんどんと追い詰める。

 痒みだけでなく、強力な媚薬でもあるのだ。

 これ以上の放置はいやだ──。

 

 犯されたい──。

 なんでもいい──。

 もう、どうなってもいい──・

 

「ああ、痒いい──。だ、だれか、助けて──、助けてええ」

 

 声を放った。

 痛烈な痒みだが、だんだんとそこに訳の分からない快美感も混じってきたように思う。

 頭の中が痺れる。

 視界が虚ろになる。

 汗でなにも見えなくなる。

 なによりも、あちこちで行われている性交の匂いが、沙那の理性を狂わせていく。

 

「痒いいっ、ああ、あああっ」

 

 沙那は泣き叫んだ。

 そのときだった。

 いきなり、髪の毛を後から掴まれて、頭を持ちあげさせられた。

 

「そんなに欲しいなら、特別に許可してやるさ。誰でもいいから、指名して呼びな。そいつが応じたら、お前を犯すのを許可してやる」

 

 春分だ。

 いつの間にか、戻っていていたのだ。

 秋分も横にいる。

 

「もう許して──。わ、わたしを犯して──。いつものように張形でほじって──。わ、わたしの濡れたおまんこを……」

 

 卑猥な言葉を使わなければ、春分たちは沙那の苦悩を開放しないのはわかっている。

 それは、この十日で身に染みた。

 すでに、おねだりの言葉に躊躇は消えている。

 なにしろ、そうでなければ、この亜人女たちは、この苦しみのまま沙那を一日でも二日でも平気で放置する。

 

「春分姉さんが言ったでしょう? 今日は男を漁るのよ……。でも、大きな声を出さないとね。こんな感じだから、聞こえないかもよ」

 

 秋分だ。

 沙那は虚ろだった目を見開いた。

 秋分の指に大量の油剤が乗っていたのだ。

 新しい痒み剤だ。

 これ以上、重ね塗りさせられるなんて……。

 沙那は泣きそうになった。

 

「あ、ああ……、いやああ……」

 

 すでに沙那の股間は痒みでただれそうだ。

 充血して、灼けるように疼いている。

 そこにたっぷりと新しく塗り込められた。

 沙那は総身を跳ねあげて、両手と膝で吊られている裸体を波打たせる。

 

「ああ、もういいでしょう──。許してええ」

 

 沙那は泣き叫んだ。

 

「男を呼べって、言ってんのよ──。さもないと、ここの男たちはなにもしないよ。とりあえず、性欲を満足させる娼婦どもは間に合っている。ほらほら、犯してもらわなくていいのかい?」

 

「犯して欲しければ、教えた言葉で男を呼び込むんだよ」

 

 春分と秋分が代わる代わる耳元で左右からささやく。

 また、手で沙那の股間の付け根をさわさわと触れてもくる。

 もう限界だ。

 沙那は屈服した。

 

「お、犯して……。あなた……犯して……」

 

 沙那は、一番最初に沙那にからかいの言葉をかけてきた身体の大きな亜人に声をかけた。

 ちょうど、ひとりの人間族の人妻に精を放ったばかりのところであり、なによりも、沙那の視線の正面にいたからだ。

 誰でもいい……。

 犯されるのが今日の調教だというのであれば、大人しく犯される……。

 もう、沙那はそれ以上のことを考えることができない気がする……。

 

「ねえ、わたしを犯して、あなた──。あなたのそれで、わたしの子宮をぐちゃぐちゃにして──。わたしのいやらしいおまんこの穴を抉って──」

 

 沙那は声を張りあげた。

 

「んんっ、俺か?」

 

 精を放った人間族の女の太腿に、道術で棒を足し、ちょうど十本目にしていた男が沙那の声に視線を向ける。

 沙那は裸身をくねらせながら、続けて口を開く。

 

「……、さ、沙那の中に入れて……。抉って──。貫いて──。毀すくらいに──。こ、こんなに股を開いて、待っているのよおお」

 

 声をあげる。

 横に春分と秋分がいる。

 卑猥な言葉を口にしなければ、またお仕置きを受けるし、惨い目に遭わされる。

 いまは耐える時期だ。

 宝玄仙たちと再会するまでは……。

 隙が見つかるまでは……。

 しかし、沙那は、屈服したふりをしているのか、それとも、本当に屈服しかけているのか、あるいは、すでに屈服してしまっているのか、自分でもわからなくなっていた。

 いまは、素直に犯されたい──。

 苦しい……。

 これ以上我慢などできない──。

 

「じゃあ、犯してやるか」

 

 亜人男が演台にあがってきた。

 さっきまで人妻を犯していた肉棒がねらねらと光っている。

 その尖端を沙那の股間にあてがい、わずかに先を入れてきた。

 

「ああっ」

 

 沙那は狂おしく宙吊りの腰を振りたてた。

 もどかしい……。

 じれったい……。

 亜人男がそれ以上深くは入ってこなかった。

 そのまま先端だけ含ませただけでとまっている。

 ほんの少しのところまできている痒みへの癒しが与えられるようで与えられずに、沙那は狂いそうになった。

 

「も、もっとして──。して──。してよおお」

 

 沙那は叫んだ。

 すると、亜人男がにやりと笑った。

 

「じゃあ、ぶちこんでやろう。ほら、欲しいものだ──」

 

 今度は一気に最後まで貫かれた。

 あまりの衝撃に沙那は一瞬にして我を忘れた。

 

「ひいいいっ」

 

 強烈な快美感だ──。

 沙那は歓喜の声を放った。

 ぐいぐいと子宮が押しあげられる。

 そして、抽送が始まる。

 

「ああ、あああ、だめええ、はああああっ」

 

 快感が凄まじい──。

 沙那はあられもなく泣き声をあげた。

 抑えられない雌の悦びが全身から迸る。

 

 気持ちいい……。

 息ができない──。

 

 沙那は腰を振りたてて、快感に狂った。

 亜人男は始まってしまえば、焦らすような意地悪をすえることなく、激しく沙那を犯してくれた。

 あまりもの気持ち良さに、沙那は頭が真っ白になっていった。

 

「あはあああっ」

 

 絶頂した。

 宙吊りの全身ががくがくと揺れる。

 だが、許されない。

 亜人男が沙那に挿入したまま、股間を犯し続ける。

 

「んはあああっ」

 

 また、沙那だけ達した。

 続けざまに、次の絶頂感が襲う。

 快感で頭が飛ぶ。

 口惜しいが、泣きたくなるくらいに、ものすごく気持ちいい──。

 沙那はいつの間にか我を忘れた。

 そして、亜人男が精を放ったのは、沙那が三回目に達したときだった。

 

「あああああっ、だめえええっ」

 

 沙那は全身をがくがくと震わせた、

 

「おお、吸い込みがすげえな。吸いつかれるぜ」

 

 亜人男が男根を抜きながら言った。

 一方で、沙那は絶頂の余韻に呆然としつつ、肩で息をしていた。

 しかし、すぐに痒みの苦しみが襲い掛かってきた。

 重ねり塗りされ続けた痒み剤は、一度くらいの性交では沙那を開放してくれなかった。

 刺激がなくなってしまうと、またもや掻痒感が復活してしまう。

 

「物足りないんだろう? また呼び込みな。実は、あらかじめ言ってあるからね。お前が強請(ねだ)れば犯してくれるけど、声を掛けなければ、手は出さないよ」

 

「今日は最後だしね。腰が抜けるまでの輪姦祭りさ。次を呼び込みな。次はどの珍棒に犯されたい?」

 

 秋分と春分が揶揄の声を掛けながら言った。

 あらかじめ客を仕掛けていたというのは知らなかったが、それよりも、沙那は春分が告げた言葉に引っ掛かった。

 今日で最後?

 どういうこと?

 

「さ、最後って……?」

 

 沙那は春分を見た

 すると、春分がにやりと微笑む。

 

「お前の出荷が決まったのさ。残念だけどね……。白象様のところだ。白象様は女魔王様で、女を相手にする趣味があるとは耳にしないけど、王女様がお前の話を耳にして気に入ったという話だね」

 

 春分が言った。

 欲しかった情報が突然にやってきた。

 だが、出荷?

 白象魔王?

 確か、二大王とも称される魔王であり、この獅駝よりもずっと南の領域を治めている青獅子の上の兄弟となる魔王のはずだ。

 しかし、女魔王だったのか?

 全く知らなかった。

 そして、沙那が明日、そこに送られる?

 沙那は混乱した。

 

「は、白象魔王って……。じゃ、じゃあ、ご主人様……いや、宝玄仙様や孫空女や朱姫は……? 彼女たちも一緒?」

 

 沙那は勢いよく訊ねた。

 これまで、どんなに強請っても、焦らされるように教えてもらえなかった仲間の情報だ。

 いや、それさえも、彼女たちは沙那を調教する材料にしてきたのだ。

 だが、沙那が明日には、白象魔王のところに移送されるというのは本当なのだろう。

 このふたりが沙那を調教するのは、これが最後であるのだと思う。

 だから、教える気になったのかもしれない。

 いまなら、情報を得られる。

 沙那はそんな予感がした。

 

「孫空女って、あの強い女かい? そいつは金凰魔王さまのところと耳にしているよ。雌畜も一緒かな? なにか兵の連中と賭けをしたとか言っていたっけ。朱姫は青獅子様のところさ。なんだかんだで、ここの領主だった女の娘とともに、青獅子様に可愛がられているからね」

 

 秋分が言った。

 

 宝玄仙と孫空女は、金凰魔王……。

 沙那は、白象魔王……。

 朱姫は、青獅子魔王のところに残る……。

 ばらばらにされるのか……。

 だったら、どうやって逃げればいいか……。

 沙那は歯噛みした。

 

「……さあ、もういいだろう。なら、お強請りだ。もっとやる気が出るように、痒み剤を足してやるよ」

 

 秋分が笑って、またもや股間に痒み剤を塗り足してきた。

 沙那は悲鳴をあげた。

 

 

 

 

(第73話『人間女の見世物』終わり)

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