※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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476 試合前の縄余興

「さあ、準備をするから、孫空女。玄魔(げんま)将軍の方を見て縄に跨りな──」

 

 火箭(かせん)が孫空女を押しやった。

 しかし、孫空女は躊躇した。

 孫空女が縄を跨った瞬間に強引に縄が引き上げられるに違いないのだ。

 そうすれば、あとは瘤縄に跨って進むしかなくなる。

 この連中に逆らうことは許されないのだとわかってはいるものの、どうしても脚が前に出せない。孫空女は縄の前で立ち竦んでしまった。

 

「ほら、さっさと跨がないかよ──。こっちには人質がいるんだ。お前の仲間なんか、俺たちの気紛れひとつで殺せるんだぞ。優しくしてやっている間に命令に従った方がいいんじゃねえか、孫空女?」

 

 いつまでも動かない孫空女に、火箭が業を煮やしたように怒声を浴びせた。

 孫空女ははっとした。

 

 宝玄仙……。

 沙那……。

 朱姫……。

 

 どこでどんな仕打ちを受けているかわからないが、いまは耐えてなんとかこの状況を打開する機会を待ち続けるしかないのだ。

 孫空女は覚悟を決めた。

 やって来るであろう刺激に備えて孫空女は歯を喰い縛る。

 そして、片脚を前に出して縄に跨った。

 

「それっ」

 

 近くにいた数名の兵が声をあげて縄を引きあげた。

 

「ひぐうっ」

 

 孫空女は呻いた。

 跨いだ縄が思い切り股間に食い込み衝撃が股間が走ったのだ。

 孫空女はそれだけの刺激だけで、もう腰が砕けそうになった。

 

 媚薬で疼くように熱くなっている股間を縄が抉る。

 堪らず必死になって孫空女は爪先立ちになって少しでも縄の食い込みを緩めようとした。

 しかし、縄は後ろの直柱に金具で繋がれて高さが調整できるようになっているようだ。

 孫空女が爪先立ちになった分以上にさらに縄を高くあげられた。

 

「ひぐうっ──も、もう、それ以上……」

 

 孫空女はどんどん強く食い込む縄に悲鳴をあげた。

 

「じゃあ、準備はいいぞ、孫空女──。向こうの端にある黒い印のところまで歩け」

 

 火箭が思い切り孫空女の尻たぶを叩いた。

 孫空女は顔をしかめてその痛みに耐えた。

 仕方なくゆっくりと前に出る。

 

 周囲にはびっしりと両側を兵たちが縄を挟んで立っている。

 孫空女はその人の壁に沿って、股で縄を挟んだまま前屈みになって進んだ。

 さらざらとした荒縄が孫空女の女の最奥へ食い込んでいく。

 秘肉に食い込む縄はおぞましい刺激を孫空女に与える。

 

 孫空女は数歩歩くだけでこの縄瘤のある縄の恐ろしさもわかった。

 媚薬で熟れきった状態になっている股間に縄の感触が加わって秘肉が擦れると、これまでとは比較にならない淫情が孫空女を襲う。

 縄が食い込む女陰に大きな疼きが走り、孫空女は爪先立ちで歩みを止めた。

 

「どうした、人間族、とまるな──」

 

「進め、進め──」

 

 野次のような声をかけられて、それに押されるように孫空女は再び縄瘤を擦り歩く。

 耐えても漏れ出てしまう荒い息と甲高い自分の嬌声が、孫空女の情けなさを助長する。

 周囲の兵たちは孫空女の身体に触れこそしないが、悶え進む孫空女の身体を凝視できるような距離まで迫って、孫空女の欲情している身体を眺めている。

 縄の刺激で濡れぼそって感じてしまっている性器を間近で見られる羞恥は、孫空女には耐えがたい屈辱だった。

 

「ほれ、女──。もう少しで瘤だぞ──」

 

 近くにいた兵が叫んだ。

 ほんのちょっと進んだだけで最初の瘤がある。

 そこに股が差し掛かった。

 

「あはあっ」

 

 孫空女は身体を思わず仰け反らせて声をあげてしまった。

 自分の全体重が股間にかかったかのような感覚が襲う。

 しかも、媚薬のために勃起している肉芽を縄瘤がぐいと抉るのだ。

 まるで小さな拳でぎゅっと肉芽を押し潰されるような刺激に孫空女は全身をぶるぶると震わせてしまう。

 

「どうした? 孫空女、もっと早く進まんか──」

 

 また、火箭が平手で孫空女の尻を打った。

 孫空女はその屈辱に耐えた。

 しかし、進もうとしてもなかなか脚を前に出すことができない。

 跨ぎ進めば当然やって来るであろう大きな淫情が怖くてどうしても脚が竦むのだ。

 孫空女は最初の瘤に差し掛かったところで、ほとんどとまったような状態になってしまった。

 

「こりゃあ、埒が明かねえなあ──。ねえ、将軍、時間制限を作りましょうよ」

 

 孫空女の様子を横で見ていた火箭が玄魔に視線を向けた。

 その言葉にはっとして顔をあげた。

 

「そうだな……。で、どうするのだ、火箭?」

 

 向こう側で床几椅子に座ってこっちを見ている玄魔が言った。

 すると火箭が玄魔のいる縄の向こう側に歩いて行った。

 いつの間にか火箭は、手に砂時計を持っていた。

 それを道術でぽんとあげて反対側の直柱の上に乗せた。孫空女の位置からでも砂を落とし始める砂時計がはっきりとわかった。

 そして、玄魔の隣に立って孫空女に身体を向けた。

 

「孫空女、砂が落ち切る前にこっちに来い──。さもなければ、ここにお前の仲間のひとりから腕を切断してここに持ってくる。誰の腕かはお愉しみだ」

 

 火箭が言った。

 孫空女は驚愕した。

 

「な、なんてこと言うんだい──。そんなこと許されないよ──」

 

 孫空女は叫んだ。

 ふと見ると、砂時計の砂はもう落ち始めている。

 

「文句をいう暇があったら、少しでも前に進んだ方がいいんじゃないか、孫空女。この砂時計は、結構早く砂を落ち切らせるぞ」

 

 火箭がにやりと笑った。

 そして、兵をひとり呼んで何事かをささやいている。

 その兵がどこかに立ち去っていく。

 

「ま、待って──い、行かせないでよ、火箭──。言う通りにする。言う通りにするから」

 

「そう思ったら、すぐ実行だ、孫空女。お前が時間内にこっちに来れば、誰の腕も落ちやしないよ」

 

 火箭が言った。

 孫空女は意を決して進みだした。

 しかし、荒縄と縄瘤の刺激で股間の疼きが甘い愉悦に変わり、激しい快感となって全身に拡がっていく。

 そして、縄瘤が肉芽や秘肉に当たると、もう孫空女は我慢できずにあられもない嬌声をあげてしまう。

 

「おい、女、お前の進んだところには、ぬるぬるした液がいっぱい残っているんだけど、これはなんだ?」

 

「おうおう、まったくだ──」

 

 すぐに周囲からからかいの言葉をかけられる。

 

「う、うるさいよ、お前ら──」

 

 孫空女は叫び返すものの、あまりの羞恥に顔をあげることができないでいた。

 しかし、それが自分が縄の刺激に反応したための秘汁であることは明らかだ。

 こうやっていても腰が抜けそうなくらいに欲情しきっているのは自分でもわかる。

 

「ほら、時間が迫っているぞ」

 

 火箭の声だ。

 顔をあげた。

 直柱の上の砂時計がすでに残り半分を切っている。

 だが、孫空女の跨る縄はまだ半分の距離も進んでいない。

 孫空女は必死になって慌ててさらに速度をあげる。

 もう、股間の疼きなど構っていられない。

 

 遮二無二進むだけだ──。

 そのとき、いまは玄魔の隣にいる火箭が手を伸ばして孫空女が跨っている縄を向こう側で掴むのが見えた。

 火箭の手に霊気が集中している。

 孫空女は嫌な予感がした。

 

「頑張れよ」

 

 火箭が不敵に笑った。

 

「あはあ、こ、こんなの、あああっ──」

 

 孫空女は絶叫した。

 いきなり孫空女が跨っている縄自体が凄まじい勢いで震えだしたのだ。

 しかも縄の振動で空気が振動して音が鳴る程だ。

 それに跨っている孫空女には堪らない。その振動が孫空女の股間を通じて頭の先から爪先まで駆け抜ける。

 

「あひゃああ──や、やめて──ひいっ──こ、こんなのないよ──ひぐううっ──」

 

 孫空女は縄の上でのたうち回った。

 あっという間に全身が痺れ切り腰が抜ける。それでさらに縄が股間に食い込む。

 

「残りは三分の一だぞ──」

 

 火箭の声。

 砂時計のことだ。

 

 もうなにを言っても無駄だ。

 孫空女にはそれがわかった。

 仲間に危害を加えさせないためには振動を受けながら前に進むしかない。

 なんという卑劣なやり方だ。

 強力な媚薬を飲ませた身体で縄を跨らせて進ませるという仕打ちだけでは飽き足らず、その途中で縄に振動を加えてさらに孫空女を苦しめようというのだ。

 その陰湿さに鼻白む。

 

 しかし、とにかく進まなければ……。

 でも、振動は強烈だった。

 振動が始まってから最初の縄瘤の上を進むとき、縄瘤が肉芽と亀裂に食い込み稲妻のような衝撃が全身を貫いた。

 

「あはああっ──」

 

 身体を仰け反らせて身体を震わせた。

 軽く達したと思う……。

 

 周りは拍手喝采の大悦びだ。

 眼の前で絶頂した姿を凝視されるという屈辱に身体が熱くなる。

 それでも、孫空女は一瞬止まっただけで、また前に進んでいく。

 

「すげえ、縄がべしょべしょだぜ」

 

「少しでも滑りがよくなればというこの女の技だろうよ」

 

 兵たちが囃し立てる

 しかし、孫空女は無視する。

 そんなことをわざわざ教えられるまでもなく、もう、かなりの愛汁が垂れ流し状態になっていることは知っている。

 だが、もうそんなことに構っていられない。

 恥ずかしがっている場合ではないのだ。

 もう、砂時計は四半分しか残っていない……。

 

「あふううっ──」

 

 孫空女はまた吠えて軽く絶頂した。

 縄瘤が肉芽に当たって強い刺激がやってきたのだ。

 それでも進み続け、そして、また快感が襲う──。

 

 時間が迫っているのはわかっている。

 でも、肉芽を縄の振動で震わされると、全身が電撃を浴びたかのように痙攣して前に進めなくなるのだ。

 もう、砂時計は見ない。

 ひたすらに前に出ることだけを考えた。

 

「あふううっ」

 

 少し進んだところで、孫空女はまた絶頂に達してしまって大きな身悶えをした。

 こんなに短い時間で連続で達したら頭が朦朧となってしまう……。

 大量の汗が眼に入ってくる。

 顔をあげるが砂時計はよく見えない。

 

「すげえ、まるで妖気が漂うようだぜ……」

 

「鬼気迫っているな……」

 

 すぐそばの誰かがささやいた。

 なんだか周囲の野次も静かになってくる。

 しかし、もうどうでもいい……。

 

 前に──。

 残りは少し……。

 

「ほう、思ったよりもやるな」

 

 火箭の声だ。

 もうそばまで近づいた。

 その隣には玄魔が座っているはずだが、いまの孫空女にはよくわからない。

 そこまで進めと言われた黒い印が跨っている縄のすぐ手前になっている。

 孫空女はぐいと思い切り腰を前に出した。

 しかし、縄瘤の先が直柱に繋がっているために、印に近い部分は、直柱の上方にせりあげるかたちになっている。

 孫空女がそのせりあがりの部分に腰を進めたので、縄がこれまで以上に前後に食い込んでしまった。

 それで隣り合ったふたつの縄瘤が肉芽と肛門を同時に抉ってしまったのだ。

 

「ああっ、あっ──、ひぐうっ、そこ、だめええ──」

 

 孫空女のもっとも敏感なふたつの器官を同時に強い振動で刺激され、ほとんど絶叫に近い悲鳴をあげた。

 一瞬、眼の前が不意に真っ白になり、身体がぐらりと揺れた。

 

 だが、後ろではなく前に身体を倒したのは孫空女の最後の執念だった。

 孫空女は縄の上で完全に態勢を崩してしまい、一度縄の上で身体を跳ねさせてから半回転をして縄から落ちてしまった。

 

「おほうっ」

 

 後手に拘束された身体を床に倒れさせてしまい、受け身もとることもできずに孫空女は背中を床に叩きつけられた。

 しばらく、なにが起きたのか理解できなかった。

 やがて、自分が最後の最後であまりにも激しく絶頂してしまって、失神しかけたということはわかった。

 

「まあ、頭が黒い印の部分に触れたからな……。一応は合格だ……」

 

 倒れている孫空女の視界に天井と火箭が映った。

 どうやら、ぎりぎり間に合ったのだ。

 孫空女は安堵した。

 床に仰向けになったまま大きく息を吐いた。

 

「じゃあ、早速始めるか? お前の最初の相手はお待ちかねだぞ」

 

 その火箭が言った。

 

「えっ」

 

 孫空女は思わず声をあげた。

 しかし、周囲からたくさんの手が伸びて、強引に起きあがらされて眼の前にあった試合場の縄の内側に押しやられた。

 

 だが、まだ激しい絶頂の余韻で頭が朦朧としている。

 身体も全身が綿になったかのように脱力感で包まれていた。

 

「はじめ──」

 

 突然、火箭の大声がした。

 ふと見ると、さっきまで縄の両側に集まっていた兵が、今度は円形の試合場を取り囲むために試合場の外側の柱の周りを動いている。

 

「どっちを向いている──。もう試合は始まっているぞ」

 

 はっとして顔をあげた。

 眼の前に上半身裸体の屈強そうな亜人が孫空女に迫っている。

 その太い両腕が孫空女の腰の辺りに伸びる。

 

「そ、そんな……。ひ、卑怯だ──」

 

 孫空女は叫んだ。

 必死になって立とうとするが、まだ腰に力が入らない。

 そもそも、まだ腕を後手に縛られたままだ。

 戦うなんて無理だ。

 

「なにが卑怯なんだ。さっさと態勢をとりな。それとも、寝技が得意なのか?」

 

「さしずめ、女の道具で戦うつもりなんじゃねえか?」

 

「すげえぜ。見ろよ、あの股。まるで小便をしたみてえだぜ」

 

 試合場を囲んでいる亜人の兵たちが一斉に野次を飛ばしだす。

 一方で、相手はにやついた顔で、ゆっくりと孫空女に迫って来ていた。

 

「く、くそうっ」

 

 孫空女はそれでもなんとか立ちあがろうとした。

 だが、態勢を作ろうとした孫空女の足腰がぐらりと揺れてしまった。

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