「お、お前……。な、生意気だよ──」
しかし、そのこと自体が孫空女には腹が立つ。
三十発で孫空女を陥すと宣言して、その倍以上の鞭打ちを浴びせても、孫空女が屈服しなかった……。
それがなんだというのだ。
孫空女はそれだけの鞭を浴び続け、衆人の前で失禁をするという醜態を演じさせられたのだ。
それに比べれば、寓天の誇りが傷つくことなど屈辱でもなんでもないはずだ。
この女には絶対に負けない──。
孫空女は心の底からそれを強く思った。
「寓天、その孫空女をいくら痛めつけても無駄だ。そんなことではこの女は屈服はせんぞ」
試合場の外から
「そ、そのようですね、玄魔将軍……」
寓天が無念そうに言った。
「……まあ、それだけ鞭が好きなだけかもしれん。この孫空女はあの宝玄仙の雌奴隷だからな。きっと、鞭打ちは調教で何度も受けて大好物なんだろうさ」
静かになりかけていた試合場が笑いに包まれた。
「お前、調教されたことがあるのかい?」
寓天もふっと顔を綻ばせた。
興奮していた様子だった寓天が火箭の軽口ですっと冷静さを取り戻した気がした。
「お、うるさい──。お、お前に関係ないだろう──」
孫空女は、この隙になんとか拘束された身体が解けないかと身体を揺らしながら怒鳴った。
しかし、寓天の切断された鞭状の腕の蔓は孫空女の両手両足と胴体をしっかりと背中の縄に括りつけて離れない。
しかも、長い鞭責めで孫空女の身体は痺れたようになっている。
なかなか指先に力が入らない。
「そうかい……。お前のような女戦士が、実は調教された雌奴隷かい──」
なにが可笑しいのか寓天は試合場の真ん中で馬鹿みたいに笑い出した。
そのとき、はっとした……。
ほんの少しだが孫空女の両手首を締めつけている手の蔓が緩んでいるのだ。
わずかだが手首に余裕ができている……。
それだけじゃない。
全体的な締め付けが緩んでいる……。
もしかしたら、寓天が笑うことで精神集中に影響が生じ、切断した手の蔓を操ることができ難くなっているのではないだろうか。
そうであれば、これは絶好の機会かもしれない。
この寓天に勝利さえできれば、宝玄仙たちと会わせてもらえることになっている。
だから、なんとしても勝ちたい。
身体を拘束している鞭の蔓を振りほどいて、一気に寓天の顔面に拳を叩きつけることができれば……。
筋肉を弛緩されられているとはいえ、孫空女の力はもともと人並み外れて強いのだ。
それなりの攻撃力が残っているはずだ。
寓天は笑い続けている。
やっぱり、だんだんと締めつけが弱まっている。
しかも、もう少しで手首も抜くことができそうだ。
周囲の兵たちも孫空女を野次ってはいるが、いま孫空女が、必死に拘束されている寓天の手の鞭からの縄抜けをしようとしていることには気づいていないようだ。
もっと話を続けられれば……。
「なるほどねえ……。お前が異常に鞭打ちに耐性があるのは、その宝玄仙とかいう女に調教を受けたからかい──。それなら納得だよ。そう言えば、最初の頃に鞭打ちによがっていたじゃないかい。あたしもその時に気がつくべきだったよ──」
寓天がそう言うと、周囲が笑いに包まれた。
孫空女は血が沸騰するような恥辱にぐっと歯を噛みしめた。
しかし、同時に思った──。
こうなったら、恥でもなんでも晒してやる。
もう少しで手が解けると思うのだ……。
それまで、なんとか会話を長引かせるのだ。
「じょ、冗談じゃないよ──。あ、あたしのご主人様は鞭打ちなんて下品な責めはしないんだよ」
孫空女は声をあげた。
寓天は一瞬だけ呆気にとられたようだったが、すぐにまた爆笑した。
それにつれて、さらに身体を拘束している蔓が緩む。
やはり、高い精神集中がなければ、切断された手を操ることなどできないのだ。
これなら、いけるかもしれない──。
おそらく反撃の機会は一度だけだろう……。
その一撃にすべてを託す──。
孫空女は懸命に手首と足首を動かし続ける。もう少しで解ける──。
「じゃあ、どんな調教を受けたんだい? 教えておくれ」
鞭状の手がするすると孫空女の裸身に迫ってきた。
一瞬、鞭打ちの激痛の恐怖が頭をもたげたが、今度の手の蔓は鞭打ちが目的ではなかった。
寓天の胴体から生えている左右の長い蔓の腕が、孫空女の両方の乳房の根元をくるくると掴むとともに、さらに先端で乳首を弄びながら揉み始める。
「はうっ──」
強烈な愉悦が迸った。
すでに全身が媚薬で溶けそうなくらいに爛れきっていたのだ。
しかも、長時間の鞭打ちで孫空女の肉体は、神経が尖りきっているようになっている。
そこに一転して官能責めを加えられるのはつらい。
瞬時に孫空女の身体は身体の芯から沸き起こるような甘美な陶酔のうねりに包まれる。
「あっ、ああっ、はああっ──」
孫空女は堪らず首を左右に振って激しく身悶えした。
その痴態に周囲の亜人の兵たちが手を叩いて悦ぶのがわかった。
「なるほど、これが調教された胸かい……。媚薬を飲まされているとはいえ、普通の反応じゃないねえ……。それじゃあ、こっちはどうだい?」
二本の鞭状の腕の先が、乳房を離して孫空女の股間に伸びた。
細い蔓状の先が孫空女の快感を導きだすように、肉芽や女陰をゆっくりゆっくりと動き続ける。
「んんっ──くうっ……そ、そんなの……」
拘束された身体に快楽の荒波が広がる。
絶頂の予感に孫空女は恐怖した。
格闘の試合の途中でいかされるなど屈辱以外の何物でもない。
しかし、妖しい快感は凄まじい勢いで上昇していく。
「あはあっ、あぐっ……んああっ──」
快感が制御できない。
絶頂の波が襲う。孫空女はなんとかほかのことを考えて意識から股間の感覚を逸らそうとした。
「淫らな顔をするじゃないか、孫空女……。だけど、これから先は、お前のよがり顔に見入っている男たちにやってもらいな。それにしても、本当に淫乱な身体だよ」
寓天が嘲笑しながら、孫空女の股間をまさぐっていた手の蔓をふっと解いた。
孫空女はほっとした。
なんとか、ぎりぎりのところで持ち堪えたと思った。
しかし、安心したのも束の間、今度は鞭状の手の先が孫空女の後ろに回り、肛門のまわりを動き始めた。
「そ、そこは──」
孫空女は狼狽した。
尻はなんといっても孫空女の最大の性感帯だ。
宝玄仙にそうなるように調教されてしまったのだ。
ただでさえ、その場所を愛撫されるというのはなによりの恥辱なのに、それを大勢の亜人の兵が見守る状況で受けなければならないのだ。
孫空女はその屈辱から逃れたくて、半ば無意識に尻を左に右にと動かして、懸命に肛門の入口を蔓先から逃れさせようとした。
「おやおや、反応が激しくなったねえ……。尻を振り立てるほどに気持ちいいのかい。もしかして、ここも調教されているのかい?」
肛門の入口をくすぐるように動いていた腕の蔓がゆっくりとすぼまりの中に侵入してきた。
そして、細い先端になっている蔓先でお尻の中の内襞を一本一本探るように内側から擦ってくる。
「あっ、あはああっ、だ、駄目だよ──い、いく、いくよっ──。そ、そこはだめぇ──」
孫空女は信じられないような刺激に襲われて、一気に快楽の頂点を極めそうになった。
ここがどこでどういう状況であり、誰に愛撫されているのかということも一瞬忘れて、咆哮するように悲鳴をあげた。
すると、肛門に入り込んでいる鞭状の指の先端がぴたりと静止した。
「おお、驚いた……。いく、いくっって……。お前、仮にも試合中だよ。もう少し、慎みのある言葉を吐けないのかい──」
寓天の呆れたような声が聞こえた。
それで、孫空女も我に返って顔をあげた。
寓天が苦笑している。
たったいまの自分の醜態に気がついて、孫空女はかっと恥じ入りたいような気持になって顔を伏せた。
だが、これまで以上に身体を縛っている蔓が緩んでいることにも気がついた。
もう少し……。
あと、ほんの少しだけ時間があれば……。
「それにしても、ここは随分と柔らかい尻穴だねえ……。温かいし、ねっとりと濡れているように体液で湿っているようだねえ……。なによりも、硬さの欠片もないよ。押せばどこまでも拡がるような気もするし、それでいてしっかりと締めつけるんだねえ……」
再び蔓先が孫空女の菊門の中で動き出す。
今度はあっという間に孫空女を追い詰めないように、もの凄くゆっくりと動いている。
そして、するするとさらに奥深くに入り込みながら、ところどころを確かめるように左右に動いたり、回転したりする。
「ああっ……い…………や……く、くうっ……」
それでも孫空女には十分な刺激だった。全身がどろどろになるような快感がゆっくりとせりあがっていく。
周囲の兵たちが歓声をあげるのをやめ、息を呑むように自分の痴態を眺め出しているのがわかる。
しかし、どうしても快感をとめられない。
孫空女は辛うじて残る理性で、懸命に縄抜けをしようともがいていた。だが、蔓のような鞭状の腕の侵入に身体が激しく悶えさせてしまう。
縄抜けにも集中できずに、もう少しのところで手首と足首の蔓が外れない。
蔓が妖しい抽出を始めた。
「うはあっ……あはあっ……ああっ──」
孫空女は身体を弓なりにして叫んだ。
脂汗にまみれている身体からさらに汗が噴き出す。
「……それにしても、ここは綺麗に洗っているようだね。いつもそうしているのかい、孫空女?」
寓天が孫空女の肛門を弄びながら笑って質問した。
「う、うるさい……。と、特別の……あっ、ああっ……あ、洗い粉で……き、きれいに──。そ、それが……ご、ご主人様の……言いつけ…………あむうっ……うぐうっ……」
蕩けるような声が口から漏れ出る。
手首が抜けるのがもう少し……。
もう少しなのに、最後がうまくいかない……。
少しでも時間を稼がなければ……。
それを思って、孫空女は恥を承知で宝玄仙の尻穴をいつもきれいにしろと命じられていることを話した。
「さて、お遊びはこれくらいでやめるかい──」
すっと尻穴から蔓が抜けた。
同時にかなり緩まっていた身体の蔓がぎゅっと元の締めつけを取り戻してしまった。
「あっ──」
思わず孫空女は叫んだ。
すると寓天が爆笑した。
「お、お前って……、本当に馬鹿正直だねえ……。密かに縄抜けをしようとしていたのは気がついていたけど、失敗したとしても、次の機会を待つために、それを隠すというようなことはしないのかい──。まあ、もっとも、いまのは拘束から抜け出せないくらいにわざと緩めていたんだけどね……。そうすれば、時間を稼ごうと思って、聞かれたことをなんでも喋るんじゃないかと思ったからね──。そうしたら、お前って、まったくこっちの思い通りに動くんだねえ──。根が正直なのはよくわかったよ──。可愛いものさ……」
かっとなるととともに愕然とした。
寓天は孫空女が縄抜けをしようともがいているのを十分に知り抜いていて、意図的に緩めていたのだ。
孫空女の心に寓天の手の上で踊らされているという屈辱が湧きたつ。
「さて、いずれにしても、遊びはもうしないよ……。あたしの鞭とお前の精神力の勝負といこうじゃないかい──。こうなったら、なにがなんでも、お願いだから犯してくれという言葉を言わせてやるよ」
寓天の顔から笑みが消えて、孫空女を睨んだ。
*
「ふ、ふざけるな──下衆女──」
憤怒の塊りを表に表しながら孫空女が叫んだ。
感情が噴き出すような孫空女の悪態に、寓天は呆気にとられたが、それは周囲の亜人の男たちも同じのようだった。
室内訓練場全体に響き渡った孫空女の強気の言葉に、周囲に一瞬だけだが静寂が訪れた。
もっとも、次の瞬間には再び、人間族の女戦士を裸にして鞭責めにしているという興奮の熱気に戻ったが……。
寓天は鞭打ちの手を休めて、胴体の横から出ている二本の鞭状の腕を身体に戻した。
訓練のために身に着けていた薄い鎧下の肌着の下は汗でびっしょりだ。
それにしても一体全体、この人間族の女ひとりにどれだけの鞭打ちを浴びせたのか……。
寓天の記憶にある限り、この半分の数だって、いままでに獲物に浴びせたことはない。
しかも、相手は完全に拘束されて抵抗の手段をすべて奪われている若い人間族の女なのだ。
寓天の鞭を受ければ、普通の獲物だったら十発ももたない。
どんなに屈強な亜人の戦士でも二十発も寓天の鞭を浴びせれば音をあげる。
もうやめてくれと泣き叫び、哀れに媚びはじめる。
それなのにこの孫空女は、もう百発以上は耐えている。
最初だけで八十発は喰らわせた。
休憩をして乳房と肛門を少しばかり弄くってからも、五十発は浴びせたと思う。
寓天の鞭は左右からの一打ずつで一発と寓天は勘定している。
だから、実際にはその倍の数を浴びせたことになる。
それでも、まだ孫空女は悪態をついてみせる……。
それでも、気丈に虚ろな顔で寓天を睨み返してくる……。
それでも、まだ自分の脚で立っている。手足と胴体を縛って倒れないようにしているといえどもだ。
どうして、これだけの精神力を保ち続けることができるのか……?
失禁だって一度ならず、二度もした。
その恥辱だって耐えがたいものであるはずだ。
それなのに、まだ堕ちない──。
その様子さえない……。
久しぶりに寓天が味わった敗北感だ。
しかも、寓天が拘束された人間族の女を鞭で責めて、手こずっているという状況をこれだけの兵に見られている。
それが寓天の汚辱をさらに濃いものにしていた。
実際のところ、この孫空女に与えた鞭打ちの数は覚えていない。途中で数えることも放棄した。
いずれにしても、寓天には敗北は許されない。
敗北というのは、最後まで孫空女に屈服の言葉を言わせることなく、この鞭責めが終わることだ。
気絶させるほどの苦痛を与えることも、殺すことだって簡単にできる。
しかし、それは寓天の敗北と同じだ。
この状況で孫空女に致命傷を与えることは、寓天の恥を上塗りすることにしかならないし、第一、この孫空女はいずれは、北の地を治める金凰魔王に性奴隷として献上されるという。
傷を残すような鞭打ちは許されていないのだ。
その制限があるからといって、この孫空女を陥せなかったというのは通用しないだろう。
この汚名をそそぐには、なんとしても孫空女に屈服の言葉を口にさせるという完全勝利しかない。
「下衆女という言葉を取り消しな、孫空女──」
寓天の鞭が一度床を叩いて、その勢いを残したまま孫空女が開かされている股間を真下から上に突きあげるように打擲した。
孫空女は獣のような絶叫をしてがっくりと身体を脱力させた。
孫空女の意識が飛んだことは明らかだ。
しかし、二発目の鞭が胸に当たり、胴を抉って股間を舐める。
とまっていた孫空女の身体が左右に動いて悶えるような仕草を見せる。
孫空女の飛んでいた意識が戻ったのだ。
しかし、孫空女は完全に全身をうな垂らせたまま、荒い息を肩でするだけだ。
「とりあえず、下衆女というのを取り消しな──。さもないと、まったく同じ鞭を浴びせるよ」
すると孫空女の身体がびくりと震えた。
鞭が痛くないということではないことは、それでわかる。
孫空女の顔があがる。
その表情には明白な怯えがある。
さっきの鞭は堪えたのだ。
力を加減してあるとはいえ、股間への鞭の直撃だ。女にとって、これほどの恐怖はないだろう。
それを股を開いて拘束された無防備な股間に受けなければならないのだ。
股に響く鞭打ちの痛みはただの痛みではない。
神経を抉り、脳天そのものに痛覚を送り込むような激痛だ。
耐えられるようなものではないはずだし、その証拠に一瞬だが孫空女は覚醒のための鞭打ちを与えなければ、そのまま失っていたに違いない気絶をしているのだ。
「と、取り消すよ……」
孫空女は口を開いた。
やっと、屈伏らしい言葉を口にさせることに成功したという安堵感が寓天を包んだ。
これなら、もう少しかもしれない……。
「……あんたは糞女だ……」
続く言葉を孫空女は朦朧をしている顔で口にした。
寓天は怒りよりも、この孫空女に怯えのようなものまで感じた。
この女はなんなのだ……。
これだけの苦痛をどうして耐えられるのだろう。
同時に、この女を性奴隷にしているという宝玄仙という女に少しだけ興味を抱いた。
確か、仮りの魔王宮としているこの城郭の元の州伯の屋敷の地下に監禁されているはずだが……。
「まだまだ、元気のようだね。嬉しいよ、孫空女──」
寓天は孫空女への鞭打ちを再開した。
雨垂れが孫空女に落ちるように、寓天は左右の鞭を孫空女の全身に浴びせ続けた。
もう、孫空女の鞭打ちによる蚯蚓腫れは全身に及んでいる。
この玄魔隊には、負傷などあっという間に治療できる魔薬がふんだんに準備されているので傷が残ることはないと思うが、寓天もその魔薬の治療の限界寸前までの激しさを孫空女に与え続けている。
あと何回打てばいいのか……。
十発?
二十発?
寓天の経験では、とっくの昔に孫空女の崩壊は起きているはずだった。
しかし、孫空女は半分意識を失いながらも、まだ気丈さを保ち続ける。
寓天は息切れを感じて、鞭打ちを再び中断した。
そして、再びこの孫空女の女主人だという宝玄仙のことを考えた。
一体全体、この女をどうやって落としたのか訊ねてみたくなったのだ。
寓天は鞭状の手を伸ばして、すっと孫空女の太腿の内側を擦った。とたんに孫空女の身体が弾かれるように動いた。
「ひうっ、や、やめ……」
「ここが効くようだね……」
寓天はそのまま鞭の腕の表面で股間の付け根を擦った。
「あっ、あはあっ……い、いやあっ……あ、ああっ……」
股に与える刺激で孫空女が悶えだした。
寓天も呆れるくらいの反応だ。
もともと、強烈な媚薬を飲まされすぎて股倉が洪水のように愛液でべしょべしょになっていたが、ほんの微かな刺激だけでまるで尿を洩らしたかと思うような体液が孫空女の両方の腿に流れ出す。
だが、すでに二度の失禁で膀胱にはなにも残っていないはずだ。
だから、この大量の汁は紛れもなく孫空女自身の愛液なのだ。
「や、やめ……ないか──、この……糞女──」
孫空女は叫んだ。
寓天にはそれが孫空女の最後の余力であるように感じた。
孫空女は追い詰められている。
それはその表情からわかる……。
しかし、同じことを何度も思った。この女はもうすぐ堕ちるのだと……。
そう思って鞭打つのだが、結局は堕ちない……。
そして、繰り返し……。
寓天は孫空女の股間を束の間、刺激し続けた。
孫空女は驚くような激しさでよがり狂っている。
あれほど痛みには耐えるのに、全く快楽には恐ろしく弱いものだ……。
その格差に呆れてしまう……。
寓天は孫空女を悶えさせながら苦笑した。
痛みにはこれほどの精神の防壁を示してみせるのに、快楽には他愛なくすべてを受け入れていまう……。
それでふと思った。
快楽を与えながら、鞭の苦痛を与えればどうだろうか……?
孫空女の強靭な精神の防壁は崩壊し、剥き出しの精神に鞭の攻撃を受けることになりはしないか……。
寓天はいまだ股間近くを触れさせたままだった蔓手の先端を切り離して、孫空女の股間に残した。
ゆっくりと股間の頂点の陰核に向かって進ませる。
「ひいっ──」
孫空女の顔が怯えそのものになった。
なるほど、そういうことか……。
この女の責め方がわかった……。
寓天はほくそ笑んだ。
「あはあっ、こ、これはやめて──あはあっ、あっ……ああっ……」
股間に残したのはほんの指ほどの長さの先端だ。
それが孫空女の肉芽に至ってその周りを擦り動かした。
孫空女の身悶えは激しいものになり、孫空女の顔から一切の気丈さが消滅した。
「それっ──」
寓天は再生させた腕の鞭を孫空女に浴びせた。
「あがあああっ──」
孫空女が吠えるように絶叫した。
二発目──。
また孫空女が悲鳴をあげた。
あれだけ声をあげなかった孫空女は、いとも簡単に悲鳴をあげている。
そのあいだも肉芽を責めさせている蔓手の先端は孫空女の股間を刺激し続けている。
快感による悶えなのか、鞭打ちによる痙攣なのかわからないが、孫空女の身体から小刻みな震えがとまらなくなった。
五発──。
十発──。
十二発……。
孫空女は完全に常軌を逸したに状態になった。
快感と苦痛──。
それを同時に与えられて、孫空女はどちらにも備えられなくなって狂ったようにもがき出した。
「どうしたい、孫空女──? まだまだ、続けるかい?」
寓天は言った。
堕ちる──。
確信した。
すでに孫空女の意識はほとんど残っていない。
それなのに、痛みと快感で無理矢理に意識を保たされた半覚醒状態になっているのだ。
もう、意思など残っていない状況だ。
「ゆ、許して……。も、もう、打たないで……」
ほとんど聞き取れないような声だが、孫空女の唇がわずかに動いて、その言葉を口にした。
寓天の身体に激しい愉悦が湧き起こった。
ついに、その言葉を孫空女から引き出したのだ。
寓天は再び鞭打ちの態勢を取り直すと、これまでで最大の激痛を孫空女に浴びせた。孫空女の気を失わせることを目的とした一発だ。
「あがあああっ──」
乳房と股間に鞭打ちを浴びた孫空女は、身体を大きく弓なりにして激しく痙攣した。
そして、拘束された身体を完全に脱力させて、孫空女はついに前のめりに倒れていった。