「こ、こんなの戦いになるかよ──。は、離せ──。離せよう──」
孫空女は試合場の真ん中で喚いた。
やがて、やっと孫空女を解放した獣鬼が離れ、濡れ雑巾のようにくたくたになった孫空女の身体を投げ捨てるように獣鬼が放り捨てて去った後、なにかを
しかし、なにも覚えていない。
もしかしたら、また失神したのかもしれない。
とにかく、激しすぎる快感の余韻が少しはまともな状態に戻り、かすみのかかった視界が戻ると、孫空女はいつの間にか、自分がまたおかしなことをされていることに気がついたのだ。
右手首と右足首、そして、左手首と左手首が密着して動かない。
それぞれの手首足首に嵌められている革帯の拘束具によるものだが、孫空女はそんな状態でうつ伏せにされて、試合場の真ん中に放置されていたのだ。
自然とお尻だけが突きあがった格好になっている。
孫空女の抗議を聞いて火箭が大きな声で笑った。
「なにを言ってるんだい、孫空女──。試合場の周りの見物人に向かってお前の汚い精を放ちまくったお詫びに、次の試合は手足の拘束という条件を受けるということに承知したのはお前だぞ──。ここにいる全員が証人だ」
試合場の外から火箭が言った。
「そ、そうだとしても卑怯じゃないかい──。あ、あたしが朦朧としているときに、そんなことを言うなんて──」
「試合中に朦朧となるのが悪いんだろう、孫空女──。それにしても、お前もなかなかに頑強な身体しているよなあ……。あれだけ男と射精と女の絶頂を繰り返しさせられて、完全に抵抗の気力も萎えたのかと思えば、そうやって少しばかり休ませれば、たちまちに元気を取り戻すんだからなあ……。まあ、お陰で対戦者たちも張り切りまくっているが……」
「う、うるさい、卑怯者──。男の屑──。女を拘束して寄ってたかって乱暴するなんて、男の屑がやることだ──」
孫空女は喚き続けた。
「そんな尻だけを高くあげたみっともない恰好でなにを言われても迫力ないぜ、孫空女──」
火箭の言葉に周囲の見物の亜人の兵からもどっと笑いが起こった。
「まあまあ、わしと遊ぼうじゃねえか、孫空女やら……。お前さんを拘束するのは、わしの要求でな……。わしはほかの連中とは違って、戦士じゃねえんで手足を縛るのは勘忍してくれな……」
「な、なんだよ……、お前──?」
孫空女はうつ伏せにされている顔をあげた。
試合場に入ってきたのは老体の亜人だった。
ほかの対戦者は、女だった寓天を除いて上半身が裸体だったが、この老体の亜人はきちんとした服を着込んでいる。
身体つきも筋肉質とはいえず、どちらかといえば痩身だ。
「わしの名は
寿公がゆっくりと近づいてくる。
「ふ、ふざけるな──。だ、だったら、やらなきゃいいじゃないかよ──」
孫空女は悪態をついた。
同時に寿公の声に覚えがあることに気がついた。
獣鬼との対戦のとき、最初に尻を犯されそうになる直前に、孫空女の精液を潤滑油にしろと、試合場の外から叫んだ声があったが、それはこの寿公だったようだ。
寿公が孫空女の腰の後ろに胡坐で座った。
その寿公に孫空女は更に文句をいい続けた。同時になんとかこの寿公を攻撃する手段はないかと全身をもがかせた。
こんな老体の亜人だったら、たったの一発でも頭突きが当たれば伸すことはできるだろう。
たったの一発でいい。
そして、三連勝すれば宝玄仙に会わせてもらえるのだ……。
しかし、左右の手足首をそれぞれに密着されて拘束されている孫空女は、この老体の寿公が片手で腰の上を押さえただけで、もう逃げることはできなくなる。
「……お前たち、この孫空女は儲けものだぞ──。すっかり尻の調教の終わっている雌など、亜人でも人間族でもそうはお目にはかかれんのだ……」
寿公の言葉は周りの観客に語っているものだ。
さっきまでの戦闘のときとは異なって、試合場の周りの亜人たちは、静かに寿公の言葉を聞く態勢になっている。
「……女というものは膣や肉芽だけでしか絶頂することはないと思うておる者もいるかもしれんが、実は全身のどこだって性感帯はある……。足の指だけでも絶頂させられるし、脇の下でも同じだ。それが開発された女というものだ……。特に肛門なんていうのは、開発さえすれば、膣以上の快感を覚える場所になるし、ここで性交をするというのは男も膣とは違う快感を味わえる……。だが、女でも男でも、尻で性器を受け入れられるようにするには、それはそれは長い根気と調教が必要なのだ──。だが、わしの見るところ、この孫空女は完全に尻を調教されておる。完成品だ──。わしは肛門専門の性技で爺になったが、お前らにもこの世界を味わって欲しいものだ」
寿公が喋り続ける。
しかし、寿公はそれを孫空女のお尻に指を挿入し、孫空女の肛門の内側を刺激しながら喋っているのだ。
孫空女は寿公の指先から送られる疼きに耐えられずに、なんとか指を出そうと腰を振るのだが、どうしてもそれができない。
それどころか、込みあがる快感にどんどん力が抜けていってしまう。
「……挿入の後で、先に便が付くのが気になる者は、浣腸を事前にしておけばいいが、この孫空女のように丁寧に洗うだけで十分じゃ。それで便は付かんと思う……。まあ、付いても洗えばいいだけのことじゃがな……」
寿公が語りながら孫空女の肛門に指で愛撫を続ける。
その指で肛門の中を擦りあげられるたびに、孫空女の全身を蕩けさせるような甘い痺れが駆け抜ける。
「んあっ……ひっ……あっ、ああっ……」
試合場に孫空女の嬌声だけが響き渡る。
どんなに抵抗したくても、肛門を刺激されれば快感の大波に襲われる身体にされている孫空女は、寿公の指でひたすら快感をむさぼっていた。
その結果、しんとなった試合場の中に孫空女の嬌声だけが響きわたることになってしまう。
それが孫空女の恥辱と屈辱を激しく助長する。
「……尻で性交をやるときは、最初はこうやって指でほぐせ──。一本を抵抗なく受け入れるようになれば二本。二本が受け入れられれば指三本だ。指三本が簡単に入ったら、いよいよ性器だな……。また、肛門をほぐすあいだは、できるだけ女の快感が昂ぶるように、尻以外でも快感を加えてやるといい……。尻を刺激しながら、膣と肉芽と乳房を交互に刺激してやるのが“四箇国責め”という技だが、どんな女でもそれで堕ちん女はおらん……。もっとも、この孫空女はそんな面倒は必要ない……。ここを擦ってやればいいからな」
寿公が孫空女の股間に挿されている張形に手を伸ばした。
「や、やだ──。も、もうそれ、やめて──」
孫空女にはもう意地もなにもなかった。
さっきの獣鬼との対戦で強要された激しい連続射精を思い出して恐怖した。
しかし、寿公はそのまま孫空女の身体を裏返しにして、仰向けにしてしまった。
孫空女は両手を左右の足首に密着したまま、股を大きく開いて天井を向くという羞恥の格好にされた。
しかも、孫空女の股間からはそそり勃った白い張形が天井を向いている。
「こ、こんな格好、やだよ──」
孫空女は慌てて股を閉じようとするが、寿公に簡単に膝を押さえられて閉じられない。その孫空女の張形の部分に寿公がなにかを被せた。
「ひっ──」
突然に熱い張形にひんやりとした感覚が伝わった。
慌ててその部分を見ると、白い張形全体を覆うような粘土質の筒が被せられている。
「な、なんだよ──?」
孫空女は叫んだ。
しかし、返事の代わりに、張形に包まれたその筒が突然に蠕動運動を始めた。
張形の根元から先端にかけて圧迫感がせりあがっては、また根元から繰り返す。
そんな運動だ。凄まじい速度で孫空女に装着されている模造男根に快感が込みあがる。
「はああっ──だ、だめえっ──」
張形に刺激を受けると、男の快楽が急上昇して、子宮にもそれが響く。
そして、どんどんと女の絶頂感も込みあげるのだ。
その女の快感がさらに男の快楽を昂りらせていく。
そうやって、ふたつの性がお互いに共鳴して孫空女の全身に意識を跳ばすような激しい愉悦を拡げていくのだ。
「あががが……。はひぃ──も、もう、やだあ──」
孫空女はもうなすすべなく、断続的に駆け抜ける背中の電撃に激しく声をあげるだけしかできない。
「ほほほ……。激しいのう……。わしは尻穴の性交に慣れておるんで、みなに教授するために試合場にあげられたのだが、その霊具はいいじゃろう……? わしが若い男奴隷を相手にするときに、尻を犯しながら、それを装着させるのだ。尻を犯されながら、性器を刺激されると堪らんじゃろう……? わしはその霊具で男奴隷に空射ちするまで射精をさせながら、尻を犯し続けるのが好きなのじゃが、女のお前の場合は空射ちというのはないであろう? まあ、好きなだけ達してくれい──。さて、お前ら……」
孫空女に語りかけた後、寿公は再び、試合場の外に語りかける態勢に戻った。
そのあいだにも、孫空女の張形を包む霊具の蠕動運動はだんだんと強くなる。
突きあがるような快感が張形の根元付近に集まった気がする。
そして、それがだんだんと張形の先端部に込みあがっていく。
大勢の亜人の兵の前でみっともない大股開きにさせられ、器械のような淫具に股間を刺激されてよがる姿を晒されるなど、舌を噛んで死んでしまいたいくらいの恥辱だ。
しかも、刺激を与えているのは寿公の性器や手ではなく、ただの淫具だけというのも、孫空女の恥辱を煽り立てる。
しかし、孫空女はその屈辱に歯を喰い縛った。
宝玄仙や仲間を助けるためなら、いくらでも命を投げ出せるが、自殺なんかで命を無駄にはできない。
血も凍るような恥を晒しても、宝玄仙たちを助ける努力をするのだ──。
孫空女はぐっと拳を握った。
「……大事なことだが、尻に性器を挿す場合は、必ず潤滑油をたっぷりと使え──。この孫空女の尻は開発されきっておるようだから乾いていても、それなりに肉棒を受け入れるようだが、本来はたっぷりと潤滑油を塗らねば、男であろうと女であろうと、尻にものを挿されれば痛いだけだ。それに、潤滑油には病気の素を防ぐという役割もある……。ここは本来は性交をする場所ではないからのう……。これから孫空女と試合をする者には、わしの潤滑油を貸してやろう……。いや、しばらくは、この孫空女はこの試合場でお前らと順番に試合をするのであろうから、この試合場を囲む柱の幾本かに備え付けておいてやるぞ──」
寿公が周りの亜人たちに喋り続けている。
同時に寿公は下袴を脱いで、なにかの容器から垂らした油のようなものを自分の一物に垂らしているようだ。
見た目の老体のわりには、逞しい道具のように思えた。
しかし、孫空女にはもうそれ以上はなにもわからなくなった。張形に加わる刺激がいよいよ孫空女を追い詰めるのだ。
孫空女の身体が、完全に孫空女の意思を裏切って暴走をはじめる。
寿公の様子が知覚できなくなる。
孫空女はどんどんとあがっていく股間の快感に狼狽した。
一度加速すると、もう自分の性の昂ぶりが止まることがないのを孫空女は知っている。
そして、孫空女の身体に、また津波のような性の暴流が襲ってきた……。
来た……。
射精の高まりを自覚したときには、すでにおかしな性具に張形を包まれたまま射精をしていた。
仰向けで天井を向いている孫空女の股間の張形からぴゅっと精液のようなものが迸る。
それでも、張形を包む霊具の運動はまったくとまらない。
いまや、孫空女のもうひとつの性器のようになっている張形を刺激して、孫空女に快感を与え続ける。
どんどん快感が高まっていく……。
「腰を振りだしたぜ──」
「ほんとだ──。自分から腰を振っているぜ──」
「淫乱──」
誰かが興奮して叫ぶのが聞こえた。
それとともに、比較的静かだった試合場が騒然となりはじめる。
「う、うるさい──。そ、そんなこと……。ま、また、来る──。ひいいっ──」
その揶揄に孫空女は大きな羞恥を感じて、首を横に振った。
自分で腰を動かすなど、そんなことありえるわけかないのだ。
だが、本当は、身体を天井に向けて脚を拡げさせられたまま、いやらしく腰を動かしているのだろうか……?
確かに、張形に装着されている淫具の蠕動運動に合わせるように腰が動いているのだが、それが自分の意思なのか、器械の振動に強要されているものなのか、もう自分でもわからない。
「なるほど……。腰がとまらんか……。やっぱり、女じゃのう……。それが女の本能というやつか……。いや、淫乱女の本能じゃな。お前の身体が貪欲に性をむさぼるのよ……。さてと……、そろそろ本番といくかのう」
寿公が再び孫空女の身体をうつ伏せに戻す。
そのあいだも、張形を包む淫具の運動は続いている。
孫空女が二度目の射精をしたのは、孫空女の身体を裏返しにした寿公が孫空女の肛門に圧迫を加えはじめたときだった。
「うおおっ──あはああっ──ひあああっ──」
悲鳴のような声が止まらない。
潤滑油を塗っている寿公の怒張は、なんの抵抗もなく孫空女の肛門に吸い込まれていく。
「敏感な猫じゃな……。そんなに腰を振りたておって……。それ程までに気持ちいいか──」
「う、嘘だ──。嘘だ──。嘘だ──あはあっ……」
孫空女は喚いた。腰を振っていると指摘されて、激しい屈辱感が孫空女を襲う。
媚薬を飲まされ、淫具に苛まれて、強引に快感を加えられるのは仕方がない。
しかし、それでも、快楽を自ら貪るために腰を振っているなどと言われると、孫空女の最後の誇りまでも失われた気になるのだ。
「嘘なものか……。お前は腰を振り立てておるわ。まるで馬のように暴れおる」
寿公がからかうように言った。見物人たちも寿公の軽口に大喜びだ。
周囲の亜人たちが、孫空女が腰を振ってよがっていると大きな声で繰り返して、孫空女の屈辱感をあおりたてる。
寿公がさらに孫空女に男根を突き入れていく。
泣くような快感が全身に拡がる。
もうはっきりと自覚ができるほどに孫空女の身体は悶え狂っている。
「さて、挿入した後の性器の律動については、激しい律動はいかん。ゆっくりと擦りあげて、長い時間の肛姦を愉しむつもりで臨むのだ……」
孫空女の尻に深く性器を挿入した寿公が大きな声で試合場の周りの亜人たちに尻姦のやり方について説明を続けている。
孫空女はそれを耳にしながら、肛門と張形の両方からやってきた快感のうねりにひたすら翻弄され続けた。
やがて、孫空女は断末魔のような雄叫びをあげて、全身を弓なりにした。
意識が白い光に包まれ、頭の中で次々になにかが弾けていく気がした。
「ああ……ああはあっ……ああがあああっ──」
激しく絶頂した……。
同時に射精もした。
がくがくと身体が震える。
そして、自分の身体に信じられないことが起こった。
次から次へと男と女の絶頂感が繰り返し襲いかかり、それに応じて、まるで壊れた玩具のように張形から連続で精が迸り出したのだ。
周囲から怒号のような歓声がした気がした。
「ほうほうほう……。男性器からの連続射精など初めてみたわい……。何度も絶頂できる女の身体ならではの現象じゃな」
寿公が説明の声を一時中止して孫空女の乳房を掴んで身体を持ちあげた。
「ひぎいいっ──」
しかし、孫空女はいま自分がどうなっているかがわからない。
とてつもなく激しくなっている張形を包む霊具の蠕動運動と、巧みな寿公による尻穴への刺激に孫空女は、さらに断続的な精を飛ばし続けた。
「ああ……ひああ……あああ……はあ……はあ……」
凄まじい連続射精は、孫空女の痙攣が収まるまでしばらく続いた。
ふと見ると股間の前にはまるで尿を垂らしたような孫空女の精が散らばっている。
「も、もう……か、勘忍して──」
とにかく射精が止まって、少しは余裕が生まれるが、それもほんの少しだ。
また、次の大きな波がやってこようとしている。
張形への蠕動運動と寿公の肛姦は続いているのだ。孫空女の痴態を晒すために、引きあげられた身体を再び倒される。
そんな孫空女に大きな舌打ちが聞こえた気がした。
「まるで、淫売だな……」
朦朧としている頭に、歓声に混じるその声だけが、いやにはっきりと孫空女の耳に届いた。
その声は玄魔だった。
気がつくと、自分は玄魔の座る眼の前で寿公に尻を犯されていたようだ。
「最初は少しは期待したが、やはり戦士などではなく、ただの淫売であったわ──。さて、俺は行くぞ、火箭──。今日の既定の人数が終われば、孫空女は軍営に連れていって、食事と身体の手入れをさせろ……。明日も同じ人数だ。その次も……。その次の日もだ。毎日、繰り返し、ここで尻を犯し続けろ──」
玄魔がそう言って立ちあがった。
火箭が陽気に返事をして、玄魔を見送る態勢になった。
玄魔が立ち去っていく。
立ち去る瞬間、少しだけ孫空女の顔を玄魔が捉えた気がした。
孫空女に対する興味を全く失った……。
そんな蔑みの視線のようなものを孫空女は、玄魔の表情に感じた。
待って……。
ご主人様に会わせて──。
孫空女はそう叫ぼうと思った。
しかし、自分の口から出るのは、悲鳴のような嬌声だけだ。
遠ざかる玄魔を眼に捉えながら、孫空女はもう何度目かわからない射精と絶頂の同時襲撃の快感に全身を大きく仰け反らせた。