※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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483 十日目の条件達成

「うあああああっ」

 

 あっという間に、絶頂が訪れそうになった。

 孫空女は、左右から四人の男たちに裸体を押さえられ、うつ伏せの体勢で膝を曲げた状態を強要されている。

 つまりは、尻だけを上に突きだした格好だ。

 また、両手は背中側で水平に曲げて、両腕をまとめて革帯を巻きつけられている。

 しかも、両手首と両足首には、相変わらずの筋力を弛緩される霊具を装着されている。

 さすがの孫空女でも、これでは抵抗のしようがない。

 その孫空女の尻の穴に、亜人のひとりの男根がめり込んでくる。

 

「ほら、またいくのか?」

 

 身体を押さえている男の亜人のひとりが、孫空女の股間に埋められている双頭の張形をぎゅっと揺すって乱暴に動かす。

 この亜人兵の軍営に連れて来られてから、ずっと装着されている淫具であり、外に出ている部分を刺激すると、それに応じた刺激が埋められている孫空女の膣内に加わるという仕掛けなのだ。

 電撃のような衝撃が股間を貫き、脳裏に閃光が走る。

 こうやって、少しでも孫空女が抵抗を示すと、亜人兵のひとりが容赦なく、孫空女の股間に突き出ている張形を動かすのだ。

 すると、快感が股間で爆発して、孫空女はもうなにもできなくなる。

 これがもう何刻も繰り返されていた。

 いや、何日もだ。

 多分、十日目……。

 孫空女は、相変わらず、この玄魔隊という亜人軍の一隊の軍営に監禁され、亜人兵たちとの全裸試合という名の凌辱の日々を送っていた。

 

「尻穴と股ぐらとどっちが気持ちいいんだ? まあ、どっちにしても、もう我慢できないんだろうがな」

 

 張形による刺激を与えられながら、孫空女のお尻の中に男根が挿入される。

 そして、数回抽送される。

 

「いぐうううう」

 

 孫空女はまたしても、絶頂してしまった。

 

「おうおう、締めつけやがるぜ──。あっ、出ちまった」

 

 尻を犯している亜人が残念そうに舌打ちし、ぶるりと腰を動かした。

 精を放ったのだろう。

 

「ふた擦りか、三擦りか? 早漏すぎるじゃねえか」

 

 股間の張形を動かしている亜人がその様子を見て、げらげらと笑う。

 

「う、うるせい──。仕方ねえだろう、それだけの締めつけなんだ。畜生、これでも喰らえ」

 

 尻穴の中に精液とは違う熱いものが迸り出す。

 小便だ。

 この数日のこの連中の遊びであり、全裸試合を強要されている孫空女を試合の場で肛姦するとき、精を放った後、わざと尻穴の中で放尿をするのである。

 

「ひいいい、やめえええ」

 

 孫空女は身体を弓なりにして絶叫した。

 しかし、亜人たちに四人がかりで押えられて、さらに膣の感覚に繋がっている張形を擦られるのだ。

 快感で力が抜けて、孫空女は暴れることができなくなった。

 あとは、ただ受け入れるだけである。

 今日は、これでもう三回目だ。

 前の二回で込みあがってい便意に、さらに強い便意が襲い掛かる。

 

 最初は、たまたま尿意があった亜人がほんの気まぐれで、孫空女の尻の中で小便をしただけだったが、あまりにも孫空女が悲鳴をあげたので、面白いと言い出して、かなりの頻度でこれをされるようになった。

 試合をされながら、尻を犯されては浣腸をされているようなものであり、孫空女もすでにかなりの便意を覚えている。

 だが、排便など、決められている一日の全裸試合の回数をこなすまで許されることはない。

 しかも、この稽古場のような場所の壁に鎖で繋げられて、亜人たちの視線を浴びながら木桶にするのである。

 その恥辱はとても耐えられるものじゃなかった。

 

 だが、こんな日々がもう十日近くも続いている。

 今日の試合の条件は、五対一というものだ。

 しかも、孫空女は背中で拘束をされた状態での格闘の試合である。

 さらに、いつものように、試合の前に強力な媚薬をたっぷりと飲まされた。

 膣に挿入されている双頭の張形は、孫空女の発情の度合いに応じて、本物の男根同様に勃起するようだが、媚薬を飲んでしまうと、限界までそそり勃ち鎮めることができなくなる。

 こんな条件で勝てるわけがない。

 

 しかし、やるしかないのだ──。

 この馬鹿げた格闘試合を孫空女に強要させている玄魔(げんま)という隊長は、三人連続で勝てば、孫空女を宝玄仙に会わせると約束をしたのである。

 勝たせるつもりなどないとわかっていても、孫空女はこれを続けるしかない。

 

「じゃあ、交代だ」

 

 孫空女の尻から男根を抜いた亜人男が縄で作られている試合場から外に出ていく。

 入れ替わるように、別の亜人が入ってきた。

 こうやって、人を入れ替えながら、今日はずっと五人ずつの男と戦わされている。

 いや、戦うといっても、まともな試合でもあり得ず、孫空女はただ試合にかこつけて凌辱をされるだけの話である。

 

 次こそ──。

 それでも、孫空女は一縷の望みを賭けて、この卑怯者たちと戦い続けている。

 だが、十日近い日々の中で、孫空女は一度も、玄魔との賭けの条件である三連続勝利というものに成功をしていなかった。

 

 とにかく、拘束をされ、媚薬を飲まされ、霊具によって力を封じられ、しかも、時には今日のように、ひとりで複数の相手と同時に戦わされる。

 そんな卑怯な手段を使われて、どうしても勝てない。

 相手がひとりのときでさえ、股間の装着されている淫具の張形に触れられると、たちまちに脱力して、抵抗できなくなるのだ。

 そして、犯されて、尻に精を注がれる。

 

 一日に試合という名目で何十回も犯される。

 とにかく、一日という時間が終わるまで、数十回も犯されるだけを繰り返すだけなのだ。

 そして、夜になれば、孫空女の首と四肢に枷が付けられて、この道場の壁に繋がれる。

 兵たちも多くはここで寝るのだから、与えられる食事も排便も、そんな兵たちに見られながらだ。

 夜も満足には休ませてもらえない。

 壁に繋がれている鎖は、操作具で伸縮自在なので、壁に密着するほどに鎖を短くされると、孫空女は完全に動けなくなる。

 そんな身体を刺激されて悪戯され、敏感すぎる孫空女がよがるのを見物しながら、亜人たちに精を掛けられるのだ。

 やっと夜中になり、亜人兵たちが眠りにつくと、孫空女は眠りにつく。

 そして、泥のように眠り、また翌日の全裸試合に挑むというわけだ。

 

 だが、そんな無理な条件の試合だが、こうやって続けば、だんだんと孫空女も慣れては来る。

 次第に、一勝、ときには、二連勝ということもできるようになってきた。

 しかし、そんなときには、すぐに媚薬を強引に追加で飲まされたり、全身を完全拘束さえて試合をさせられたりする。

 二連勝の後は、まともには戦わせてももらえず、張形に振動する淫具を装着されたりしたこともあった。

 そのときには、試合中に何度も張形から蜜を吐き出し、孫空女は気絶してしまった。

 この繰り返し……。

 

「じゃあ、次は俺の番だな」

 

 ずっと張形をいじっていた男が手を放して、孫空女の尻側に移動しようとした。

 がっしりと押さえている亜人男が四人から三人になる。

 そして、五人がかりの試合は、昨日から始まった。

 これ以前は、比較的強い相手と一対一というのが多かったが、この二日の相手は一般兵のようだ。

 しかし、五人がかり。

 あっという間に、寄ってたかって押さえられて、尻穴を変わるが変わる犯されるだけなのだが、どうやら、最初の日にまともに、ふたりほどのしてしまったので、それ以降、孫空女と試合をするのは、ある程度の実力以上のものと限定をされてしまったらしかった。

 だが、孫空女が異常に快楽に弱く、快楽漬けにすれさえすれば、ただの兵でも勝てるということがわかり、昨日ぐらいから五人一度にという条件で、一般兵にも孫空女の相手が回ってきたということのようだ。

 

「だが、犯すのは尻穴だけというのは、ちょっと寂しいな。俺は前の穴がいいんだがな」

 

「贅沢いうなよ。だが、これで小便も三度目だろう。そろそろ、出させようぜ。突っ込んだ性器が汚れたら興ざめだしいな」

 

「そんな軟弱なやつは、手を……いや、珍棒を出さなきゃいいのさ。俺は問題ないぜ」

 

 亜人男が孫空女の尻たぶを両手で左右に開きながら笑った。

 すでに怒張している男根の先が孫空女の尻穴に当たる。

 

「ひっ」

 

 便意が迫っている尻穴を強引に拡げられて、孫空女は全身に怖気が走った。

 だが、孫空女は気がついた。

 押さえている亜人男たちの力が弱いのだ。

 しかも、ずっと誰かが持っていて離さなかった張形から手が外されている。

 すでに、小便浣腸を三回も受けて、排便で苦しみだしてもいる孫空女が、まさか抵抗できるとは考えていないだろう。

 だが、絶好の機会だ──。

 

「こなくそっ」

 

 孫空女は脱力している身体を必死に動かして、三人の亜人の拘束から身体を外す。

 

「おっ、まだ、そんな力が残っていたか?」

 

 後ろ側に移ろうとした亜人兵が呆気にとられた声をあげる。

 孫空女は両脚を大きくあげて、その男の首に引っ掛けた。

 

「あれっ」

 

 亜人男は意表を突かれて、困惑した様子を示したが、そのときには、孫空女は男の首を脚で挟んだまま、くるりと身体を一回転させていた。

 ごきりと大きな音がして、その亜人男が口から泡を噴いて気絶したのがわかった。

 

「こ、こいつ──」

 

「まだ、抵抗できるのか──」

 

 残っている三人と、たったいま試合の場である縄の中に入ってきた亜人兵が孫空女に掴みかかった。

 回転して、手を避ける。

 掴まれて、張形を擦られたら終わりだ。

 孫空女は、一度起こした身体をすぐに低くして、足で亜人男たちの脛を薙ぎ払った。

 幸いにも、足首は拘束されていない。

 このところ、孫空女が不甲斐ない戦いぶりしかしていなかったので、すっかりと油断していたに違いない。

 

「おっ」

「わっ」

「ふわっ」

「えっ?」

 

 全員まとめて床にひっくり返る。

 

「くらえ、卑怯者ども──」

 

 孫空女は全員の喉に足の裏を続けざまに叩きつけた。

 四人揃って、白目を剥いて脱力する。

 首の骨を折る勢いで踏んでやったが、死にはしなかったみたいだ。

 やはり、亜人というのは丈夫な連中だ。

 

「や、やりやがった──」

「こいつ──」

「とり押えろ──」

 

 だらけた感じで見物していた兵たちが一斉に色めきだす。

 わっと四周から縄の中に入ってくる。

 

「うるさい──。あんたらがやらせ続けた試合だろう──。文句あんのかい──」

 

 孫空女は試合場の真ん中で啖呵を切った。

 しかし、数十人が一度に襲い掛かる。

 最初の二人までは蹴り飛ばしたが、孫空女は張形を握られてしまい、ひっくり返らされた。

 両脚にも枷が嵌められる。

 寄ってたかって床に押さえつけられる。

 

「何事だ──」

 

「やめんか──。どういう状況だ──」

 

 そのときだった。

 道場に大きな声が響き渡った。

 床にうつ伏せに押されている孫空女は、それが玄魔(げんま)と火箭(かせん)の声だとわかった。

 いつもは、孫空女の屈辱的な試合を見守っているふたりだったが、今日に限って朝からいなかった。

 それがやっと現われたらしい。

 

「げ、玄魔──。三人抜きすれば、ご主人様に会わせる約束だろう──。あ、あたしは五人に勝ったよ──。武人の名に懸けて、約束は守んな──。それとも、また卑怯な物言いすんのかい──。だったら、二度と戦士などを口にすんじゃない──」

 

 孫空女は床に押さえられたまま絶叫した。

 亜人たちの身体の隙間から、部屋に入ってきた玄魔の顔が不快そうに歪んだのがわかった。

 

「負けた? 嘘をつけ──。お前、そうやって押さえられているじゃねえかい」

 

 火箭だ。

 この十日ばかりでわかってきたが、孫空女をいたぶるのに中心的なのはこいつだ。

 それに比べれば、亜人軍の隊長らしき玄魔は、ただ見ているだけである。

 火箭は、亜人兵たちを左右に避けさせて、孫空女の前にやって来た。

 

「まだ、転がっている連中がいるだろう──。そいつらは、あたしが倒したんだ。三人どころが釣りがある。約束だ──。ご主人様に会わせなよ──」

 

 孫空女は目の前にやって来た火箭に怒鳴った。

 身体は大勢の亜人兵に押さえつけられているので、顔だけをあげている。

 すると、火箭の顔が憎々し気に歪んだのがわかった。

 

「生意気言うんじゃねえよ、人間のくせに──。てめえら全員、俺たち亜人の奴隷なんだよ」

 

 孫空女はうつ伏せに押さえられていたが、その後頭部めがけて、火箭が足を振りあげるのが見えた。

 衝撃が頭に加わり、ごつんと大きな音が額で鳴った。

 力の限り、頭を上から踏まれたのだ。

 一瞬気が遠くなる。

 

「んごっ」

 

 孫空女は声をあげていた。

 

「立て、奴隷──。お前ら手を放せ──」

 

 孫空女の身体を押さえていた手がなくなる。

 肘で身体を起こそうとしたところを下から蹴り上げられた。

 身体が浮きあがる。

 

「あがああっ」

 

 宙に浮いている身体をさらに上からかかと落としを腹に叩きつけられた。

 今度は背中を床に打ち付ける。

 

「ううっ」

 

 息がとまった。

 どんという衝撃とともに、鳩尾(みぞおち)に蹴りが入る。

 

「ううっじゃねえ──。まだ、やられ足りねえか──」

 

 頭側に回った火箭ががんと頭を踏みつけた。

 孫空女は脱力した。

 視界が回転する。

 意識が朦朧とするのがわかった。

 

「この数日でちっとは大人しくなったのかと思ったら、まだ調教されねえのか──。こうなったら、ちまちまと心を折るのはやめだ。身体に叩き込んでやる。顔をあげろ──」

 

 火箭が怒鳴った。

 だが、孫空女はまだ視界がぐるぐると回っていて、動けないでいる。

 その身体に、前後左右から亜人兵たちの手が伸びて引き起こされる。

 膝立ちの体勢になる。ただ、頭はまだ大きく床側に傾いたままだ。

 

「顔をあげろ──」

 

 なにを言われたかわからなかったが、孫空女は無意識に頭をあげようとした。

 そのときを狙ったように、火箭の革靴の底が後頭部に落下した。

 

「んぎゃあ」

 

 孫空女は床に額を激突させた。

 なにが起きたのか判断することもできなかった。

 朦朧としたまま頭をあげる。

 途端に首に近いところを踏みつけられた。

 脱力して、肛門から便が洩れそうになるのを耐える。

 

「んがああっ」

 

 再び顔を床に打つ。

 手が伸びてきて、身体を起こされる。

 

「遅い──。すぐに身体を起こせ──。もたもたするな──」

 

 またもや後頭部に向かって、火箭の足が踏みおろされた。

 身体から力が抜けた。

 孫空女は横倒しになっていた。

 

「くそが──。まだ、なにか言いてえか──」

 

 息を荒くしている火箭が孫空女の前に立ちはだかって言った。

 孫空女は必死に口を開いた。

 

「……や、約束……。さ、三人抜きで……ご、五人……倒した……」

 

 孫空女はやっとのこと言った。

 目の前の火箭が怒気に包まれるのがわかった。

 なにが気に喰わないのかは知らない。

 ただ、この十日、火箭は玄魔に言われて、孫空女を屈服させようとしているということだけは、ぼんやりとわかった。

 そして、試合という名の凌辱を日夜続けられ、孫空女は完全に為すがままになり続けていた。

 ところが、今日になり、それがまだ抵抗の心を残していたとわかり、かっと血が上ったのかもしれない。

 だが、孫空女としては、大人しくしていたのは、この約束があったからだ。

 三人抜きすれば、宝玄仙に会わせると約束をして、孫空女はそれを果たせなかった。だから、仕方がないと我慢した。

 一生懸命に、次こそ、明日こそ、三人を抜こうと、それだけを考え続けたのだ。

 

 火箭がなにを考えているかなど、糞ったれだ──。

 十日前に言われた条件をやっと成し遂げた。

 三人抜きで、宝玄仙に会わせる──。

 玄魔と火箭が孫空女と口にした約束がそれなのだ。

 こいつらは忘れていたかもしれないが、孫空女は忘れていない。忘れるものか──。

 そのために、恥辱と屈辱に耐えて、理不尽にも我慢して戦い続けたのだ──。

 

「待て、火箭」

 

 そのときだった。

 いままで、ほとんど口を出さなかった玄魔が目の前に来た。

 孫空女は、後手に拘束された身体を起こして、玄魔の前に跪く体勢になった。

 

「隊長、お待ちください──。必ず、こいつを堕としますから……。ちょっと手ぬるかったみたいです。今度こそ……」

 

 火箭が玄魔に言った。

 だが、玄魔はその火箭を制して、亜人兵のひとりに椅子を持ってくるように命じた。

 床几椅子が運ばれ、玄魔が孫空女の真ん前に腰をおろす。

 

「孫空女だったな……。その拘束された身体で五人倒したか……。まあ、亜人の兵卒相手とはいえ、条件を満たしたのは認める。だが、ここから出すわけにはいかん」

 

 玄魔が静かな口調で言った。

 孫空女はかっとなった。

 

「ふ、ふざけんじゃ──。う、嘘をついたのかよ──。そ、それでも、戦士の端くれかい──」

 

 孫空女は罵った。

 

「こいつ、玄魔隊長に──」

 

 火箭が握りこぶしを孫空女の頬に打ちこんだ。

 だが、媚薬と連続絶頂で火照り切った身体には、むしろ気合が入り直したようなものだ。

 孫空女は今度は倒れることなく、ぐらりと身体を揺らしただけで、跪く姿勢を保持した。

 それも気に入らなかったのか、火箭の顔が怒りで赤くなるのが見えた。

 孫空女は肩で息をしつつ、口の中に拡がった血を床に吐く。

 

「てめえ──」

 

 火箭がもう一度殴ろうとする。

 今度は、玄魔がそれを制する。

 

「もういい……。この孫空女はやはり、それなりの戦士なのだろう。暴力では屈することはない。それがやっとわかった。また、こいつの心を折るのも難しそうだ……。だが、どうしたものかな。青獅子陛下に命じられているのは、孫空女の屈服だからな……。それを満たすまでは、ここから出すわけにはいかないからな」

 

 玄魔が困ったように溜息をついた。

 孫空女は必死で顔をあげる。

 

「く、屈服する──。な、なんでも言ってよ──。なんでもするよ。だから、ご主人様に会わせて──。あたしの要求はそれだけなんだ──。それさえ……」

 

「こいつ、またしても、勝手に口を……」

 

 火箭が横で喚く。

 だが、孫空女は玄魔しか見ていない。

 必死に視線で訴える。

 玄魔がかすかに微笑んだのがわかった。

 

「そうか……。屈服するのか? 完全に屈服したとなれば、俺の任務は終わる。お前の身柄は青獅子陛下に引き渡すことになるだろう。お前がずっと口にしていたご主人様とやらは、青獅子陛下のところだ。そこにいけば、会うことも叶うかもしれん」

 

「わ、わかった。屈服した──。この通りだよ──。だから、ご主人様に会わせておっくれ」

 

 孫空女は後手のまま、顔を床にさげて密着させる。

 土下座だ。

 すると、その孫空女の頭の前に、玄魔の足が伸びてきた。

 

「屈服したとなれば舐めろ──。青獅子陛下の前でも同じことをさせる。靴を舐めろと言われれば舐めろ。奉仕をしろと言われれば奉仕しろ。屈服したことを示せ──。もうそれでいい」

 

 玄魔が言った。

 孫空女はやっと、こいつがなにを言ってきたのか理解してきた。

 つまりは、屈服したふりでいいと主張しているのだ。

 それで、青獅子とやらの亜人王のところに送ってくると言っているようだ。そこには、宝玄仙がいて、孫空女は宝玄仙と再会する希望があるということのようだ。

 

「な、舐める──。足だって──。あんたの股だって──。あ、あたしはすっかりと屈服しているんだ」

 

 孫空女は目の前の玄魔の革靴に、後手拘束飲ままにじり寄って舌を這わせた。

 一生懸命に、心を込めて──。

 

「……孫空女、屈服の証に、俺の股間を舐めてもらおう。俺だけではない。ここにいる全員だ。夕方までに全員の精を飲むことができれば、お前が屈服したことを認めて、お前の身柄を青獅子陛下のもとに送る」

 

 靴を舐めさせている玄魔が言った。

 全員を夕方か……。

 

 三十人……?

 いや、まだ増えるかもしれないから、五十人……。

 夕方までに……。

 

「や、やってやるよ。あたしに任せな。足でも珍棒でも舐めてやるよ──」

 

 孫空女は顔をあげて啖呵を切った。

 小便浣腸のせいで、かなりの便意が迫っていて、全身から脂汗が出るほどだったが、こっちだって夕方まで耐えてみせる――。

 そう決意すると、孫空女は玄魔の性器を露出させるために、口で玄魔の下袴の紐に噛みついた。

 

 

 

 

(第74話『女戦士の恥辱試合』終わり)

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