青獅子という亜人の魔王に占領されたということから、もっと治安の乱れた略奪されきった城郭を想像していたのだ。
建物は焼け、男は亜人に殺されてその食料にされるか、女は凌辱されて、やはり、殺されて、その死骸が城郭の通りのあちこちに放置されていると……。
だが、
亜人たちは粗暴ではあるが無法はしない。
それが一時は亜人を怖れて閉じていた商家などの安心感を拡げている。この数日のあいだに店を閉めていた商家などは普通に商いを始め、占領前の活気を取り戻そうとしているようだ。
もともと、無血占領だったので破壊された建物などはないのだ。
その気になれば物流など、あっという間に復活することができる。
実際、城郭の城門などは閉鎖されることなく、人の行き来は自由になっている。
だから、長庚もこうやって簡単に城郭に入ることができたのだ。
いまとなっては、宝玄仙たちが行方不明になる直前に、しばらく物流が完全に停止した状況になっていたのは、ひそかに亜人軍が獅駝の城郭を占拠していたからだというのもわかった。
また、それに先立って大きな戦があったことも明らかになった。
以前の活気を取り戻す気配のある城郭だったが、その支配者になった魔王軍が行政府、軍営、いまや魔王宮となっている元の州伯の屋敷を中心に駐屯している。
だが、魔王は亜人兵が立ち寄っていい酒場や妓楼を限定しており、彼らは必要以上にうろうろしていない。
それも城郭の商家の安心感に繋がっているようでもある。
いずれにしても、宝玄仙たち四人が亜人軍に捕らわれたというのは明らかだ。
長庚と
四人は、そのまま軍営に連れていかれた気配であるが、それから先はわからない。
多くの亜人が入っている施設である魔王宮、行政府、そして、軍営のどこかに監禁されていると考えていいだろう。
いまのところわかっているのはそれだけだ。
彼らを亜人軍がさらった目的や方法も不明だ。
特に、宝玄仙にしても、孫空女にしても一騎当千の実力を持ったとんでもない女傑だった。
彼女たちがあっさりと亜人軍の手に落ちたというのがいまでも信じられない。
奇妙なのは、多くの人間の住民が、四人が軍に連行されたことは覚えているが、どうやって捕えられたのかということをなにひとつ覚えていないことだ。
隠しているということでも、教えることを禁止されているという感じでもない。
まるで記憶がなくなったかのように、その直前のことを忘れてしまったようなのだ。
それにしても、全員揃って記憶喪失ということはありえない。
なにかの術だというのは間違いないだろう。
とにかく、いまのところあの四人を助け出す手立てどころか、捕まっている場所すら見つからない。
長庚はその時点で、逗留がしばらく続きそうな予感がした。宝玄仙たちが助かるか、その手立てを作りあげるまでは城郭を去るつもりはない。
彼女たちは恩人だ。命を救ってくれたのだ。
その恩人を見捨てるという考えは、長庚の中には存在しない。
だが宿屋に泊るというわけにもいかない。
亜人が占領したばかりの城郭だ。商活動が再開したといっても、まだそれほどの旅人がいるわけではない。
それなのにいきなりの長逗留の客など怪しすぎる。
そのために長庚は小さな家を借りることにした。
家を借りてしまえば、住民の中に紛れ込める。
余程目立つことをしない限りは、長庚などに目を留める者など存在するわけがない。
もちろん、十三歳の自分では家を借りるという契約はできない。
奴隷の首輪をしている百舌も駄目だ。
それで、長庚がはぐれた隊商とあの農村で合流できたときに、商いの修行のために隊商に加わる長庚のために父親がつけた護衛をひとり残してもらった。
その護衛を一家の主人ということにして借りたのだ。
借りた家は裏通りの小さなところだが、路地から大通りに出てすぐに城郭の広場がある。
山中ではぐれた長庚を出迎えるために農村にやってきた隊長は、長庚の姿を確認して安堵の表情を浮かべたが、長庚が恩人を救出するために獅駝に残ると主張すると、驚愕するとともに大反対した。
長庚の父親から預かった大事な身柄を亜人の支配地になった獅駝に残していくなどとんでもないというのだ。
隊商と合流できる数日前には、獅駝の城郭を青獅子魔王という亜人王の軍が占領したというのは明らかになっており、その情報が燎原を走る火のように、獅駝地方全体に伝わっていたのだ。
しかし、命を救われた相手を見捨てるわけにはいかないと主張する長庚に、結局、隊長は納得した。
国都にいる長庚の父親にあてる手紙も隊長に託した。父親も長庚の気持ちはわかってくれるはずだ。
商人に大事なのは、なによりも信頼だ。
受けた恩義を忘れるような人間が一人前の商人になれるわけがない。
宝玄仙たちには命を救われた。
ならば、その恩を返すためには、こちらも命懸けにならなければ恩を返したとはいえないだろう。
隊長は亜人の占拠するところとなっている獅駝の城郭に入ろうとする長庚に対して、隊商から人を割いて長庚につけようとした。
だが、それは長庚が断わった。
隊長は父親の部下ではない。
竜飛国国都の大商人である父親が資金を出して、朱紫国に送る隊商の指揮をさせているのは確かだが、それは商売の関係である。
隊商を編成するために集めた人間も、隊長がその資金を使って集めた者たちであり、長庚との個人的な繋がりはない。
そういう人間に長庚の個人的な事情により危険を冒させるわけにはいかないのだ。
残したのは父親が長庚に個人的につけたひとりの護衛だけだ。
それは隊長が集めた者ではなく、長庚のために父親が加えた者だからだ。
だから長庚の我が儘に加えて問題はない。
もっとも、家を借りるための銭や当面の活動経費は隊商の隊長から借りた。
人の命は返せないが銭はすぐに返せる。
借りた銭は返せばよい。
これについての遠慮も不要だ。
父親にあてた手紙にも隊長への借金のことは書いてある。
また、至急こちらに銭を追加で送付するようにも伝えた。
「帰りました……」
この城郭に入って二日目の午後だった。宝玄仙たちが捕らわれて五日目になるはずだ。
若い男の格好をしているが、父の愛人のひとりであり、彼女が父親がつけた長庚の護衛だ。
父親が護衛につけるだけあって女ながらも腕が立つ。
隊商として移動中に山の中で長庚と百舌を見失ったことに恥じ入っており、再会したときには長庚に抱きついて歓んだが、長庚が危険な獅駝の城郭に潜入しようとしていることについては反対しなかった。
蝶蝶を連れていくということがわかったからだ。
護衛をせよと父親に命じられているから、今度こそ死んでもその責は果たす意気込みだが、基本的に長庚がなにを判断しようと口を出すつもりはないらしい。
そういう女なのだ。
「まず、沙那殿という方の場所はわかりましたよ。城郭の繁華街に亜人兵の集まる酒場があります。そこで毎日、午後から夜までの時間、酔客を愉しませる余興に出させられています」
蝶蝶は佩いていた剣を百舌に渡すとともに、頭に覆わせていた男物の頭巾を外す。
すると、若い男の見た目が消えて、二十代後半の若い女の姿が現われた。
それにしても、この女は一体全体、何歳なのだろう……?
長庚が物心ついたときには、父親が自分の屋敷に囲っている愛人だった。
もともとは屋敷の外で囲っていた愛人のひとりだったが、長庚を産むと同時に死んだ長庚の母親がいなくなって、一年後に屋敷に住むことになったようだ。
古くから店に仕える者に訊ねたところによれば、そのときからいまの見た目はまったく変わっていないらしい。
とにかく、色恋の多い父はわりと頻繁に複数の妾を作り、ある程度の月日を囲えば、かなりの手切れ金を渡して別の若い女に変えるということをしていたが蝶蝶だけは別だ。
長庚が産まれる前から父親の愛人であるし、それはいまでも同じだ。
それだけの長い年月を屋敷で暮らせば、父親の妻のように振る舞ってもおかしくはないと思うが、彼女は父親の性の相手はするが、それ以上のことで正妻然とすることはないし、父親の使用人の一人としての分を崩すことはない。
彼女自身が屋敷や父の商家における自分の立場を強くすることを要求することもないし、それを望んでいる様子もない。
長庚に対する態度も自分の雇い主の子息に対するものであり、それ以上にもそれ以下にもなったことはない。
父親もその辺りを気に入っているのかもしれない。
もっとも、これは父親と長庚しか知らない事実ではあるが、実は彼女は人間ではない。
亜人だ──。
完全に人間と見た目は同じだし、亜人としての霊気を発するのを隠すことができるらしいので、どうしても、亜人には見えない。
しかし、両親とも亜人だと蝶蝶自身が言っていた。
ただ、亜人の世界で暮らしたことはないらしい。
だから、蝶蝶は自分は亜人の中では生活はできないとも言っていた。
従って、その事実を知っていながら、「人間」の妾として扱ってくれる父親は恩人だと言っていた。
亜人の外見には、目立つ、目立たないの違いはあるが、必ず頭部に角がある。だが、この蝶蝶にはない。父親の妾として暮らすために、自分で切断したと口にしていた。
蝶蝶と父親がどういう縁で男女の関係になったのかは知らない。
ただ、それについても、蝶蝶は父親のことを命の恩人だと言っている。
「沙那様が見世物の余興に──?」
百舌が驚いている。
「詳しく話せ、蝶蝶」
三人で居間の小さな卓を囲んだ。
「沙那殿がやらされているのは、人間族の女戦士を公開調教するという催しものです。五日ほど前から、その酒場で毎日演目として嗜虐を受け続けているようです」
蝶蝶によれば、沙那の公開調教をしているのは、春分、秋分という亜人姉妹だそうだ。
この城郭にやってきてからは、酒場で酔客を相手にする場末の女調教師の役割を演じているが、実際には魔王のお気に入りの家人の一員であり、魔王軍ではかなり上の立場の存在のようだ。
「逃亡させられるか?」
長庚は訊ねた。
「いまのところ無理だと思います。少なくともあたしには方法は思いつきません。酒場には常に五十人以上の亜人兵の客がいます。助け出そうとすれば、それを突破しなければなりません。沙那殿は、その酒場に連れてこられるときには、『移動術』で直接に跳躍させられるようなのです。夜中に演目が終わって戻されるときも同じです。沙那殿が監禁されているのは軍営の牢だと思われます。接近することができた亜人兵のひとりがそんなことを喋っていました」
蝶蝶がどんな手段で亜人兵に近づいたのかはわからない。
しかし、蝶蝶はもともと亜人なのだ。
人間族の中に混じって人間のふりをするよりは、怪しまれずに亜人たちに近づけるのかもしれない。
「まあいい……。とりあえず、居場所がわかっただけでも……。それでほかの方々の行方についてはなにかわかったか、蝶蝶?」
「全員についてはわかりません。でも、もしかしたら手掛かりかも……。おそらく朱姫殿かもしれないと思うのですが……」
蝶蝶が言った。
「朱姫殿の手掛かりか?」
「はい、坊ちゃま……。それで、いまから案内するところに一緒に来ていただきたのです。できれば、身体を覆うものを身に着けて……。あまり、成人前の人間が行くところではないのです」
「どこでも行くよ、蝶蝶……。それで、手掛かりとはなんだい?」
「つまり、城郭の広場に
「壁尻?」
聞き覚えのない言葉だった。
長庚は首を傾げた。
*
「ほら、いつものように“壁”に身体を入れな。すぐに始めるよ」
壁の間に着くと、張蘭が躾棒を振り回しながら言った。
張蘭が壁と言っているのは、部屋を囲む本物の壁のことではなく、部屋の中央に部屋を横切るように霧のようなものが立ち込めている横長の分厚い一画のことだ。
その中に身体を入れて、腰の括れから上の部分だけを霧状の箱の外に出すのだ。
眉間に皺を寄せてつらそうな顔をしている。
しかし、逆らうことに意味はない。
首輪を鎖で繋げたまま部屋の奥の椅子に腰かけて脚を組んでいる張蘭に向かって横並びになって、霧状の半透明の煙が集まっている四角い空間に身体を入れる。
身体を入れるまではただの霧なので、特に抵抗があるわけではない。
その中に身体を入れて脚を拡げて立ち、上半身を前に倒すようにして、手首から先とともに霧の壁の外に出す。それが決められている姿勢だ。
「朱姫、お前は新入りだから、特別に趣向を凝らしてやるよ。膝を横に曲げて腰を屈んでがに股になりな。いま頃、向こうでは恥知らずな人間族の男どもが、お前たちの下半身の登場をお待ちかねさ。そうやってがに股になっていつでもどうぞの態勢になれば、珍棒を入れてくれる男も多いということさ」
張蘭が高笑いした。
「くっ」
口惜しさに思わず歯噛みをした。
しかし、どうしようもない。
逆らえば、電撃の鞭だし、もしかしたら朱姫だけではなく、李姫や貞女に及ぶかもしれない。
とにかく、張蘭は残酷で気紛れな女調教師だ。
それは肌身で徹底的に教えられた。
言われたとおりにがに股になって脚を開く。
霧の箱から出している上半身の位置が少しだけ低くなる。
ふと見ると李姫と貞女が気の毒そうな視線を朱姫に向けている。
自分たちもこれから酷い目に遭わなければならないのに、朱姫を同情してくれる。
本当に優しいふたりだ。
その李姫と貞女も張蘭の指導が入り、それぞれに、脚を開いて後ろ側にお尻を突き出したような恰好になる。
「行くよ」
張蘭が指を鳴らした。
半透明の霧の箱だった部分が固まって真っ白い巨大な壁に変わった。
後ろに突き出している下半身全体がその道術で作った壁に包まれて完全に固定された状態になる。
霧の外に出していた腰の括れから先の上半身と手首の先は、白い壁の外だ。
張蘭から見れば、上半身が裸身の女の飾り物が壁に三個掛けられているように見えるだろう。
飾りではないのは、朱姫も李姫も貞女もしっかりと生きているということだ。
口もきけるし、壁の外の部分なら動かすこともできる。
ただし、壁の中に入った部分はほとんど動かない。
「さあ、魔王様の性奴隷に相応しい女になるための修行だよ──。お前たちは、まだまだ男の精を受けたことが少なすぎるんだよ。もっと色っぽい身体になるための調教を開始だ。幾ら向こうで乱暴なことをされても、こっちに実体があるから実害はない……。だけど、向こうで加えられる刺激や感覚は、しっかりとお前たちに伝わるだろう? 今夜もしっかりと男を受け入れることを身体で覚えていきな」
張蘭が言った。
朱姫はこれから始まることを覚悟して、不安を覚えながらぐっと唇を噛んだ。
すぐに始まった。
身動きできないように固められているお尻に、人間の手のひらの動きを感じたのだ。
来た……。
しかし、なにもできない。
できるのは耐えることだけだ。
朱姫の股間に刺激を与えている相手はここにはいないのだ。
抗議の声も向こうに聞こえることはない。
「はあ……」
思わず声をあげてしまった。
様子を伺うように朱姫のお尻の丸みを確かめていた手がすっと腿の内側に伸びて来たのだ。
反射的に腰を振った。
固められてい入るが少しは動くのだ。
しかし、開いている膝から下は完全に固定されており、こっちが動かない。
「ふうっ……」
「あっ」
貞女と李姫もそれぞれに声をあげた。
ふたりの顔が赤くなり、しかめ面に変化した。
ふたりの向こうでも始まったのだ。
「さっそくお客さんが来たようだねえ……。最初の頃はおっかなびっくりだったけど、いまじゃあ、夜に突然に城郭の広場に出現する“壁尻”は話題になっていて、出現の時刻に近くなると顔を隠した人間族の男どもで行列ができるみたいだよ。それを仕切る者も現れたそうだ。笑うじゃないかい──」
張蘭は笑った。
しかし、朱姫はそれどころじゃない。
股間に触れている手がいよいよ遠慮のないものに変わっていき、いまや朱姫の肉芽から女陰の部分を逆撫でするように指が動いているのだ。
「あっ……」
朱姫は思わず身体を仰け反らせた。
ついに指が女唇にすべり下りて女陰に押し入ってきたのだ。
“向こう側”の朱姫の下半身もすでに濡れているのか、女陰に入る指には、それほどの抵抗はない。
しかも、もう一方の手は尻たぶと腿も揉みあげるように動いている。
「な、なにっ? あ、ああ……」
朱姫の狼狽は股間を触っていた手にさらに別の手が加わったことだ。
明らかにひとりではない。
ふたり……?
いや、三人の手が朱姫の股間に集まっている。
「い、いやあっ──」
「くうっ、あ、ああっ……」
貞女と李姫も苦しそうに上半身をくねらせている。
「まだ、指だけかい? 男のものを受けた者がいたら報告するんだよ。隠してもわかるからね。隠していることがわかったら折檻だよ──」
張蘭が声をあげた。
そして、指を鳴らしてどこからか卓を出現させた。卓の上にはみずみずしい果物が載っている。
どこから転送させたかわからないが、かなりの高等道術だ。
もっとも、朱姫たちに『壁尻』のような道術を施すことができるのだから、怖ろしいほどの能力を持った道術があることはそれだけでもわかる。
『移動術』の応用だろうが、この『壁尻』のような道術を果物を口にしながら片手間に維持できるというのは凄い。
朱姫たちがやられているのは、霧のようなものが立ち込めていた部分で白い壁で固められた下半身だけを城郭の広場に転送させるという道術だ。
身体の一部だけを『移動術』で跳躍させるという術だけでも驚きだが、それだけではなく、それを完全に跳躍しきらない状態で維持しているのだ。
つまり、半分だけ跳躍させられている下半身の実体は、まだこちら側の壁に埋まっている。
しかし、転送されかけている下半身の虚像も跳躍先の城郭の広場に転送されて、その姿と感覚が向こうに出現しているらしいのだ。
この壁の調教が始まったのは、朱姫が李姫たちと合流する数日前のことであり、魔王の性奴隷としては、男との経験がなさすぎるということで、男との交わりを増やすために、張蘭と青獅子が相談して開始したことだそうだ。
魔王宮にいるこちら側では、張蘭の道術によって白い壁に包まれているという状況だが、張蘭によれば、壁尻の調教が開始される日に城郭の広場に突然に白い壁が設置されて、なんだろうかと人間たちが訝しんでいるところに、夜になるとその壁から突き出して、突然に若い女の下半身が現れてかなりの評判になったようだ。
しかし、得体の知れない女の下半身でも生々しい女の裸身の股間ともなれば、男たちも興味を抱いてくる。
それで、最初は遠慮がちに触っているだけだったが、だんだんとなんの問題もなく、しかも触り心地も本当の生身の娘と同じだとわかってくると、無遠慮に男たちはその下半身に手を伸ばすようになったらしい。
いまや、わずか数日で、決まった時間の夜に出現する城郭の広場の壁尻は有名な存在となり、男たちが行列を作って待つほどのものだという。
その証拠に朱姫たちがいつもの下半身の転送をされると、あっという間に股間を触ってくる男たちが出現した。
「あ、あっ、そ、そんな……」
抵抗のできない下半身だけの朱姫の股間に複数の男たちの手が群がっている。
女陰の中には明らかにふたりの男の指が動き回る。余った手は肉芽を転がし、花弁をなぞるようにほぐしていく。
「あはあっ、そ、そこは駄目──」
朱姫は絶叫した。
そこにまた指が加わり、尻たぶを拡げて朱姫の肛門を指で弄くってきたのだ。
「おっ? 今夜の一番女は朱姫かい?」
張蘭が朱姫の狂乱に勘違いしたようだ。口の中に果実を入れたまま言った。
「ち、違います──。お、お尻に指が──」
朱姫は叫んだ。
一気に指が肛門を貫いたのだ。
激しい甘美感が朱姫を襲った。
「……あっ、お、男の方のものを受けました……あっ、ああっ……」
李姫が悲痛な声をあげた。