「お、お前たち、この身体になにしてくれたんだい──。くうっ──」
宝玄仙は進退窮まって、拘束されて動かない身体を限界まで暴れさせて喚いた。
どうやら、得体の知れない薬を塗られたらしい。
局部からは耐えられない猛烈な痒みが襲っている。
「少しは痒くなってきたのか、宝? 玉からいろいろなことを教えてもらったからのう……。お前の一番苦手な責めはこれじゃろう? 痒みをほぐして欲しければ、わしらの言うことに従うのじゃな」
「こ、このくそばばあ──。覚えていろよ──。お前ら、まとめて同じ目に遭わせてやるよ──」
宝玄仙は荒い息をしながら、左右に裂かれている両脚をよじらせた。
そして、寝台に仰向けに拘束された自分を見下ろす蝦蟇婆と
「やっぱり、宝は勇ましいわねえ──。でも、そういうの嫌いじゃないのよ……。人間族でも亜人でも気の強い女をいたぶるのは愉しくて仕方がないわ」
輪廻がにこにこと微笑みながら、すっと乳房の横の肌を手のひらで擦った。
「いひいいっ」
強烈な愉悦の閃光が全身に迸り、宝玄仙は悲鳴をあげた。
「さっきも言ったであろう。輪廻がお前の乳房を肉芽なみの感度にしたのじゃ。しかし、そんなにびっくりするところを観ると、やはり、宝については、お前の意識のないときに玉がこの身体で受けた記憶はないのじゃな」
蝦蟇婆も笑う。
「こ、この気違いども──」
宝玄仙は蝦蟇婆と輪廻を交互に睨みつけた。
「おっぱいが気持ちがいいようね、宝……。乳腺施術が終わったら、もっと気持ちよくなるわよ。おっぱいからお乳が出るたびに、ほんの少しだけど、達したような感覚が脳天に送られるようにしてあげるからね。お尻でしかいけないあんただけど、胸の快感は魔法石の成長に影響がないようだから、あの愛寧坊やが許可してくれたのよ。嬉しいでしょう?」
輪廻がそう言いながら、乳房に三本ずつ刺さっている管を抜いて、今度はそれを別の管に変更した。
それぞれの管はどうやら寝台の下にある大きな水瓶のような容器に繋がっているようだ。
その容器に入っている液体のようなものが管を通して宝玄仙の乳房に送り込まれている気配だ。この管についても、その中を通っている液体についても霊気が充満しているのが宝玄仙にはわかる。
宝玄仙の乳房はいまや、通常時の三倍ほどの大きさまで膨らんでいる。
不格好に巨大になった乳房は、片方だけで宝玄仙の顔の二倍ほどの大きさだ。
それがふたつ並んでいるのは、まるで乳牛を思わせた。
「いい加減にしろと言っているだろう、このやぶ医者──。そ、そんなに膨れれば十分だろうが──」
宝玄仙は叫んだ。
膨らんだ乳房から、急に火で炙られているような熱さが湧いてきていた。
「そうね、十分ね──。これ程度の大きさなら、まだお前の身体の美しさを完全に損なうほどの醜さとはいえないし、最初の目論見通り、これならお前が四つん這いで歩くときに、ちょうど乳首が床に擦れるような大きさだろうしね……。明日からは、例の蝦蟇婆の動く床の運動はつらいわよ。なにせ、そんなに感じるおっぱいを引きずりながら、歩くんだから」
輪廻は笑った。
「く、くそっ──。い、一体全体、いまはなにをしてるんだい、やぶ医者?」
宝玄仙は喚いた。憤怒が全身に込みあがったのだ。
しかし同時に、確かに輪廻の言う通りだと思って、宝玄仙は愕然ともなった。
この極端に前手の短い四つん這いでは、大きくされた乳房では確実に床に接触してしまうだろう。
これだけ敏感にされた乳房を床に引きずりながら歩くというのは、恐ろしい快感の拷問になるに違いない。
「いまやっているのは、乳腺活性化の施術よ──。お前の乳房に走る乳腺という乳腺を霊気のこもった液体で充満させているの……。しばらくすれば、お前の乳房からは、母乳のような液体が出るようになるわ──」
「ぼ、母乳――?」
「その後、お前の乳房の快感を脳の神経と繋げるわ。そうしたら、お前は股間ではなく、乳房で達することができるようになるはずよ。股間を魔法柱の培養に使っていて、絶頂を制限されているお前には素敵な贈り物と思うけどね。全部の施術が終わったら、お前は母乳が出るたびに、達したような快感が走るはずよ」
輪廻が笑った。
宝玄仙にはもう返すべき悪態が思いつかない。
ただ、歯噛みするだけだ。
「それより、痒いじゃろう──。痒みを癒して欲しいのではないか、宝? まずは、わしのことを蝦蟇婆様と呼べ。そうしたら、痒みは取り除いてやろう……。わしらも別段、お前に恨みがあるわけでもないしのう……」
「ふ、ふざけるな……」
「ただ、青獅子陛下に言われて、お前を家畜のように従順にするように命じられているだけじゃ。お前が進んでいい子になってくれるなら、厳しく躾ける必要もないし、わしらはお前に優しゅうするのじゃがな……」
そう言って蝦蟇婆が、宝玄仙の股間に筆を伸ばして、太腿付け根の付近をさっとひと撫でした。
しかも、猛烈な痒みに襲われている女陰や肉芽には触れずに、その周辺だけを筆で撫ぜたのだ。
宝玄仙は歯を噛み鳴らして身震いした。
「ひうううっ──、や、やめておくれっ──」
宝玄仙は汗びっしょりになっている顔を左右に振り乱して叫んだ。
「なにを言っておるか、宝。もうひとりのお前の玉など、これを一刻(約一時間)は受けたぞ。その前の色責めを合わせれば三刻(約三時間)じゃ。それに比べれば、お前など、まだ、筆のひと舐めではないか。まだまだ精進が足りんわい」
蝦蟇婆が嘲笑した。
そして、また太腿に筆を這わせて来る。
しかし、やっぱり、肝心な場所には刺激を与えない。
お陰で痒みが二倍にも三倍にも増大する心地だ。
おそらく痒み剤は、女陰の周りや奥、ふたつの乳首、そして、肛門にも塗られているに違いない。
その部分から痛みにも似た激しい痒みが襲っている。
一度、知覚すれば、もうほかのことに気を紛らわせて、痒みに耐えるなんていうことは不可能だ。
もはや、この憎い蝦蟇婆や輪廻の慈悲に縋らなければ、いつまでもこの痒みはそのままだということを宝玄仙は悟っている。
しかし、どうしても、こいつらに哀願する気にならないのだ。
そんなことをするくらいなら、ここで狂い死にした方がましだと思った。
「まだ、そんな顔をして、わしを見るのか、宝──。家畜がわしらの顔を見るなど生意気じゃ……。そうじゃ、これからは、わしらの顔を見ることを禁止することにする。どんなときでも、亜人を見たら眼を逸らすのじゃ。直接に見ようものなら折檻を与えるからな」
「な、なんだと──」
宝玄仙は思い切り蝦蟇婆を睨んで悪態をついた。
しかし、なにかの霊気が自分に注がれたのがわかった。
次の瞬間、なにかが喉の中に詰まったような感触が襲いかかり、いきなり息ができなくなった。
「なっ……あっ……があっ……」
気が動転して、宝玄仙は限界まで身体を暴れさせた。
息ができない──。
呼吸がとめられている──。
宝玄仙は息を求めて喘いだ──。
しかし、どうしても息ができない。
さっきの蝦蟇婆の霊気のせいだと悟った。
おそらく道術で息をとめたのだ。
「わしを見るのをやめよ。輪廻の顔もじゃ。お前の心が、わしら亜人の顔を直接見たと認識したら、息がとまるように道術をかけた。苦しければ、わしら亜人様を見るのをやめるのじゃ。家畜のお前が見ていいのは、わしら亜人の腰から下だけじゃ──」
宝玄仙は慌てて目をつぶった。
眼を開いていると、どうしてもこのふたりを眺めてしまう。
だが、まだ息ができるようにならない。
苦しい……。
死ぬ……。
「はっ……。み、見て……な、ない……」
もう顔を見ていない──。
そう主張しようとするのだが、いきなり呼吸がとめられために、うまく声が出せない。
その状態のまましばらく時間が経過する。
宝玄仙は全身を痙攣するように震わせながら、新鮮な息を求めて懸命に口を喘がせた。
かなりの時間がすぎた……。
意識がどろりとしたものに包まれる。
死ぬ……。
宝玄仙はそれを覚悟した。
だが、不意に喉にあった膜のようなものが弾けて、身体に息が流れ込んだ。
「ぱあっ──。はあ……はあっ、はあっ──」
やっと呼吸ができるようになった。
宝玄仙は声をあげて息を吸った。
「一度、顔を見てしまうと、しばらく息がとまる。苦しい思いをしとうなければ、一生懸命に亜人とは視線が合わんようにすることじゃな──。この道術は玉には効果がない。生意気なお前だけの道術じゃ。玉には安心するように言っておけ」
蝦蟇婆が笑った。
宝玄仙は眼を閉じたままでいた。
味わってしまうと、道術で息がとめられる怖ろしさは戦慄するほどだ。
さっきの恐怖は二度と味わいたくない。
悔しいが、いまでも息を道術でとめられた恐怖で身体が震えている。
そして、蝦蟇婆が言ったことが本当であれば、すでに蝦蟇婆は宝玄仙と宝玉に別々に術をかけられるほどに、この身体に宿るふたつの人格を制御しているということだ。
宝玄仙はそのことにこそ驚愕した。
しかし、呼吸をとめられる苦しみが去ると、また全身を蝕む痒みが襲ってきた。
ずきずきと背骨まで砕くように痒みに、宝玄仙はどうにもできなくなっていた。
悪態をついてもせせら笑われるだけだし、いまや、連中の顔を睨むことさえできなくなった。
「ほれっ、じゃあ、筆責めの再開じゃ。もっともっと、痒くなるように刺激を与えてやるぞ。痒みをほぐして欲しければ、わしのことは“蝦蟇婆様”じゃ──」
「ち、ちくしょう……あっ、ああっ、か、痒いいい」
「言っておくが、もう、お前たちの人格交替はわしの道術で完全に制御しておるからな。意識を喪失させて逃げることはできんぞ。わしが暗示をかけた匂いがなければ、人格交替も気絶もできん。だから、諦めて、わしのことを蝦蟇婆様と呼ぶんじゃ──。それだけのことじゃ。簡単じゃろう?」
蝦蟇婆がまた筆を内腿に這わせだした。
「あぐううっ──」
宝玄仙はしっかりと眼を閉じたまま、身体を限界まで暴れさせた。
筆は執拗に痒みの原因のぎりぎりのところを動き続ける。
筆が襲い続ける……。
太腿を筆が這ったかと思えば、乳房の裾……。そうかと思えば、不意に脇の下を撫ぜたりもする。
眼をつぶっているので、筆が襲うまでどこを責められるのかわからず、身体を備えることができないのだ。
しかし、さっきの呼吸がとまる苦しさを思い出すと、眼を開くことが怖ろしい。
こうやって、仰向けに寝かされている宝玄仙を蝦蟇婆と輪廻が見下ろしている態勢では、眼を開けばどうしても、顔が視界に入るだろう。
だから、眼を開くことも怖い。
そうかといって、自分の意思で眼を閉じたままでいるのも大変なつらさだ。
「ふくうっ──。い、いい加減にしろよ、この出来損ない……」
眼を閉じている宝玄仙の全身を蝦蟇婆の筆が襲い続ける。
宝玄仙はどうしていいかわからずに、悲鳴のような声を張りあげるばかりだった。
「なにが出来損ないじゃ。いまのお前の姿こそ、出来損ないではないか──。だんだんと人間離れした姿になっていくではないか。その馬鹿でかい乳房をもう一度眺めてはどうじゃ?」
蝦蟇婆がせせら笑いながら、筆を這わせ続ける。
今度は耳だ。
宝玄仙は首を振ってそれを避けた。
するといきなり、再び股間の近くを筆が襲い出した。
狂う──。
発狂の恐怖すら宝玄仙を襲った。
しかし、こいつらのことだ。発狂して苦しみから逃れることなど許しはしないだろう。
宝玄仙は完全に取り乱して悲鳴をあげ続けた。
もう、どうしようもないのだろうか……。
人格交替の秘密を知られた以上は、膣の中の魔法柱の交換の一瞬の隙を突いて、攻撃道術で圧倒するということは難しいのかもしれない。
さっき、匂いの暗示で確実に意識を失わせることができるようになったと言っていたとも思う。
だが、逃亡の機会があるとすれば、それしかないとも考えていた。
宝玄仙が道術が遣えないのは、膣の中に魔法柱という物体があり、それに霊気を吸収され続けているからだ。
だから、それが抜かれて、新しい魔法柱を入れるほんの少しの隙を掴むことができれば、宝玄仙の道術だったら、こんな二流程度の亜人くらい簡単に圧倒できるのだ。
なにしろ、宝玄仙の役割は、膣で魔法石を培養するという家畜なのだ。
だから、魔法柱を入れっぱなしでは、その役割を果たせない。
絶対にその機会はある。
問題は、そのときに、宝玉ではなく、宝玄仙が意識を保った状態でいる方法だ。
:なにしろ、宝玉は宝玄仙とは異なり攻撃道術が遣えないのだ。
闘勝仙との道術契約を一身に受けている宝玉は、闘勝仙が自分への反抗を防止するために結ばせた『真言の誓い』の効果が、闘勝仙の死後でも効いていて、ほかの道術は遣えるが、いまだに他人を攻撃する道術を遣うことができないのだ。
これまでのここでの生活で、宝玄仙の膣の魔法柱を入れ換えたのは二回だった。
その二回とも、溜まりきった快感を一気に解放させられる衝撃に耐えられずに意識を手放してしまった。
そして、気を失っているあいだに、膣の魔法柱を入れ替えられてしまったのだ。
だが、今度こそ……。
「なにか企んでいるような顔じゃな、宝──。本当に、お前は玉とは異なり、嘘が下手じゃな。同じ人間が分かれた人格なのに、基本的な部分の性質がここまで違うのは面白いわい。まあ、だからこそ、分裂したのじゃろうがな……。さて、じゃあ、いま、頭に思いついたことを喋ってもらおうかのう、宝」
蝦蟇婆の声がした。
驚いた──。
自分の心臓が激しく高鳴るのがわかった……。
この婆あは、易でも見るのだろうか……?
いま、宝玄仙がこいつらの立場を逆転する方法として宝玄仙が考えていることを心に思った。その途端に蝦蟇婆がそれを指摘した。
宝玄仙はびっくりしてしまった。
しかし、それを口にするわけにはいかない。
それだけは黙っていなければ……。
「蝦蟇婆様──。な、なにもないよ。隠していることは──」
宝玄仙は声をあげた。
反撃のために考えていることを喋らされるよりも、さっき言われた蝦蟇婆様という呼びかけをする方がましだ。
しかし、蝦蟇婆が爆笑した。
「本当にお前はわかりやすいのう──。どうやら、図星だったようじゃが、それを隠すために、嫌がっていた“蝦蟇婆様”という呼びかけに応じるとはな……。まあいい……。時間はたっぷりとある。その狂うような痒みにかかっては、なんでも話すしかないじゃろうて……」
蝦蟇婆がさらに笑いながら言った。
宝玄仙は眼をつぶったまま、歯を喰い縛った。
なにもかも見透かされている……。
それに、この痒み責めで火で抉られるような苦痛が全身から湧き出している。
「わ、わかったよ──。喋る──。なんでも喋るから、この痒みをなんとかしておくれよ、蝦蟇婆──」
宝玄仙はもう耐えることができずに、甲高い声で許しを乞うた。
「“蝦蟇婆様”じゃ──。もう忘れたか──。まあ、もう少し痒み剤を塗り足せば、躾のできていない家畜でも、言いつけを忘れんじゃろうて──」
蝦蟇婆がの笑い声がした。
「ところで、わたしのことは“輪廻お姉さま”と呼んでもらおうかしら。さもなければ、お前の乳腺施術に細工をするわよ。母乳が出るたびに快感ではなくて、激痛が加わるようにもできるのよ」
輪廻が言った。
「なにがお姉さまじゃ──。お前、幾つじゃ。わしと生きていた年数は大して変わらんだろうが──」
「し、失礼にもほどがあるわよ。蝦蟇婆──。なんでわたしがあんたと歳が変わらないのよ──。百年は違うじゃないの──」
「寿命の短い人間に比べれば、お前もわしも、年寄りの化け物じゃ──。変わりないわい」
「見た目が違うでしょう──。み、た、め、が──」
輪廻が憤慨したような声をあげている。
「まあいい……。ところで、さっき言っておった、母乳が出ると痛みが走るというのはよいのではないか──。ふたつあるんじゃ。どっちかをそうしたらいいじゃろう」
「なるほどね……。だったら、片方が快感、片方が激痛……。母乳が出るたびにそれが走るようにするわ。そのうちに、痛みにだって快感を覚えるようになるかもね」
「当然なるじゃろうな──。まあ、その頃には、この宝も、すっかりと家畜になって、なんにも考えることができんようになっていると思うがのう──」
蝦蟇婆の高笑いに合わせるように輪廻も笑い声をあげた。
もうどうにでもすればいいと思った。
しかし、その会話の直後、ふたりがなんとなく宝玄仙から離れる気配がした。
宝玄仙は、ふたりの顔を見ないように気をつけながら、がたがたと音がする身体の横を見た。
蝦蟇婆の手元があり、その手がまだ封を切っていない小瓶を取りだして封を切っている。
「こ、こらっ──。わ、わたしにはもう耐える力がないんだよ──。それは許しておくれよ──」
封を開いた瞬間につんという痒み剤特有の刺激臭がやってきて、宝玄仙は狼狽えた声をあげた。
「耐える力がなくても、気絶もできんし、死ぬこともできん。痒みは癒せんだろうから、安心して苦しむがよい」
蝦蟇婆が嘲笑った。
「そろそろ、乳腺の施術は終わりよ、宝──。次は、乳房の快感を直接、脳の神経に繋げるわ──」
蝦蟇婆の手元を見ていた宝玄仙の視界に、急に身体を傾けた輪廻の顔が割り込んできた。輪廻が意図的に宝玄仙の視界に顔を入れたのは明らかだ。
「はうっ──がっ──」
今度も予期していなかった。
またさっきのように急に呼吸が停止され、宝玄仙は慌てて眼を閉じるとともに悲鳴をあげた。
「顔を見るなと言ったであろう、宝──。ところで、新しい痒み剤を足されたくなければ、お前の下らぬ企みを口にせよ。つべこべ言わずにな──」
蝦蟇婆が愉しそうに笑っている。
その笑い声を耳にしながら、宝玄仙は暴れ続けた。
「あっ、ああっ……」
どうしても息ができない──。
しかし、その宝玄仙の苦痛にさらに追い討ちが襲う。
息がとまって苦しい身体に、さらに新しい薬剤が蝦蟇婆の指によって足されたのだ。
骨まで砕けるような激烈な痒みが襲い続けているこの身体にだ──。
「はっ──はっ──」
宝玄仙は呼吸が止まる苦しさと、さらに加えられる痒みの恐ろしさに、ただ、全身を震わせてのたうつばかりだった。