「ああ、こ、こんなの酷いわ……。お願いよ……。お、お願い……」
髪を振りたてながら、宝玉は涙を浮かべて懇願を繰り返した。
「香りを嗅がせただけであっという間に出て来たのう……。お前が玉であることは間違いないようじゃな。失神を促す香りによる宝の人格の交代も一発じゃった。そのくせ、あれだけ責めたてたのに、香りを嗅がす前には、宝はどうやっても意識を手放さんかったな。どうやら、わしの人格の道術はほぼ完成したようじゃ」
しかし、笑うばかりで天井から吊りあげられている宝玉には、今度は指一本触れようとはしない。
ふと見ると、蝦蟇婆は手に筆を二本持っていた。
意識の中で宝玄仙の恐怖と恥辱を共有している宝玉は、その筆に心からの怖気を感じた。
あの筆で宝玄仙は拷問のような責めを受けていた。
道術で相手を見れないように視界を制限されて、眼を閉じることで敏感になった肌を筆でくすぐられ続けたのだ。
しかし、蝦蟇婆は筆をそばの台に放り投げると、宝玉のそばに椅子を持ち出してきて腰掛けた。
とりあえず、蝦蟇婆はなにもする気がないようだ。
だが、それは別の意味で恐怖だった。
「ね、ねえ……。が、蝦蟇婆様……。が、我慢できないわ……。ああっ──」
宝玉はそんな蝦蟇婆の前で苦悩と哀願を繰り返しながら、どうにか痒みを消そうと身をくねらせた。
前肢となる腕だけで長い時間吊りあげられていることで、鎖が繋がれている肩からは痺れるような痛みが走っていた。
だが、その痛みが宝玉にはありがたかった。宝玉はその痛みが増大するように、意図的に身体を強く揺すぶってもいた。
痛みを感じることで、痒みがほんの少し癒えて、やっと宝玉は理性を保つことができる気がしていた。
いずれにしても、意識の中で宝玄仙が、蝦蟇婆や輪廻の顔を見ることで息が停止する道術をかけられたことは認識していた。
しかし、いま、宝玉が蝦蟇婆の顔を見ても、別段の異常はない。
本当に蝦蟇婆は宝玉と宝玄仙の人格に別々に道術をかけることができるようになったのだ。
それだけ、蝦蟇婆によるこの身体の人格支配の程度は進んだということだ。
このことに宝玉は愕然とする思いだ。
それにしても痒い……。
脳が焼ける──。
身体が千切れる──
だが、蝦蟇婆はなにもしようとはしない。宝玉の苦しみは耐え難いものになっていた。
「許して……許してよ……」
宝玉は宙吊りの身体をくねらせながら念仏のように繰り返した。
「まあ、しばらく待て、玉……。わしの道術で人格が交替できるようになったのはわかったから、次は道術なしで暗示と同じ匂い袋の香りを嗅いだだけで、人格が交替するようにするからのう……。そうすれば、お前の頭が香りを覚えてしまって、誰でもお前の人格を匂い袋だけで統制できるようになるわい。そうなれば、わしの役目も終わりということじゃ……。さて、来たようじゃ」
背中側の扉ががちゃりと開いて、何人かの人間が入ってきた気配がした。
「ほうっ、ほうっ、おっぱい──、おっぱい──」
「おっぱい──」
まず聞こえたのは、蝦蟇婆たちが白痴兄弟と呼んでいる一鉄、二鉄という名の巨漢の亜人だ。
いつも腰に革の半下袴を履いているだけの上半身が裸の姿であり、白壁を思わせる平らで真っ白い肌をしている。
言葉をうまく操るほどの知恵はないらしく片言しか話せない。
だが、蝦蟇婆には絶対服従で、宝玉や宝玄仙の家畜としての世話係だ。
この身体の洗浄や食事の世話をするのも、この兄弟の役割である。
しかし、このふたりが宝玉や宝玄仙に手を出すことはない。
実際、宝玄仙がこのふたりを色仕掛けでたぶらかせないかと考えて、蝦蟇婆や寧坊のいないところで、何度か愛想を振りまいたりしていた。
うまくたぶらかすことができれば、このふたりをうまく使って、膣から魔法石を取り除かせられると思ったようだ。
だが、それは失敗した。
このふたりはそんな宝玄仙を完全に無視して、本当に家畜に接するように淡々とこの身体を洗ったり、髪を整えたりという作業をするだけだったのだ。
宝玄仙の露骨な誘いにも、興味を示す感じではなかった。
このふたりは残念ながら、蝦蟇婆を裏切ることも、言い付けに背いて愚かな失敗をすることもなさそうだ。
宝玄仙も宝玉も、逃亡の手段としてこのふたりを利用することは、早い段階で諦めた。
このふたりは、女としての宝玉や宝玄仙にまるで興味がないかのようだった。
そうかといって、男性機能がないのかと思えばそうではない。
蝦蟇婆が命じれば、すぐに半下袴から肉棒を取り出して精を放つということもする。
宝玉や宝玄仙が与えられる餌に毎回精液をふりかけるのも、このふたりの役目なのだ。
宝玉と宝玄仙は一日二食与えられる餌のような食事に、この兄弟の出した精を混ぜられて口にさせられていた。
「おっぱい」
「おっぱい」
宝玉の前に回り込んできた兄弟が嬉しそうな声をあげた。
なぜか、このふたりは宝玉や宝玄仙のことをおっぱいと呼ぶ。
「これは、玉の方かい、蝦蟇婆?」
「ねえ……か、痒いの──。もう、許して──。ねえ──」
宝玉は全身を暴れさせながら悲鳴をあげた。
しかし、蝦蟇婆と輪廻はそんな宝玉を完全に無視している。
一鉄と二鉄の兄弟も、にたにたと微笑みながら宝玉の乳房を食い入るように眺めているが、指示なしに宝玉に触れるということはない。
「次は道術じゃなくて、匂い袋で人格を交替できるようにするぞ、輪廻──。まずは、宝玉じゃ。脳天を焼いて失神するほどの快楽を与えながら、その都度、人格交替のきっかけとなる香りを嗅がせるのじゃ──。もう、ほとんど支配は完了しているから、特に面倒はいらんと思うがのう……」
「胸でも達すると思うけど、失神するほどというと、それほどの快感はないわよ、蝦蟇婆……。溜まりきった快楽をほんの少しだけ発散できる程度の絶頂しかできないわ。胸で絶頂しても、身体の疼きはそのままよ。脳天を焼くほどの快感となると、やっぱり、いまの宝や玉には、お尻を弄るしかないわね」
「わかっておるわ。白痴どもを連れて来るときには、寧坊に見つからんようにと頼んだのじゃ──。勝手に尻で欲情させると、魔法石に斑ができて粗悪品しかできんと、あいつがやかましいからのう」
「都合よく、昼寝をしていたわよ──。小憎たらしいませ餓鬼だけど、寝顔はまだまだ可愛いお子ちゃまね」
輪廻が笑った。
「さて、じゃあ、そろそろ、始めるかのう──。とりあえず、この変態医師の乳腺施術の効果から確かめるか──。一鉄、二鉄、お前たちは片方ずつ、玉の乳房にとりつけ。そして、わしが合図をしたら、まずは乳房を揉みあげよ。但し、片方ずつじゃぞ。順番に揉むのじや」
「変態医師は酷いわねえ……」
輪廻が苦笑している。
蝦蟇婆の命令によって、ふたりが奇声をあげて宝玉の身体の両側についた。
このふたりの見た目はまったく同じだが、目印の代わりに蝦蟇婆が、彼らの首に色つきの首輪をさせている。
赤い首輪が一鉄で、青い首輪が二鉄だ。宝玉から見て、一鉄が右、二鉄が左側につく。
「一鉄、始めい──」
蝦蟇婆が声をあげた。
「おっぱい、おっぱい──」
一鉄が大声でわめきながら片手でぐにゃぐにゃと宝玉の右胸を揉み始める。
「うほおっ──」
肉芽並の感度に引きあげられている乳房を揉まれて、宝玉は堪らず吠えた。
一鉄の指は痒み剤を重ね塗りされた乳首をしっかりと挟み込んでいた。
揉まれることで掻痒感が消滅していく気持ちよさは、一瞬にして宝玉を快感の極致に飛翔させた。
「んほおおおおお」
宝玉は全身を暴れさせながら凄まじい愉悦に歓声をあげていた。
「まるで動物のように浅ましい声じゃなあ──。それでも人間族の女か──。少しはつつましくせんかい──」
蝦蟇婆が呆れたような声を出した。
しかし、一鉄の力強い乳房の揉みあげは、とんでもなく気持ちよかった。
あまりの快感に宝玉は短くなっている両脚を激しく擦りつけて、一刻も早くその愉悦を全身に拡げさせようとした。
股間から大量の愛液が垂れ落ちるのがわかる。
宝玉は荒々しい一鉄の愛撫を受けつつ、肉の溶けだすようなその愉悦に全身を震わせた。
「今度は最後までいかせてやろう、宝玉。寸止めの意地悪はせん。遠慮なくいけ──。一鉄、もっと力を入れて揉んでもよいぞ」
蝦蟇婆が言った。
一鉄の手がさらに力が加わる。
一気に愉悦が込みあがる。
「ふうっ、ああっ、ほうっ……」
迸る官能のうねりの導くままに、宝玉は右に左にと宙吊りの腰を激しく揺すぶった。
「い、いく、いく、いく、いく──」
宝玉は悲鳴をあげた。
怖ろしいほどに感度をあげられた身体に、道術による寸止めを繰り返された挙句の絶頂の快感だ。
宝玉は悲鳴のような声をあげて、ついに快感の頂上に昇り詰めた。
「はああっ──」
がくがくと身体を揺すりながら宝玉は、まるで尿意のような感覚が両方の乳房に込みあがるのを感じた。
「ひううっ──。ひぎゃあああっ──」
宝玉は悲鳴をあげた。
「おっぱい──」
「おっぱい──」
一鉄と二鉄も声をあげた。
なにが起きたのかすぐにはわからなかった。
頭が白くなりかけるような快感とともに、自分の両方の乳首から放物線を描いて母乳のような液体が迸るのはわかった。
それは凄まじい快感だった。
「ひがあああっ」
だが、次の瞬間、左の乳首にとてつもない激痛が加わった。
快感の余韻もあっという間に覚めるような衝撃だ。
そう言えば、輪廻と蝦蟇婆が、宝玄仙に乳腺化の施術をする際、母乳が噴き出るときに、片方は快感で片方は激痛が走るようにして、それが無規則に入れ替わるようにしようと言っていたのを思い出した。
つまり、それがやって来たのだ。
おそらく揉まれている右の胸から最初に母乳が噴き出して、それは絶頂の快感を呼び起こして脳天に伝えた。
しかし、全身が熟れきっていた宝玉には、同時に刺激を受けていない左胸からも快感を覚えて、母乳を噴き出させた。
今度はそれが激痛の信号を脳天に送ったのだ。
いずれにしても、快感の刺激も天にも昇るほどに気持ちよかったし、激痛もまた、皮膚まで染み込んだような痒みを忘れさせてくれる格好の刺激だった。
しかし、そんな心地よさは束の間だ。
すぐに全身を蝕む痒みが襲ってくる。
そして、まるでさっきの絶頂が存在しなかったかのように、寸止め状態の疼きが戻ってくる。
「お乳──」
「おうっ、おうっ」
一鉄の二鉄のふたりが、床に飛び散った宝玉の母乳を愛おしむように舐めだす。
「なんで両方から母乳がでるんじゃ、輪廻──? 普通は揉んだ方からしか出ないだろうが──」
蝦蟇婆が不思議そうに言った。
「随分と快感を溜めさせていたからねえ……。感極まったんじゃないの……? もう一度やらしてよ、蝦蟇婆」
輪廻が悠然と宝玉を眺めながら言った。
「うう……つ、続けて……続けてください……。お慈悲を……お慈悲を……」
宝玉は再びやってきた痒みの苦痛に耐えられずに言った。
どんなに馬鹿にされようが蔑まれようが構わない。
さっき味わった一瞬の気持ちよさがあれば、もうなんにもいらない。
一生、このまま家畜でも構わない……。
そんなことすら思った……。
「こらっ、お前たち、床にこぼれた乳なんていつまでも舐めんじゃないよ──。そんなのその雌畜のでかい乳房を揉めば幾らでも出て来るわい──。さあ、今度は二鉄じゃ。始めよ──」
蝦蟇婆が怒鳴った。
這いつくばって床を舐めていたふたりが慌てたように起きあがる。
「おっぱい──」
二鉄が左の乳房をこねあげてくる。ぐにゃぐにゃと大きくなった乳房を変形させられ、宝玉の全身に甘美感の衝撃がどんどんと響き渡っていく。
その胸の刺激に合わせるように、自分から腰を振る。すると愉悦が宝玉を貫き、自分の置かれている恥辱を忘れさせてくれるような被虐の興奮が四肢を切断された五体を貫く。
「今度もあっという間に達しそうね……。今度は左の胸からしか母乳は噴き出さないと思うわ。今度は快感かしら、それとも激痛かしら──」
輪廻がからかうような声をあげた。
しかし、その侮蔑の言葉すら宝玉は快感に覚えた。
自分はただ快感を追うだけの家畜だ……。
そう思うと全身を震えさせるような倒錯的な興奮が走る。
「お前は家畜じゃな、玉」
蝦蟇婆の声がした。
「は、はい──。か、家畜です──」
込みあがる快感に酔いながら、瞬時に宝玉は答えていた。
気持ちいい──。
片方の胸を揉まれながら、再び込みあがる飛翔の感覚に宝玉は酔っていた。
こんなに気持ちがいいなら、本当に家畜でも構わない──。
宝玉は心の底からそう思った。
「お前は家畜じゃ──。そうじゃな、家畜?」
「はい、か、家畜です──ひいうっ──き、気持ちいい──ああっ」
「家畜と認めるなら、もっと気持ちいことをしてやるわい。だから、もっと心の底から家畜だと叫ぶんじゃ。自分の脳天に刻み込むようにな」
「わ、わたしは家畜です──はあっ──ああっ──」
蝦蟇婆に言われるままに、自分の心を曝け出すような思いで叫んでいた。
なにかが胸から込みあがる……。
快感が昇る……。
乳房に熱いものが集まり、それが乳首に向かってやってくる──。
気持ちいい──。
飛んだ──。
快感が迸る──。
「あっ、はあああっ──」
左の胸から母乳が噴き出すのがわかった。
二鉄が口を開いて、それが床に落ちる前に口中に受けとめた。
全身ががくがくと震える。
またしても、胸で達した。
絶頂の余韻が走る……。
達したことで、ほんの少しだけ理性が戻る……。
白痴の亜人に乳房を揉まれて、その快感に全身を震わせるほどに酔う……。
惨めだ──。
心のどこかに残っている宝玉の理性が恥辱に震えた。
だが、すぐに戻ってくる痒みの苦しさがその理性を押しやっていく。
戻ってくる恐ろしい痒みと、身体がただれるような疼き……。
宝玉は耐えられずに悶え泣いた。
「も、もっと……。もっとください……。お、お願いします──」
宝玉は宙吊りの身体を揺さぶりながら叫んだ。
「一鉄、許可する──。そいつの尻を犯すんじゃ──」
不意に蝦蟇婆が言った。
「あらっ、勝手にお尻を使っていいの? それは青獅子様用の場所でしょう? それに寧坊坊やがうるさいわよ」
輪廻が眼を細めて言った。
「構わんわい──。陛下は、今日については、玄魔様のところで孫空女の仕上がり具合を視察だそうじゃ。今夜は来ん──。それに、暗示を刻み込むためにこれは必要なんじゃ」
孫空女──。
懐かしいその言葉に宝玉は、一瞬だけびくりとなった。
だが一瞬だけだ。
すぐに次の愉悦を求めて全身を震わせた。
鎖が緩められて、宝玉の身体ががらがらと音を立てて引き下げられた。一鉄が宝玉の尻を犯しやすいように、高さが調整されたのだ。
背後で一鉄が半下袴を脱ぐ気配がする。
「二鉄は胸だ──。両方揉んでやりな──」
「おっぱい──」
二鉄が宝玉の前に回って乳房を揉みだす。
「はあっ、ああっ──」
始まった愉悦に宝玉はすぐに身体を振って甘い声を迸らせた。
「うはっ、あああっ──」
気持ちいい──。
宝玉は身体をのけぞらせて吠えた。
「うがっ」
よがり悶える宝玉の尻たぶが一鉄の手で押し広げられる。
すぐに肛門に一鉄の怒張が挿し込まれてきた。
「はああっ──うわああっ──」
この世にこんな凄まじい快感があったのだろうか──。
尻穴の中に一鉄の男根がめり込んでいく……。
怒張がたっぷりと塗り込められた掻痒剤を潤滑油にして、まるで愛液を溢れさせる女陰が犯されているような、にちょにちょという音を響かせて尻の奥まで入ってくる。
「ああっ、ひいいっ──」
宝玉は自分で腰を背後に向かって打ちつけるように動かしていた。
痒みが消えていく快感は途方もない快美感だ。
下半身が溶ける……。
身体が流れ出していくようだ──。
揉みあげられる胸も気持ちいい──。
「ふわあっ──はあっ、あっ、ああっ」
突き抜けるような愉悦の交差に、宝玉は獣のような嬌声をあげていた。
もっと激しく──。
もっと惨めに──。
もっと気持ちよくして──。
宝玉は最奥まで到達した感のある肉棒を尻で締めつけながら腰を振った。
「お前は家畜じゃ──」
いつの間にかすぐそばに蝦蟇婆が立っている。
宝玉に向かって家畜だと言いきかせている。
「か、家畜です──。ひううっ──はっ、はあっ──か、家畜です──」
自分は家畜だ。
いまさらのことを何度も言われることに宝玉は当惑さえ感じた。
それよりも胸と肛門の愉悦が弾ける。
歓喜のうねりが拡がる。
「家畜じゃ──。よいな──。家畜だから絶頂できるのじゃ。人間ならば、この快感はやらん──。すぐに中止させる──」
蝦蟇婆が言った。
宝玉は仰天した。
「か、家畜です──。間違いなく家畜です──あああっ」
慌てて叫んだ。
自分の声はほとんど悲鳴に近かったと思う。
この快感を取りあげられたくない──。
そんなことをされれば、自分は間違いなく発狂する。
「家畜ならばいけ──。わしの眼を見よ。本当にお前が家畜を心の底から思っているかどうかを確かめる──。お前の心に少しでも人間の心が残っておれば、この快感は取りあげる」
「ふうっ、はあっ、か、か、家畜です……。か、家畜です……ああっ」
もうすぐいく──。
自分は家畜だ。
宝玉は自分に言いきかせる。
「どうやら本当に堕ちたようじゃな、家畜……。ならばいけ──」
蝦蟇婆が笑った気がした。
だが、驚くほどの速さで絶頂がやってきた。
切羽詰った息とともに宝玉は、肛門に挿入されている肉棒を締めあげた。
一気に快感を解放する──。
「はううっ──い、いくうううっ──」
想像もしたことのない快感が全身を貫いた。
両方の乳房からまた母乳が吹き出し、片方からは激痛が加わったが、それさえも気持ちよかった。
つんとした刺激臭がした。
蝦蟇婆がなにかの小袋を宝玉の鼻に当てている。
その香りを嗅ぎながら、宝玉は真っ白い光の中に自分を導かせていった……。
*
花の香り……。
いったいどういう状況なのか、宝玄仙はわからなかった。
さっき痒み責めと筆責めを与えられていて、その途中で、あの失神を促す刺激臭で意識を手放した。
いまも同じような状況のようだが、いつの間にか、眼の前に一鉄と二鉄の白痴兄弟がいる。
あれから幾らかの時間が経過した感じだ。
呼吸の止まる苦しみを思い出して、視線を上にあげないように注意する。
赤い首輪をした一鉄は全裸のようであり、ねらねらとした体液のようなものが勃起した肉棒に付いている。
輪廻が宝玄仙の顔の前に置いていた小さな匂い袋を避けた。
どうやらそれを嗅がされていたために、あの花の香りを感じていたようだ。
「人格交替はもはや完璧ね……。これで、安心して、金凰魔王様のところにも送れるわね、蝦蟇婆」
輪廻が言った。
「いや、玉は堕ちたが、宝はまだじゃ──。今度は宝を堕とす──。それでわしの役目は終わりじゃ」
蝦蟇婆がそう言った。