507 狂宴の余興女
「はあっ……はっ……はっ、はああっ」
肺腑を抉るような被虐の情欲が魔凛を襲っていた。
『服従の首輪』によって強要されている自慰による快美感が、またもや激情となって魔凛に襲いかかっていた。
「いいぞ、
「そりゃあいいや。ついでに、もっと派手な声でよがってくれよ、魔凛隊長──。ねえ、
酒盛りをしている大旋風の部下たちが、逆さ吊りにされている魔凛の正面に陣取る大旋風に言い寄る。
「わかった、わかった──。魔凛、いまのは聞こえたな──。じゃあ、命令だ。そうしろ」
大旋風が言った。
その言葉が首輪の霊具に伝わり、魔凛の心を道術で縛ったのがわかった。
理解できる言葉で命令されれば、絶対に逆らえない怖ろしい支配霊具だ。
たちまちに魔凛の喉は、魔凛の心を裏切って、派手な嬌声をあげはじめた。
「いやあっ、はああっ、いく、いきそうよ、あはああっ──」
魔凛の声があられもない声に変わったことで、大旋風の部下たちが一斉に歓声をあげた。
ここは、大旋風の直属隊が軍営代わりにするために押収した人間族の貴族の屋敷であり、魔王宮の隣に位置している建物だ。
今日も、いつものように、大旋風とその取り巻きたちによる魔凛への凌辱が続いていた。
この屋敷の大広間は、大旋風隊の主要幹部の集会所のようになっていたが、今日はまず、ここに集まった男たちから朝から代わる代わる輪姦された。
もちろん、抵抗は首の『服従の首輪』によって封じられた。
それどころか、命令によって魔凛は、男たちのたちの肉棒を自らしゃぶり、彼らの性器に股がり、腰を振って精を受けるということまでやらされたのだ。
しかも、どこをどんな風に感じているかを大きな声で叫びながらだ。
どんなに屈辱的な行為であろうとも、一度大旋風に“命令”という言葉を使われたら終わりだ。
それがいかなる行為であろうとも、やらされてしまう。
それがこの『服従の首輪』という支配霊具の恐怖だ。
やがて、半日以上も続いた凌辱が終わると、今度は、天井の金具から垂れる鎖に両足首をそれぞれに左右から繋げられて、身体全体が宙吊りになるまで引きあげられて、いまのように大股開きで逆さ吊りにされた。
これは、これだけの人数の精を生で受けた魔凛に対する大旋風の嫌がらせだ。
膣に溜まった男たちの精が出ないようにして、孕み易くするためらしい。
そして、男たちは凌辱され続けた股間を晒されるという想像もしたことのない恥辱の格好の魔凛を囲んで酒盛りを始めた。
すると、大旋風は魔凛に、余興代わりにその格好で自慰をし続けろと命令をしたのだ。
『服従の首輪』の力を遣って、魔凛に自慰をしろと命令されれば、その通りに実行する以外にあり得ない。
『服従の首輪』の恐ろしさは、骨身に染みている。
“命令”と告げた言葉に絶対に逆らえない恐怖の支配霊具だ。
完全に意思はある。
意思があるのに、命令者の言葉を絶対の命令として身体が動いてしまうのだ。
この首輪を嵌めて命令されれば、半日も続いた輪姦で骨まで砕けそうに疲労をしていても、魔凛の両手は快感を求めてひたすらに自慰を続けなければならない。
それこそ、いきすぎて気を失うまで、魔凛の手は勝手に股間を苛み続けるだろう。
しかも、いま大旋風が魔凛に与えている命令は、ただ自慰をしろという命令ではない。
可能な限り感じるように股間を自分で苛め──と命令されている。
その言葉に従って、魔凛は自分の股間の感じるところをひたすら探して、少しでも多くの快楽をむさぼろうと股間を弄り回している。
そんな魔凛の痴態を肴に大旋風たちは酒盛りをしている。
そして、その中心で逆さ吊りの魔凛は命令によって一心不乱に、自らを感じさせる自慰をひたすらにやり続けていた。
その結果、この恥辱の自慰が始まってまだ、半刻(約三十分)だというのに、四回も絶頂に達していた。
しかし、何十回達しようとも、命令が解除されない限り、魔凛の手は、文字通り死ぬまで自慰を続けるしかないのだ。
実際、一度それをやらされたことがある。
この大旋風隊の軍営になっている屋敷の門の前の通りに立たされて気絶するまで、股間をむさぼっていきまくれと、木製の張形を渡されたのだ。
そのときも、道術に封じられて動けない身体を見物人に奇異の目で眺められながら、魔凛は夜まで淫具による自慰をやり続けた。
あの時ほど、自分の身体の丈夫さと、発狂のできないことを恨めしく思ったことはない。
「へへ、見ろよ、こいつの口惜しそうな顔を……。ねえ、大旋風隊長、こいつは俺たちの眼の前で自慰なんて姿を晒してくれているのに、こんなに口惜しそうですよ」
大旋風の右隣りにいる部下が愉しそうに笑った。
「そりゃあ、口惜しいだろうさ──。言っておくが、こいつは好んでこんな醜態をやってみせてくれているわけでもねえし、心が折れて屈服して命令に従っているわけでもねえ──」
「そうなんですか? 結構、こいつもお愉しみみたいですけどね」
大旋風の部下が追従するように笑って、大旋風に酒を注ぐのが視界に入った。
魔凛はかっとなった。
「とんでもねえよ。こいつは屈服なんてしねえ。こいつの首輪の霊具が、俺の命令に絶対服従の支配を強要しているだけであり、心じゃあ、俺のことを殺したくて殺したくて仕方がねえのさ──。そうだろう、魔凛?」
大旋風が大笑いしながら手に持っていた杯をぐいと空けた。
すかさず、脇からその杯に酒が足される。
「く、口惜しいに決まっている──。い、いまに見ていろ──。ぜ、絶対に殺してやる──はあっ、はああっ、いくっ──魔凛はいきます──」
自分の声が突然に絶叫した。
そう言えば、さっき、そうしろと命令をされていた。
魔凛の記憶にはもうなかったが、身体はそれを覚えいていて、恥辱の台詞を魔凛に絶叫することを余儀なくさせたらしい。
魔凛の突然の大声に大旋風たちは、一瞬、きょとんとしていたが、すぐに爆笑した。
「い、いくううっ──」
魔凛はまるで自分の声ではないような甘い声をあげながら、自分の指によってまた快感の頂点に導かされてしまった。
逆さ吊りの全身が痙攣を起こしたようにぶるぶると震えて女陰からどっと蜜が溢れたのがわかった。
股間を苛む指を伝って、つっと股間から胸に向かって愛蜜の滴りが流れ落ちていく。
「も、もう、許して……」
魔凛はついに耐えられずに、わっと泣き出してしまった。
しかし、魔凛を囲む卑劣漢たちは、それさえも酒の肴なのか、魔凛の哀願を嘲笑と卑猥な揶揄で返してきた。
「ほら、ほら、やめるんじゃねえぞ、魔凛──。そのうち、もっと、面白いことを考えてやるから、それまで、ちょっと自慰でも続けておいてくれよ。そうだ。今度は股間だけじゃなくて、乳房も刺激しろよ。もちろん、一番感じるように揉みまくるんだ。命令だ──」
魔凛の泣き顔がそれほどに愉しいのか大旋風が膝を叩きながらそう言った。
それまで両手で股間を苛んでいた魔凛の片手がすっと下にさがり、魔凛の右胸の乳首に向かった。
そして、乳首をぶるぶると弾くように動き出す。
「も、もう、やめさせておくれ──。ちょっとでいい……。きゅ、休憩を……あああっ……」
絶頂の余韻のような甘美感に酔うことも許されずに、再び自分の手によって股間と乳首から快楽の衝撃が襲う。
朝からの淫情地獄と、命令によって続けさせられている自慰による連続絶頂で全身がばらばらになるような疲労感にある魔凛に、また快楽の嵐が襲いかかる。
その自分の痴態をただ見物されるだけの惨めさ──。
地獄だ──。
望まない快感を受けながら魔凛は思った。
可能ならばこの場で自殺したい──。
心からそう思った。
こうやって想像もできないような恥辱を受けて卑劣な男たちを悦ばせるだけの性の奴隷というのが、三魔王軍の筆頭軍である金凰軍の総司令官だった女将軍の魔凛の成れの果てなのだ。
いや……奴隷でさえも、いまの魔凛よりはましだろう。
あの日、大旋風や青獅子の罠にかかって、『服従の首輪』という支配霊具を魔凛が受け入れて以来、多くの時間をここですごしていた。
毎日のように繰り返し、大旋風やその部下たちから凌辱される……。それが、いまや、大旋風の奴隷に成り果てた魔凛の当たり前の日常だ。
すべては、周到に準備された罠に嵌った魔凛自身の愚かさから始まった。
鳥人族の地位を三魔王軍の中で確かなものにするために、三魔王軍の総帥である金凰魔王の愛人になった魔凛だったが、手玉にとったつもりの金凰から、逆に手玉に取られているとは夢にも思っていなかった。
それどころか、美しい顔立ちで有名な鳥人族の中でも群を抜いた美貌と謳われた魔凛の身体にすっかりと金凰魔王は溺れこんでいるものと信じきっていた。
愛人という立場を利用して、金凰軍の総司令官になった魔凛だったが、金凰魔王がすっかりと魔凛に飽きてしまって、むしろ持て余しているということにまったく気がつかなかった。
金凰魔王がわざわざ手の込んだことをして、魔凛を人間族の王国に遠征する青獅子軍に出向させて、青獅子に魔凛の処分を頼んだのは、魔凛に集団縛心術という大きな道術があったからだ。
青獅子軍に少数の部下とともに加わった魔凛は、その術を使って、この獅駝の城郭を無血占領し、遠征の本来の目的だった宝玄仙という大道術遣いの捕縛にも成功した。
しかし、魔凛は、この際、青獅子の準備した罠にかかり、敗北した者が相手の命令にひとつだけ従うという真言の誓いを結んで、宝玄仙狩りの賭けをしてしまったのだ。
賭けの内容は、宝玄仙を捕らえて青獅子に引き渡した者が勝ちという条件だったが、愚かなことに、魔凛は捕えた宝玄仙の身柄を愛人の麗芳に変身した大旋風に引き渡してしまって、青獅子に届けることを託してしまったのだ。
その結果、宝玄仙を青獅子に引き渡したのは、大旋風ということになり、真言の誓いに従って、魔凛は『服従の首輪』という支配霊具を自分の身体に装着することに同意してしまった。
そして、真言の誓いによって、魔凜は首輪を受け入れてしまい、地獄が始まった……。
大旋風が変身した
その場で襲いかかって大旋風を殺してしまいたかったが、魔凛にはどうにもできなかった。
魔凛は首輪の力で大旋風を殺せない。
それどころか、もしも、眼の前で大旋風が危機に陥れば、身を挺して大旋風を守れという命令さえも与えられている。
魔凛にできたのは、麗芳の死に、ひたすらに慟哭し続けることだけだった。
「ねえ、隊長、俺はこいつの自慰を見てたら、また、むらむらしちまいましたよ。ちょっと、魔凛の口を貸してくださいよ」
この中で一番若い将校が完全に酔った顔でそう言って、ふらりと立ちあがった。
「おう、いいぜ──。魔凛、こいつの珍棒をしゃぶってやれ。愛おしく、恋人の一物を舐めるように奉仕するんだぜ。万が一にも歯なんかたてるんじゃねえ──。命令だ」
大旋風が魔凛にそう言うとともに、からからと両脚を吊っていた鎖が引きあがった。
魔凛の顔は、ちょうど男の股間を舐めるのにちょうどいい高さに調整される。
下袴と下着をさげたさっきの男の一物が、逆さ吊りの魔凛の口に突き出された。
首輪の支配に逆らえない魔凛の口は、怖気さえ走るその男の一物を口で受け止め、唾液をまぶすという行為を始めた。
「うまいものだぜ……。最初の頃は、あまりに下手でなっていなかったのにな──。いまでは、いきなり激しく吸われて男が痛みを感じないように注意深く唾液をまとらせることから始めるという気の使いようだ……。さあ、もういいぜ。じゃあ、俺たち相手に覚えた魔凛隊長の舌技をみせてくれよ」
魔凛に奉仕をさせている男が言った。
大旋風をはじめとする男たちがどっと笑う。
この男たちは、魔凛が首輪で支配されているのをいいことに、さまざまな調教を魔凛に強要したが、口で奉仕する技を教えこんだのもそのひとつだ。
魔凛はそれこそ、ここにいる男たちの一物を舌で暗記するくらいに、繰り返し舐めさせられた。
腹が沸騰するように煮えるのに耐えて、魔凛は唾液を塗った男の一物に唇を被せる。
しかも、この男の雁首はかなり大きくて苦しいのだ。
魔凛は息が苦しくなるのを我慢して、男の一物を限界まで口を開いて受け入れた。
教えた技を駆使して、最高の奉仕をするように命令もされているので、魔凛の身体は勝手に必死の口での奉仕をしてしまう。
自分ではどうにもならない。
あまりの惨めさに涙がつっと出た。
しかも、そんな奉仕を魔凛は自分の身体を愛撫しながらやっているのだ。
なんという惨めで情けない行為なのか……。
しかも、こいつらはよってたかって魔凛の愛人だった麗芳を責め殺した仇なのだ。
「おい、ところで、
大旋風が不意に叫んだ。
魯深というのは、いま魔凛に奉仕をさせている若い男の名だ。
芸というのはなんだ……?
魔凛は一心に舌を魯深の亀頭を這わせながら思った。
「ああ、じゃあ、やりますか……。おい、魔凛隊長、ちょっとばかり、驚くかもしれねえが、口を離すんじゃねえぞ」
魯深がいきなり魔凛の後頭部を掴んで、ぐいと自分の股間に押しつけた。
「んんっ──」
鼻が股間に押しつけられて息ができない──。
魔凛は無意識のうちにもがいた。
舌は懸命に奉仕のための動きを続けているから、空気を求めてもがくくらいはできるようだ。
するといきなり、口に咥えていた魯深の一物がぐいぐいと鎌首をもたげてきたのだ。
しかも、大きくなっている。
ただでさえ大きかった怒張が、巨根と呼ぶのに相応しい太さと長さになって、どんどんと魔凛の喉を圧迫しはじめる。
「んぐううっ──んんごおおお──」
魔凛は暴れた。
大きくなった魯深の男根が、魔凛の喉の奥に突きあたったのだ。
道術の強制で舌は動き続けているが、喉の深くを挿されたことで魔凛に激しい吐気が襲った。
しかも、気道までもが圧迫されて息がとまる。
魔凛は奉仕しながらも、口の中で悲鳴をあげ続けた。
だが、こんなに暴れているというのに、股間と乳房を弄る自分の手はそのままだ。
さすがに苦しさが上回って快感は感じなかったが……。
「魔凛、魯深の一物は、道術で大きさを変えられるんだ。驚いたろう──。驚いたら必死に奉仕しろよ。さもないと息がとまって、死んでしまうぞ──」
大旋風が手を叩いて笑っている。
周りからもそれに同調する歓声が聞こえる。
だが、魔凛はそれどころではない。
ひっきりなしに襲い掛かる吐気と息の停止する苦しさと戦っていた。
眼の前が真っ白になる……。
苦しい……。
「ぐうう、ううっ……うぐうっ……」
魔凛は絞り出すような声をあげていた。
口の中の魯深の巨根が動き出したのだ。
しかも、かなり荒々しく──。
魔凛の喉の奥で肉棒の先を擦りあげるように突いてくる。
舌は、一応は命令に従って動いていはいるが、魯深は魔凛の舌を味わおうというのではなく、魔凛の喉そのものを巨根で犯すように突いてくる。
魔凛はあまりの苦しさに全身をばたつかせた。
しかし、道術の制御に加えて、しっかりと魯深が魔凛の後頭部を押さえているので、顔を自由にすることができない。
「出すぞ──」
不意に魯深が叫んだ。
次の瞬間、魔凛の喉にまとまった精が強い力で迸ったのを感じた。
「ぷはあっ──」
やっと魔凛の口の中から魯深の男根が出ていった。
魔凛の口は新鮮な空気を激しくむさぼった。
魯深が満足したような表情で魔凛から離れていく。
口の奉仕の”命令“の終わった魔凛の身体は、与えられている”命令“に従い、自慰に専念する態勢に戻る。
そして、また快感が込みあがる。
自分の身体を一番知っている自分の手が魔凛を責めているのだ。
命令で身体を支配されている以上、どんなに疲労でいっぱいでも、魔凛の身体はどんどんと快感をむさぼってしまう。
自分の指に股間を苛まれ、乳房を揉みほぐされて、すぐに名状できない快美な感覚が襲う。
苦しさに押さえられていた快感がまた頭をもたげる。
またもや激しい淫情に襲われて魔凛は、いくという叫びをあげて、全身を震わせて、またもや絶頂した。
「それにしても、大したものじゃねえかよ、魔凛──。尻の穴まで蜜が垂れ流しだ──。これが、金凰軍の総司令官でもあった女将軍の成れの果てかと思うと、ちょっと信じられないくらいだぜ」
大旋風が昇天したばかりの恍惚感に浸る魔凛をからかうように言った。
「いやいや、隊長、あれでも魔凛は必死になって、朝から受けた俺たちの精を股間から流し出そうとしてるんですよ。自分の蜜でね」
誰かが言って、また男たちがどっと笑った。
だが、魔凛はそのからかいに反応する余裕がない。
またもや、すぐに指が魔凛を快感の高みに連れていってしまう。
魔凛はあまりの連続絶頂に悲鳴をあげていた。
いくらなんでも、この連続の自慰による絶頂はつらい。
限界を超えた連続絶頂は、快楽といえども拷問にも等しい。
「も、もう許してよ……。わ、わたしは、もう身体がくたくたで……」
魔凛は言った。
哀願するくらいでこの男たちが魔凛をこの自慰地獄から解放するとは思えない。
魔凛が苦痛を訴え出したくらいからが、やっと責めの入口のようなもので、それから言語を絶する責めを続けられるのだ。
これまでがそうだった。
「いいぜ……。まあ、いつまでも同じことをしても面白くないからな……。じゃあ、命令を解除する。手を後ろに組め」
しかし、大旋風があっさりと言った。
魔凛はちょっとだけ驚いた。
「ただし、お前には城郭の市に、これからひとりで買い物に行ってもらう──。みんなで話し合ってな……。これから、お前の尻の穴を調教しようということになったんだ。そう言えば、お前の尻は、まだそれ程には調教してやってないからな──」
「けほっ、けほっ、か、買い物……?」
魔凛は大量の精を無理矢理に喉に押し込んだ苦しさに咳き込みながら、きょとんとした。
尻の調教はともかく、買い物とは……?
「とりあえず、市で野菜を買ってこい──。お前の尻穴に入りそうな野菜をな──。お前自身が自分の尻穴を責められる野菜を購ってくるんだ。これは命令だ──。そして、必ず一本は尻に埋めて戻るんだぞ。店の前で自分で挿入しろ。これも命令だ」
大旋風が言った。そして、げらげらと笑う。
周りの大旋風の部下たちも一斉に哄笑する。
「な、なんだと──」
思わずかっとなって怒鳴った。
どんなに文句を言っても絶対に強制的にやらせられるし、魔凛が怒ったり哀訴したりするのは、大旋風を悦ばせるだけだとわかってはいるが、あまりもの残酷な仕打ちに魔凛は文句を言わずにはいられなかった。
尻をいたぶられるということだけでも恥辱で気が遠くなりそうなのに、その責め具となる野菜を自分で買って来いと命令したのだ。
さらに、自ら店の前で野菜を挿入しろだと――。
あまりもの残酷な命令に、意識さえ遠くなりかける。
魔凛の身体は、激しい怒りで震えていた。
「素裸じゃああんまりだから、布一枚だけは許すことになったぜ、魔凛隊長よ。感謝してくれよな」
大旋風を取り巻く部下のひとりがそう言った。
またもや、すると一斉に嘲笑の笑いが起きる。
魔凛は、もうなにも言い返す気になれずに、ただ強く唇を噛んで周囲の男たちを睨みつけていた。
「それにしても、前々から思ってたんだが、お前の股ぐらの陰毛は、もう性奴隷に落ちぶれた女としては相応しくねえよなあ……。そう言えば、昨日、金凰様のところに送り込んだ孫空女の股倉には陰毛はなかったし、宝玄仙もそうだったな──。この際だ。お前もその陰毛は処分しておけよ──。性奴隷の証だ」
大旋風がおどけた調子で言って、魔凛に近づいてきた。
手に酒瓶を持っている。
朝から、この連中が飲んでいるかなり強い酒だ。
「な、なにするつもりだ──?」
嫌な予感がして、魔凛は逆さ吊りで手を後ろで組んだまま身体を左右によじった。
だが、大旋風は、薄ら笑いをしながら魔凛の股間目がけて、酒瓶の中の酒をぶちまけた。
「や、やめろ──」
魔凛は絶叫した。
酒を魔凛の陰毛に降り注ぎ終わった大旋風が酒瓶を床に放り投げると、道術で右手の人差し指の先にぽっと火をつけたからだ。
そして、その指の火が、魔凛の陰毛に伸びた。
「があああっ──」
魔凛は断末魔のような悲鳴をあげた。
自分の股間が炎に包まれたのだ。
大旋風と部下たちの歓声に魔凛の泣き叫ぶ声が混ざった。
火は瞬く間に魔凛の陰毛を焼き尽くし、今度は酒で表面が濡れている股間の肌に炎が燃え移っていく。
「ひがああああ、け、消してくれえええ、頼むううう。ぎゃああああ――」
魔凛は激痛にのたうち回った。
「心配するな。火傷は治療術で治してやるよ。さすがに犯せないと面白くねえからな」
魔凛が宙吊りの身体で暴れ叫ぶ姿が余程面白いのか、大旋風は腹を抱えて、狂ったように魔凛の前で笑い続けていた。