「わらわだけでは、手が足らぬと思うて、この奴隷宮の性奴隷を連れて来たぞ、沙那。なにせ、お前への責めは、昼も夜も、そして、日が変わっても、その翌日も延々と続けねばならんからな……。わらわには、ほかの新入り奴隷の調教もあるし、飯も食わねばならん。王女としての務めもあれば、眠らねばならん。だから、この五人を連れてきたのだ──」
小白香がからからと笑った、
沙那は絶望とともに、それを眺めた。
それにしても、痒い……。
「あ、ああああっ、あああああ」
沙那は拘束されている身体を暴れさせて絶叫した。
とにかく、痒い──。
痒いのだ──。
「まだ、始まったばかりじゃぞ、大丈夫か? せっかくの五人だ。簡単に屈服して無駄にせんでくれよ。とにかく、この女たちが、お前を交代で責め続ける。従って、お前は、『主従の誓い』をするまでは、ただ責められ続けるだけでよいぞ。それまでは、死なせてもやらんし、狂わせもせん。覚悟はよいな」
小白香が再び現れて、くすくすと笑った。
沙那に対する拷問の準備を整えると言って、小白香は一度沙那の前からいなくなったのだが、戻ってきた小白香は、ひとりではなく、五人の半裸の美女を連れてきた。
亜人のようだが、ほとんど人間族の女と変わらぬ美女たちだ。
その彼女たちの視線が一斉に沙那に集まった。
沙那は大きく息を吸って、静かに吐いた。
やはり、奇跡など起きない……。
沙那は覚悟を決めた。
これから、この小生意気な少女の拷問が始まるのだ。
いや、もう、始まっている……。
すでに、沙那の身体に塗られた痒み剤の効果が狂おしく沙那を責めたて続けていた。
しかし、それに対して、沙那は耐えること以外の一切の抵抗の手段を封じられている。
ただ、全身を蝕むような痒みの苦痛を歯軋りをして我慢するだけだ。
この監禁部屋で、沙那は目の前で、王女の小白香が女魔王の白象を道術で捕らえて、どこかに監禁するために連れ去るのを見た。
そして、沙那はその小白香から、『主従の誓い』という真言の誓いを結ぶことを強要されている。
『主従の誓い』というのは、道術によって強制的に誰かを主人と考えるように心を縛る道術であり、それを結ぶことに同意してしまうと、沙那は小白香を絶対の主人と認識してしまうのだ。
そんなことは、絶対にできないと沙那は拒否しているが、小白香は何日かかろうとも、沙那を屈服させて、『主従の誓い』を結ばせてやると息巻いている。
『主従の誓い』は、沙那自身が同意しなければ、真言の誓いが刻まれることはないが、小白香は沙那が拒否を続ける限り、嬉々として果てしなく拷問を続けるだろう。
つまり、沙那はこれから、終わりのない拷問を受け続けなければならないということだ。
沙那は、小白香の道術によって、この部屋の真ん中に手足を拡げて立たされていた。
しかも、乳房と股間に怖ろしい痒み剤をたっぷりと塗られている。
小白香は、そこまでの処置をすると、ちょっと待っていろと告げてから、部屋からいなくなっていたのだ。
そして、再び現れたとき、目の前の奴隷女たちと一緒にやってきた。
また、彼女たちの出現と同時に、なにもなかった部屋の壁に天井まで届く木製の棚も出現した。
棚には蓋や引き出しのようなものはないので、各段に置かれているものはよく見える。
さっと目を走らせるだけで、沙那を責めるための淫具と思われる責め具がびっしりと存在するし、ほかにも毛布もあれば、糞尿の処理をする落とし箱もある。大量の水差しや食料のようなものもある。
これだけ見ても、小白香が数日間かけて、沙那を責め続けるというのが、嘘でも誇張でもないことがよくわかる。
小白香と一緒に『移動術』でやってきた五人の奴隷女たちは、いずれも肌が透けて見える薄物一枚だけを身につけていた。
拘束はされていないが革の首輪のほかに、手首と足首に金具のある革帯を巻いている。
あれで好きな組み合わせで簡単に拘束することができるのだろう。
五人に共通するのは、小白香に対する強い怯えのようなものがあることだ。
それは表情を見るだけでわかる。五人が五人とも、自分たちよりも明らかに歳下の小白香のことをたいへん怖がっているようだ。
「か、痒いいい……。痒い……」
「そうか、痒いか? だが、まだまだだぞ」
沙那の呻きのような言葉に、小白香が満足したように微笑んだ。
ぐっと歯噛みする。
この鬼畜娘は、沙那がそうやって苦しむ姿を眺めるのが愉しくて仕方がないに違いない。
沙那が小白香の責めに対して、苦しんでいる様子を見せれば見せるほど、小白香を満足させるみたいだ。
だが、わかっていても思わず口にしなければならないくらいに、沙那は追いつめられている。
薬剤を塗られて放置された胸と股が焼けるように痒いのだ。
しかし、沙那は小白香の道術によって、四肢を大きく拡げて立たされて金縛り状態になっていた。
動くことができない。
身動きできないことも、その痒みを助長している気がする。
もっとも、たとえ、自由になったとしても、沙那の二の腕から先は消滅していて、痒い場所を掻くこともできないのだが……。
「そうか痒いか……。遠慮はいらんぞ。こいつらに頼むがよい。まあ、手始めは、痒み責めではなく色責めにしてやる。痒み液に一日耐えたくらいだから、痒み責めにはある程度の耐性があるようだからな。だが、色責めはどうなのだ? まあ、最初は小手調べだ」
「な、なによ──」
沙那は小白香を睨みつけた。
いまの沙那にできるせめてもの抵抗だ。
「……くくく、本当に気が強くていいのう……。本当は、山芋の汁でも塗って庭に放置してやれば、一日で屈服するとは思うが、それだと、わらわが面白くない。とにかく、まずは、終わりのない焦らし責めでも受けてもらうか……。さあ、お前たち、この沙那の胸でも揉んでみよ。まずは、お前とお前のふたりでよい。ただし、ゆっくりだぞ」
「は、はい……」
「はい……」
小白香の指名を受けた奴隷女たちが沙那の両側に寄ってきた。
ふたりが沙那の乳房を両側から手をかけて、ねっとりと揉みしごいていく。
「ふううっ──」
痒みでおかしくなりそうだった乳房を揉みあげられることで、沙那の中の快感が一気にせりあがった。
沙那は、思わず金縛りの全身を弓なりにして声をあげた。
「やっぱり、いい感度をしておるな、沙那。青獅子魔王から届けられた資料によれば、宝玄仙の性奴隷だったそうだな。それで調教を受けたのか?」
小白香がからかいの言葉をかけてくる。
このあいだにも、ふたりの奴隷がゆっくりと乳房を揉みあげ、さらに指先で痒みの頂点でもある乳首を摘むように愛撫する。
沙那は悲鳴をあげた。
「お前のような女戦士が、そんなに快感に弱くなるまで調教されるまでには、さぞや、色々なことがあったのだろうのう? どんなことをされて、お前はその宝玄仙とやらに屈伏したのだ? それとも、最初から簡単に堕ちるくらい淫乱だったのか?」
小白香が沙那の前でねちねちと意地の悪い言葉をかけてくる。
沙那はかっとした。
「お、お前に関係ないでしょう──。この馬鹿娘──」
沙那は部屋の壁が振動するほどに怒鳴った。
だが、小白香は、沙那の悪態を向けられても愉しそうな表情を浮かべるだけだ。
そのことで、一層、沙那の中に激しい嫌悪と口惜しさの感情が湧き起こる。
しかし、沙那の悪態に、両側のふたりの奴隷が、驚きの表情を浮かべて、びくりと手をとめた。
だが、すぐに沙那への愛撫を再開する。
「さあ、お前たちの役割は、何日かかってもいいから、この沙那という女を屈服させることだ。わらわの許可なく、この沙那を眠らせたり、休息を与えようものなら、五人揃って、わらわの実験奴隷に格下げだ。わかっておるのであろうな──」
小白香の言葉に、沙那をいたぶっているふたりを含めて、五人が緊張したのがわかる。
「は、はい」
「はい」
「はい……」
「はい」
「は、はいっ」
五人が一斉に返事をした。
「それから、言っておくが、今日から名実ともに、お前たちの主人はわらわの母者の白象ではなく、わらわだ。離宮の管理をする者も必要だから、しばらくは、これまでと同じような立場で置いてやるが、わらわの愉しみが、奴隷たちを痒み責めで発狂させてしまうことだというのは、知っておるのであろう?」
痒み責めで発狂させる?
相変わらず、狂ったようなことをいう娘だと思った。
「……わらわは、本当は、母者の奴隷だったお前たちの全員を痒み責めで狂わせてやりたいのだ……。お前らの本来の飼い主は母者であって、わらわではないからな……。だが、役に立つようなら、いままでの通りで置いてやる。これは、わらわの試しだと思え。五人でこの沙那を屈服させよ──。昼も夜も、責め続ければ、人間族の女など、いつかは屈服するはずだ。痒みや焦らしの苦しみに、死ぬまで耐える者などおらんわ」
小白香が吐き捨てるように言った。
そして、手を伸ばして沙那の首になにかを取りつけた。
首輪だ。
取り付けられた感触でそれがわかった。
沙那の首には、宝玄仙が装着している首輪があるので、それを避けるようにその上側に巻いたようだ。
そういえば、宝玄仙がこの新しい首輪を沙那たち全員に装着させたのは、獅駝の城郭で捕らえられる少し前のことだった。
宝玄仙の新しい首輪には、三個の機能がある。
第一の機能は、この首輪の本来の目的であり、常に宝玄仙の霊気を貰い続けなければならない孫空女と朱姫が、万が一、宝玄仙が死んだり、霊気を発散できないような事態に陥っても、ふたりが困らないように、それぞれの霊具だけで必要な霊気に還元して、集めることができるようにするというものだ。
沙那には、細かい部分までの原理はわからないのだが、ふたりの首輪は、周囲から霊気を集めるとともに、それを本来必要な宝玄仙の霊気波の霊気に変換して、ふたりの身体に必要な霊気を満たし続けるのだそうだ。
第二の機能は、ついでに宝玄仙が首輪に与えたものらしいが、供たちがさらわれたりしたときに、宝玄仙が追ってこられるようにと加えた追跡機能である。
三人がどこにいても、そこに宝玄仙が『移動術』で跳躍できる機能までついているそうだ。
沙那の場合は、孫空女や朱姫の場合のように、宝玄仙の霊気を常に帯び続ける必要はないので、この追跡機能だけが首輪の機能ということになる。
第三の機能は、機能というよりは、副次的なものになるが、首輪を霊具として他人に認識させないというものだ。
獅駝の城郭にいるときもそうだったが、あの春分と秋分の姉妹も、沙那の移送を担任した亜人軍の将兵たちも、一度ならず、なんとかこの首輪を外そうと頑張った。
しかし、物理的な方法でも、道術でも、彼らはこの首輪に傷ひとつ付けることはできなかったようだ。
それだけではなく、彼らは、この宝玄仙の首輪が霊具であるということすらわからなかった気配だった。
彼らが霊具と思わなかったのは、宝玄仙の首輪が発散している霊気をまったく感知できなかったかららしいが、霊具ではない首輪がいかなる手段でも外れないという事実に、みんな首を傾げていた。
まあ、それだけ、宝玄仙の霊具作りの才が、抜群だということなのだろう。
なにしろ、それだけの霊具でありながら、霊具であることすら他人にはわからせないのだから。
だが、考えてみれば、宝玄仙は、なぜ、この機にそんな霊具を供に与えようと思ったのだろう。現在陥っている危機の予感でもあったのだろうか……。
それにしても、三人は無事だろうか……。
沙那が獅駝の城郭を出立させられるまでに集めることができた情報によれば、彼女たちは、まだ獅駝の城郭にいるはずであり、別々に捕らえられるとともに、宝玄仙においては、霊気を封じられて、家畜のような扱いを受けているらしい。
もちろん、その情報の正確性は不明であるから、実際はどうなっているのかわからない。
でも、沙那がまだ、死んではいないように、あの三人もまだ生きていると思う。
沙那はそう信じている。
なんとか三人に会いたい。
そして、無事でいて欲しい……。
とにかく、沙那としては、いまはなんとしても生き抜く努力をするしかない……。
現段階では、逃亡の可能性を含めた、いかなる希望の欠片も見出すことはできないが、必ず、糸のほつれのような隙が現われるはずだ。
できるのはそれまで耐えることだけだ。
取り返しのつかない『主従の誓い』のようなものは、断じて結んではならない。
そんなものを結べば、もう沙那は、宝玄仙の供でも、孫空女や朱姫の仲間でもいられなくなる。
大切にしている人間関係が、その『主従の誓い』によって捻じ曲げられるのだ。
しかも、そうやって、心を捻じ曲げられたということさえ、気がつくことができなくなる。
それが『主従の誓い』というものであり、たとえ、主人側が死んだとしても、道術で作られた忠誠心は、沙那の中でずっと残ってしまうのだ。
「みんな見よ──。この首輪にある宝石の色がわかるか?」
首輪の装着が終わった小白香が、五人の奴隷女に言った。
よくわからないが、沙那が装着された首輪には色のわかる宝石がついているらしい。
「桃色です……」
五人のうちのひとりが言った。
「そうだな……。本来は白色をしておるのだが、これは装着された者が快感を覚えると赤くなるのだ。この沙那は、すでに淫靡な状態に陥っておるので、赤みを帯びているということだな……。それにしても、まだ、ほんの少し触られただけであろう、沙那。もうこんなにも感じておるのか──」
小白香が笑いながらぴしゃりと沙那の尻を叩いた。
「うっ」
その痛みで、一瞬だけ、快感が飛ぶ。
しかし、すぐに、胸を揉まれている刺激で官能の疼きの中に引き戻される。
「……少し白くなり、また、桃色になりました、小白香様──」
「……いえ、さっきよりも少し赤いかも……」
奴隷たちがざわめいた。
沙那の心に恥辱が湧く。
自分の感じている快感がその首輪で露わになるようだ。
それが恥ずかしいし、口惜しいのだ。
「そのようだな……。尻打ちでも快感を感じるのか、沙那? ならば、尻打ちに切り替えるか? まあよい。とにかく、お前たちふたりは、沙那の身体を責めながら首輪を見よ。乳房だけではなくて、ほかの部分も責めてよいぞ。ただし、ゆっくりとな……」
小白香が笑った
「ふう……くうっ……」
沙那は沸き起こった情感にたちまちに息を乱してしまった。
沙那の乳房を揉んでいたふたりが、乳房の愛撫はそのままに、すっと鳩尾から腹部、そして、太腿の表皮に向かって、手を擦り下ろしていったのだ。
身体の内側から快感を絞り取られるようだ。
全身を蝕む痒みが、その愛撫により一気に強い快感に変わる。
だが、快感そのものは、凄く弱いのだ。その中途半端さが、沙那を不可思議な苛立ちの中に陥らせる。
やがて、ふたりの手が同時に沙那が痒みに襲われている股間のぎりぎりのところに到達した。
しかし、それ以上は奥に触れてくれない。
「あ、あはあっ──」
沙那は耐えられなくなり、その手に向けて、痒い股間を押しつけるように伸ばした。
すると、ふたりの手がすっと逃げていく。
「そ、そんな……か、痒い……。ああっ……も、もう、我慢できない……、そ、そこは──」
沙那は悲鳴をあげた。
小白香が小馬鹿にしたような笑い声をあげたが、もう沙那はそれに腹をたてる余裕のようなものはなくなっていた。
もう少しで、痒い部分に愛撫が届くと思うと、激しい痒みの苦痛がさらに強烈になる。
しかし、沙那が股間を突きあげて、痒い場所を手に触れさせようとすると、さっとふたりの手が逃げる。
でも、腰を突きあげた無理な姿勢から体勢を真っ直ぐに戻すと、逃げたふたりの手も戻って、また、沙那の股の付け根に戻り、ぎりぎりの場所までの刺激を加える。
それなのに、沙那が無意識のうちに、その手に痒い部分を近づけようとすると、また手が逃げてしまう。
沙那は激しく身悶えをして、悲鳴のような声をあげてしまった。
「ははは……。沙那、この奴隷たちの手管もなかなかであろう? なにしろ、母者の白象は女好きでな。自分の性奴隷に、女を責める手管を徹底的に叩き込んだのだ。だから、どの性奴隷も女を責める手管には長けておる。焦らすこともな……。だから、この五人の責めは、結構つらいぞ」
小白香が笑った。
「首輪の宝石が赤くなりました──」
見物の奴隷のひとりが叫んだ。
沙那は、もうふたりの奴隷女の情感をあおる手管に掻きたてられて、苦しくて切ない快感の陶酔に陥らされていた。
激しい鼻息も漏れ出る嬌声も我慢できない。
快感は暴発しそうではあるのに、後一歩の部分でせきとめられている。
あるいは、出口がまだ開かないのに、身体の快感だけがどんどん膨らませられている……。
そんな苦しさだ。
沙那は激しく身悶えた。
「あ、ああ……も、もう……いや……く、苦しい……」
気持ちいい。
だが、苦しい……。
不思議な感覚だ。
じわじわと嬲るように責められることは、恐ろしく苦しい。
しかし、その苦しさは確かに快感なのだ。
沙那は混乱した。
ふたりの奴隷は、そんな沙那に構わず、沙那の乳房を揉み、太腿の付け根を擦って、容赦なく沙那をだんだんと切羽詰った状態に追いつめていく。
まるでじわじわと肉が溶けるような感覚に、沙那は痙攣のような震えを止められなくなった。
小白香の言う通りに、このふたりの手管は上手い。
まるで女責めに長けた朱姫の意地の悪い愛撫を受けているようだ。
ふたりの奴隷の手管は本当に微妙だ。
感じやすい沙那の身体に、決定的な刺激を与えないように、手のひらで触る部分を次々に変化させ、しかも、その触る力を非常に弱くしている。
それが、沙那に切ないばかりの焦れったさを与えているのだ。
ふたりは、絶対にわざと深くまで抉るような責めはせずに、手のひらのそれぞれの指の先を当たるか当たらないかの強さでしか、沙那の全身を這わせない。
「はあっ、はっ、はっ……」
我慢できなくなった沙那の声だけが部屋に響き渡っている。
小白香も余計な口を挟まずに、にやにやと沙那の痴態を眺めているだけだ。
それも余計に沙那の恥辱をあおり立てる。
「そ、そこは──あふうっ」
ひとりの指が沙那の股間をつっと動いて、後ろの肛門の周囲をさりげなくまさぐったのだ。
たちまちに湧き起こった強い快感に沙那は、これまでで一番大きな悲鳴をあげた。
急激に愉悦の波が腰から全身に噴きあがる。
快感が暴発する──。
「手を離せ──」
急に小白香の大声が飛んだ。
ふたりがぱっと沙那の身体から手を離す。
昇天しかけていた快感の波がじわじわとさがっていく……。
快感の寸止めに、沙那はぐったりと身体を脱力させた。
「あああ、や、やめないでええ──。痒いいいいい」
しかし、愛撫の手がなくなった途端に、別の苦しみが沙那を襲った。
待っていたかのように股間と乳房の痒みがぶり返したのだ。
その痒みに耐えられなくなり、沙那は全身をまた振り立てて、叫び声をあげた。
「お前たちいまのでわかったな? いま、沙那は達しそうになったのだが、そのとき、宝石の色はどうなった?」
「真っ赤になり、急に点滅しはじめました──」
ひとりが嬉しそうな声をあげて言った。
「そうだ──。快感が頂点近くになれば、宝石の色は真っ赤になる。そして、点滅すれば、その数瞬後には、絶頂するということだ。これがあれば、焦らし責めは簡単であろう? 真っ赤になる状態を持続し、点滅したら愛撫を中止するのだ。痒み剤も繰り返し塗れ──。快感を引かせるために責めを休むときにも、沙那の身体自体は休ませんようにな」
小白香が五人の奴隷女に説明している。
そのあいだにも、千切れるような痒みが沙那に襲い続けている。
「あああ、痒いいい」
沙那は悲鳴をあげて、金縛りの身体をのたうたせた。
「……それにしても、真っ赤になってから昇天しかけるまでの時間が短すぎるぞ、沙那。あまりにも淫乱すぎはせんか?」
小白香がそう言って笑うと、五人の奴隷たちがつられるように一斉にくすくすと笑い声をあげた。
「……それに、お尻がとても弱いようですわ、小白香様」
沙那を責めていた奴隷女のひとりが言った。
その女が沙那の肛門に触れたときに、沙那は過激な反応をしてしまったに違いない。
口惜しさが込みあがる。
「そうだな。では、痒み剤を尻の穴に塗ってやれ──。そして、尻の穴だけには、一切の刺激をするな」
小白香がそう言って、さらに大きな声で笑った。
「……か、痒い──。も、もういやああ──。た、助けてええ──」
沙那はどんどん強くなる痒みに我慢できなくなった。
そんな弱みを吐いても、痒みを癒してはくれないし、小白香を悦ばせるだけだとは悟ってはいるが、どうしても口に出さずにはいられない。
「さて、では、そろそろ、わらわが直々に責めてやろう」
小白香がにやりと笑った。
すると、開いて床についていた両方の足が勝手にあがり、膝を曲げた状態で左右に大きく開く。
沙那の身体は宙に浮きあがって、がばりと小白香の前に大きく股を晒す格好になってしまった。
「うわっ」
沙那は声をあげてしまった。