※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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535 妹人形

 小白香(しょうはくか)が雪蘭(せつらん)を監禁している部屋に跳躍すると、まずは雪蘭のすすり泣く声が聞こえてきた。

 雪蘭は素っ裸で椅子に座らせられていて、両脇には小白香が指名したふたりの性奴隷が見張り役として横にいる。

 

 また、雪蘭の首には、小白香が装着した革の首輪が嵌っており、その首輪は椅子の背もたれに金具で繋がっている。

 だから、雪蘭はすすり泣きながらも、顔を俯かせることもできないでいる。

 そして、雪蘭の両手首に嵌まる手枷も頭の後ろ側で背凭れに繋げられおり、さらに、両脚を両方の手摺に引っ掛けさせられて、膝の部分を縄で縄で縛られていた。

 

 つまり、雪蘭は腰を前に突き出したような体勢で椅子に座り、両手を頭の後ろに置いて、大股を拡げて股間を曝されているのだ。

 小白香の前に曝け出している雪蘭のその股間は、ぴったりと亀裂が閉じている。

 この十歳の童女にも性交の経験がないのは明らかだったが、それどころか、ただの一度の自慰すらもしたことはなさそうだ。

 乳房は未発達で、ほんの少し膨らんでいる程度である。

 

 獅駝(しだ)の城郭にあった雪蘭のいた屋敷を占領したのは、あの青獅子軍の大旋風だという。

 よくも、あの淫虐男が雪蘭に手を出さずに、無傷で送ってきたものだ……。

 

 小白香は、目の前の人形のように可愛い雪蘭の裸身を見て思った。

 それは運がよかった……。

 

 大旋風とは、一度だけこの離宮で会ったことがあった。

 男子禁制の白象魔王の離宮だったが、例外は白象の兄弟の金凰魔王と青獅子魔王だ。

 大旋風は、青獅子がこの離宮を訪問したときに随行としてついてきたのだ。

 

 そのときの大旋風は、軽薄でお調子者の男という印象だった。

 この離宮にやってきたときも、女奴隷に対して冷酷で残酷な悪戯を率先してやっていた。

 それは、青獅子を余興で愉しませるためだったようだが、亜人軍の将軍としてはたいへん不似合いな軽さだった。

 それに、その余興は、かなり陰湿な嫌がらせを女奴隷に強いるものだったことを記憶している。

 

 その大旋風隊が屋敷に入ったのだから、雪蘭の両親が、大旋風たちの遊びのために、酷く殺されたのだろうということは、想像して余りある。

 あの男は、人間族は惨く扱うくせに、部下思いのところがあったようだから、部下を愉しませるために、残酷で淫虐な仕打ちを雪蘭の親に与えただろうと思う。

 

 しかし、雪蘭はまだ穢れないまま、この白象宮の奴隷宮にやってきてくれた。

 大旋風という男は、その場の盛りあげのためだけに、平気で童女を部下に輪姦させたり、あるいは、親に強姦させたりするようなところがあったから、最初に童女が青獅子軍から移送されると教えられたときには、間違いなく亜人の精液で汚された童女が来るものと思っていたのだ。

 だから、痒み奴隷にでもしようと思っていたが、この裸身を見て、思い直した。

 なにしろ、雪蘭がまだ生娘なのは間違いないのだ。

 ただの痒み奴隷ではもったいない気もする。

 

 いずれにしても、あの大旋風の気紛れには、感謝しなければならないだろう。

 染みも傷もひとつもないきれいな肌を残したまま、小白香のところまで、この雪蘭を送って来てくれたのだ。

 

 それにしてと、本当に綺麗な肌……。

 貴族の娘として大切に育てられてきたというのは、この綺麗な肌を見ただけでわかる。

 この娘は、たった数日前までは、多くの家臣にかしずかれて世話をされ、恵まれた生活を送ってきたのだろう。

 それが、こうやって、家畜のように首輪を嵌められて裸身を晒させられるというのは、十歳の娘といえども、屈辱であるに違いない。

 

 しかも、両親を殺されて、たったひとりで亜人宮などに送られたのだ。

 どんなに心細く悲しいだろう……。

 

 そして、そんな雪蘭をこれから調教するのだと思うとぞくぞくする。

 この奴隷宮には、小白香の年齢に近い奴隷はいない。

 いや、奴隷に限らず、小白香にとって、生まれて初めて接する自分と同じ年頃の存在というのが、この雪蘭だ。

 

 表向きには、一応、この奴隷宮は、母者の白象の奴隷宮ということになっているので、集められているのは少なくとも大人の身体の奴隷女だけだったのだ。

 小白香の痒み奴隷や奉仕奴隷たちも、元はといえば、白象の性奴隷だった者を小白香用の奴隷にした者ばかりだ。

 童女を抱く趣味のなかった白象は、この奴隷宮に小白香と同じ年齢の奴隷を集めなかったのだ。

 

 また、白象は、結局、子供については小白香以外には作らなかった。

 幼い小白香のための遊び相手を与えるような母者でもないし、小白香は同じくらいの年齢の子供というものをまったく知らずに育った。

 

 そういえば、小白香は、幼い頃に妹が欲しかったのだ。

 しかし、それは求めても得られるものではなかったから、幼い小白香は、小さな人形を妹だと想定して遊んでいたと思う。

 そして、その人形の股間に小さな赤い点を描いて、痒みに泣く妹を空想したりもしたような気がする。

 泣きべそをかき続けている雪蘭を見ていると、そんな小さいときの記憶をなぜか思い出したりした。

 

「小白香様、言われた通りに縛っておきました」

 

 雪蘭の両側にいる奴隷のうちのひとりが言った。

 このふたりも白象の女奴隷であり、普段は白象の性の相手をする奴隷たちだ。

 平素は、あまり小白香との接触はない。

 

 ただ、これからは完全にこの奴隷宮も小白香のものとなる。

 思考力を喪失している小白香の奉仕奴隷や実験奴隷たちは小白香の言いなりだが、彼女たちは、半ば家畜と同じであり、この奴隷宮の仕事はなにひとつできない。

 この奴隷宮の管理に必要な仕事のほとんどは、このふたりのような白象の性奴隷たちが、白象の性の相手をする傍らやっているのだ。

 今後は、こういう白象の性奴隷たちを小白香として完全に統御していくのも課題のひとつであろう。

 

「うむ……。思ったよりも、取り乱してはおらんようだな」

 

 小白香は雪蘭の裸身を眺めながら言った。

 

「さっきまで、激しく泣いておりました。でも、いまは、落ち着いてきたようです。あたしたちが、一生懸命に奴隷としての立場を教え込んでおりましたから……」

 

 奴隷のひとりが誇らしげに答えた。

 なんとなく、自分の功績を訴えるような物言いが小白香の鼻についた。

 この女は、紫苑(しえん)という名の奴隷だ……。

 

「……泣くのはやめよ、雪蘭」

 

 小白香は恥ずかしい姿で椅子に拘束されている雪蘭の前に立って言った。

 すると、逆に雪蘭の泣き声が急に大きくなった。

 

「……泣くのをやめろと言っているのだ、雪蘭――。いうことをきけぬのか――」

 

 小白香は声を荒げた。

 しかし、ますます、雪蘭の泣き声は大きくなるだけだ。

 小白香は舌打ちした。

 

「こらっ、雪蘭、さっき、言いきかせたでしょう――」

 

 紫苑が雪蘭に叱るような声をあげた。

 だが、なぜか小白香は、紫苑が雪蘭に声をあげたことに激しい不快さを感じた。

 

「しょ、小白香様、腰掛けるものをお持ちします……」

 

 もうひとりの奴隷が慌てたように立ちあがって、部屋の隅に走った。

 そして、背もたれのない丸椅子を持ってくる。

 この部屋に準備している椅子は、もうそれしかないからだ。

 

 この奴隷の名は思い出せなかった。

 無口で目立つような奴隷ではない。

 しかし、よく考えてみると、この女奴隷は、小白香がこの部屋に入ってから、ずっと小白香に視線を集中していたように思う。

 だから、いまも、小白香が紫苑に苛立ったような表情を示したのを見抜いたのだろう。

|それで、腰掛けを持ってくるといって小白香の注意を逸らせたのだ。

 それに比べれば、紫苑はまだ雪蘭に対して叱るような言葉を続けているだけで、小白香の表情などには気を配っていないように思える。

 

「お前、名は?」

 

 小白香は、その奴隷娘の持ってきた椅子に座りながら名を訊ねた。

 

「し、小愛(しょうあい)です……」

 

「小愛か……。わかった――。当分、お前をこの雪蘭につける。この人間の童女の調教を担任せよ」

 

「わ、わたしがですか?」

 

 小愛が目を丸くした。

 

「いまのは大目に見る。しかし、わらわは、奴隷に二度同じことを言わされるのが好かん」

 

 小白香がそう言うと、小愛が真っ蒼になった。

|すぐにその場に跪いて、床に頭を擦りつけた。

 

「も、申し訳ありません、小白香様」

 

「よい。とにかく、雪蘭のそばにいよ。ところで、紫苑」

 

 小白香は、土下座をしている小愛の頭をあげさせて、雪蘭の横に行くように指示をした。

 そして、逆に雪蘭の横にいた紫苑を立たせて、自分の横に呼ぶ。

 

「はい」

 

 紫苑が横に立った。

 まずは、小白香は紫苑に道術をかけて金縛りにした。

 

「ひっ」

 

 直立不動の姿勢で身動きできなくなった紫苑が顔色を変えて声をあげた。

 小白香は、紫苑をそのままにして、まだ、すすり泣きをやめない雪蘭の横をすり抜けて背後の棚に向かう。

 そこには雪蘭を調教するための様々な器具や霊具が置いてある。

 そこから刺繍針のような太い金属の針を持ってきた。

 

「紫苑、お前、ちょっと、雪蘭の躾のための見本になれ」

 

「は、はい?」

 

 紫苑が、直立不動の姿勢のまま不審な表情をした。

 小白香は構わず、紫苑の片方の乳首の根元を掴むと、刺繍針を無造作に乳首の横から突き通した。

 

「ひぎゃあああ――」

 

 紫苑の絶叫が部屋に響き渡った。

 だが、道術で金縛りになっている紫苑は、逃げることはおろか、身体を捩じることもできない。

 小白香は、涙をぼろぼろと流して悲鳴をあげ続ける紫苑の姿に、不思議な満足感を覚えた。

 

「見よ、雪蘭――。お前の先輩性奴隷が、躾のできていない性奴隷が受ける懲罰の見本を示しておる。これは懲罰としては軽い方だが、いい加減に泣きやまぬと同じ目に遭わせるぞ――。聞いておるのか、雪蘭。ちゃんと眼を開かんか――」

 

「ひっ」

 

 小白香が強く怒鳴ったことで、雪蘭が眼を大きく開いた。

 雪蘭の顎に小愛が下から手を添える。

 

「雪蘭、眼を離してはなりません。嗚咽を我慢して前を見るのです――」

 

 小愛の口調は、丁寧だが強い。雪蘭は恐怖に包まれたような表情になって、悲鳴をあげ続けている紫苑を凝視した。

 

「よく見ていよ、雪蘭。わらわの命令はもちろんだが、お前の調教係の小愛の言葉に逆らっても、こういう罰を受ける……。あるいは、調教係の小愛がお前への躾が不十分なことを咎められて罰を受ける。覚えておけ」

 

「は、はい」

 

「わかりました、小白香さま……」

 

 雪蘭と小愛がそれぞれに返事をした。

 小白香は、ふたりの返事に満足し、涙をぼろぼろと流して苦痛を訴えている紫苑に向き直った。

 そして、道術で指先から強い炎を噴き出させる。

 それをゆっくりと紫苑の乳首に刺している針の先に近づけていった。

 

「ひいっ――。お、お許しを――。小白香様、お許しを――。あっ、熱い――熱い――あぎゃああ――」

 

 乳首から突き出た針先に、小白香の指先から出る炎の先が当たる。

 だんだんと、針の先が強い炎に焼かれて、紫苑の乳首を貫く針が真っ赤になっていく。

 当然、その熱さがその針が貫いている紫苑の乳首に伝わっているだろう。

 

「あぎゃああああああ」

 

 しばらくすると肉が焼ける匂いが小白香の鼻に伝わってきた。

 紫苑は吠えるような絶叫を続けている。

 道術で身体を固定していなければ、紫苑は大暴れをしているに違いない。

 しかし、紫苑は強い道術によって、身悶えさえも許されずに、ただ、涙を流して悲鳴をあげるだけだ。

 

「……雪蘭、これが、最後の命令だ。泣くのをやめよ――」

 

 小白香は、指先の炎で紫苑の乳首を貫いている針先を焼きながら言った。

 

「ひ、ひっ、は、はいっ」

 

 雪蘭が引きつった顔で嗚咽を噛み殺した。

 小白香は小さく頷くと、指先の炎を消した。

 しかし、まだ、紫苑の乳首の針は余熱で真っ赤だ。

 小白香は、さらに道術を紫苑にかけた。

 紫苑の両肩の付け根に赤い線が入る。

 そして、指を鳴らした。

 紫苑の両肩が、その赤い線に沿って消滅した。

 

「ひいっ――。な、なんで……?」

 

「なんとなく、お前は生意気そうだから好かん。たったいまから、お前を実験奴隷に落とす」

 

「ひいいっ――。そ、そんな――。り、理由を――理由をお聞かせください――」

 

 紫苑が、針が乳首を貫いている激痛に苦痛に顔を歪めながら叫んだ。

 この奴隷宮の女たちにとって、奉仕奴隷や実験奴隷というのは、死刑判決と同じなのだ。

 特に、実験奴隷は、小白香の実験のような痒み責めに遭わせられ、多くは痒みを癒すことさえも許されずに、発狂して処分されることが多いからだ。

 

「理由か? すでに説明したであろう……。わらわは、お前を好かん――」

 

 小白香は手を振って、紫苑を『移動術』で別の部屋に送った。

 いまやっている痒み実験に、あいつを放り込む。

 おそらく、数日で発狂する。

 まあ、問題ない。

 

「さあ、雪蘭、少し、足の裏を見せるのだ……」

 

 小白香は腰掛けからおりて、雪蘭の前に膝立ちになった。

 雪蘭の右足の足首を掴む。雪蘭は小さな声をあげて、ぶるりと身体を震わせたが、強い拒否の態度は示さなかった。

 

 もっとも、たとえ拒否しようにも、手摺に膝を縛られているのでは抵抗するのは不可能なのだが……。

 しかし、それよりも、さっきの紫苑に与えた虐待の光景が雪蘭の身体を恐怖で硬直させているようだ。

 

「本当に綺麗な足の裏だな。すべすべだ……。いい足じゃ」

 

 小白香は雪蘭の染みひとつない足の裏に頬ずりした。

 

「んんっ」

 

 雪蘭が身悶えをした。ふと視線を向けると、くすぐったいような顔だ。

 だが、反応を示すと怒られるかのしれないという恐怖で、しっかりと口をつぐんでいるようだ。

 

 可愛いものだ……。

 

 もしも、小白香に妹がいれば、きっと幼い妹をこうやって、苛めて遊んだのかもしれない。

 苛めて、苛めて、それから、ちょっとだけ可愛がる……。

 それが小白香の愛し方だ。

 

 この雪蘭のきれいな足の裏や無垢そのものの肌を痒みの発疹で汚してやりたい。

 無数のやぶ蚊に刺ささせて……。

 あるいは、蛭でもいいな。

 雪蘭は泣き叫ぶに違いない。

 だが、そう簡単には痒みは癒してはやらない。

 痒みで苦しむだけ苦しませて、それこそ発狂寸前になるまで苛めてから、やっとそれを解放するのだ。

 きっと雪蘭も、痒みの向こう側の快感の虜になってくれるに違いない。

 

 これほどきれいな肌なのだ。

 ちょっとした虫に刺されただけの痒みでもがき狂うだろう。

 痒みの原因になるようなかぶれなどにも縁もなさそうだし、痒みに対する耐性など皆無に違いない。

 幼い頃の小白香が、母者の白象や従母などから、それらを遠ざけられていたように……。

 

「ふふ……。くすぐったいのか、雪蘭? 正直に言え……」

 

 小白香は、雪蘭の足の裏から顔を離して、指先で二度三度と足の裏を撫ぜた。

 

「ひゃっ、ひゃっ、ひゃあっ……く、くすぐったいです……ひゃあっ――」

 

 雪蘭が身悶えを始める。

 その仕草も可愛らしい……。

 

「敏感な足の裏だな――。それに新鮮だ……。ただの一度も素足で地面を歩いたことなどないような足の裏じゃ……。さぞや、痒みの毒の浸食もあっという間であろうな……」

 

 小白香はひとり言を呟きながら、しばらく、雪蘭の足の裏を指でくすぐるという行為を繰り返した。

 その素足のきれいさに、すっかりと惚れこんでしまって、なかなかやめる気になれなかったのだ。

 

 この可愛らしい雪蘭を痒みで苦しめたい――。

 ふつふつと激しい情欲のようなものが湧く……。

 

 華奢に見えても、亜人族の肌は人間族よりは遥かに強い。

 しかし、雪蘭は、正真正銘の人間族の貴族の童女の肌だ。

 その証拠が、この肌の弱々しさと敏感さだ。

 小白香はうっとりとしてしまった。

 

「小愛、お前もせよ」

 

 小白香は、椅子に拘束されている雪蘭の反対側にいる小愛に言った。

 

「は、はい」

 

 小愛が慌てたように、雪蘭の反対側の足首を握り、小白香がやっているのと同じように指で優しく擦り出す。

 

「やっ、やっ、はあっ、ああ……」

 

 拘束された両方の足の裏を同時にくすぐられて、雪蘭はまるで大人の女が愛欲にむせぶような甘い声を出した。

 小白香はちょっとだけ驚き、同時に思わず頬を綻ばせた。

 

 そして、その可愛い嬌声をさらに耳にしたくて、さらに足の裏をくすぐった。

 隣の小愛も小白香の指に合わせて、雪蘭の足の裏をくすぐり続ける。

 

「……はっ、ああっ、ああっ……お、王女さま……おゆるしを……やっ、はあっ……王女さま……」

 

 雪蘭が真っ赤な顔を左右に振って喘ぎ声を出す。

 

「……お姉様と呼ぶがよい……」

 

 小白香は指を動かしながら言った。

 なぜ、そんなことを思ったのか小白香は、自分でも自分の気持ちがわからなかった。

 だが、なんとなく、この人間族の奴隷の童女を自分の妹のように扱いたくなった。

 幼い自分が、求めても得ることのできなかった者の代わりを人形に求めたように、なんとなく、この雪蘭を幼い頃に遊んだ人形に見立てたくなった。

 

「は、ああっ……、お、おねえさま?」

 

 雪蘭の小さな悲鳴の中に、当惑の響きが混ざる。

 

「そうだ……。お前にだけ、特別に許す……。わらわのことをお姉様と呼んでよい。いや、命令にしよう。お前は、わらわをお姉様と呼ぶのだ。よいな。それ以外の呼び方をすれば罰だ」

 

「は、はい、おねえさま」

 

 雪蘭が大きな声で叫んだ。

 小白香は、なぜか打ち震えるような快感を覚えた。不思議な満足感に、やっと雪蘭の足の裏を弄るのをやめた。

 それに応じて、横の小愛も指を止めたようだ。

 何気なく、小愛を見ると、少し驚いた顔で小白香を見ている。

 しかし、小白香と視線が合ったことで、慌てたように眼を逸らせた。

 小白香は苦笑した。

 

 次に小白香は、『取り寄せ術』を念じて、私室からひとつの革の下着を眼の前に転送させることにした。

 目的のものはあっという間に、小白香の手のひらにやってきた。

 

「では、お前にはこれをやろう……」

 

 転送したのは一足の赤い革の下着だ。

 痒み奴隷たちに装着させている貞操帯とは違う。

 ごく普通の女の子用の赤い下着の形状をしている。

 だが、内外の刺激を遮断するという点では痒み奴隷たちの貞操帯の機能と同じだ。

 

 これは、四年前に小白香が初めて、痒みを性欲と結びつけることに目覚めたときに、自分を責めるために使った下着なのだ。

 そのときの小白香は八歳だったが、雪蘭は小柄だ。

 大きさも丁度よさそうだ。

 

 小白香は、小愛に棚から薬剤箱を取ってくるように命じた。

 小愛はすぐに持ってきた。

 小白香は箱の蓋を開けた。両手で軽く持てる程度のその木箱に、各種の痒み剤が入っている。

 

 小白香は、まずはその箱から一本の小瓶を出した。

 そして、瓶の中の水を下着の内側に注ぐ。

 

「覚悟はよいな」

 

 小白香は一旦、貞操帯を横に置くと、今度は箱の中から別の茶色い小瓶を取り出した。

 その小瓶にしてある油紙の蓋を取るとちょっとだけ強い刺激臭がした。

 中身はどろりとした粘性の掻痒剤だ。

 これは痒み奴隷たちには、あまり使うものではない。

 

 ただ痒くなるだけではなくて、塗られた場所が敏感になる媚薬効果があるのだ。

 性の疼きが強くなるのだ。

 それを指ですくった小白香は、雪蘭の亀裂の中に粘性の掻痒剤をたっぷりと塗りつけていく。

 指でなぞっていくと、雪蘭の未発達の肉芽も見つかった。

 そこにはさらに念入りに塗っていく。

 

「ひっ、ひいっ……、ひ、ひどいことしないでください、お姉さま――」

 

 雪蘭が拘束された身体を悶えさせて悲鳴をあげる。

 しかし、ただ雪蘭を拘束している椅子は、道術でしっかりと床に固定してあるため、雪蘭が暴れたくらいでは、かたかたと動くこともない。

 

「酷いことではないわ……。怖がるな、雪蘭――。わらわも同じことをしてやるからな……」

 

 小白香は立ちあがると、身に着けている物を脱ぎ始めた。

 小愛が驚愕した様子で立ちあがり、慌てて小白香が脱ぐものを受け取っていく。

 小白香はあっという間に生まれたままの姿になった。

 足に履いているサンダル以外は……。

 

「見よ、雪蘭――。わらわとお前は同じじゃぞ」

 

 小白香は、雪蘭の股間に塗りつけた薬剤を手に取ると、自分の股間の亀裂に同じようにすり込んだ。

 やはり、肉芽にはたっぷりと塗りつける。皮を剥くのは怖かったので、皮の上から塗った。

 雪蘭はただ目を丸くして、その小白香の姿を凝視している。

 

「……小愛、わらわの服など、その辺に捨てて置け。わらわたちだけでは恥ずかしいではないか。お前も脱げ。それから、この部屋で見たものは、誰にもいうな。誰かに喋ったものなら、死ぬよりも怖ろしい拷問にお前を遭わせるぞ」

 

 小白香は小愛を睨んだ。

 

「だ、誰にも申しません……。絶対に……」

 

 小愛は激しく首を縦に振った。

 そして、身に着けているものを脱ぎ始める。

 小愛が身に着けているのは、ただの薄物一枚だ。

 あっという間に、小愛も全裸になった。

 

 一方で、小白香は、さっきの薬剤を今度は雪蘭の小さな乳首に塗りつけている。

 雪蘭は小さな吐息を繰り返しながら、黙ってそれを受けた。

 また小白香は、雪蘭に薬剤を塗りながら、自分の乳首にもそれを塗っている。

 雪蘭に塗れば、自分にも塗り、自分に塗れば、雪蘭にも塗るというように交互に塗っていく。

 

「か、かゆい……か、かゆいです、おねえさま――」

 

 ふたつの乳首に塗り終わる頃には、椅子に縛られている雪蘭が激しく暴れ出した。

 腰を震わせて悲鳴をあげだしたのだ。

 

「わ、わかっている……。わらわも痒くなった……。だ、だが、もう少し耐えようぞ、雪蘭――。そ、それよりも、口を開けていよ……。わらわの舌を受け入れるのだ。閉じてはならんぞ」

 

 小白香は笑いながら言った。

 そして、股間を襲っている強い痒みに苛まれながら、小白香は雪蘭に覆いかぶさるように自分の唇を雪蘭の口に近づけた。

 

「か、かゆいいいいい、んいいいい――」

 

 雪蘭は何度もそう繰り返していたが、小白香の顔が近づくと、小さく口を開いた。

 涙を流し始めた雪蘭の口を小白香は自分の唇で塞いだ。

 舌を入れると、雪蘭の口の中は温かくて気持ちがいい……。

 

 だが、股間だけではなく、乳首にも怖ろしい痒さが襲ってきた。

 絶叫したくなるような猛烈な痒さだ――。

 

「まだじゃ……。もう少し苦しめ。さすれば、さっきの貞操帯で封印する。それからが本当の調教だ。だが、心配いらん。わらわも貞操帯をする。一緒に苦しもうぞ」

 

 小白香は痒みの苦しさに酔いながら、もうひとつの貞操帯を出して、痒みの液剤をたっぷりと注ぎ垂らした。

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