「ひゃっ、ひゃっ、くすぐったいです、おねえさま──。ひゃあ──」
鳥の羽根で尻の亀裂を掃くたびに、
しかし、その声はくすぐったいという刺激に対する単純な悲鳴から、だんだんと甘い嬌声のようなものに変わっていく。
白香はそれを優雅な音楽のようにうっとりと聞き入り続けた。
雪蘭の身体は、まだ幼い。
初潮も始まってないことも知っている。
だから、女陰の性感は未発達であると考え、まずは尻穴の快感の調教から開始することにした。
つまり、いまの雪蘭だと、まだ尻の方が調教しやすいだろうと思ったのだ。
だが、性についてはまったくの未経験の童女の尻を開発するというのは、いかにも、背徳的で愉しい作業だ。
自己の性の経験に乏しいということでは小白香も同じなのだが、小白香には、白象の性奴隷たちを調教した経験が何度もあるし、自分や痒み奴隷を痒み責めの実験台にするついでに、性感を責めたてたりしており、女の身体を開発していくことには長けているつもりだ。
そんな小白香にとっても、こうやって雪蘭という無垢の人間族の童女の身体を自分の思うままに開発するという作業は、新鮮で欲望が沸き立つような行為だった。
しばらくのあいだ、小白香は、酔ったような心地で、可愛らしい雪蘭の泣き声と、だんだんと淫らな動きになっていく小さな腰の震えを愉しんでいた。
また、くすぐられるような尻への刺激で全身が熱くなったことで、股の痒みもさらに増したのかもしれない。
赤い下着を装着している腰全体が激しく動き出した。
「雪蘭──。さっきの言いつけを忘れたか──。腰を動かすなと言っておるであろう──」
小白香はわざと怒ったように声をあげた。
尻の痒みにはまだ耐えられるかもしれないが、いまの雪蘭に与えている股間の痒みはかなり限界のはずだ。
いや、お尻の刺激を与えている分だけ、刺激を遮断されている股側の痒みはむしろ助長していると思う。
だから、耐えられるわけがない……。
小白香はそれを十分にわかっていて知っている。
「ご、ごめんなさい、おねえさま……」
雪蘭がしくしくと泣きだした。
腰はまた静止したが、これも時間も問題だろう。
小白香は、尻をいたぶっていた羽根をすっと足首に持っていった。
そして、その羽根で赤い革の下着をはいているぎりぎりの素肌の部分を擦った。
「んひいいっ──」
雪蘭が大きな悲鳴をあげて全身を跳ねあげそうになった。
それでも、なんとか、すぐに身体を戻して静止の体勢になる。
雪蘭の泣き声と鼻息が部屋に響き渡る。
「ほらほら、くすぐるぞ。こっちも我慢じゃ。くすぐったくても、痒くても動いてはならんぞ。じっとしていることがでいればご褒美をやろう
しばらくのあいだ、小白香は雪蘭の足の裏をくすぐり、横腹を刷毛でなぞり、脇を刺激したりした。
雪蘭は苦しそうな泣き笑いの表情をしながら、それでも懸命にじっとしようとした。特に、動かすなと厳命されている腰だけは、しばらくは静止した状態を保たせていた。
その表情が可愛くて、小白香はしばらく時間を忘れる気分を味わった。
だが、しばらくすりと、またもや赤い下着に包まれている股間がじわじわと動き出す。
まあ、意思の力ではこれで限界だろう。
小白香は、再び媚薬を塗りつけた尻穴を責める態勢に戻った。
しばらく羽根で尻の亀裂を上下していると、腰の悶えが大きくなり、雪蘭がくすぐったいと泣き声を大きくした。
だが、その泣き声には、はっきりと女の悶え声の響きが混じっている。
幼い雪蘭がそんな嬌声を出すのは、ぞくぞくするほど淫靡だ。
「尻は、くすぐったいだけなのか、雪蘭?」
床の上で、お尻だけを高くあげてうつ伏せになっている雪蘭のお尻を擦りあげながら小白香は言った。
「わ、わかりません……はうっ、ひゃっ──わ、わかんないんです……ふうっ──」
雪蘭の尻に塗った媚薬の効果は痒みだけではない。女の官能を湧きあがらせる効果もある。
その媚薬の疼き──。
尻の穴という恥ずかしい場所を曝け出す羞恥──。
そして、柔らかい羽根で擽り続けられる刺激──。
限界を超えている股間の痒み──。
そういうものが、雪蘭の真っ白い身体を淫欲の情感に赤く染めあげていっている。
「お、おねえさま……こ、これはなんですか……なにか……なにかあついものが……ひゃあっ──へ、へんなきもちです……くふうっ──く、くすぐったいとはちがうの……はあっ──わ、わかんないです──ひうっ──」
雪蘭が快感の疼きを抱き始めていることは確かだ。
小白香は指を股に近づけて雪蘭の股間を指で触れてみた。
「きゃああ」
雪蘭が腰をびくりと反応させた。
小白香の指には、雪蘭の股間から沁み出た樹液のような淫液がしっかりとまとわりついた。
「これが快感というものだ、雪蘭。お前は、わらわに調教されて感じておるのだ」
「ちょ、ちょうきょう……?」
「そうだ。調教だ。わらわも性には淫らな女だ。お前も同じように淫らな女になれ」
小白香は、羽根で肛門の周りをくすぐりながら、そのまま、同時に指で雪蘭の肉芽を刺激してやった。
「あ、ああっ……は、はい……わ、わかりました……ふくうっ──な、なります……はあっ、み、みだらに……みだらになります……ひゃあっ……」
雪蘭の反応が激しくなる。
真っ赤に上気した身体をいきなり狂気のように揺さぶりながら大きな声をあげた。
「わらわに、もっとなぶって欲しいか、雪蘭?」
小白香は一度攻め手を休むと、鳥の羽根を横に置いた。
今度は指で直接に肛門をいじっていく。
「は、はんっ……な、なんでもしてくだい……。はあっ……な、なんでもしますから……。で、でも、雪蘭をほかにやらないで……。あ、ああっ、あああっ──ほかの怖い人ではなく……お、おねえさまのところに──はあっ……ああっ──お、おいて……」
小白香が指で雪蘭の尻を刺激し始めると、雪蘭は、十歳の童女には似合わぬ淫らな仕草を示し始める。
もちろん、媚薬の効果が大きいのだと思うが、最初の性的な刺激の経験で、こんなに悶えるというのは、快感を受けることについて、雪蘭には高い素質があるのかもしれない。
小白香は、幼い身体で受ける快感に当惑と狼狽を示す雪蘭が愉しくて、しばらく、指で雪蘭の肛門をほぐし続けた。
薬剤の助けもあり、すぐに雪蘭の肛門は熱を持つようになり、かなりの柔らかさも保つようになった。
小白香は、雪蘭の肛門をほぐしなから、少しずつ指を入れていく。
そして、徐々に侵入させる指の深さを進めていき、なんとか指のひとつの関節くらいまでは、挿し入れることに成功した。
小白香は指を抜くと、横の箱から一番細い一本の筒具を取りだした。
太さは小白香の人差し指と変わらない。
先端に渦巻き状の溝がついている。
「雪蘭、これを入れるぞ。今日は、この棒の半分まで頑張るのだ──。半分まで入れることに成功したら、ご褒美に股間を思い切り掻いてやるぞ」
小白香は、その淫具を雪蘭の顔の前にやった。
雪蘭の腰は、まだそわそわと動き続けている。
しかし、すべての刺激を遮断している赤い革の下着は、どんなに雪蘭がそうやって刺激を求めても、一切それを遮断する。
刺激があるのは、小白香が触れるときだけだ。
「が、がんばります、おねえさま」
雪蘭は激しく息とすすり泣きを続けながら、それだけを言った。
小白香は、その筒具の溝に、潤滑油として媚薬を塗った。
そして、もう一度、雪蘭の肛門を指でほぐしてから、その筒具の先端を雪蘭の小さな菊門にあてがった。
「あっ、ああっ──」
雪蘭は、筒具の先端がねじられながら自分の身体の中に入れられると、身体を突っ張らせて、大きな悲鳴をあげた。
異物を肛門に初めて入れるのだ。怖いに違いない。
「怖くないぞ、雪蘭──。今度、わらわもお前の前でやって見せてやる。だから、怖がるな。息を吐け──。息を吐くのだ──。そうすれば、尻穴は開く──。力を入れるな──。緊張をほぐすのだ」
「は、はい──。はあ……はあ……はあ……」
雪蘭が健気に、息を大きく吐く仕草を始める。
小白香は、筒具を抜いて、もう一度媚薬を雪蘭と筒具の両方に塗ってから、また肛門の中に挿入していった。
今度は、さっきよりも深くまで入った。
「ひゃあっ……お、おねえさま……わ、わかんない……わかんない……ひゃあっ……こ、これっ……わ、わかんない……」
突然に雪蘭が泣き始めた。
いま、筒具は小白香の指の長さくらいまで入っている。
目標である筒具の半分までは、いま入っている分のさらに半分までは受け入れさせなければならない。
小白香は、また潤滑油としての媚薬を足すために、また筒具を抜いていく。
「ふわっ……ひっ、ひくっ……なんだか……わからないの……はあっ、はんっ……」
また、雪蘭が泣き声を大きくする。
「どうした、雪蘭? 痛いのか?」
小白香はゆっくりと筒具を引き出しながら訊ねた。
「い、いたいけど……そ、それはいいんです……。で、でも……はあっ……ああっ……み、みだら──。みだらです……。雪蘭はみだらを感じてます……ああっ……」
「そうか……。淫らか──。もう少しじゃぞ、雪蘭……。もう少しだ……」
覚えたばかりの言葉をたどたどしく使うのを微笑ましく思いながら、小白香は、雪蘭がはっきりと快感を感じているのを確信していた。
苦痛はあるだろう。
しかし、この雪蘭は、その中から、はっきりと快感を見つけていっている。
小白香は、さらに媚薬を追加して、三度目の筒具の挿入を始めた。
片手で筒具を肛門に挿入しながら、今度は雪蘭の肉芽も刺激してやる。
そうやって、雪蘭の身体と気持ちをほぐしながら、深く深くと筒具をねじ込んでいく。
「はあ……はあ……」
雪蘭は、一生懸命に教えたとおりに息を吐いて、筒具を受け入れていく。
抵抗は少ない……。
やがて、筒具は半分どころか、ほとんど根元まで雪蘭の体内に入り込んでしまった。
「凄いぞ、雪蘭──。とうとう、咥えこんだぞ──。褒めてやる──」
小白香の言葉に、汗びっしょりの雪蘭が嬉しそうに破顔した。
「あ、ありがとうござい……ひゃううう──」
雪蘭が悲鳴をあげた。
小白香が悪戯で、喋っている途中の雪蘭の肛門深くに沈んでいた筒具を小さく前後に動かしたのだ。
雪蘭は身体を跳ねあげて絶叫した。
しかし、それは苦痛というよりは、強烈な快感を訴えるような仕草だった。
どうやら、雪蘭は、最初の調教で、肛門で受ける快感を覚えてしまったようだ。
「では、約束のご褒美じゃ──。筒具はそのままでいよ。そこに座り直すがよい、雪蘭──」
小白香は、首輪に繋げていた雪蘭の手首の枷の金具を外して、両手を自由にさせた。
肛門の筒具は、本当に根元まで入ってしまっているので、尻を下にしても邪魔にはならない。
ただ、肛門に異物を入れたまま身体を動かすのはつらいのか、雪蘭は切なそうに顔を歪めながら、ぎこちない動作で床に座る体勢になった。
「雪蘭様、凄いわ……。頑張りましたね」
部屋の隅で見守っていた
「は、はい……」
雪蘭が笑顔になり、小さく頷いた。
「しばらくは、小愛の調教を受けて、尻の性感を開発させるのだ、雪蘭……。いまの調教を繰り返して小愛から受けるがいい。そのうちに、もう少し、大きな筒も受け入れられるようになるであろう」
「は、はい……。がんばります、おねえさま」
雪蘭は言った。
「よし……。では、ご褒美じゃな」
雪蘭に両脚を伸ばさせると、小白香は雪蘭に装着させている革の下着を消滅させる。
むっとするような女の匂いがした。
雪蘭の股間はしっかりと淫蜜で濡れていた。
女の快感を覚えだしてきたようだ。
「はああっ」
下着を消滅させた途端に雪蘭が、腿を狂ったように擦り合わせ始める。
「まだだ、雪蘭──。勝手に動かすではない──」
小白香は大喝した。
「は、はいっ……くうっ──」
雪蘭がびくりとして腿を動かすのをやめた。
しかし、顔をしかめて、かなり苦しそうだ。
「わらわ足の裏を貸してやろうよい──。お前が痒みを癒せるのは、わらわの足の裏だけじゃ。それが嫌なら、痒みは癒してやらん」
小白香はにやりと笑った。
さすがに、他人の足で股を擦るのは嫌だろうと思った。
だから、からかってやろうと思ったのだ。
「い、いやじゃありません──。ゆ、雪蘭こそ、こんないやらくて、もうしわけありません──」
雪蘭はほとんど躊躇しなかった。
股間を持ちあげて、小白香の足の裏に股間を載せる。
そして、猛烈な勢いで動かしだす。
「ひゃああ──」
「はうううっ」
快感の声が小白香と雪蘭の両方から出た。
小白香は、いつもの痒みの向こう側の自慰のために、常に足の裏に掻痒剤を塗りたくっている。それを刺激遮断のサンダルで包んで痒みを我慢しているのだ。
だから、痒みの極致にあった足の裏を雪蘭の股で擦ってもらえる気持ちよさは、天にも昇る心地になった。
この鋭い快美感──。
名状できない恍惚──。
全身が痺れるような解放感──。
小白香は、痒みが癒えていく気持ちよさに、頭の先から爪先まで痺れ切り、束の間身体を震わせていた。
「ゆ、指を──指だ、雪蘭──。指でかいてくれ。さすれば、わらわもお前の股を指で搔いてやる──」
小白香は歓喜の声を迸らせていた。
左右の足の指に、小白香の小さな指が絡まり出す。
一方で、小白香は、雪蘭の股の下から足を抜き、代わりに雪蘭を抱くようにして股間を手で擦ってやる。
雪蘭が奇声をあげた。
お互いに指で痒い場所を相手の指で懸命に擦り合う。
息もとまるような快感だ──。
「き、きもちいいです、おねえさま──。で、でも、かゆいです。かいても、かいても、かゆいの──。ああっ……。で、でも、気持ちいい──」
雪蘭が股間を小白香の指に擦りつけるようにしながら悲鳴をあげた。
だが、小白香がいつも使ってい掻痒剤は、痒みを癒すことで終わることはない。
掻けば掻くほどさらに痒くなるのだ。
その途方もない疼きの継続が小白香の扱う掻痒剤の恐ろしさなのだ。
痒みはどんどん消える。
しかし、その痒みを上回る痒みが同時に襲う。
そして、その痒みも癒される……。
「わらわの股じゃ。股を擦ってくれ──。そっちにも痒み剤を塗っておる」
小白香は自分の身体から下着を消滅させる。
足の指と同様に、小白香は自分の股間には常に掻痒剤を塗っている。これも痒みの向こう側にある快感を味わうためである。
そこを雪蘭の指で擦ってもらう。
「あああ、気持ちいいい──」
余りもの快感に思わず絶叫した。
痒みが消える気持ちよさ。
なによりも、雪蘭の指で癒される幸せ……。
しかし、痒みが消えても、さらにそれを超える痒みが……。
極限の痒みが小白香を襲う。
それが消滅する……。
また、痒みが……。
頭が白くなる──。
なにをしているのかという知覚が小白香から消えている。
ただ一心不乱に、お互いの股間を擦りまくっていく。
「はああっ──」
小白香は悦びの戦慄が全身に回るのがわかった。
その解放感のままに、小白香は身体を反りかえらせて、咆哮に近い悲鳴をあげた。
「お、おねえさま──?」
雪蘭がびっくりするような声を出した。
しかし、小白香は、これまでに感じたことのないような快感を止められないでいた。
自分の口が意味不明の言葉を叫ぶのを知覚しながら、小白香は天にも昇るような快感を飛翔させた。
「お、おねえさま、だいじょうぶですか……?」
気がつくと、目の前に雪蘭の顔があった。
どうやら、小白香は、あまりに激しい気をやったために、一瞬だけ失神したような状態になったようだ。
「だ、大丈夫だ……」
小白香は苦笑しながら言った。
「あ、ああ、だめです、おねえさま……。ま、また、かゆくなって……。も、もう少しかかせてください」
雪蘭が再び手で愛撫をし合う態勢になった。
しかし、小白香はさっと身体を引きあげた。
この痒みを癒す快感は怖ろしい。
際限のない快感が続くだけに、どこかで制御することを覚えなければ、おそらく発狂するまでふたりあって股間を掻き続け合うことになる。
「雪蘭、また、しようぞ──」
小白香は起きあがると、道術で再び刺激遮断の革の下着お出現させて、雪蘭の股間に装着させてしまう。
雪蘭は、一瞬だけ恨めしそうな表情になったが、それ以上はなにも言わなかった。
大人しく、小白香が雪蘭に革の貞操帯を履かせるのに任せた。
雪蘭の股間から、再び一切の刺激が遮断されたはずだ。
一方で、自分の腰の下着の中がぐっしょりと夥しい淫液で濡れていることもわかった。
「小白香様、新しい下着をお持ちしました……。ほかの衣装もお着替えになりますか?」
ふと見ると、目の前に下着を乗せた盆を捧げ持つようにしている小愛がいた。一緒に身体を拭く布もある。小さな桶に入った湯もだ。
達してしまったのが、小愛にはわかったようだ。
小白香は苦笑した。
「下着だけでよい。だが、まずは濡れた股を拭くか」
小白香はサンダルを履き直して、その場に立った。
下半身になにも身につけないまま、雪蘭の前に仁王立ちになる。
一方で、小愛が盆を持って待っている。
「雪蘭、その布をとって湯でわらわの股を拭くのだ。これから、わらわの肌を拭くのはお前の係とする、雪蘭」
「は、はい──」
雪蘭が嬉しそうに立ちあがった。
しかし、尻に筒具が深く入ったままだ。
「あんっ、うっ」
それで、うっと声をあげて、その場に膝を折りかけた。
「早うせよ、雪蘭──」
小白香は、そんな雪蘭を見て、笑いながら意地の悪い声をかけた。
*
小白香は、すぐには宮廷府には向かわずに、一度、沙那を拷問している監禁部屋に戻ることにした。
ひとつは、繰り返し『通信球』で、小白香が宮廷府に前進してくることを催促してくる
もうひとつの理由は、金凰魔王から白象の処刑に同意する連絡があったとすれば、しばらくはどうしても、それに関わらなければならなくなるからだ。
その前に、沙那を片づけたかったのだ。
「ほら、動くんじゃないと言っているでしょう──。動いたら、また、掻痒剤を足すわよ──」
『移動術』の跳躍で監禁部屋にやってきた小白香の耳に最初に届いたのは、一条のその言葉だった。
「ううっ……そ、そんなこと言われても……はああっ──はああっ──」
続いて沙那の引き裂くような絶叫も聞こえた。
「あっ、小白香様──」
五人の女奴隷がさっと居ずまいをただした。
彼女たちは、小白香がここを離れたときと同じような状態で沙那を取り囲んでいる。
また、沙那は、空中に数寸だけ浮いた状態で、脚を少し開いて仰向けになっていた。
いまは、痒み奴隷用の貞操帯を装着させていない。
その代わりに、股間を閉じることができないように、四肢を開いて、わずかに宙に浮かせて拘束させている。
一方で、沙那の身体は、痙攣するように震え続けている。
全身は水を被ったように汗まみれで、股間からは熱そうな淫蜜が噴き出て、沙那の股間の真下の床を濡らしていた。
「……今度は、なにをしているのだ、一条?」
小白香は五人の奴隷女の束ねをさせている一条に言った。
「動くなという命令を……。少しでも動けば、肉芽に痒み剤を足していくという罰を与えておりました」
一条が頭をさげながら言った。
小白香は微笑んで頷くと、五人に沙那から離れるように手で合図をした。
五人が頭を下げてから、壁にさがっていく。
小白香は、沙那の横に座り直した。
そして、まず最初にねっとりと新しい掻痒剤を塗り足した。
「んああああああっ、やめてええええ、ひいいいいいい」
沙那が絶叫して暴れようとする。
だが、身体が動くのを道術で阻止する。
沙那が涙を流しだす。
「あああ、もう許してええええ」
「どうじゃ? 股間を掻いて欲しいか、沙那?」
「は、はい……掻いて、掻いて……く、ください──」
沙那がやっと小白香の存在に気がついたような表情で小白香に視線を向けた。
その眼は朦朧としていて、口からは涎が垂れ続けている。
「ならば、わらわと『主従の誓い』をせよ」
「そ、それは……」
沙那が激しく左右に首を振る。
小白香は、横の責め具を集めてある箱から張形を手に取った。
沙那の尻穴に無造作にその張形を挿して、前後に動かしていく。
「はうう──あうううう──」
ただれそうなお尻の痒みが消え去っていく快感に、沙那が獣のような声をあげて、全身をよじる。まるで小便かと思うような大量の淫液が沙那の隙間から迸った。
小白香が尻穴の張形を動かすと、沙那の女陰がねとねとと大きな音を奏で始める。
「あああっ、ほおおおっ」
沙那の常軌を逸したような快感の声が部屋に響き渡る。
そして、沙那は腰を淫らに動かしだした。
道術で沙那の身体を金縛りにしているのだが、それでも張形を軸にして前後左右にと激しく腰が動き回る。
沙那がそれだけの力で腰を動かしているのだとわかる。
「はうううっ──」
そして、絶頂した。
普段の冷静そうな沙那の姿からは想像もできないような、あられもない淫らな沙那の絶頂の姿だった。
「休むんではない、沙那──。まだ、いけるだろう……ほらっ」
小白香は尻穴に張形を挿したまま動かす。
「あふううっ──ひぐうううっ──」
沙那が身体を跳びはねさせた。
たったいま絶頂に達したばかりの身体が、新たな張形の侵入とともに、再び愉悦の頂点に向かって進み始めたようだ。
「我慢するんではない。許可するまでいきまくるのだ──。肉芽と膣だけは掻いてやらんが、ほかの場所だったら、いくらでも掻いてやろうぞ。しかし、股間の痒みが癒される快感はこんなものではないぞ。股の痒みが癒される快感を味わいたくはないか?」
小白香は言った。
そして、尻穴の張形に道術をかけて、勝手に抽送の動きを続けるようにさせた。
沙那は自制の仕草など微塵も感じさせず、道術で動く肛門張形の動きに合わせて、淫らな水音をさせながら腰を激しく動かし続ける。
小白香は、こうやって、沙那の欲情という欲情を暴き、官能という官能を限界まで燃えあがらせていくつもりだ。
だが、股間だけは癒してやらない。
沙那を苦しめる痒みは、股間……特に、肉芽の痒みで十分だ──。
そう思った。
これまでに、堕としきれなかったのは、下手にほかの掻痒剤を使うことで、沙那の苦しみが分散していたからだ。
責める場所を一点に絞る。
そして、ほかの場所は沙那の理性のたがを外させて、欲情を剝き出しにするために使うのだ。
それに、単純に快感が昂ぶれば、全身の血が激しく回る。
血が身体を動き回れば、股間はさらに痒くなる。
そういうものなのだ。
今度こそ、沙那は堕ちるだろう──。
さっき雪蘭に足を擦られることで、小白香は、これまでに味わったことのない快感を覚えた。
快感が大きいだけ、痒みの苦しさも大きい。
それを改めて自覚した。
だから、沙那への拷問は、肉芽の一点の痒みの痒みの苦しさともどかしさに絞る。
それで堕ちる。
「ああ……いい……ああっ……ひいいっ……」
沙那は張形に操られたかのように、大きな声をあげ、悲鳴のようなすすり泣きを続けた。
全身のすべての穴から体液を噴きこぼし、淫靡な匂いを強烈に発散させながら快感に溺れる沙那の姿には、もはや一片の理性もない。
沙那はしばらくのあいだ、肛門張形に責められて、のたうち回りながら、宙に浮かんだまま絶頂を繰り返した。
「ま、また、いく……いきます……」
「おうおう、いくらでもいけ──」
小白香も呆れるような速度で、沙那が続けざまに達していく。
またもや、沙那ががくがくと身体を震わせて絶頂した。
「ふふふ……。わらわは、痒みの快感について、さまざまな文献を読んで調べた。自らの身体を実験台にして研究もした……。癒されない痒みの向こう側にこそ、本物の快感がある。また、人には耐えられない苦痛というものもある……。痛みには人はいくらでも耐える……。だが、痒みの拷問には耐えられない。痛みには慣れるが、本当に痒みの地獄には人は耐えられない……」
小白香は言った。
沙那が聞いているのかどうかわからない。
しかし、沙那にはささやき続ける。
「……その結論に辿りつくことで、わらわは痒みで人を操ることがもっとも有効な支配手段であることに気がついたのだ……。他人の痒みを操ることで、思いのままにわらわは余人を従わせることができる。母者でさえ、わらわには逆らえなくなった……。」
小白香は言って、亜空間から液剤の入った小瓶を出した。
そして、その液体を一気に沙那の肉芽にひと瓶全部かけた。
これは、小白香が痒み液の培養に使う原液であり、痒みの元を活発化して使うものだ。
普通はここからほかの液体で薄めて、痒み液を調合するのだが、それをそのままひと瓶丸ごと沙那の股にかけた。
原液をこんなに大量に使ったこともなければ、直接、肌に直接に使用しようと思ったこともない。
さすがの小白香にも、どうなるかわからない。
「な、なにっ──? んぎゃああああっ──ひがあああっ──」
次の瞬間、沙那が白目を剥いて咆哮した。
身体を限界まで弓なりにして、がっくりと脱力した。
失神したようだ。
しかし、道術の力ですぐに強引に、意識を引き戻される。
「あがあっ、か、痒いいいいい──痒いいいいい──がはああああっ──」
「騒ぐではないわ──。尻穴の淫具でよがっておればよかろう──。ほら、次もいけ──」
道術でふたつの淫具をさらに激しくする。
しかし、沙那はもう淫具の動きにはそんなには反応しない。
それよりも、動かない股間を必死になってばたつかせようとしている。
ふと見ると、股、特に肉芽が熟れた果実のように真っ赤になった。
しかも、肌に次々に薄く亀裂が入り、そこから汁がどんどんとただれだしている。亀裂と亀裂のあいだが真っ赤になり、血のようなものまでうっすらと滲み出してもくる。
「か、痒い──ひぎいいっ──た、助けて──があああっ──」
沙那が宙でのたうち回っている。
「痒い──。こ、殺して──殺して──」
沙那の口から悲鳴が迸るとともに、泡のようなものが噴き出てきた。
胸には、『真実の石』をつけっぱなしだ。
それが力強く青く光り輝いている。
青い色が真実を口にしているという意味になる。
小白香は、尻穴の張形を道術で抜いた。
ぼとりぼとりと淫具が床に落ちたが、沙那の暴れ方はまったく変わらない。
全身をこれでもかというように動かし回っている。
「もう一度、さっきの原液の薬液をかけてやろうな。もっと、痒くなるぞ──」
小白香は言った。
あんなものはいくらでも取り寄せられる──。
一度横に置いていた空き瓶を沙那の前にかざして、その中身を満水にさせる。
「ひううっ──。や、やめて──。やめて──。こ、これ以上、かけないで──。はがああっ──。や、やめてっ──。後生よ──。もう、いやああっ──」
沙那が必死の形相で絶叫した。
小白香は込みあがる笑いを必死で耐えた。
「もう一度、いくぞ──。ほれっ、のたうち回れ──」
小白香は、その瓶の薬液を沙那の股間にかけた。
「ひぎゃああああ、痒いいいいい、ひいいいいいい」
沙那が狂ったように暴れだす。
「では、わらわは行く。これから、宮廷府で仕事があるのだ。それに、明日から明後日にかけて忙しい。次に来れるのは数日後かもしれんが、そのときには、よい返事を期待しているぞ」
小白香は、『貞操帯』を手に取ると、沙那の股間に近づけた。
封印するためだ。
「ま、待って──待って──。ごめんなさい──ごめんなさい、ご主人様──ごめんなさい──みんな──ごめんなさい──誓う──誓います──。『主従の誓い』をします──。誓います──」
沙那の絶叫が部屋に轟いた。
小白香は、沙那の胸の上の『真実の石』に視線をやった。
確かに青く光っている。
「わらわに仕えると口にせよ──」
小白香は、沙那の股間に、もう一度取り出した薬液をかけながら言った。
「あふうううっ──掻いて、掻いて、掻いて、誓う──誓います。あなたに仕える──痒い──掻いて、お願い、掻いて──殺して──あああっ、誓う──」
沙那が喚きたてて絶叫した。
「沙那の誓いを受け入れよう──」
小白香は大きな達成感という激しい歓喜のままに叫んだ。
『主従の誓い』という真言の誓いが自分の心に刻みこまれるのを感じる。
沙那を自分の部下にするという強い気持ちが発生した。
同時に、沙那の持つ霊気の心をしっかりと、自分の霊気がわし掴みする感触を知覚した。
『主従の誓い』というものを生まれて初めて結んだが、小白香は、この真言の誓いが一方的に沙那側からの従属だけを強いるものではないことがわかった。
いま、小白香の心には、沙那を自分の部下として受け入れるのだという強い心が存在していた。
そういえば、いかなる道術契約も一方通行ではなく、両者の心を拘束するのだと聞いたことがある気がする。
まあ、いいだろう……。
この人間族の女が大した者であることはわかっている。道術に長ける小白香を一度ならず、二度までも殺しかけたのだ。
護衛にでも使えば役に立つに違いない。
小白香は、沙那の股間に手を伸ばすと、力いっぱいに指で掻いてやった。
「あうううっ、ほおおおっ」
小白香の爪が沙那の愛液だらけの肉芽を往復するたびに、沙那は全身を暴発させるように身体を跳ねさせた。
やがて、さらに激しく身体を震わせたかと思ったら、歓喜の声をあげながら、いきなり小便を洩らしだした。
これには、びっくりした。
「ふううん──くううううう──、いぐううううう」
その小便が尿道を通り抜ける快感も気持ちいいのか、沙那がまた甘美感に裸身をくねらせて絶頂もしてしまった。
哀れな沙那の姿に小白香も苦笑してしまう。
「忙しいのう……。そんなに気持ちいいのか……」
小白香は、激しい快感にのたうち回る沙那の浅ましい姿に、呆れて言った。
そのあいだも、小白香の手は沙那の股を掻き続けている。
さらに指を膣に突っ込んで、荒々しく抽送してやる。
「んぎいいいい、ぎもじいいいいい──。き、気持ちいいです、小白香様あああああ──」
沙那が涎を流しながら、またもた絶頂した。
「それより、仕度せい。宮廷府に行くぞ、沙那。護衛としてついて参れ。『治療術』で身体の回復もしてやるわ」
小白香は、沙那を開放して、宙に浮いていた身体を床に落とすと、まずは、道術で消滅させていた両腕を復活させた。
「ひひゃあああっ──。気持ちいい──。で、でも痒いいいい──ひいいっ──」
沙那が、復活したばかりの両手で狂ったように股間を掻き始めた。
掻いたくらいでは、股の痒みはとまらないのだ。
それよりも、掻くことで薬液が染み込んで、さらに痒くなる。
その痒みを癒すことは怖ろしいほどの快感であり、同時に地獄でもある。
鼻水垂らし、涎を垂れ流しながら、沙那は股間を掻き続けている。
「聞こえんのか、沙那──。いい加減に掻くのをやめんか──。それとも、また、『貞操帯』を装着され直されたいか──」
放っておけば、いつまでも股間を掻くことをやめそうにない沙那に、小白香は苦笑しながら怒鳴り声をあげた。