※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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550 放尿の途中で

 ふたりの男たちが李姫の股縄を解こうと、懸命に手を動かしている

 しかし、だんだんと男たちが焦りの色を出し始めた。

 

「この縄、ぜんぜん解けねえぞ──。別に堅く縛っているというわけでもなさそうなのに変だな……」

 

「まったくだぜ……。いや……。これはおかしい……」

 

 男たちがぶつぶつと言い始めた。

 李姫は前後の秘孔を苛む掻痒感と激しい尿意に狂いながら、それを呆然と聞いていた。

 

「わかった。いや、多分そうだ──。間違いねえ……」

 

 そして、前側の男が突然に叫んで、李姫の股縄の結び目から手を離した。

 

「どうした?」

 

 後ろ側の男も顔をあげたようだ。

 

「多分、これは、いくらやっても解けねえ──。おそらく、刃物も受け付けねえようになっていると思う──。前にもこんな感じの縄に接したことがあるんだ。多分、これは道術が遣われているに違いないぜ。おそらく、手じゃあ、絶対に解けねえようになっている」

 

 ひとりが言った。

 

「道術だと? 本当か?」

 

「間違いないと思う──。なあ、お前、これは、道術を遣う男か、亜人にやられたんだろう?」

 

 前側の男が李姫に怒鳴った。

 

「は、はい……」

 

 李姫は頷いた。

 李姫の股間を締めつけているこの股縄に朱姫が道術を刻んだのかどうかはわからないが、男たちがそう言うならそうなのだろう。

 朱姫は、置き去りにした李姫が男たちに犯されることだけはないようにそうしたのだろうか……。

 

「亜人か──。まだ、亜人がそこらへんにいやがるのか? だったら、問題だぜ」

 

 もうひとりの男が声をあげた。

 

「あ、亜人じゃありません。に、人間です……。こ、これは、こういう遊びなんです。わ、わたしが変態だから、そ、その人と、そんな遊びをしているんです……。その人は道術を遣う人です。だ、だから、もう行ってください……」

 

 李姫は言った。

 すると、男のひとりが盛大に舌打ちした。

 

「だったら、この娘の股には手を出せねえということかよ──。ちょっとした貞操帯ということだな──。とんだ変態どもだぜ──。ちっ、だったら、胸でも揉ませな──」

 

 男たちがふたりとも前に出てきて、李姫の乳房をむんずと掴んだ。

 

「ひっ──。いや、いやあっ、やめてっ──」

 

 李姫は叫んだ。

 そのとき、突然、すぐそばから手を叩く音がした。

 

「はい、そこまで──。ふたりとも、身体の力が抜けて、意識がぼんやりするわ……。さあ、こっちを向きなさい」

 

 いつの間にか、男たちの向こう側に朱姫が立っていた。

 その朱姫の言葉で、たったいままで李姫の乳房を掴んでいた男たちが、その手を離して、両手をだらりと身体の横にさげた。

 その表情は虚ろだ。

 そして、朱姫の言葉に従って、李姫に背を向けて、朱姫の方を向いた。

 

「しゅ、朱姫お姉様──」

 

 李姫は叫んだ。

 同時に全身が脱力するほどの安堵感が拡がるのがわかった。

 安心した途端に、李姫の両眼から涙がぼろぼろと流れ出した。

 朱姫は悪戯を仕掛けた子供のように、にこにこと笑いながら片目を李姫につぶって見せた。

 そして、ふたりの男に視線を向ける。

 

「……さあ、もう一度、手を叩くと、あなたたちは、ここで見たものや聞いたもののすべてを忘れてしまうわ。そして、振り返ることなく、向こうに歩いていく……。そのまま、どこかの居酒屋で酒を飲みなさい──。すべて忘れるんです。ほらっ──」

 

 朱姫がまた手を叩いた。

 男たちが虚ろな表情のまま、道路の先の賑やかな声のする方向に歩いていく。

 そして、やがて見えなくなった。

 

「怖かったですか、李姫……? でも、ちょっとした刺激だったでしょう……?」

 

 朱姫が李姫を繋げていた樹木から鎖を外した。

 よくわからないが助かったのだ──。

 李姫は、安心したことで、腰が砕けそうになり、その場に倒れかけた。

 その李姫の身体を朱姫が抱きかかえた。

 

「ひ、酷いです──。い、いまのは朱姫お姉様の仕業ですか?」

 

 李姫は声をあげた。

 

「そうですよ……。さっきの男たちは、偶然に見つけて『縛心術』であたしが操っていた男たちです……。あたしには、こうやって、ちょっとした操り術が遣えるんです。ちょっと、李姫を苛めてあげただけ……。大丈夫ですよ。李姫を知らない男なんかに犯させはしませんよ」

 

 朱姫が言った。

 

「ひ、酷い、酷い、酷い──。し、死ぬほど、怖かったです──。酷いです、朱姫お姉様──」

 

 李姫は、朱姫の胸に後手縛りの裸身をすり寄せて泣きじゃくった。

 すべてが、朱姫の仕組んだ遊びだったようだ。

 

「じゃあ、この先に、あたしが寝泊りをしている空き家があるんです。そこに行きましょう……。貞女さんも待っていますよ。でも、その前に、そろそろ、その縄を外してあげますね。そのままでもいいんでしょうけど、おしっこしたいでしょう、李姫?」

 

 朱姫が李姫の首輪に繋がった鎖を引っ張って、道の真ん中に導きながら言った。

 さっき、男たちが取りあげた一枚布の衣服は、朱姫が畳んで小脇に抱えている。

 それを再び身につけさせてくれそうな気配はない。

 そして、緊張感で一瞬忘れていた掻痒感と尿意が朱姫の言葉で再び蘇った。

 しかも、復活した痒みは、さっきよりもさらに強い気がする。

 尿意も限界だ。

 

「は、はい……。もう、もう漏れそうです。こ、これも朱姫お姉様のやったことですよね? ひ、酷いです……。そ、それに痒くて……。ああ、か、痒いです、朱姫お姉様──。痒い……」

 

 李姫は耐えきれなくなって腰を振った。

 

「あっ」

 

 すると縄瘤が李姫の敏感な場所に次々に刺激を与えてしまい大きな快感の波に襲われてしまう。

 だが、すると尿意がさらに刺激されて、漏れそうになる。

 

 股縄から発生する怖ろしい痒み──。

 

 それを癒そうとすると襲ってくる縄瘤の強い刺激──。

 

 痒みや快感に没頭するとすぐにでも漏れそうな激しい尿意──。

 

 そして、素裸でこんな野外に立たされる羞恥心と恐怖──。

 

 それらの苦痛が李姫に襲いかかっている。

 もう、どうしていいかわからない……。

 

 幸いにも、少し繁華街から離れているために、ここは人通りの少ない道のようだが、背中側には賑やかな酔客の声も遠くに聞こえるのだ。

 そんな場所で、素裸で腰を振って悶えるなど、李姫には耐えられない恥ずかしさだ。

 

「その痒みは縄を外してもなくならないわ。空き家で貞女さんが待っているから、ふたりで癒すといいですよ」

 

 朱姫が意味ありげな言葉とともに指を弾いた。

 すると、しっかりと結んであったと思った縄瘤が解けて李姫の足元に落ちた。

 同時に後ろ手の手枷まで外れて地面に落ちる。その両方を朱姫が回収した。

 

「さあ、四つん這いになるんです。ここでなら、おしっこしていいですよ……。でも、嫌がったら、逆におしっこできないように、霊具の栓をしてしまって、あたしはどこかに行ってしまいます──。あたしのかけた道術は結構強いですから、王軍の道術師隊員たちでも、なかなか外せないと思いますよ……」

 

「ど、道術隊?」

 

 王軍の道術師隊が、こんな辺境に近い獅駝(しだ)の城郭に向かっているとは知らなかったが、この三日、あちこちを調べ回っていたらしい朱姫が言うのだから本当なのだろう。

 

「外してもらうとしても、大事な場所を見せながら外してもらわないといけないんだから、恥ずかしいですよ……。早ければ、明日には道術師隊の先発組が到着するらしいけど、そんなに待っていたら、おしっこ袋が破けてしまうかもしれませんね」

 

 朱姫が言った。

 いずれにしても、股間に栓をして尿ができなくするというのは朱姫ならできそうだ。

 李姫は嘆息した。

 

「ああ……。意地悪ばかり言わないでください、朱姫お姉様──。やります。ここで、おしっこします」

 

 李姫は道の真ん中で四つん這いになった。

 もう、抵抗の気力などなくなっていた。

 尿意は限界なのだ。

 これ以上耐えられない……。

 

「李姫は雌犬でしょう? 犬らしく、片脚をあげてするんです──。あっ……、でも、前に、沙那姉さんが、足をあげるのは牡犬だけだって言ってたかな……? まあいいや。とにかく、片脚をあげておしっこをしなさい、雌犬──」

 

「ふうっ」

 

 片足をあげると命じられたことよりも、“雌犬”と呼ばれたときに、突然に身体が急に熱くなったことにびっくりした。

 なぜだかわからないが、朱姫の言葉に反応するように、股間からじゅんと愛液が滴るようにこぼれるのがわかった。

 

「さあ、雌犬──」

 

 朱姫がまた言った。

 すると、さらに股間の疼きが大きくなる。

 “雌犬”という言葉に、自分の身体が反応しているのだ。

 やっと、それがわかった。

 

「そ、その言葉を使わないでください──。し、します──。おしっこします」

 

 李姫は言った。

 そして、周りに朱姫以外にいないのを確かめながら片脚をあげた。

 もう、尿意は破裂寸前だ。

 

「待って──。まだしちゃ駄目──。念のために顔を覆っとこうかな……。こんなところに、李姫の素性を知っている者なんて、いるわけないけど、一応は、司政官の娘だしね……」

 

 朱姫がぶつぶつ言いながら、李姫に眼を中心とした顔半分だけを覆う飾り付きの仮面を見せた。

 それを李姫の眼に装着させる。

 李姫はなんでこんなことをするのかわからず、四つん這いで片脚をあげたままの破廉恥な恰好のまま、内心で首を傾げた。

 

「じゃあ、していいですよ、おしっこを……。もう少し、片脚あげて──。さあ、誰も来ないうちに……ふふふ……」

 

 朱姫がなにかの企みがあるような嫌な笑い方をした。

 しかし、もう、尿意は限界だ。

 李姫は力を股間から緩めた。

 しゅっと音がして、李姫の股間から激しい尿が迸りだした。

 

「じゃあ、終わったら、とにかく、前に向かって走るんですよ。全力疾走でね──」

 

 朱姫がおかしなことを言いながら、持っていた李姫の首輪の鎖を手放した。

 次の瞬間、なにかが起こった。

 腹がよじれるような感覚が襲い、突然に明るい光に包まれた。

 

「な、なんだ──?」

 

「裸の女だ──。目に仮面をつけた女が現われた──」

 

「素っ裸よ──。なに、こいつ?」

 

「うわっ、こいつ、片脚あげて、小便しているぜ──」

 

 急に喧騒の中に李姫は存在していた。

 びっくり仰天した。

 さっきまでいたところとまったく別の場所に李姫はいたのだ。

 朱姫の道術だとすぐにわかった。

 しかも、どこかの賑やかな通りの真ん中だ。

 両側に立ち並ぶ店の灯りで道は明るい。歩いている酔客も大勢いる。

 酔客を目当ての女の客引きも大勢だ。

 そんな賑やかな夜の通りのど真ん中に、李姫は四つん這いで片足でおしっこをしている格好のまま道術で跳躍させられたのだ。

 周囲から一斉に悲鳴があがる。

 

「きゃああ──」

 

 李姫もまた悲鳴をあげた。

 尿はまだ止まらない。

 しかし、あまりのことに、迸る尿をそのままに李姫は素っ裸のまま逃げ出した。

 気が動転して、ほとんど混乱状態に陥っていたが、朱姫が最後に言った”とにかく真っ直ぐに走れ“という言葉が頭を過ぎった。

 駆け出してすぐに、再びはらわたが捩れる感覚が襲った。

 また闇に覆われた。

 すると、朱姫の笑い声が響き渡っていた。

 

「あははははは……。せ、せめて、おしっこがとまってから逃げても、十分に大丈夫ですよ、李姫──。まだ、途中じゃないですか──。そんなおしっこまみれになっちゃって──」

 

 さっきの場所に戻っていた。

 朱姫は大笑いしている。

 李姫の股間からは、まだ尿が流れ出ている。

 

「しゅ、朱姫お姉様──。ひ、酷いです──。き、嫌い──嫌い──嫌い──」

 

 李姫はその場にしゃがみ込んで大声で泣いた。

 いまだにじょろじょろと股間からは尿が流れ続けている。

 

「ご、ごめんなさい……。でも、見てください。李姫がさっきまでいたのは、あの場所ですよ。まだ、大騒ぎしているみたいですよ……」

 

 朱姫がしゃがみ込んだ李姫を強引に後ろに向けた。

 ここから見える遠くの喧騒──。

 どうやら、あれがさっき、李姫が排尿の途中で道術で跳躍させられた場所のようだ。

 確かに、大騒ぎしているのがここからでも聞こえる。

 

「……じゃあ、悪戯はやめにしてあげます。本当に行きましょう」

 

 やっとのこと尿が止まると、朱姫が首輪の鎖を握り直して、李姫を引っ張った。

 あまりの仕打ちの連続に、逆らう気持ちなど砕け散り、李姫は朱姫が鎖を引っ張るまま、抵抗することなく、道を素裸のまま進んだ。

 

 いくらも歩くことなく、すぐに路地に入った。

 そして、数軒の小さな民家が並ぶ場所についた。

 周りの数軒の民家はすべて灯りもなく、朱姫が立ちどまった家も灯りはない。

 その家を含めて、両隣りの建物にも誰も住んでいるような気配はない。

 

「この廃屋で貞女さんが待っているわ」

 

 朱姫が李姫に入るように促した。

 廃屋というよりは、李姫の感覚では小屋だ。

 朱姫がその廃屋の戸を開けて中に入った。

 

「あれっ?」

 

 李姫は思わず声をあげた。

 この家には窓もあるのだが、その窓からも外にはまったく光が洩れていなかったのに、家の中は煌々と明るかったのだ。

 これも朱姫の道術なのだろうか。

 

「こ、ここに、貞女お姉様がいるのですか、朱姫お姉様?」

 

 戸から入ったところが、すぐにひとつながりの部屋らしき場所になっていた。

 そこには、粗末な家具はあるが、人の気配はない。

 家には、玄関と小さな台所がついているがそれだけだ。

 いま、見える範囲が、この小さな家のすべてのようだ。

 外観から考えても、ほかに部屋はないだろう。

 しかし、さっきから朱姫は、これから行くところに、貞女が待っているということを繰り返している。

 この小さな空き家のどこかに貞女が待っているのだろうか……?

 

「多分、お待ちかねよ……」

 

 朱姫は意味ありげに微笑んでから、部屋の真ん中に行き、そこにあった四人掛けくらいの卓を除けた。

 卓の下には、敷布があったが、それも剥ぐ。

 すると、そこに床の下に通じる小さな木の蓋らしきものがあった。

 朱姫がその蓋にある取っ手を掴んで、床の下を開いた。

 

「きゃあああ」

 

 李姫は驚いて悲鳴をあげた。

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