「母者は勝手に連れ出すがよい。その代わり、
小白香は、両腕を吊りあげられた体勢で言った。
「いいだろう。ならば、道術でお前の声を送ってやるから、部下に白象を引き渡すようにここから命じよ……。ここにも、数は少ないが、離宮付きの女兵がおるであろう。その者たちに、白象を連れてくるように命じるのだ」
金凰魔王は、小白香の目の前に薄透明の泡玉を出した。
『飛び声』という道術であり、これで遠くにある部下などに、小白香の声を届けることができる。
小白香は『飛び声』に声を入れようとして
しかし、こうやって強制されるままになっているだけでは、雪蘭を護れない……。
雪蘭を護るためにはどうしたらいいのか?
小白香は顔を少し離れた場所で吊られている雪蘭に向けた。
「んんっ、んんっ……」
雪蘭は
「雪蘭は終わったわい……。しばらくはああやって、声を鳴らせておくかのう……。童女の悶え声というのも、まるで音色のよい鈴のようじゃ。風情があっていいのう……」
蝦蟇婆がこっちにやって来た。
「母者を渡す前に、道術契約を結べ。雪蘭に手を出さんでくれ。その代わり、母者はくれてやる」
「まだ、わからんのか、小白香? お前にはなんの取り引きの材料もないのだ。余はその気になれば、お前がいなくても白象を連れてこれるし、お前を犯して、その童女も犯せる。すべては余の気儘だ」
金凰魔王は笑い声をあげた。
「だ、だったら、もうなにもせん。事が終われば、雪蘭を殺してわらわも死ぬ。雪蘭を守れる保証がなければ、母者を連れ出すために苦労すればよいのじゃ。わらわの命でなければ、離宮の者は動かん――。雪蘭、覚悟してくれ。わらわも追うから一緒に死んでくれるな? なあ、雪蘭?」
小白香は吊られている雪蘭に言った。
雪蘭は全身に身体を淫情させる媚薬を塗られて、全身を汗だくにして悶えていた。
だが、小白香の言葉に泣いている顔を激しく上下させる。
なんとしても、雪蘭には手を出さぬと誓わせるのだ。
考えていたのはそれだけだ。
雪蘭さえ護れればなにもいらない。
もう、魔王の地位もどうでもよい。
とにかく、雪蘭だけは……。
「よいのではないですかのう。誓ってやれば」
口を挟んだのは蝦蟇婆だ。
小白香は顔を蝦蟇婆に向けた。
「蝦蟇婆、なにを言うか……」
金凰魔王が困惑した視線を蝦蟇婆に向けた。
「この小娘と誓えばよいと思いますぞ、金凰陛下――。ただし、小白香が雪蘭を犯してよいと口にすれば、契約は無効になるという条件をつけてのう」
すると、蝦蟇婆の言葉に金凰魔王が手を叩いて喜んだ。
「なるほど、つまりは、小白香が屈伏すれば、この童女を犯すということか。確かにそれは、小白香の心が潰れたよい目安になるな。こいつが心を折って雪蘭を引き渡すことになれば、余の精の力を受け入れることになるということか」
金凰魔王は笑い続けている。
精の力というのが、なんのことなのか、小白香にはよく理解できなかった。
とにかく、屈伏などするわけはないと思ったから黙っていた。
誓わせさえすれば勝ちだ。
「では、小白香が口に雪蘭を犯してくれと言わぬ限り、余は雪蘭を犯さぬ……。さあ、小白香、白象を渡すと言の葉に載せよ」
金凰魔王が言った。
「その条件で白象の身柄を金凰魔王に委ねる」
「誓おう」
「誓う」
小白香自身と金凰魔王に道術の縛りが掛かるのがわかった。
「こ、これで大丈夫だぞ、雪蘭」
小白香はほっとして声をあげた。
「なにが、大丈夫じゃ……。お前はこれから、屈伏するのだぞ、小白香。これから、数日かけて、お前をここで調教するのじゃ。そのうち、お前はお願いだから、その童女を犯してくれと頼むことになるわい」
蝦蟇婆が気味の悪い声で笑った。
「ふ、ふざけるでないわ。そんなことを言うわけがない。それに、数日とはどういうことなのだ?」
「どういうこともなにもないわい。言葉の通りのことじゃ……。まあ、世の中には、どうしても耐えられないこともあるということを覚えるといいわい」
蝦蟇婆がまた笑った。
「準備ができました」
そのとき、いつの間にか奥に消えていた小愛が、車付きの台車を運んできた。
ふと見ると、台車の上には、なにかどろりとしたものが大きな容器に集められている。
数本の刷毛も横に準備されている。
とろろ……?
小白香は顔をしかめた。
小愛が運んできたのは、大きな容器にすりおろした新鮮な山芋をおろしたものに違いない。
皮を剥いただけの、まだ、擦っていない長細い山芋もある。
それが大量に運ばれたのだ。
「卓の上の料理は、小白香様の命でわたしが準備しましたけど、実は、痒み好きの小白香様のために、特別にこれも準備してあったのですよ。離宮の外から食物を受け取ってくる係の性奴隷に大量に運びこませたのです。だから、たくさんあります。どうぞ、たっぷりとお召し上がりください」
小愛が笑った。
「おう、では、余に犯されるお前のための特別の趣向だ。お前の痒み責め好きに敬意を表して、痒みで落としてやろう。性器にとろろを塗る痒みを愉しんでみるがいい。お前のような生意気な娘を躾けるにはちょうどいい」
金凰魔王が笑って、台の上の刷毛をとって、小白香の胸に塗りたくり始めた。
「ふうっ……くうっ……はああっ……」
くすぐったい愉悦が全身に走り回る。
小白香の身体は、金凰魔王によって数十倍にあげられている。
ほんの少しでも触られるだけで、信じられないような疼きが湧き起こる。
放っておいても、身体が熱く火照るくらいに感度をあげられていた身体に刷毛が這い回るのだ。
小白香は我慢できずに、甘い声をあげた。
一方で、蝦蟇婆は気にする様子もなく、小白香の無防備な秘唇と菊座に塗り続ける。
「ひいいっ、き、気持ち悪い……あっ、あああっ……気持ち悪い……ああっ……」
小白香はとろろを全身の局部に塗られる感触に堪らず身体をよじった。
だが、身体を這う二本の刷毛は、容赦なく小白香の隠れていた官能を湧き起こしていく気がする。
「嘘をつくでないわ。それが気持ちが悪いときの反応か――。しっかりと感じておるではないか」
蝦蟇婆が笑った。
しかも、蝦蟇婆は刷毛だけではなく、指を女陰に内側に伸ばして、とろろと穴の中に押し込むように入れてくるのだ。
「ひっ、そ、そこは――こ、怖い――ひいっ」
小白香は自分の指ですら挿入したことのない場所に、他人の指が入ってくる感覚に全身を震わせた。
「心配ないわい――。そう簡単に生娘の膣膜など破れはせんわ」
蝦蟇婆が笑った。
「待て、代われ、蝦蟇婆――。そういえば、まずは試してみるか……。このまま破瓜ができれば、なにも白象を急いで呼ぶ必要はないのだ」
金凰魔王が思いついたように言った。
「ならば、待ってくだされ。尻の穴にもとろろを押し込みますからのう」
蝦蟇婆がそう言って、さらに女陰に内側にとろろを塗るとともに、肛門の奥にまでかなりの量のとろろを押し込んできた。
「どれ……」
金凰魔王がいきなり、
「う、うわっ」
小白香は声をあげた。
しかし、金凰魔王は小白香の片脚を抱えると、怒張した一物を小白香の股間に突き当てた。
「ひいい――」
小白香はさずがに恐怖で吊られた身体を暴れさせた。
しかし、金凰魔王がしっかりと小白香の身体を抱えている。
逃げられない――。
「やれやれ、もう、やりますのか? まだ、もう少し、心を砕いてからがよくはありませんかのう」
蝦蟇婆が呆れたような声をあげた。
「よい――。精は二度も三度も出せる。一度放てば、心の屈服も早い。それから、また精を注いで、余の精の霊気で心を支配してしまえばいい」
「だが、屈伏させて支配する前に、この小娘の霊気があがってしまうことになりはしませんのか?」
「だから、道術を封じる首輪をさせておるであろう。先に精を出すから、なにがなんでも屈伏させろ、蝦蟇婆」
「やれやれ……」
蝦蟇婆が肩をすくめるのが見えた。
屈伏させて心を支配――?
精の霊気――?
小白香の心に疑念が起きる。
だが、そんな余裕など吹き飛ぶ。
金凰魔王の怒張の先が小白香の女陰にめり込んできたのだ。
「い、痛いいいっ――」
激痛が全身に走り始める。
小白香は心の底から悲鳴をあげた。
そのとき、突然、なにかが股間で起きた。
「うわあっ――」
金凰魔王が後方に吹き飛んで、床に尻餅をついた。
小白香は呆気にとられた。
「く、くそうっ――。やはり、白象の小白香の女陰を守っている霊気の護りを解かせねば駄目だ――。蝦蟇婆の指は入るのに、男根は受けつけぬのか――。いまいましい――」
金凰魔王が立ちあがって舌打ちをした。
そして、男根を小白香の腿でぬぐうような仕草をしてから、怒張を下袴にしまう。
小白香は、肉棒を腿に擦りつけられる気持ち悪さに身体を震わせた。
一方で、たったいま起きたことに、唖然としてしまった。
一体全体、いまのはなんなのだ?
小白香が金凰魔王に犯されようとしたとき、とてつもない霊気が股間に湧き起こった。
その霊気の力が金凰魔王の怒張を跳ね返し、金凰魔王自身も後方に弾き飛ばしたのだ。
「やはり、白象様を呼んで、小白香にかかっている呪いを解くしかないですな。金凰陛下の言われていた通り、白象様の霊気は二年前から比べれば、かなり衰えているはずですからのう……。白象様は呪いを維持する霊気がほとんどないはずじゃ。その白象様から、完全に霊気を放出させれば、小白香の護りの呪いは消滅するはずじゃ」
蝦蟇婆が言った。
白象が二年前に小白香に護りの呪い?
小白香はその言葉に不審に思った。
しかし、合点がいくところもある。
そう言えば、白象を磔にして処刑しようとしたとき、白象は二年前のことについて、白象は小白香を守ろうとしたと仄めかさなかったか?
そして、いま、蝦蟇婆は“呪い”という言い方をした。
“呪い“というのは、魔族特有の言い方で、つまりは、大地との契約道術のことだ。
魔族にしかできない技であり、大地と契約道術を結ぶことによって、ある種の道術の縛りをかけるのだ。
例えば、この金凰魔王は、代々、「一度も金凰宮を訪れたことのない者は、魔王の土地で『移動術』を遣えない」という大地との契約道術、つまり、“呪い”をかけている。
ただ、魔族の家系でも直系に限られており、白象がそれを遣えたとは知らなかったが、遣えたとしても、生涯に一度きりとされる大技だ。
そんな大切な術をたかが小白香の貞操を護るために遣ったということになるのだろうか……。
いずれにしても、白象が呪いをかけたというのは、なんらかの契約道術を大地と結んだということだ。
そして、小白香は、なんとなく二年前のことが見えてきた。
白象に真言の誓約で秘密を守らせていたくらいの金凰魔王だ。白象ももしかしたら、脅されるか、道術をかけられて言いなりになっていたのではないか?
蝦蟇婆がさっき、金凰魔王の精がなんらかの心の支配をすると言っていた気がする。
おそらく、間違いない。
そして、二年前、この金凰魔王は、まだ十歳の小白香を犯そうとした……。
だが、金凰魔王の精の支配を受けている白象には、それに抗する手段がなかった。
おそらく、白象はこの魔王のなんらかの支配にあったのだ。
それで、“呪い”の術を遣った……。
小白香の貞操を護るという呪いを……。
ほかの道術とは異なり、呪いは術者の意思で解除できない。
だから、一度掛けてしまえば、金凰魔王に命令されても、白象には呪いを解放できない。
二年前、白象はそうやって小白香を護ったのだ……。
しかも、それから、二年間、護り続けた……。
たったいまも……。
その証拠に小白香が犯されそうになったとき、呪いの術が金凰魔王を弾き飛ばした……。
小白香は、だんだんと真実がわかってきて愕然とした。
二年間、その白象を自分は理不尽に嗜虐し続けた……。
それだけではなく、ことあるごとに、様々な手段で白象から霊気を奪おうともしていた。
ほかの道術契約とは異なり、大地との契約道術である呪いは、術者の霊気がなくなれば消滅する。
だから、普通は術者の死で霊気は消滅するのだか、意図的に霊気が全放出しても大地との契約は切れる。
つまり、小白香は、自分を護っている白象の霊気を自ら消滅させる方向に仕向けていたということだ……。
今度こそ、小白香はこの二年間に自分が白象にやったことを後悔した。
だが、なぜ、白象はそれを教えてくれなかったのだ?
しかし、その答えもすぐに出た。
白象はすべてを秘密にするように、道術で強要されていたのだ。
小白香は、自分の数々の白象に対する仕打ちを思い起こして、頭を掻きむしりたい気持ちになった。
「よし、やはり、白象を連れてきてもらうぞ。さっきの『飛び声』に白象を連れてくるように部下に命じよ」
金凰魔王が小白香の目の前に。また『飛び声』を出した。
小白香ははっとした。
もう、道術契約を結んでしまった……。
契約に逆らえない……。
白象を引き渡す命令をしてしまう……。
どうしたら……?
しかし、小白香の思考はそこまでだった。
「か、痒い――」
思念など吹き飛ばしてしまうような不快なとろろの掻痒感がついに襲いかかってきたのだ。
しかも、感度をあげられている肌は、恐ろしく敏感になり、小白香が、これまでに感じたことのないような苦痛を小白香に与えてくる。
「う、うわっ、か、痒い――。痒いっ――」
小白香は吊られている腕の傷みを忘れて、全身を揺すって頭を激しく振った。
一度意識すると絶対に収まらない地獄の痒みだ。
「ひいっ、か、痒い、痒い、た、助けて――」
小白香は泣き叫んだ。
「あらあら、他人を平気で痒み責めにする小白香様も、自分の番になると案外、反応が普通なのですね。興醒めしましたわ」
とろろを運んできて、そのまま台の横に立っていた小愛が笑った。
「やっと、乳首も出てきたようじゃな」
蝦蟇婆も小白香の苦痛の表情を見て愉しそうに言った。
「さて、では、まともに口がきけるあいだに、『飛び声』に言葉を載せよ。部下に白象を連れてくるように言うのだ」
金凰魔王が言った。
「お待ちください。実は、いま、白象様には、沙那という切れ者の女がついています。ただ、声のみで命じただけだは、かえって怪しむかもしれません。その女はこの小白香から、白象様の護衛をするように命令を受けているのです。切れ者のうえに武芸の達人でもありますので、なにか感ずかれたら面倒です」
小愛が口を挟んだ。
「では、どうするのだ、小愛?」
金凰魔王が小愛に視線を向ける。
「はい、陛下。わたしが小白香に成り済まします。そのつもりで、ずっと小白香を観察してきました。白象様の集めていた宝物から変身の霊具も盗み出しました」
「お前が小白香に変身?」
「はい。この小白香は、数日は調教を続けるのですよね? でも、明日には宮廷府に小白香が顔を出さないと、挺臣たちが怪しみます。だから、そのあいだ、わたしが小白香になりすまします」
「なるほど、それも、そうじゃな。わしの役目もこの娘の性根を叩き折ることだが、今夜中というわけにはいかんかもしれん。まあ、丸二日もあれば十分とは思うがのう……。いずれにしても、金凰魔王陛下は、明日には一度、金凰宮に戻られるじゃろう?」
「うむ……。そうだな」
「ならば、わしらは、偽の小白香で宮廷の連中をごまかしながら、この小娘をここで調教することにしますわい。まあ、二日後には、小白香と並んで、その童女も金凰魔王に馳走する準備をしておきます」
「わかった、蝦蟇婆……。じゃあ、白象について決着したら、余は金凰宮に一度戻る……。では、小白香、もうすぐ、お前が行くので、白象を連行する準備をして待つように、その沙那に伝えよ」
金凰魔王が言った。
白象の引き渡しに関することなので、小白香はもう逆らえない。
小白香は、命じられた言葉を『飛び声』に刻んでしまった。『飛び声』が消える。おそらく、沙那にそれを飛ばしたに違いない。
すると、小愛が指に指輪を嵌めた。
白象がいくつか持っていた『変身の指輪』であり、白象の宝物庫に置かれていた気がする。
遣い方は簡単で、指輪を嵌めて変身したい相手の体液の一部を口に入れるだけだ。
「さあ、小白香様、胸を舐めて欲しくありませんか? よければ、舐めてさしあげますよ。その代わり汗をくださいね」
小愛が小白香の胸に口を近づけてきた。
そして、痒みを助長するように、息を吹き掛けてきた。
「くうっ――。こ、こんなの……」
小白香は身体を振り立てた。
いくら、歯を食い縛っても追い払えない猛烈なむず痒さだ。
「舐めて……舐めて……くれ……」
小白香は口に出していた。
腹立たしさに腹が煮えそうだったが、その憤怒を上回る痒みの苦しみなのだ。
小愛が小白香の胸をひと舐めした。
「あはあっ」
小白香はなにもかも忘れて声をあげた。
「あっ」
次の瞬間、小白香は驚きの声をあげていた。
目の前に自分と瓜二つの姿がそこにいた。
「では、行ってまいります、陛下。それと、どう考えても、沙那は邪魔物です。この姿で油断させて殺します。お許しください」
小白香の姿の小愛が金凰魔王に言った。
「さ、沙那を殺すとは、どういうことなのだ?」
小白香は驚いて声をあげた。
「お前には関係ないわい。お前は痒みで悶えておれ」
蝦蟇婆が小愛が舐めた部分の乳首に刷毛でとろろを塗り足した。
「ああっ」
小白香は吊られた拳をぎゅっと握りしめた。
なまじ刺激されたばかりに、小白香のふたつの胸の膨らみは乳首を中心に燃えるように熱い。
「変身したとはいえ、お前にその沙那とやらを殺せるか、小愛? その沙那というのは、武芸の達人と言わなかったか? 。できればすべては秘密裏に済ませたいのだ」
「問題ありません、陛下。この離宮で人が死ぬのは、珍しい話ではありません。この離宮には、食物などの消費物を出入りさせる勝手口のほかに、死んだ奴隷の死骸を出す戸口もあるくらいですから……。そして、沙那はこいつとの誓いによって、わたしを小白香と思い込んでいる限り、油断します……。それに……」
小愛が突然右手を伸ばした。
すると、いきなり、袖から長い三本の太い針が飛び出した。
暗器だ――。
痒みに襲われながらも、小白香はぎょっとした。
あんなものをいきなり出されては、沙那も不覚をとるかもしれない。
「針の先には猛毒を塗ってあります。ほんのちょっとかするだけで瞬殺できます」
小白香に化けている小愛の顔が酷薄に微笑んだ。
「よかろう、任せる。この部屋のことを外に気がつかれないようにすれば、それでよい」
金凰魔王が頬を歪めた。
「お任せください、陛下」
小愛が外に出る扉に向かっていく。
「ま、待て」
小白香は叫んだ。
「気を散らすな、小白香。どれ、この蝦蟇婆がその粗末な胸を揉んでやるぞ」
蝦蟇婆が小白香の背後から両手で掴んだ。
いつの間にか、両手に薄い手袋をしている。
その手袋には、たっぷりと新しいとろろが塗ってあり、その手が小白香の乳房を柔らかくこねあげてきた。
「ああっ」
小白香は小鼻を膨らませて、荒い息を飲み込もうとした。
揉まれた瞬間、激しい愉悦の嵐が小白香を襲ったのだ。
しかし、蝦蟇婆の手つきは馬鹿みたいに丁寧でゆっくりだ。
ほとんど力の入っていない指がほんの少し胸全体に食い込む程度でしかない。
これでは、揉まれているのにかえって、新たな痒みが沸き起こるだけだ。
小白香を追い込むために、そうやっているのはわかる。
だが、我慢などできない……。
「も、もっと強く揉んでくれ――」
小白香ははしたなく叫んでいた。