三個の身体で支配する者が、魔の地でふたつの
それまでの支配者は倒され
ふたつの宝をまとめた者が新たな魔の地の王となるであろう
──金王妃の予言
*
「……これをこの“物”の愉快な場所に入れたいと思います……」
金凰妃がそう言ったのが辛うじて聞こえた。
宝玄仙は、朦朧とした状態でそれを認識した。
なにかを企んでいるらしいが、いまさら、なにをされても驚かない……。
宝玄仙はすっかりと諦めて、身体の力を抜いていた。
ここにこうやって吊られてどのくらいの日数が経ったのだろう……?
もう、宝玄仙にはそれを認識しにくくなっている。
三人の供たち……。
まだ、生きてくれているのだろうか……?
孫空女によれば、あのふたりも捕えられて、惨い調教をそれぞれに受けているらしい。
沙那や朱姫の姿を最後に見てから、それほどの日数はすぎていないはずなのに、遠い過去の時間のように、ぼんやりとしか思い出せないのはなぜだろう……。
そして、孫空女――。
あいつには感謝している。
あいつは、一度はこの連中からの逃亡に成功したらしい。
そのままひとりで逃亡していれば、逃げ延びることもできたようだ。
それなのに、宝玄仙を救い出すために、わざわざ、輸送隊をたったひとりで襲撃してきて、金凰軍に捕らえられてしまった。
馬鹿な女だ……。
結局、一緒に拘束されて金凰宮の王都に連れて来られたが、
馬鹿で……無鉄砲で……融通が利かなくて……。
だが、絶対に人を裏切らないし、誰よりも仲間を大切にする。
宝玄仙のことを無邪気に慕ってくれているというのは、なんとなく肌で感じる。
だが、考えてみれば、それはなぜだろう……?
そもそも、あれは、旅をしていた宝玄仙から金品を奪おうとした盗賊団の女首領であり、最初は大変だった。
逃亡を図ったり、反抗したりして、道術でこっぴどくやっつけてやった。
それが愉しかったし、痛快だった。
だが、いつしか、命懸けで宝玄仙を護ってくれるようになり、今回だって、宝玄仙を救い出すために、たったひとりで、武装した輸送隊を襲うというような無謀をした。
こんな宝玄仙のために……。
あれっ……?
そういえば、自分はその感謝の言葉を孫空女に告げただろうか……?
孫空女にも……、沙那にも……、朱姫にも感謝している……。
こんな自分といままで一緒に旅をしてくれたことを……。
感謝している……。
もしも、願いが叶うなら……。
あんな旅の日々をもう一度送りたい……。
愉しかった旅……。
死ぬ前に……。
一日でもいい……。
せめて夢を見たい……。
四人で旅をする夢を……。
孫空女がいて、沙那がいて、朱姫がいて、自分がいる……。
馬鹿な話をして、時には肌を接し合い、愛し合って……。
愉しかった……。
「開口器を外せ、金凰妃……。悲鳴を聞きたいのだ」
誰かが言った。
宝玄仙はぼんやりと声の方向に視線を向けた。
金凰魔王――?
いつの間にか、金凰魔王が部屋にいて、椅子に座ってこっちを見ている。
いつから、いたのだろう……?
すると、口に嵌められていた開口器が外された。
「はあ……」
口の筋力が痺れたようになって、すぐには動かなかった。
「さあ、尻の穴を緩めるのよ」
尻の穴にすっと指が入った。
「ひっ」
思わず悲鳴が口から洩れた。
金凰妃――?
宝玄仙の尻の穴に指を深く入れて、まさぐっているのは金凰妃だ。
この女に対するどうしようもない恐怖心が宝玄仙に襲いかかってきた。
怖い……。
殴られる――。
この女に恐怖心を抱くなど、宝玄仙にとっては屈辱だが、どうしても身体が引きつるようになってしまうのだ。
「尻の穴もほぐれているわね。こうやって、嗜虐されるのが余程好きなのねえ……。苛められながら、こんなに膣もとろとろにしちゃって……。だけど、いい加減にしてくれないかしら……。まったく、ただの道具のくせに一人前に感じるんじゃないわよ。少しは慎みなさい」
その金凰妃が馬鹿にしたような口調で、宝玄仙の尻の穴を弄る。
欲情している……?
殴られまくって、歯を金具で抜かれたり、得体の知れない薬品で溶かされたりして、欲情するなどあり得ない……。
一瞬そう考えたが、そう言われると身体が熱い気がする。
子宮のあたりが火照ったようになっていて、おかしな疼きも感じる。
濡れている……?
まさかとは思うが、そう言われるとそんな感じだ。
だが、なぜ……?
「ううっ」
宝玄仙は思わず声をあげた。
肛門を抉っている金凰妃の指が増やされて、五本の指がすべて侵入してきたのだ。
それで手を肛門の中で拡げるような感じで拡張される。
「さすがは、元々は淫乱な人間族の女だけあって、柔らかく拡がりますわ、あなた」
金凰妃がさらにぐいぐいと宝玄仙の尻の穴を手で押し広げながら、金凰魔王に言った。
「だったら、一度味わっておくかな?」
「おやめください、あなた――。これは、ただの物です。魔法石を産むためのただの道具なのですから……。あなたのお相手は、ちゃんとした女をあてがいます」
金凰妃が苦笑したように言った。
その物言いに少しだけむっとした。
「……か、勝手なことを言っているんじゃないよ……」
宝玄仙は呻くように言った。
人語を喋ったのは久しぶりだ。
「おや、お前、一人前にまだ女のつもりだったの? そんな人間離れした姿で?」
金凰妃が笑った。
すると、なにか細長いものがつるりとお尻の穴の中に入ってきた。
金凰妃が宝玄仙の尻の中で作っていた隙間に入り込むようにぐいぐいと押し入ってくる。
「ひいいっ、な、なんだい? つ、冷たい――。き、気持ち悪い――、き、きつい――。動いている――? な、なにを入れたんだい――? ひいいっ」
宝玄仙は髪の毛で吊りあげられている身体をのたうたせた。
生き物だ――。
それは間違いない。
かなりの太さがある気がする。
しかし、表面がつるつるしていて、それが潤滑油になり、ぞろりぞろりとゆっくりと宝玄仙の体内に入り込んでいく。
なんだ……?
気持ち悪い――?
宝玄仙は悲鳴をあげた。
「なによ、聞いていなかったの? 肉食の黒ウツボだと教えたでしょう?」
金凰妃が笑いながら言った。
すでに、もうその生き物から手を離している。
だが、その生物は宝玄仙の尻の穴を与えられた棲み処であるかのように、身体をうねらせながら奥に奥にと侵入してくる。
しかも、どこまで進むのだと怒鳴りたくなるくらいに、容赦なく奥に入ってくるのだ。
「ウ、ウツボだって――? な、なにをしてくれるんだ――? そんなのはやめて――。やめておくれ――」
「そうよ。黒ウツボよ。しかも、肉食のね。そして、体内に入れば、はらわたを食い荒らすように特殊改良した奴よ。尻の胆を食い破られる気持ちを味わってね、物――。心配しなくても殺しはしないわ。さんざんにウツボがお前の腹を食い破ったら、また、道術で治療してあげるわよ」
金凰妃は大きな声で笑った。
「ひぎいっ、いやあっ、抜いて――。抜いておくれ――。ご、後生だから――はがああっ」
宝玄仙は全身を仰け反らせて吠えた。
尻穴に力を入れるとともに腰を揺すって、懸命にウツボを外に出そうとするのだが、ウツボは頭を動かしながら、どんどんと奥に進んでくる。
宝玄仙はあまりの気色の悪さに、吐気をもよおしてきた。
だが、お腹の内側まで、すでに侵入しているウツボは、太くて細長い胴をうねりながら腸をめがけてどんどん潜り込む。
「いやああっ――。た、助けて――。そ、そんなの嫌だよ――。取って――取っておくれ――」
髪の毛を束ねられている上からの鎖と、切断された両脚の付け根の金具で床を繋げられた鎖が揺れる。
しかし、不自由な身体を多少動かしたところで、ウツボの侵入を阻むことはできない。
宝玄仙は、一生懸命に尻穴を締めつけて阻もうとするが、すでにウツボの頭は腸の奥に侵入を完了しており、ただウツボの胴体を締めることしかできない。
つるり、つるりと入ってくる。
「特別な体型に改良したウツボだからね、せいぜい、人間の腕くらいの長さしかないわよ。本来は、ウツボなんて、三尺(約一メートル)以上はあるのよ。これは、ぜいぜいその三分の一じゃないの――。ほらっ、もう、尻尾まで入ったわ……。大袈裟に暴れるんじゃないわよ」
金凰妃が言った。
そのとおり、宝玄仙の体内にウツボの体全体が入った感触が伝わってきた。
すると、今度は尻の穴になにかをぐいと詰められた。
尻穴がなにかに塞がれた感じだ。
「ひぐっ――。こ、今度はなに?」
宝玄仙は泣き声をあげた。
「浣腸ができる形式の肛門栓よ。いまから、毒液を抽入するのよ」
金凰妃はあっけらかんと言った。
「毒液?」
「大丈夫よ。人間には害はないわ……。ただ、黒ウツボにとっては、地獄の苦しみを味わう毒液になるはずよ」
「ちょ、ちょっと待って――」
宝玄仙は大声をあげたが、尻穴に施された肛門栓になにかを繋げられたのがわかった。
おそらく、肛門栓は外から浣腸液を受け入れるような穴があり、そこに浣腸器の先を繋げたに違いない。
尻穴の内部に生ぬるい液体の感触が拡がる。
「ひがああっ、く、苦しい――はがああっ、ウ、ウ、ウツボが――あがああっ」
体内に入り込んでいるウツボがもの凄い勢いで暴れ出したのだ。
抽入された毒液が苦しいのだろう。
「し、死ぬううっ、死ぬ――助けてえ――あっ、あがああっ、ウツボが腹を――うぎゃああ――」
宝玄仙は絶叫した。
暴れ回るウツボが宝玄仙のはらわたを食い破る感触がはっきりと身体の中から伝わってきたのだ。
痛みはない。
むしろ、ウツボの胴体が暴れ回り、肛門を刺激する感覚が淫靡な愉悦を呼び起こす。
しかし、ウツボが激しく身体を揺らすので、尻が破けるのではないかと思うくらいに、肛門が内側から拡張される。
地獄だ――。
これは地獄だ――。
宝玄仙は悲鳴をあげ続けた。
はらわたが喰われている。
しかし、腸が膨らむことにより、薄い粘膜越しに押された子宮が脈動もしている。
これが激しく宝玄仙に快感を与えもする。
はらわたを抉られながら、愉悦に襲われるという衝撃に宝玄仙は、頭が真っ白になるかのようだ。
「おやおや、お前、まだ死にたくないと思っていたの? わたしはてっきり、もう、殺して欲しいのかと思っていたわ」
金凰妃が笑った。
「はがあああっ――し、死ぬううう――死ぬううう――」
しかし、もう、宝玄仙にはほとんどなにも聞こえない。ただ、腹の中で腸が食い破られる感覚にのたうつことしかできない。
「おう、股倉から血が出てきおったわ――」
辛うじて金凰魔王が嬉しそうに、手を叩きながら声をあげるのが聞こえた。
「もしかしたら、はらわたから子宮の方向に向かったかもしれませんね。女の子宮をめがけて喰い進むように改良したウツボですから……」
金凰妃がなんでもないことのように、そう語った……。
*
「仕方ありませんねえ……。でも、宝玄仙についてはご容赦ください。宝玄仙については、できるだけ人間的な扱いをしたくないのです。しかしながら、もうひとつの人格の宝玉だったら、あなたのお相手として提供させます」
仕方なく金凰妃は言った。
ほとんど身じろぎしなくなった宝玄仙から肛門栓を抜いて、肛門から排泄物とともに死んだ黒ウツボを排出させて、さらに尻穴を洗浄すると、見学を続けていた金凰魔王が、宝玄仙の尻を犯したいと言い始めたのだ。
だが、金凰妃としては、宝玄仙の人格を消滅させるという目的から、できるだけ宝玄仙を人間のように扱いたくはなかった。
本当は開口器も外したくはなかったのだが、金凰魔王が強く主張したので、仕方なく外したのだ。
金凰妃としては、拷問で心を潰すだけでなく、宝玄仙からあらゆる人間的な行為を排除させて、人としての意思を捨てさせようと思っている。
そのために言葉を取りあげたのであり、ましてや性行為などとんでもないと思った。
性行為というのは、あらゆる人の行為の中で、もっとも人間的な行為だと思う。
せっかく、ここまで少しずつ追いつめている宝玄仙をここでまた「人」に戻したくない。
「それでいい――。ならば、もうひとりの宝を出せ、金凰妃」
金凰魔王がせっかちに言った。
すでに立ちあがっていて、いますぐにも宝玄仙を犯すような体勢だ。
「すぐに準備させますので、お待ちください、あなた。とりあえずは、『治療術』で身体を治療しなければなりませんから……」
金凰妃は軽く嘆息し、まずは、もう一度金凰魔王を椅子に座らせた。
そして、宝玄仙のいまの心の状況を読みながら、『治療術』の風を強化する。
宝玄仙の心は、ウツボにはらわたを喰いちぎられた衝撃で、ほとんど気絶と同様の空虚な状況だったが、だんだんと肉体の損傷が治っていくのに応じて、その空虚な心の状況が次第に定まったかたちを成し始めた。
「き、金凰……妃……。お、お、覚えてなよ……」
すると首を垂れていた宝玄仙の顔がゆっくりと持ちあがって、金凰妃に呻くような言葉を発した。
金凰妃はひそかに驚愕した。
まただ……。
ウツボ責めを始める直前に読んでいた宝玄仙の心理状態は、金凰妃に対する完全な怖れの感情でいっぱいだった。
攻撃的な憎悪の感情など、調教開始直前に存在していただけで、少し調教を開始すると、もう、宝玄仙の心は拷問に対する恐怖でいっぱいになり、金凰妃への憎悪や憤怒などの感情は、ほとんど芥子粒ほどしか心の中に占めなくなった。
そして、ウツボ責めの衝撃により、宝玄仙は完全に呆けてしまい、ほとんど気絶と同じ状態になった。
つまり、宝玄仙は人格制御の道術により、実際には気絶することはできないのだが、ほとんどものを考えられなくなる状態になっていたのだ。
それは通常の人であれば気絶と同じ状態だ。
ところが、いま、その気絶のような空虚な状態から解放されると、再び、調教開始前のような攻撃的な感情が蘇っているのだ。
この追いつめても、追い詰めても、すぐに復活する心の強さ――。
これはどういうことだろうか……?
金凰妃はわけがわからなくなる思いだ。
もしも、蝦蟇婆がいてくれたら……。
蝦蟇婆の深い経験から、この状態の宝玄仙を追い詰めるうまい方策を金凰妃に教授してくれたに違いない……。
だが、いまは、金凰妃だけなのだ。
いずれにしても、いまは、宝玄仙の心を潰すことよりも、金凰魔王の欲求を満足することが先決だ。
金凰妃は、宝玉を呼び出すための匂いを道術で起こして、宝玄仙の鼻に嗅がせさせた。
宝玄仙の意識が急速に小さくなっていくのがわかった。
金凰妃を睨んでいた宝玄仙の顔ががくりと垂れる。
やがて、しばらくすると、その顔がむくりと起きあがった。
宝玉が人格として登場したのだ。
「あ……ああ……?」
宝玉が首をあげた。
そして、眼の前の金凰妃を視界に認めたのがわかった。
だが、すぐに宝玉の表情は虚ろになり、また気絶しているかのように首をがくりと垂れた。
「おやっ?」
しかし、金凰妃は思わず声をあげてしまった。
宝玉の心が読めないのだ。
こんなことは初めてだ。
金凰妃は慌てた。
だが、やがて、心が読めないのではなく、ほとんど心がないのだとわかった。
意識がないわけでもない。人格交替が完了していないわけでもない。
いまの人格ははっきりと宝玉だ。
それにも関わらず、宝玉の心はほとんど閉ざされたかのような空虚な状態だったのだ。
これには、宝玄仙のいくら責めても消滅しない攻撃的な感情以上に意外だった。
宝玉のいまの状態は、激しい拷問を繰り返して、人としての感情を抱くことが難しくなった人間特有の空虚な状態だ。
だが、これまでに責め続けたのは、宝玄仙の人格だ。
宝玉など、一番最初に人格の存在を確かめたとき以外に、出現させていない。
ともかく、金凰妃は宝玉の尻穴に塗る潤滑油を準備して、肛門にまぶし始めた。
金凰魔王の肉棒を受け入れさせる準備をするためだ。
「はっ……あっ……」
潤滑油を肛門深くに指で押し入れていくと、宝玉の身体が反応し始めた。
そのことで、やっぱり意識を失っているわけではないということがわかる。
だが、それだけだ。
宝玉の心は閉じている。
感情がほとんど存在しない。
「準備はいいようだな……」
金凰魔王が愉悦を浮かべた顔で立ちあがった。
宝玉の背後に回って、下袴を緩め始めた。
「は、はい――。お待ちください。ご準備いたします」
金凰妃は慌てて、金凰魔王の前に跪いた。
金凰魔王の下半身から下袴と下着を脱がせる。
そして、半勃ちの金凰魔王の一物を口に含んで、舌で刺激を加え出す。
どこをどう刺激すれば、金凰魔王が悦ぶかはよくわかっている。
あっという間に、金凰魔王の性器は、金凰妃の口の中で逞しい怒張になった。
金凰妃は、金凰魔王の股間から口を離して、宝玉の尻に促した。
道術で宝玉の脚を繋いでいる鎖を緩めて、金凰魔王が宝玉の身体を持ちあげやすいようにする。
「いくぞ、宝――」
金凰魔王が宝玉の腰を抱えた。
ずぶずぶと金凰魔王の一物が宝玉の肛門に侵入していく。
「はあああ……あはああ……」
ほとんど反応のなかった宝玉が初めて声をあげた。
宝玉がよがり始める。
「おう、なかなかの尻だな。これはいい――。よく締めつけおるわ――。それに感触もいい……。これは上等の尻だ」
金凰魔王が嬉しそうに抽送を開始した。
それに応じて、宝玉が悶えはじめる。
しかし、それを横で観察しながら、金凰妃は、その宝玉の反応が単純な肉体的な反応にすぎないということがわかっていた。
宝玉の心は相変わらず静かだ。
ある意味で、死んでいると同じような感じだ。
犯されても、感情の起伏がない。
ただ、肉体的快感があるので、それに身体が反応を示しているだけだ。
わからない……。
責め続けた宝玄仙がこの状態になるのであれば理解できるが、宝玉がこういう状況なっているのは、なぜだろう……?
蝦蟇婆は金凰妃に十分なことを教えなかったのだろうか……?
このふたつの人格を宿す身体の中で、宝玄仙は攻撃的な性格であり、宝玉は受け身的な性格……。
だから、宝玄仙の攻撃的な心を潰せば、宝玄仙の人格は宝玉に統合される……。
蝦蟇婆はそう言っていたが、いまの状況は、それとは違う。
宝玄仙を責めることで、なぜか宝玉の人格が消えかかっているとしか思えない。
一体全体、これはどういうことなのだろう……?
「うあああっ、ああっ――」
宝玉の身体がぶるぶると震え出した。
尻を犯される快感で肉体が絶頂しようとしている。
だが、それなにの心は死んでいる……。
金凰妃は呆然としてしまった。
「おう、いくらでも達するがよい。だが、余が達するまで許しはせんぞ、宝――」
金凰魔王が嬉しそうに、宝玉の腰を掴んで腰を振り続けた。