「だ、だめえっ──」
孫空女は悲鳴をあげた。
しかし、これ以上の我慢はできなかった。
ぴゅっ、と音さえあげるような勢いで、孫空女の股間から尿が迸った。
「わはっ、でたっ、でたっ、孫空女のおしっこ」
赤い顔をした沙那が童女のような無邪気な笑いをしながら、孫空女の腰の下に当てた布で放物線を描いて迸る孫空女の尿を布で受ける。
その顔は自ら飲んだ大量の薬液により、いわゆる酩酊の状態だ。
こんな沙那は初めてだったが、なにかたがが外れたようになっていて、ろれつも回っていない。
「も、もう、沙那……」
孫空女は嘆息した。
なにを考えているかわからないが、もうなるようになれという気持ちだ。
やっと放尿が終わった。
「ふふふ……ちょっと恥ずかしそうな、孫女……。かわいい……」
沙那が虚ろな目でけらけらと笑った。
孫空女も飲まされた薬液だが、いまのところ孫空女は多少身体が熱いだけで、大きな影響はない。
だが、沙那は完全に酔っているような感じだ。
おそらく、ただ性感を刺激する薬剤だけではなく、意識を混濁させるような薬剤が含まれていたのだろう。
孫空女は、薬剤には昔から耐性が強い。
だから、無理矢理にその薬液を飲まされても、孫空女には大きな影響はなかったが、自ら大量の薬液を摂取した沙那は、完全な酔っ払い状態のようだ。
沙那も孫空女も酒は飲めないので、酒が入っていたわけではないと思うが、沙那が飲んだ液体には、飲んだ者を酒を飲んだときと同じように酩酊状態にする薬剤が含まれていたに違いない。
一体全体、なんでそんな薬剤を沙那は準備し、それをあんたにたくさん自分で飲んでしまったのだろう……?
孫空女は半分呆れる気持ちだ。
「ふ、拭いてあげる……。ふふふ……」
沙那が愉しそうに笑いながら、孫空女の股間を布で拭き、また布を変えて股間を吹きあげていく。
「ちょ、ちょっと……」
孫空女は声をあげた。
沙那が股間を拭く手が、単純に尿に汚れた股間を拭くのではなく、いやらしく、孫空女の股を布で擦りだしたのだ。
「ど、どうしたのよ、孫女……? 布じゃいや……? わたしの舌で拭く……? ふふふ……」
「さ、沙那……」
孫空女は困惑して息を吐いた。
なんか酔っ払いの相手をしているな気分だ。
いや、酔っ払いか……。
とにかく、こうなったらいつも真面目な沙那も始末に悪い。
なんか絡まれているような気分だ。
しかも、こっちは完全に身体を動かせないのだ。
沙那が、孫空女に甘えかかるように、くすくすと笑いながら、完全に孫空女の裸身に自分の裸身を密着させるようにしてくる。
沙那の身体は怖ろしく熱い。
しかも、大量の汗をかいている。それだけ強い媚薬の効果もあるのだろう。
沙那の眼は完全に虚ろだし、瞳は焦点が合っておらず、左右に泳いでいる。
舌はうまく動いていないようで、ろれつも回っていない。
しかし、逆に手足はしっかりしているようだ。
それがただの酔っ払いとは違うところだ。
その酔ったような状態の沙那が随分と積極的に孫空女に迫ってくる。
もちろん、いまの孫空女には、それに抵抗する手段はないから、なすがままになるしかない……。
まあ、抵抗できたとしても、酔ったような態度の下で切羽詰ったようになにかを訴えているような沙那の行為を拒否したりはしないと思うが……。
「そうよね……。先にあんたのおしっこ舐めたら、口づけするの嫌よね……。ご、ごめんね……へへ……」
沙那がにこにこと笑いながら、孫空女の唇にぴったりと自分の唇を重ねあわせてきた。
沙那の身体が完全に孫空女に覆いかぶさり、沙那の熱い乳房や下腹部が、孫空女の胸や股間に密着する。
「んんんっ……ああっ……んんんっ……」
沙那が荒い鼻息をしながら、孫空女の口の中に、沙那の舌を割り込ませ、孫空女の舌を吸いあげたり、絡ませたりしてくる。
すごく積極的だ……。
さすがに沙那の舌による刺激に、孫空女も自分の股間がじっとりと濡れるのがわかった。
孫空女も沙那の舌に合わせるように、沙那の舌を吸い返す。
「あはあっ、た、堪らない……。す、素敵……」
すると、沙那が我慢できなくなったように、一度口を離して、大きな喘ぎ声を放った。
そして、また、唇を合わせてくる。
沙那の激しい鼻息に、孫空女も触発されたような状態になり、自分もまた激しく鼻息になって、沙那の舌を舐めた。
「あ、あんたが好き……。本当よ……。好き……。愛しているの……。ご主人様も、朱姫も嫌いじゃない……。みんな好き……。でも、あんたは特別……。べ、別の道をいくと決心しても、みんなと別れるのはつらかった……。と、特に、あんたと別れるのは嫌だった……。だ、だけど、こうして、最後に身体を重ねられる機会がやってきた……。よかった……。嬉しいわ……ああ、素敵……」
沙那が孫空女の股間にぴったりと自分の股間を重ねあわせながら、沙那の乳房を孫空女の乳房に触れ合わせるように、裸身を孫空女の身体の上でうねらせる。
宝玄仙から強要されて、それこそ、何十回、いや、百回以上は沙那とこうやって抱き合っただろうか……。
だが、いまの沙那は、そのときとはまるで違い、怖ろしく積極的で情熱的だ。
沙那は、宝玄仙に教えられたままの性技で、まるでなにかに憑りつかれたように、孫空女の上で自分の身体をくねらせている。
「あ、ああ、沙那……。き、気持ちいい……けど……」
孫空女としては、この情交は当惑でしかない……。
沙那が宝玄仙と別れて、この白象宮に残りたがっている……。
そのために、孫空女や朱姫と別れるという……。
そして、これが最後の情交だというように、無理矢理に自らを薬酔いさせて、孫空女に迫っている……。
「わ、わたしも気持ちいい……。い、いままでありがとう……ああ……」
沙那が顔を孫空女の乳房に移動させた。
そして、孫空女の左の乳頭に沙那の舌先を触れさせた。
「んんあああっ──」
沙那が強く孫空女の乳頭を口で含んで吸いあげてきた。
孫空女は全身に走った甘美な旋律に引きつらせた声をあげた。
「さ、沙那──はふううっ」
孫空女は声をあげた。
沙那の舌責めは続く。
やがて、たっぷりと孫空女の片側の乳頭を舐め回すと、次に反対の孫空女の乳房を咥えた。そして、舌で乳首を舐め回してくる。
「ふううっ──ぐううっ──」
孫空女の身体も敏感だ。
そして、沙那はその孫空女の身体のすべてを知り尽くしていると言っていい。
その沙那が孫空女を責めるのだ。
あっという間に、孫空女は快感の極みに達しそうになる。
「あっ、ああっ、ああっ、ああっ……も、もう駄目……さ、沙那……はああっ……」
孫空女は声をあげた。
「わ、わたし、本当は、こんなにいやらしいのよ、孫女……。淫らで、そして、変態で……、こんなことが堪らなく気持ちいいの……。あんたとこうやって、裸で抱き合うのが本当に好きなの。笑わないで……」
沙那が泣くような笑うような声をあげた。
もう、すっかりと薬液の酩酊状態にある沙那は、完全な興奮状態だ。
こんなに感情が剝き出しの沙那も珍しいが、もしかしたら、それは薬物の影響だけではないのかもしれない。
それに、こういう状態になることをわかって、薬液を大量に飲んだのは沙那自身なのだ。
沙那は孫空女と単純に情交をしたかったのかもしれない……。
だけど、それを素面で訴えるのは、あまりにも恥ずかしいので、わざと自らを酩酊状態にしたのだろう。
まあ、なんでもいい……。
とにかく、孫空女も覚悟を決めた。
沙那が望んでいるなら、自分も馬鹿になって、沙那と情交をしようと思った。
だけど、本当にこれが最後なのか……?
宝玄仙の道術に捕らえられて、淫靡な調教をされた孫空女をなにかと庇ってくれた沙那……。
頭がよく、旅の行程や食べ物や飲み物の確保、あるいは、危機に陥れば、策を弄して、みんなが助かる道を導いてきた沙那……。
頼りになり、孫空女だけでなく、朱姫はもちろん、宝玄仙でさえも、旅の導き手として信頼してきた沙那……。
宝玄仙は女主人だが、四人の旅の先導者は間違いなく沙那だった。
その沙那とは、本当にこれで別れなのか……?
沙那が本当に、自分たちと別れるのか……?
沙那は、みんなを捨てて、本当に白象宮に残る決心をしたのか……?
だが、この沙那の半ばおかしくなったような孫空女への迫り方に接すると、逆に沙那の真剣さも伝わる気もする。
沙那も苦しいのだ。
別れることを決心したから苦しいのだ。
だが、なぜ……?
なにが沙那をそんな風に決断をさせたのか……?
まあいい……。
とにかく、目の前の沙那だ──。
切羽詰った様子で孫空女に迫る沙那に、いまは応えてあげたい。
「さ、沙那、あんたの乳房をあたしにも、奉仕させてよ」
孫空女の身体は寝台に完全に密着して離れられない。
手も足もは少しも動かない。
動くのは舌だけだが、それも沙那に動いてもらわないと、沙那の身体に舌は届かない。
「う、嬉しい、孫女……うへへ……」
沙那が愉しそうに笑った。
そして、沙那の乳房で孫空女の顔を塞ぐように押しつけてきた。
孫空女は沙那の乳房を口で咥えた。
そして、舌で乳首を上下左右に激しく動かした。
「あはあっ──そ、そんなにしちゃあ──だ、だめええっ──」
沙那が悲鳴のような声をあげた。
そして、がっしりと孫空女にしがみついてくる。
もともと全身が性器そのもののように感じやすい沙那だ。
それが大量に媚薬を摂取して、異常な感度になっているに違いない。
それが孫空女に激しく乳首を刺激されて、大きな声をあげて痙攣のような震えを発している。
「あふううっ、いくううっ──」
沙那が大きく身体を仰け反らせた。
ぴんと伸びた沙那の身体が、やがて、がっくりと脱力して孫空女の身体に突っ伏した。
達したようだ……。
「い、いっちゃったわ、孫女……。あはは……。あんたの舌が……き、気持ちよくて……わ、わたし……胸をちょっと舐められただけでいった……ははは……」
沙那がはにかんだような笑みを孫空女に向けた。
「沙那だけ狡いよ……。ねえ、今度は反対向きになってよ……。あたしの顔側にあんたの股間を……そして、あんたの顔があたしの股間に向くように……」
孫空女も微笑んだまま言った。
「ふふ、あれやるの……? あ、あんたも淫乱ね……」
沙那が嬉しそうに笑った。
「も、もちろんだよ……。ご主人様の性奴隷だもの……。沙那と同じだよ……。ねえ、沙那、本当に行っちゃうのかい? それをとめる権利があたしにあるとは思えないけど、本当にあたしや朱姫を置いて、ここに残るの?」
「も、もう、言わないで……。それは決めたことなの……」
沙那は言った。
そして、くるりと身体を回転させると、孫空女の鼻先に沙那の股間の亀裂をぴったりと接しさせた。
達したばかりの沙那の女陰は、愛蜜で溢れていた。
孫空女はその沙那のぷっくらと膨らんだ肉芽から女陰の襞に向けた亀裂に舌を添わせて動かす。
「あふううっ」
沙那が絶叫して身体を震わせた。
まるで、いまにも達しそうな激しい反応だ。
いや、もしかしたら、軽く達したのではないだろうか……?
それくらい、沙那の反応は凄まじかった。
「ご、ごめん……わたしばかり……」
沙那が呟くように言うと、沙那もまた、孫空女の股間に舌を這わせてきた。
「はああっ」
孫空女もたちまちに込みあがった淫情の矢に溜まらず声をあげた。
孫空女と沙那は、しばらく、そうやってお互いの股間に舌を這わせ合い、そして、悶え合った。
孫空女も、沙那も、いつしかうわ言のような声でお互いの名を呼んでいた。
「い、いぐううう……」
孫空女は激しく身体を震わせて達した。
次いで、沙那も達した。
それでもふたりで股間の舐め合いをやめなかった。
まるでなにかに取り憑かれたようだった。
もう、ふたりの中にはなにもない。
ただ、お互いの股間をむさぼり合う性獣にでもなった気分で、舌を動かし、相手の蜜を吸い合った。
次は沙那だった。
その次も沙那だ。
そして、孫空女が達した。
やがて、もう、どちらが何回達したなどわからなくなった。
「ふうううっ──あああ──」
沙那が何度目かの昇天をして身体を仰け反らせた。
孫空女の上の裸身がががくがくと震えて、まるで気を失ったかのように、孫空女の裸身の上に覆いかぶさって、束の間静止する。
「さ、沙那……?」
その頃には、孫空女もまた、繰り返した絶頂に放心状態にあったが、沙那が反応しなくなったことに気がついて、慌てて声をあげた。
「だ、大丈夫よ……。ふふふ……、やっぱり、あんたって素敵……。つべこべ訊ねないし、こんな感じでわたしが迫っても、やっぱり、ちゃんと相手してくれた……。あんたのすべてを受け入れてしまうような包容力は素晴らしいわ……。あんたと接していると、わたしは自分の小ささを感じる……。あんたの器の大きさに、わたしは、わたしのこだわりが恥ずかしくなるの……」
沙那が孫空女の身体からおり、一度、寝台からもおりた。
そして、横に置いたままの台からなにかの準備を始めた。
「大きいとか……器とか……。あたしはそんなんじゃないさ……。包容力なら沙那の方が……」
「いいえ……。あんたよ……。あんたにはかなわないわ……。というよりも、わたしには、そんなものはないわ……。宝玄仙様が……ご主人様がわたしを『服従の首輪』で支配して、奴隷にしたときには、わたしはご主人様を憎んでいたの……。殺してやりたいと思っていた……。ずっと、そう思っていたのよ……。そんな風に考えなくなったのは、あんたが仲間に加わったからよ、孫女」
沙那が荒い息をしながら言った。
「あ、あたし……?」
孫空女もまた荒い息だ。
「そうよ……。あんたは、あんな目に遭いながらも、一度ご主人様に仕えると決めたら、あとは全身全霊でご主人様に仕えた。どんな破廉恥な仕打ちも受け入れ、調教にも従い、ときには、身体を張ってご主人様を護り、ご主人様を仲間として受け入れた。あなたがご主人様を変えたのよ……」
「変えたって……そんなんじゃ……」
「いえ、変えたの。そして、わたしも変えた……。ご主人様はあなたがご主人様を受け入れたことで、頑なだった心を開き、わたしは、あなたがご主人様を受け入れたことで、わたしも素直にご主人様を許して、受け入れることができた……。あなたは素晴らしい人よ」
沙那は言った。
「た、ただ、あたしは、馬鹿なだけさ……。沙那も、ご主人様も頭がいいからね……」
「なら、素敵な馬鹿ね……。わたしは、あんたが好きよ……」
沙那が再び寝台にあがってくる。
そして、耳たぶまで赤く染めて、もじもじと身を揉んで、孫空女に改めて迫ってきた。
その沙那の股間を見て、孫空女は少しだけびっくりした。
沙那の股間には相対の張形がしっかりと収まっていたのだ。
女と女が愛し合うときに使う両側が男根のかたちをしている張形だ。それを沙那は自分の股間に嵌めているのだ。
沙那が孫空女の両腿を抱えるようにあげた。
まるで男にでもなったように、孫空女を犯そうとしているようだ。
このとき、孫空女の両脚は、同時に床から離れた状態になった。
いまなら、沙那を蹴り飛ばし、脚の反動を使って、身体全体を寝台の下に落とせるかもしれない。
孫空女はそれはしなかった。
ただ、沙那を受け入れることだけを考えることにした。
孫空女の両腿が抱えられて、腰も少し浮いたようになった。
孫空女は沙那を受け入れやすいように、腰の位置を調整した。
「はううっ」
「はああっ」
沙那の腰が孫空女の腰に覆いかぶさった。そして、沙那の女陰に挿入されている双頭の張形の半分が、孫空女の膣に押し入ってくる。
「だ、だめえっ……」
孫空女は火のように走った快感に、がくがくと腰を振った。
沙那はその刺激に当てられて、孫空女以上の狼狽の反応をする。
「そ、そんなに動いちゃ……い、いっちゃう──。そ、孫女……」
沙那が支えを求めるかのように、孫空女の上半身に手を伸ばした。
そして、その手がかっしりと孫空女の肩を掴んだ。
「い、いいじゃないか、沙那……。何度いっても……。あ、あたしも、我慢しない……。ああはあっ……」
沙那の体重がさらにかかって、張形が孫空女の体内に沈んでいく。
孫空女の股間は、もうわけがわからないくらいの灼熱の感覚が襲いかかっていて、ただれたようになっている。
鋭い快感が頭の芯まで伝わり、孫空女の全身を官能の矢が貫いたと思った。
「いくううっ──」
突然、叫んだのは沙那だ。
全身が性感帯のような感じやすい沙那は、孫空女を犯したことで自分にも加わってきた張形の刺激に、ついに耐えられなかったのだろう。
孫空女と沙那の膣が結合している部分から、迸った沙那の蜜を感じた。
「さ、沙那、動いて……。あ、あたしもいきたい……」
孫空女は身体の上の沙那に言った。
「う、うん」
沙那は腰を振りだした。
「はああん……でも、そうするとわたしもいくのう……」
沙那が腰を振りながらかわいらしくよがった。
それでも、沙那は一所懸命に腰を振り続けた。
結局のところ、沙那は立て続けに三度達した。
そのあいだに、孫空女は一度達した。
「そ、孫女、最後にあれを……一緒に……一緒にいくのをしたいの……ああ、孫女……、孫女……孫女……」
やがて、凄惨ともいえるように乱れている沙那が大きな声で嬌声をあげながら叫んだ。
沙那が言っているのはわかる。
こうやってふたりで責め合いながら、まったく同時に達するということをしたいのだ。
宝玄仙に命令されて、そんなこともやらされたが、そう言えば、沙那はそれをさせられると異常なほどに興奮していた気がする。
「一緒に、一緒に……」
沙那が孫空女の上で腰を動かしながら言い続ける。
「わ、わかったよ……一緒に……」
「う、うん……で、でも、沙那は、沙那はもう……」
沙那ががちがちと歯を噛み鳴らしながら、上半身を倒して、孫空女に頬ずりするようにした。その腰は大きく痙攣している。
また、絶頂が迫っているのだろう。
こうなったら、沙那は際限なく達するだろう。
「ま、待って、あたしも……あたしもいくから……」
孫空女は自分の唇の近くにある沙那の唇に舌を伸ばした。
すると沙那が孫空女の口に舌を挿しこんでくる。
「んんんっ」
沙那がむさぼるように孫空女の舌や唾液を吸う。孫空女も負けじと吸い返す。
そして、そのあいだも沙那の腰は激しく動き続けている。
「そ、孫女──あんたが、あんたが大好き──。愛している──。いぐううううう」
沙那が口を離し、咆哮するような声を放って全身を仰け反らせた。
沙那は身体を震わせて、絶頂している。
「さ、沙那ああああ──」
孫空女もまったく同時に快感の頂点に到達していた。
しばらくのあいだ、沙那は孫空女の裸身に突っ伏したまま、まるで眠っているかのように動かなかった。
孫空女もまた疲労困憊の状態にあった。
ふたりで快楽の頂点に達し、汗みどろになった裸身をぴったりと接触し合っている。
やがて、だんだんと孫空女の悦楽の残り火が鎮まっていくと、沙那も少し落ち着いたのか、むくりと起きあがって、孫空女に埋まっていた張形を抜き、自分の股間からも抜いた。
そして、孫空女の裸身から降り、寝台から両脚をおろした。
「はあ、はあ、はあ……。げ、解毒剤を……」
沙那が朦朧とした感じで喘ぎながら、寝台の横の台車に手を伸ばす。
さっきの口吸いの横には、それとは別の水差しもある。
沙那はそれをとると、中の液体をごくごくと飲んだ。
「ふう……」
それを飲んだ沙那は疲れたように、少しのあいだ、そのまま寝台に座ったままでいた。
「だ、だいぶ、楽になったわ……」
しばらくすると沙那が肩で息をしながら言った。
ふと見ると、朦朧としていた沙那の表情がかなりまともになっている。うつろだった視線も戻っている。
「な、なんか、ご免ね、孫女……。身体を拭くわ……」
沙那は立ちあがると、簡単に自分の股間の始末をして、布を取り出して、孫空女の身体を拭き始めた。
「ね、ねえ……、沙那──。どうしても、あたしたちと別れるのかい?」
身体を拭かれながら孫空女は訊ねた。
「そうね」
沙那はそれだけを言った。
「で、でも……」
「なに?」
沙那が顔を孫空女に向けた。
「沙那、別れるなんてなしだよ……。あたしたちは家族じゃないか……。少なくとも、あたしはそう思っている。だ、だから、別れるなんて言わないでよ……。ここに残るなら、残ってもいいと思う……。だけど、別れるとは別のことだよ。家族は別れられないんだ……。沙那がここに残っても、あたしたちは仲間だよ……」
孫空女は言った。
沙那はなにも言わなかった……。
そのとき、突然、透明の球体が沙那の眼の前に出現した。
「わたしに『通信球』……?」
沙那が当惑したような表情をした。
そして、指でそれを割るような仕草をした。
「えっ……?
沙那が声をあげた。