「はあ、はあ、はあ……」
絶頂した……。
しかも、途方もなく深く、激しく……。
李媛はそれをぼんやりと知覚していた。
自慰だけであれほどまでに、いってしまったのが信じられない思いだった。
「いい記録が録れたよ、司政官……。いままでのは、亜人どもに嗜虐されているお前の姿ばっかりだったけど、今度のははっきりと司政官の部屋で、お前が淫らな自慰に耽る姿を記録した。これも城郭の広場にでも設置しておくよ。いつでも再生できるようにね……」
服の下で乳房を掴んだままだった指に嵌めている人形から声がした。
慌てて、指を抜く。
そして、さっきまで、亜人たちに全裸で給仕をしている李媛を再生していた『映録球』が、いつの間にか再生を止めて、今度は記録をする動作に変わっていたことに気がついた。
さっきの姿を記録された。
思わず、『映録球』に駆け寄りかけたが、それは李媛の目の前で風に溶けるように消滅してしまった。
「あっ」
李媛は声をあげた。
「これはもう回収させてもらうよ……。いずれにしても、わたしの喋ったことが嘘じゃないことがわかっただろう? お前の周りには、わたしの霊具が取り巻いている。道術の護りなんて存在しないんだ。観念しな──」
「は、はい……」
思わず、返事をしていた。
すでに、李媛には、この「声」に逆らうという気持ちが消えている。
「ところで、次の指示だよ。お前の卓の引き出しに、浣腸袋が入っている。それを尻に入れて、中の液体を全部、お前の尻に飲み込ませな……。それは霊具だから、特に難しい技術はいらないし、霊気のないお前に扱えるように細工をしてある。だから、管になっている部分を尻の穴に挿し入れて袋の部分を握るだけだ。それで袋に入った液体は、自動的にお前の尻に注がれるようになっている」
「えっ?」
驚いて下半身が裸のまま、引き出しに駆け寄ると、果たして一番下の引き出しに、声が告げたものが入っていた。
完全に宝玄仙に包囲されている……。
李媛は本物の恐怖を感じて、膝ががくがくと震えるのがわかった。
「どうしたんだい? お前の犬小便姿だけじゃないよ。さっきの行政府の司政官室で自慰に耽るお前の姿を公開するよ……。それが嫌なら、さっさとその浣腸袋を尻に挿しな」
指人形から伝えられる宝玄仙の冷酷な指示が李媛を追い詰める。
拒否できないのはわかっている。
宝玄仙という女に、李媛の卑猥な立体映像の公開を躊躇う理由は、なにひとつ存在しない。
そんなことをしても、李媛の持っている権力では、宝玄仙という魔女を捕らえることはできないし、その気になれば、簡単に城郭から逃げおおせることも可能だろう。
そして、李媛の評判はいよいよ地に落ちる。
逆らえない……。
李媛は覚悟を決めた。
手に取ろうとして、引き出しの中にある浣腸袋を見る。
しかし、その瞬間に得体の知れない感覚が襲ってきた。
拒否できない状況に追い込まれて、身体が引き裂かれるような羞恥を屈辱を強いられる……。
一切の抵抗もできない無気力感……。
次々に与えられる嗜虐的な命令……。
だが、そのことに李媛は、酔いのような感覚を味わっていた。
なぜか、身体が熱い……。
心臓が爆発しそうに鼓動を続けている。
李媛は、そのときふと気がついた。
信じられないくらいに、乳頭が硬く勃起している。
しかも、秘裂は燃えるように疼いて、甘い痺れを全身に送ってもいる。
李媛は呆然とした。
だが、自分に嘘はつけない……。
欲情している……?
なぜ……。
ずっと李媛を悩ませていたおかしな頭痛など、どこかにいってしまった……。
いや、そんなことはありえない。
こんな屈辱的な扱いに快感を覚えるなど……。
李媛は左右に首を振った。
「どうしたんだい、李媛? 早くやるんだよ。五つ数える……。そのあいだにやらなければ、これでお別れだ。行政府の玄関に行ってみるといい。大した騒ぎが始まるはずさ……。一……二……」
「ま、待って──」
李媛は慌てて浣腸袋を手に取った。
そして、それを背後に回す。
腰を後方に突き出すようにして、手に持った浣腸袋をお尻の穴に近づけた。
しかし、李媛は直前で身体を硬直させた。
自分の身体に自ら浣腸を施すのを躊躇ったわけではない。
匂いを感じたのだ……。
欲情しきった女の蜜の強い匂い……。
そして、はっとした。
それは紛れもなく、自分の股間から漂う匂いだ。
股間を見た。
服を身に着けていない股から愛液が垂れ落ちている。
さっきの自慰の余韻というのもあるだろうが、この濡れ方はそんなものじゃない。
自分でも呆れ返るくらいびしょびしょになっている。
手も触れていない股間から、どんどん新しい愛液が流れる理由はひとつしか思いつかない……。
やっぱり、自分はこの状況に途方もなく欲情している……。
それは、戸惑いだった。
だが、自分の身体のことは、李媛自身が誰よりもわかる。
李媛は宝玄仙の声に命じられて、恥辱的に責められることに、激しく身体を昂ぶらせている……。
「……四……」
声がした。
李媛は我に返った。
管を肛門に挿す。
その瞬間に、ぞくぞくするような快感が走ったような気がして、李媛は一瞬がくりと身体を震わせた。
押さなければ……。
後は持っている浣腸袋に力を加えるだけだ。
そうすれば、中の液剤は勝手に、李媛の体内に抽入される。
さもなければ、李媛の破廉恥な姿が市民に公開されて、李媛はもう司政官など続けられない立場になるだろう。
亜人に苛まれている姿までならともかく、さっきの自慰の姿を晒されることは致命的だ……。
あれを公開されれば、もう、誰も李媛を司政官に相応しい女だとは考えないに違いない。
あれは紛れもなく、司政官として行政府にいる李媛が司政官室で下半身になにも着ずに自慰に耽る姿だ。
今度こそ、李媛が紛れもない変態であることを誰もが納得する映像だ。
だが……。
もしも、そうなれば、李媛はもう司政官などやめて、今度こそどこかでひっそりと暮らすしかないだろう……。
しかし、そう思ったとき、李媛の身体には、全身が脱力するような安堵感がやってきた。
重すぎる荷をやっとおろして、肩が楽になるような錯覚だ。
「五……」
声が言った。
同時に李媛は、握っていた浣腸袋で思い切り手で押し潰していた。
激しい勢いで薬剤が、李媛の体内に流れ込んでくる。
「ああっ……」
李媛は強い薬剤の刺激に顔をしかめた。
音をたてて液剤が体内に注がれていく。
李媛は耐えられずに、片手で浣腸服を持ったまま、反対の手で卓の端を掴んだ。
しばらくすると、薬剤の抽入がとまった、
李媛は、浣腸袋を肛門から抜いて、引き出しにしまい直した。
だが、それは、李媛の眼の前で、再び、風に溶けるように消滅した。
びっくりして、思わず手を引っ込める。
「躊躇っていたというよりは、ぼうっとしていたみたいだったね、変態」
宝玄仙の笑ったような声が人形から聞こえた。
ぞくそくという快感が李媛を襲うのがわかった。
変態……。
それこそが李媛に相応しい言葉であると思うとともに、蔑まれることで李媛はまるで全身に愛撫を受けているような淫情を感じた。
眩暈のするような快感……。
もしかしたら、これは自分が待ち望んでいたものではなかったか……?
「下袍をはいていい。ただし、下着は駄目だ……。そして、今日は、屋敷に戻ると告げて、行政府を出るんだ。馬車に乗っておいで。お前の屋敷で待っているよ……。それまで大便は我慢するんだ。もしも、言いつけに背いたら、さっきの映像を公開するからね」
声が言った。
「そ、そんな……」
李媛は呟くと、腹を押さえた。
苦しい……。
かなり強力な薬剤なのかもしれない。
すでに李媛の腹の中で薬剤が暴れ回っていて、強烈な便意が襲ってきている。
手で押さえている李媛の下腹部から、ぐるぐるという音がした。
そもそも、少なくとも数日は、警護のために行政府から出ないと告げてあった。
それを急に屋敷に帰ると告げれば、李媛を警護している歩兵隊は当惑するとともに、それをたしなめるに違いない。
行政府に比べれば、屋敷の警護は緩い。
屋敷を護っているのは、李媛の私兵のような立場の者だが、李媛がそっちに戻るとなると、行政府に作っていた警護態勢を屋敷に移動させなければならない。
それには、時間がかかる。
それでも李媛が強要すれば、歩兵隊長は、やむなく、警護の一部を李媛の屋敷に移すことを了承するとは思うが……。
おそらく、それまでは屋敷に戻ることはできないだろう。
だが、そんなに待てるわけがない。
もう便意は襲ってきている。
また、腹の中で薬剤が動き回る音がした。
李媛は決心した。
急いで下袍を身に着けて、卓の上の鈴を鳴らす。
そのとき、李媛は下袍のところに置いていた下着が、いつの間にか消えていることに気がついた。
だが、いまさらもう驚かない。
李媛はすっかりと、宝玄仙の道術に包囲されているのだ。
「はい」
すぐに隣室から部下の女役人がやってきた。李媛の執務全体のすべてを差配を任せている女だ。
李媛の仕事の調整や面談者などの割り振りが役割であり、李媛が行政府にいる限り、司政官室の隣室に常に待機をしている。
「今日は屋敷で寝る。わらわの馬車をただちに玄関に回すように指示をせよ」
それだけを言って、李媛は部屋を出た。
「お、お待ちください──」
慌てふためいた女役人が背後から声をかけた。
しかし、李媛は、馬車を回せとだけ、もう一度告げて、あとは無視した。
振り切って廊下に出る。
廊下で交替で詰めている警護兵も、早足で出てきた李媛にびっくりしている。
さっきの部下の女が、また、背後で声をあげたのが聞こえた。
李媛に対してではなく、警護の兵になにかを指示する言葉のようだ。
しかし、李媛は聞いていなかった。
その女役人がばたばたとどこかに走り去るのが聞こえた。
とにかく、階段を降りて玄関に向かう。
行政府の出入り口にも警護の兵がいたが、李媛が出てきたのを認めて、慌てて敬礼をした。
すると、さっきの女役人が手を回したのか、李媛が出ていくのに合わせるように、いつもの司政官専用の移動のための馬車がやってきた。
馭者が馬車から降りて、扉を開こうとするのももどかしく、李媛は自ら扉を開いて、中に入った。
馬車の中は向かい合う四人掛けの座席があり、さらに後ろに座席のある六人馬車だ。もちろん誰もいない。
李媛はいつもの席に乗り込む。
そろそろ、便意がつらい……。
洩れそうだ……。
「や、屋敷に……。は、早く──」
李媛は馭者に叫んだ。
馭者は、急かされるように馬車を進めた。
「ふうっ、くっ」
馬車が動き出すと、座っている椅子からの振動で、便意が迫っている下腹部が刺激される。
李媛はそのつらさに歯を喰いしばった。
とにかく、屋敷に……。
行政府の門には、警備兵の詰所がある。
そこで歩兵隊が一部詰めている。
普段であれば、そこで警護の騎馬と合流して、どこかに向かう。
しかし、そんなのを待つ余裕はない。
「と、とまるな……。わらわの命だとだけ告げて、そのまま、通り過ぎよ──。突破するのじゃ──」
李媛は馭者に命じた。
停止すれば、詰所の兵から連絡を受けた歩兵隊長が、無理矢理にでも李媛を行政府に戻すように詰所の部下に指示するだろう。
それをさせるわけにはいかない。
それに、女役人か警護兵から報告を受けた歩兵隊長が、李媛を行かせるなという指示をいまにも歩哨に与えているかもしれない。
その前に出るのだ。
門の前に来た……。
馬車の窓から詰所の兵がびっくりしている様子が見えた。
「李媛じゃ──。屋敷に行く──。馭者、停めるな。通過せよ──」
李媛は馬車の窓から大声で叫んだ。
馬車は速度を緩めることなく、行政府の門を通り過ぎた。
なにかのもめごとのような声がしたが、馭者は強引に突破したようだ。
李媛はほっとした。
これで屋敷まではすぐだ。
屋敷に戻れば、どうなるのかはわからない。
そこで宝玄仙が待っているだろうか……?
まあ、そうなるとは思う……。
警戒の厳重な行政府内に、あれだけの霊具を簡単に持ちこんだ宝玄仙だ。
行政府よりも、警戒がない李媛の屋敷など、造作なく潜入するだろう。
だが、この便意の苦しみから解放されるには、命令に従うしかないのだ。
李媛は、だんだんと強くなる便意に身体を椅子の背もたれに預けた。
しばらくのあいだ、李媛は馬車の揺れの刺激にぐっと肛門を締めつけながら、どんどんと強くなる排泄感に堪えた。
行政府と屋敷は目と鼻の先だ。
もうすぐ……。
しかし、全身が粟立つ──。
顔がびっしょりとなるほどの脂汗がとまらない。
急がないと……。
「あれっ? なんじゃ?」
そのとき、李媛は馬車があらぬ方向に向かっていることに気がついた。
まるで屋敷とは反対方向だ。
しかも、かなりの速度で、どんどんと城門の方向に進んでいる。
「ど、どこに向かっておる──。屋敷は逆じゃ──」
李媛は馭者に向かって叫んだ。
「いえ、これでいいのよ……」
馭者がこちらに顔を向けた。
「あっ」
思わず大声をあげた。
大きな帽子を被っていたので気がつかなかったが、いつもの馭者の男ではない。
いや、男どころか若い女だ……。
李媛はぎょっとした。
そして、突然に馬車が道端で停まった。
ここがどこなのか、確かめようと外を覗いた。
かなりの速度で進んでいたので、行政府のある中央地区から随分と離れている。
すでに、南側の城門に近い
すると、突然に外側から馬車の扉が開いた。
そこに女がいた。しかも複数だ。
「な、なんじゃ──」
李媛は叫んだ。
「お初にお目にかかるよ、李媛……。朱姫が世話になったってね」
黒髪の美女だ。
この女が宝玄仙か……。
すぐにわかった。
ずっと指人形から聞こえていた声と同じ声なのだ。
李媛は全身が震えるのがわかった。
一時期は、同じ青獅子の囚われ者として、魔王宮となった李媛の前の屋敷に監禁されていたものの、お互いに面識はなかった。
相手の顔を見るのは初めてだ。
怖いほどの美女……。
それが宝玄仙の印象だ。
その宝玄仙が李媛を奥に押し込むようにして、李媛の隣に座った。
「腕を背中に回して、親指を合わせな……。それとこれはもういい。返してもらうよ」
宝玄仙が言った。
強引に両手を背中に回された。
親指に装着して、拳に隠すようにしていた指人形を取られる。
そして、背中側で親指を重ねあわされて、付け根を強く紐のようなもので縛られた。
「あっ」
簡単な拘束だが、完全に両手の自由を奪われた。
さらにもうひとり乗り込んできた。
赤毛の女だ。
肩に大きな革袋を担いでいる。
人間?
赤毛の女が運んできた大きくて細長い革袋の中身は人間を思わせた。
屍体?
だが、動いている──。
本当に人間だ。
李媛は驚愕した。
孫空女は、それを李媛と宝玄仙が座っている四人掛けの席側の床に置いた。
そして、赤毛の女は一度馬車の外に出ていく。
「ほらっ、お前は、しばらく大人しくしていな。いま、『女淫輪』を動かしてやるから、それで退屈を凌いでるといい。いくらでも泣き叫ぶといいよ。外の声はお前には聞こえるだろうけど、お前の声が外には漏れない特別製の革袋だ。ただし、じっとしているんだよ」
宝玄仙はその袋詰めの人間に語りかけたようだ。
すると、足元の革袋の人間がうねうねと動き出した。
李媛は怖くなって足を引っ込めた。
「動くなと言っただろう──」
宝玄仙が愉しそうに笑いながら、その革袋に包まれてる人間の頭と思われる部位に足を乗せてぐりぐりと押した。
それでも、革袋の人間の動きはとまらない。
「さてと、じゃあ、司政官──。尻に栓をしてやるよ。粗相ができないようにね」
「ま、待ってくれ、宝玄仙殿なのじゃな? 李姫と貞女を解放してくれ。頼む──。わらわは大人しくする」
李媛は言った。
「ああ、そのことかい……。あのふたりなら、まだ、隠れ家の檻さ。一応、約束だから。まだ犬には襲わせてない。だが、わたしが道術で連絡すれば、すぐに、犬による人間女の輪姦が始まるよ」
宝玄仙が李媛の縛られている腕を掴んで、李媛を前側の座席に頭をつけるように倒す。
そして、刃物のようなもので下袍の脇を切断された。
一気に足元まで引きおろされる。
「な、なにをするのじゃ──」
李媛は悲鳴をあげた。
しかし、座席に押しつけた頭を上から押さえられているので抵抗できない。
驚いたことに、宝玄仙は李媛の足首から抜き取った下袍を開いている窓の外から放り投げた。
「この馬車に座っている限り、外から見えるのは、お前の顔だけだ。下半身がすっぽんぽんなんて、澄まして座っていればわかりはしないよ……。さて、じゃあ、尻に栓をするよ。城門を抜けたら、大便をさせてやるよ。それまでに、ここがお前の糞だらけになったら、わたしらが堪らないからね」
「じょ、城門──? なにを──ひいっ」
なにを考えているのだと問い質そうとして、李媛は肛門に異物をずぶりと喰い込まされて悲鳴をあげた。
小さなもののようだが、李媛の肛門の中に挿入すると、先端が内部で傘が開くように拡がるのがわかった。
しかも、それと同時に、その肛門栓が細かく振動を始めたのだ。
「ひいっ、ひっ、そ、そんな……。とめて──お、お願いじゃ──し、振動をとめておくれ──」
李媛は声をあげた。
便意が迫っている肛門に受ける異物の振動は、かなりの破壊力をもった衝撃だった。
肛門に押し寄せていた水便がおそらく振動でぐるぐるとかき回されている。その苦痛に李媛は顔をしかめた。
「前の穴にも贈り物だよ──。おうおう、これは大量の蜜じゃないかい──。やっぱり思った通り、お前はすっかりと被虐の性が癖になってしまっていたようだね。それじゃあ、いままで、誰もお前を責めてくれる者がいなくて苦しかっただろう? 可哀そうにねえ──。せめて、今夜は、この宝玄仙がお前をたっぷりと責めてやるから悦びな」
宝玄仙が細長い球体をつるりと女陰に押し込んだ。
本当にたっぷりと李媛は愛液を垂らしていたのかもしれない。
それなりの圧迫感を持った異物がほとんど抵抗なく、李媛の女陰の中に押し込まれたのだ。
「ほれっ、座り直しな──。そのみっともない姿を晒したければ、窓からいくらでも助けを呼ぶといいよ──。だけど、それが嫌なら、歯を喰いしばって嬌声は洩らさないことだ」
さらに、宝玄仙が李媛に目隠しをした。
「ひいっ」
視界が奪われると、一気に恐怖心が拡大した。
そして、さっき女陰に挿入された異物も淫らな振動を開始した。
便意に襲われている身体に受ける前後の振動に、李媛は思わず身体を仰け反らせた。
しかし、すぐに両方の振動が一度に停止した。
「はああっ」
安堵感が李媛を包む。李媛は大きく息を吐いた。
「うはあっ──」
しかし、油断した瞬間に、今度は前だけが動き出した。
しかも激しい──。
さっきは振動だけだったが、今度は回転とうねりのような運動もしている。
「はうっ、はあっ、とめ──とめて──はあっ──」
李媛は身体をがくがくと動かして声をあげた。
すると、振動がとまる。
李媛はがくりと首を垂れた。
「騒ぐなと言っているだろう。ここは、たまたま、人通りの少ない場所に停車しているだけで、いくらなんでも、司政官のお前がそんなあられもない声を出しながら馬車に乗っていたら、外から目立つだろう──。練習だよ。ほらっ──」
「ひううっ──んんんっ──」
今度は後ろと前が同時だ。
李媛は懸命に声を耐えた。
「その調子だよ、司政官──」
すぐに振動は停止する。
しかし、また動く──。
李媛は歯を喰いしばって、声が出るのを我慢した。
「ご主人様──。荷は積み終わったよ」
さっきの赤毛の女の声がした。
目隠しをされているのでよくわからないが、その赤毛の女が乗り込んでくる気配がした。
そして、さらに誰かが乗り込んできた。
誰──?
そう思ったが、股間の異物の振動を強くされて、もうなにも考えられなくなる。
「はああっ……あっ……んんんっ……ああっ……」
振動が続く。
今度はとまらない……。
なぜ──。
「ほら、お前たち、見るんだよ──。これがこいつの正体だよ。こうやって惨めに苛められれば苛められるほど、快感に酔う変態だ──。こんなに幸せそうだろう──。青獅子が死んでから、この性癖を解消してくれる者がいなくなったために、こいつはいままで、性の欲求が溜まりに溜まって、苛々がとまらなかったのさ──。こんな変態は、こうやって、定期的に遊んでやればいいんだよ。それが幸せなんだから──。そうだろう。変態──?」
宝玄仙がそう言いながら、李媛の股間を弄りだした。
肉芽を指で挟まれる。
そして、揉むように動かされる。
まるで、その指先は道術でもかかっているかのようだった。
その手管に李媛の身体は、一気に熱くなる。
「ひいっ、ひいっ……」
快感が一気に暴発する。
そのとき、最後に乗り込んで、最後尾の席に座った者が息を飲んだ音が聞こえた気がした。
ふたり……?
かすかに漏れた嘆息から李媛はそう思った。
しかも、女の声のような……。
「ふうううっ──」
しかし、宝玄仙の指がとどめを刺すように、はっきりとした刺激を加え出して、李媛の思念は消える。
しかも、前後の異物もさらに強い振動に変わる。
「ご主人様、出発しますよ。いい加減にしてください──。城門はすぐですよ」
馭者台から抗議をするような大きな女の声がした。
「いいから、出発しな、沙那──。こいつはもう達するさ。城門までなんかもたないよ」
宝玄仙が李媛の股間を弄りながら笑った。
がくんと馬車が動いた。
進み出したのがわかった。
「ほらっ、自分は変態だと言いながら達するんだ、李媛」
すぐに絶頂がやってきた──。
宝玄仙の言葉に操られるように李媛は叫んでいた。
「わ、わらわは変態じゃ──いくううっ──」
李媛はがくがくと身体を震わせた。