宝玄仙に問い詰められて、
「……おれがい……。もう、おがして……。も、もう、かんにん……して……」
一丈青は、もうすでに息も絶え絶えだった。
当然だろう……。
一丈青を捕らえてから最初の数日間は徹底的に肉芽を責めて、いき狂いにしてやった。
その快楽浸けの日々から、今度は二日間の寸止め責めだ。
どんなに一丈青が気丈な性分であっても、女が耐えられる限界はとっくに過ぎている。
宝玄仙は、一丈青を椅子に拘束していた革紐を外してやった。
後手縛りの縄はそのままだが、股を拡げて座らされていた椅子からは離れられるようにした。
だが、すでに身体の筋力が弛緩して動かないのか、一丈青は荒い息をして悶えるだけで、椅子から離れられないでいる。
宝玄仙は手摺に引っ掛けていた一丈青の膝を外してやり、どんと背中を押した。
一丈青は、敷布に胡坐をかく
「うわっ」
大黒天の一物の前に押しやられたかたちになった一丈青が声をあげた。
「なにを怯えているんだい、一丈青──。お前の股ぐらに突っ込んでもらえる大切な肉棒様だよ。あれで破瓜を散らさなければ、お前はその淫乱な身体と永遠に付き合わなければならないんだ……。嫌なら椅子に座ってな。わたしらは、お前なんて無視して、愛し合うことにするよ。後が詰まっているんだ。やる気がないなら、さっさとどくんだ」
宝玄仙は言った。
「い、いえ……。さ、させ……て……。させて……くらさい……。どうかおれかいれすから、おかして……くらさい……。ちょっ、ちょっとびっくりしたらけれふ」
一丈青が淫欲に溶けたような呆けた表情で言った。
どうやら、頭も舌も完全には回ってないようだ。
まあ、これも無理はないか……。
一丈青の股間では、いまでも小さな触手群が股間の性感帯を抉り回っている。
この状態で二日も経ったから、いくら道術で断続的にまともな思考の回復を図ってきたといっても、実際には、もうまともな思考などできないのかもしれない。
だが、常軌を逸した状態で破瓜をさせても面白くない。
とりあえず、宝玄仙は貞操帯を外してやった。
道術で施錠の外れた貞操帯が重みで一丈青の股間から落ちる。
「ふぎゅううう──ぐうううう──」
二度続けてけたたましく悲鳴をあげ、一丈青の身体が跳ねあがった。
嵌めていた貞操帯には小さな穴があって、そこから肥大した一丈青の肉芽が飛び出させてあった。
それが貞操帯が外れるときに締めていた穴の縁で刺激されてしまったようだ。
最初の悲鳴はその刺激に対する純粋な嬌声であり、次の悲鳴は、それで達しかけたので、寸止めの電撃が全身に走ったのだ。
「これは……?」
大黒天が目を丸くしている。
「なんでもないよ、大黒天……。そのままにしていておくれ……。ほらっ、一丈青、ぼけっとしているんじゃないよ──。この亜人の頭領に犯してもらわなければならないんだろう──? ちゃんと、挨拶しな──。『女淫輪』も外してやるよ──。道術で身体もいくらか回復させてやる──。少しすっきりするはずだから挨拶をするんだ……」
「へっ、ふえっ、へ?」
しかし、一丈青はおかしな声で呆けている。
宝玄仙は、どんと床を蹴った。
一丈青がびくりと身体を動かした。
「だけど、この頭領がお前を抱きたくないと言ったら、それで終わりだよ。もう一度淫具を全部嵌め直して、今度こそ、頭が毀れるまで放っておいてやるよ──」
宝玄仙はすっかりと肥大しきった一丈青の肉芽の根元から『女淫輪』を外すとともに、一丈青の身体全体に道術を注いで、体力と思考力を少し回復させた。
ほとんど意識のない状態で情交させても面白くない。
一丈青には、しっかりとした意識のもとで、亜人と性交をさせるつもりだ。
「はっ、はい──。はあ、はあ、はあ……。はあ、はあ、はあ……」
一丈青が少しはまともな目つきに戻ってきた。
それでもまだ苦しいのか、まだ、大黒天の股間の前に前のめりの身体を倒したままの姿勢で荒い息をしている。
「どうするんだい、一丈青? やめるのかい? それとも、犯してもらうのかい……? 早く決めな。亜人の頭領は、どっちでもいいそうだよ」
宝玄仙は促した。
「ど、どうか……わ、わたしを犯してください……。お願いします……」
一丈青ははっきりと口にした。
「眼の前にいるのは、お前たちが眼の仇にしてきた亜人の親玉だ。その珍棒にお前の処女を散らしてもらうのかい──? 性根を据えて返事しな、一丈青──」
宝玄仙はなおも言った。
「あ、亜人の取り締まりは任務で……。い、いえ……わたしが悪うございました……。どうか、お情けを……」
一丈青は頭をさげたまま言った。
「……ということだよ、大黒天……。さて、どうする?」
宝玄仙は大黒天に視線を向けた。
「もう許してやったらどうなのです、宝玄仙殿? 可哀想ではないですか?」
大黒天は宝玄仙の一丈青の扱いに苦笑している。
「もう許すさ……。こいつへのお仕置きはこれで最後の予定なんだ……。道術師隊の誇り高き女隊長に対する罰は、亜人の頭領に処女を捧げることで終わりにするよ。だけど、お前がその気でないなら、もう少し続けるつもりだ。別の仕置きを思いつくまでね」
「でも、ねえ……」
大黒天は困惑したような表情だ。
「ほら、一丈青、お前がもっと頼まないから、亜人の頭領はその気でないようだよ」
「そ、そんな……」
一丈青が宝玄仙の言葉に身体をぶるぶると震わせた。
たったいままで上気していた顔が、一瞬にして白くなった。
いまの一丈青にとっては、亜人と情交を結ぶことよりも、宝玄仙の嗜虐が続くことが、なによりも怖ろしいに違いない。
「ど、どうか、お願いします。わたしを犯してください、頭領様」
「だったら、おねだりするんだよ。大黒天の舌を吸って接吻しな。そうやって甘えるんだよ」
宝玄仙は怒鳴った。
「は、はい……。し、失礼します、頭領様……」
一丈青が後手縛りの裸身を大黒天の上体にのしかかるように摺り寄った。
そして、大黒天の唇に自分の唇を押し当てて接触させる。
「なんだい、その熱のない接吻は──。わたしの供がやったことを見ていただろう──。なんのために、あいつらの情交を先に見せたと思っているんだい」
「も、申し訳ありません──」
一丈青がびくりと身体を震わせ、今度は口を開いて舌先でぺろぺろと大黒天の唇の上下を舐め始めた。
大黒天が口を開いてやると、自分から舌を大黒天の口の中に挿し入れ、口の中を懸命に舐め始める。
「どれ……。では、俺も一丈青殿の口の中を舐めさせてもらおうかな……」
しばらく一丈青の舌を味わっていた大黒天は、両手を伸ばして一丈青の身体を抱きしめる、今度は大黒天の舌を一丈青の口の中に挿し入れた。
「ああっ……はあっ……あっ……」
すぐに一丈青の喘ぎが始まった。
大黒天は一丈青の身体を抱くすくめ、むさぼるような口吸いを始める。
その大黒天の迫力と、一方で一丈青の狼狽えようは、まるで肉食の獣が餌となる小動物を喰らおうとしている様を連想させた。
なすすべもないかのように、大黒天の舌で口の中を舐め回される一丈青は、見ていて面白いようにぐったりと力が抜けたようになっていく。
それとともに、大黒天に口の中を蹂躙される一丈青の顔には、女の陶酔のようなものも現われ出した。
気の強い女というものは、逆に屈辱的な性行為に弱かったりすることが多い。
普段気を張っている反動が、男からの凌辱されるような性交にたじたじになってしまうのだ。
一丈青もそうであるようだ。
宝玄仙は女隊長としての気丈さに隠されていた被虐性を垣間見る思いだ。
そういえば、沙那にしても、孫空女にしても、あんなに凄い女猛者のくせに被虐性が強い。
朱姫を救出したら、あいつらの被虐度を検査でもしてみるか……。
そんなことを思った。
だが、考えてみれば、被虐癖ということであれば、宝玄仙自身にもそういう性質はある。
そんなことを考えていたら思わず笑ってしまった。
宝玄仙は一丈青と大黒天に意識を戻す。
一丈青は大黒天に口の中を舌で愛撫され、相変わらず官能に酔ったように身体を悶えさせている。
宝玄仙は歩み寄って、一丈青の乳房を背後から揉みだした。
「ああっ──」
一丈青の嬌声がひと際大きくなった。
大黒天の舌で口の中をこってりと舐めあげられながら、宝玄仙からも裸身をなぶられだした一丈青は、あっという間に激しくよがり出す。
視線はとろんとして焦点を失い、開いたままの口からは大量の涎がこぼれて顎や胸に滴ってくる。
やっと、大黒天が口を離した。
それに合わせて、宝玄仙は乳房を揉むのをやめたが、一丈青はもう身体を維持できなくなったかのように、大黒天の胸に頭をもたれさせた。
「はあ、はえ、はう……。も、もう……ゆ、許して……。お、お願いです、頭領様……。もう、なにがなんだかわからない……。ああっ……」
一丈青が朦朧とした表情のまま口走った。
「随分としおらしくなったじゃないかい、一丈青。だったら、いっそのこと、この亜人の頭領の花嫁にしてもらったらどうだい? さっき夕食のときに、こいつの女房たちと話したら、こいつの女房たちは、あと倍くらいは女房の数を増やして欲しがっていたよ……。亜人の女房たちと人間族のお前が仲良くできるか知らないけど、まあ、女同士でもそういう刺激があった方が、大黒天の寵を競って、女に磨きがかかり合うというものさ」
「そんなことを妻たちが言ったのですか?」
大黒天が苦笑した。
宝玄仙がここで夕食をご馳走になったときには、大黒天は、沙那や孫空女を連れて重鎮たちを集めて軍議を開いていたのでいなかった。
本当は宝玄仙も軍議に参加を求められたが断ったのだ。
面倒だからだ。
沙那の考えでは、出陣は明日で、すぐに数名を変身霊具を使って収容所内に送り込む。収容所の襲撃そのものは、明後日以降ということだ。
宝玄仙は戦闘の発生する可能性のある正面には出ずに、襲撃隊のさらに後方で必要により、道術で支援する……。
それだけ聞けば十分だし、細かい各隊の動きを宝玄仙が知っても仕方がない。
だから、軍議は沙那に託して、宝玄仙はここで夕食をとった。そのときに、宝玄仙は四人の妻と話をしたのだ。
「……だから、一丈青、妻にしてくれと、お願いしてみな。まあ、お前がわたしとの旅を続けたいというのなら話は別だけどね……」
「ひいっ──。そ、それは──。ああ、どうか、ここに置いてください、頭領様。妻でも、奴隷でもいいですから……。宝玄仙様に、わたしを返さないで──」
一丈青が急に覚醒したように身体を反応させて、大きな声をあげた。
その必死の様子に思わず宝玄仙は吹き出した。
「余程のことをしたようですね、宝玄仙殿……。本当に可哀そうに……」
大黒天が笑いながら、一丈青をぐっと抱いて慰めるような仕草をした。
「だったら、旦那様にさっそく抱いてもらいな。だけど、そう簡単には、抱いてもらえはしないよ。ちゃんと奉仕をして、旦那様にいい思いをしてもらって、はじめてお情けをもらえるんだ──。だから、奉仕をしな。わたしの供たちがやっていたように、大黒天の一物を舌で奉仕するんだ」
宝玄仙が言っても、一丈青は抵抗の素振りは見せなかった。
もうすっかりと観念したのか、一丈青は素直に大黒天の股間に顔を埋める体勢になって、眼を閉じて口を開き、大黒天の怒張を飲み込んだ。