※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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625 亜人族の砦・別れの宴

「ほら、こっちですよ」

 

 小萩(こはぎ)の首に巻いた紐を引いて四つん這いでやってきた大黒天が部屋に入ってくると、部屋にいる女たちが一斉に拍手で迎えた。

 素っ裸で犬のように四つん這いで歩いてくる小萩の首には、太い犬の首輪が装着されている。

 小萩はその首輪に紐を繋がれて、大黒天に引かれて部屋に入って来たのだ。

 彼女の顔は羞恥で真っ赤だ。

 

「ほら、罰の結果をお見せ、小萩」

 

 宝玄仙は声をかけた。

 

「さっき、教えたのをやってもらいますよ、小萩殿」

 

 大黒天が部屋の中央で小萩をとめさせて声をかけた。

 

「うう……。は、恥ずかしいです……」

 

 小萩はわずかな逡巡のようなものを示しかけたが、すぐに諦めたように四つん這いの姿勢から脚の膝を曲げたまま上体を起こすと、両方の拳を肩の横において、股を真横に拡げて身体をこっちに向けた。

 “ちんちんの格好”というわけだ。

 

「素敵な股になったじゃないかい……。剃りあげられ割れ目までばっちりと見える綺麗な股ぐらさ……。まあ、そんなに恥ずかしがるんじゃないよ。わたしらも一緒なんだからね」

 

 宝玄仙が声をあげて笑ったが、ほかの女たちはからかうというよりは、可愛いとか、綺麗に剃れているよとか言いながら拍手をした。

 小萩は、強要されている卑猥な姿勢のまま、ますます顔を真っ赤にした。

 もっとも、それほどの屈辱というわけでもないだろう。

 なにしろ、ここには八人の女がいるが、全員が素っ裸なのだ。

 小萩に首輪につけて紐を引っ張ってきた大黒天でさえも、素っ裸であり、股間には逞しいものが堂々と勃起している。

 

「では、小萩の罰はこれで終わりです。あなたたちも、遺恨のないようにしてくださいね。お願いしますよ」

 

 大黒天が小萩の首輪を外しながら、ほかの三人の妻たちに言った。

 お寧(ねい)、京葉(きょうば)、真麗(しんれい)の三人の妻たちが微笑みながら返事をした。もちろん、この妻たちも全裸だ。

 そして、宝玄仙に無理矢理に、今夜の「別れの宴」に参加するように申し渡された沙那、孫空女、朱姫の三人も全裸だ。

 小萩が大黒天に促されて、大黒天の妻たちの輪に加わる。

 やっと、大黒天のほか、八人の女が集まった。

 

 これからなにを始めるかは決まっている。

 宝玄仙たちの砦からの出立を明日に向かえての「別れの宴」だ。

 もちろん、大黒天と宝玄仙が話し合って決めた「別れの宴」の趣向は宴会ではない。

 大黒天の四人の妻と、宝玄仙の三人の供を加えた大乱交の性の宴だ。

 

 これから女が八人総がかりで、大黒天の相手をする。

 それが宝玄仙の決めた「別れの宴」のやり方だ。

 たったいま、小萩が恥毛を剃られてやってきたのは、この宴の余興のようなものだ。

 実はこの小萩は国軍の手の者であり、この砦の頭領の大黒天に近づいて、情報を集めるために潜入してきた間者だったというのだ。

 だが、この女は、この大黒天の性の技にすっかりとのぼせてしまい、自分が間者であることを告白して、そのまま、大黒天の妻として生きることにしたようだ。

 大黒天は、それをあっさりと許し、その代わりに剃毛をして、みんなの前でそれを晒すという罰を言い渡した。

 それでいま、毛を剃って、部屋に入って来たということだ。

 

「じゃあ、さっそく始めようかい……。お前たちも頼むよ。今夜は、この前、わたしが、大黒天に性の勝負で負けた分の支払いでもあるんだから、たっぷりと奉仕をしておくれよ。特に、沙那も朱姫はいいね──。お前らふたりは、明日まで、休むことなんて許さないよ」

 

 宝玄仙は宝玄仙の背後で、部屋中に敷き詰められた敷布に尻をつけて座っている三人の供に声をかけた。

 三人のうち、沙那と朱姫のふたりには、首輪と手錠をかけて、手錠の鎖を首輪の後ろの金具に繋いでやっている。

 だから、このふたりは、完全に両手が使えない状態だ。

 

「わ、わかっています。もう、覚悟は決めました……。存分に扱ってください」

 

「皆さんには、ご迷惑をおかけしました。どうもありがとうございました……」

 

 沙那と朱姫が両手を首の後ろにやったまま、頭をさげた。

 今日は大黒天の夫婦たちと乱交すると言い渡したとき、馬鹿馬鹿しいと強く嫌がったのは沙那だった。

 朱姫については、自分が亜人収容所に収容されたために、かなりの大袈裟な話になっているのを認識しているので、宝玄仙の命令には逆らう姿勢は見せなかった。

 しかし、沙那は、絶対に嫌だと駄々を捏ねた。

 だから、だったら、白象宮の罰の件を復活させるというと、蒼くなって今夜の乱交に参加することに承知した。

 沙那は、罰のことなど、すっかりと宝玄仙が忘れていると思っていたようだが、そうはいかない。

 しっかりと、朱姫とふたりで、ここで集中砲火を浴びてもらうつもりだ。

 

 いずれにしても、朱姫を救出する目的から始まった亜人収容所からの亜人の囚人たちの解放だが、作戦は完全にうまくいったみたいだ。

 収容所は、囚人の野外作業を襲った沙那たちが、賊徒に負われる監視兵と囚人を装って収容所内に雪崩れ込み、収容所に監禁されていた囚人たちを解放して暴動を起こさせ、女囚側も含めた全囚人を脱獄させることに成功した。

 脱走の最後には、沙那は収容所全体に火までつけてきたので、長く竜飛国で亜人に対する非道な扱いの象徴のような施設だった亜人収容所は、完全になくなった。

 予想された国軍の援軍についても、孫空女たちが途中で待ち受けて蹴散らし撤退させている。

 

 それで国軍は恐れをなしたようだろう。

 結局、逃亡した囚人たちが完全に砦内に逃げ込むまで、国軍の追撃はなく、こちらには、まったく損害のないまま、全部の策戦が終了した。

 脱走した亜人の囚人は、ほぼ全員がこの砦に収容された。

 一度、砦に入った囚人の大部分は、この砦の里で賊徒に参加することを決めたようだ。

 一部については、戻りたい故郷があるということで、今日、さっそくそれぞれの土地に旅立っていった。

 亜人や半妖という立場で、この竜飛国で暮らすというのは、かなりつらいことだと思うが、それは彼らの選ぶ道だ。

 彼らにとっても、やはり、生まれ育った故郷というものがある。

 

 大黒天は、砦を去る者には、それぞれの旅に必要なものを渡し、望みのとおりに旅立たせた。

 一方で、数千にもなる収容所の脱走囚は、ここで新たに賊徒としての役割をもらうことになるはずだ。

 まだ、大部分は招待場という砦の前の施設で、希望などの話をしているようだ。

 

 とにかく、これ以上この砦で時間をすごす理由はなくなった。

 宝玄仙は、明日出発と決めた。

 すると、大黒天が、ならば砦で別れの宴を開いてくれると言ったので、宴の代わりに、乱交がいいと宝玄仙がいい、そうなったのだ。

 

「そういえば、朱姫、お前と一緒にいた例の双子の娘は、どうなったんだい? 摩耶(まや)と華耶(かや)といっていたかねえ? なんか、ひとりが、かなり洗脳されたようになっていて、随分と揉めていたような気配だけだったけど」

 

 宝玄仙は訊ねた。

 朱姫と同じように、獅駝の城郭で捕らわれた双子の姉妹で、摩耶と華耶という娘たちがいて、収容所では、いろいろと朱姫とは交友も確執もあったようだ。

 

「ふたりは一度、獅駝(しだ)の城郭の方向に向かうことにして、今日旅立ちました。獅駝の城郭に近づくのは危険かもしれないけど、あそこにはお父さんがまだ生きているとかで……」

 

 朱姫は少し寂しそうに答えた。

 その摩耶と華耶もまた、朱姫と同じ半妖だったらしい。

 華耶が監督囚という役割の役職を収容所内で与えられたために、おかしなことになったが、朱姫はあの双子の姉妹のことを随分と気にかけていた感じだった。

 

「ふうん……。だけど、かなり険悪な雰囲気だったじゃないかい。どうなるんだろうねえ」

 

 なんとなく宝玄仙は訊ねた。

 話を聞く限りにおいて、あのふたりは半妖族の双子ということで、苦労もしたし、お互いに助け合って生きてきたらしい。

 だが、あの収容所で、監督役と囚人に分かれてしまったために、憎み合うような関係に変わってしまったみたいだ。

 亜人収容所の連中も残酷なことをするものだと思った。

 

「さあ……。摩耶は華耶を見捨てるつもりだったけど、華耶が土下座して謝って……。どうなるのか……」

 

 朱姫は言った。

 宝玄仙は頷いた。

 まあ、一緒に行ったと言っていたから、あとは時間が解決するだろう。

 ああいうことはよくあるのだ。

 特殊な閉鎖環境で疑似的に作られた監守の役割が、そのまま感情に投影してしまい、極端な残酷性を作りだしたりする。

 普段の生活に戻れば、我に返ったように元に戻るのだが、苛められた方はその仕打ちを忘れないだろう。

 その双子の関係が元に戻るのか、結局壊れたままになってしまうのかは、あいつらの問題だし、修復するとしても時間のみが解決をする。

 いずれにしても、朱姫は自分と同じ立場の半妖と出会ったのに、すぐに別れてしまうことが少し寂しそうだ。

 

「いなくなったといえば、あいつどうなったんだろうねえ? 一丈青(いちじょうせい)だよ。あれから行方不明だよね」

 

 すると、孫空女が思い出したように言った。

 さんざんに苛め抜いてやった一丈青だが、収容所襲撃の当日の朝に、この砦から逃亡をしてしまった。

 結局、それからどこにいったのかわからない。

 

「なあに、早晩、戻って来るよ」

 

 宝玄仙は言った。

 

「なぜ、戻ってくるのです?」

 

 大黒天が不思議そうに言った。

 

「実はあいつの身体には、まだ、道術の呪いがかかりっぱなしなのさ。最初に性交をした相手の男から離れられなくなるという道術をね。あいつは、大黒天とこの部屋で、先日、大黒天と情を結んだろう。それがわたしの道術で身体に刻まれて、定期的に大黒天から、破瓜のときと同じ肉棒で快感を受けなければ、身体の疼きが暴走してとまらなくなるんだよ。結局、ここに戻って来るしかないだろうねえ……」

 

「なんですか、それ?」

 

 沙那が呆れたような声を出した。

 

「一丈青も、その性の発作が始まれば、自分がなにを求めているのか、はっきりと知覚するはずだ──。だから、大黒天と性交をしたくて戻って来るよ。間違いなくね──。それで、どうする、大黒天? あれも、結構の道術遣いさ。危険ではあるが、飼いならせば、役に立つと思うけどね」

 

 宝玄仙は大黒天を見た。

 

「随分と可哀そうなことをするんですねえ……。まあ、戻ってきて、俺の嫁にでもなるつもりならば受け入れますよ。小萩殿と同じように……」

 

 大黒天は言った。

 

「つくづく、お前も面白い男だねえ……。もしかしたら、寝首を掻かれるかもしれない相手を嫁にするのかい……。まあ、そんなこともないだろうけどねえ。一丈青も、一度、発作を味わえば、その苦しみを癒せる大黒天をなにがなんでも、生き延びさせなければならないと思うだろうし……」

 

 宝玄仙は笑った。

 

「いいさ……。じゃあ、さっそくやろうか……。でも、ただ遊んだだけじゃ面白くないしね。せっかく、これだけの人数の女が集まったんだ。この大黒天にちょっとした試験をしてもらおうじゃないか」

 

 宝玄仙は言った。

 そして、大黒天の周りに、八人の女を集めた。

 

「おやおや、試験ですか……? なにが始まるのです」

 

 大黒天が苦笑した。

 

「いいから、この目隠しをして、そこに仰向けになっておくれよ、大黒天」

 

「目隠しですか……? 怖いなあ……」

 

 大黒天がそう言いながら、目隠しをして仰向けに横になる。

 相変わらずの怒張が天井に向かって、元気にそびえている。

 

「じゃあ、いまから八人の女がお前の股間に跨るからね。それで、どの女の股か当てておくれ──。当たれば、お前の勝ちだ。その女と最後まで性交ができる。だけど、外れたら……。そうだね。みんなで百数えるあいだ、八人の女のくすぐり責めを受けるんだ」

 

 そういうと、特に四人の妻たちがきゃきゃと言って喜んだ。

 

「そ、そんなのは不公平ですよ。八人もいるんじゃあ、そんなに当たりっこないでしょう」

 

「なにいっているんだい。お前も男なら犯した女の股くらいは覚えておくもんだよ。それから、当てられてしまった女も、なにかしらの罰だよ。じゃあ、始めるよ──。夜は長いんだ。水も食べ物も準備してくれているからね。みんな、気合入れて、大黒天を女の性でやっつけるんだよ」

 

「仕方がないなあ……」

 

 大黒天が目隠しをしたまま笑った。

 宝玄仙は大黒天の怒張に上から潤滑油を垂らして手で伸ばす。

 

「さて、じゃあ、一番目だよ、大黒天……」

 

 宝玄仙はそう言って、無言で沙那を指さした。

 沙那は驚いた顔をしたが、大きく嘆息して、大黒天の腰の上に跨って跪いた。

 そして、ゆっくりと身体を沈めていく。

 やがて、すっぽりと沙那の股間に大黒天の怒張を飲み込んだ。

 大黒天の女たちは、みんな必死に口を手で押さえて、笑いをこらえている。

 沙那が腰を上下に動かしだした。

 すると、見ていてびっくりするくらいの沙那の身体が真っ赤に上気して、汗が吹き出しだす。

 

「あはあっ」

 

 沙那が堪えきれなくなったように声をあげた。

 

「お、お前、馬鹿かい──。声を出すんじゃないよ──」

 

 宝玄仙は呆れて怒鳴った。

 

「沙那殿だ」

 

 大黒天も吹き出しながら言った。

 

「あ、はあ……だ、だって──」

 

 沙那が困ったように言った。

 

「なにが、だってだよ──。とにかく罰だよ。さて、なんにしようかねえ……?」

 

 宝玄仙は言った。

 

「だ、だったら、沙那姉さんには目隠しをしてもらったらいいですよ。あたしの手枷を外してくださいよ、ご主人様──。あたしが、沙那姉さんに罰を与える役を引き受けて、沙那姉さんの胸を揉み揉みしますから」

 

 朱姫がすかさず言った。

 

「な、なんで、そうなるのよ、朱姫──。全然、関係ないじゃないのよ──」

 

 沙那が声を張りあげた。

 

「とまんじゃないよ、沙那──。まあいいか。そうするか。孫空女、朱姫の手錠を外してやりな」

 

「ま、待ってくださいよ、ご主人様──」

 

 沙那が狼狽えた声をあげた。

 

「いいから、お前は朱姫の誘導に従って、目隠しをして女上位で、わたしが許可をするま、そうやってるんだ」

 

 宝玄仙はそう言ってから、大黒天の四人の妻たちに視線を向けた。

 

「……それよりも、お前たちは蜂蜜を使った性交なんて知らないだろう? 教えてやるからね。お前たちの旦那様は、それがなかなか好きそうだったよ」

 

 宝玄仙は、大黒天の妻たちにそう言って、荷の中から蜂蜜の瓶を取り出すと、大黒天の仰向けの裸身の臍から胸にかけての場所に、たくさんの蜂蜜を落とした。

 

「う、うわっ」

 

 肌に蜂蜜を感じた大黒天が声をあげた。

 

「ほら、これを舌で舐めとるんだ。始め──」

 

 宝玄仙が言うと、女たちが愉しそうに左右に散って、大黒天の身体を舐め始めた。

「孫空女、お前はこっちにおいで。女同士でもやろうじゃないか。お前、わたしの身体に蜂蜜をかけたいかい? それとも、お前がかけられたいかい? お前には世話になったしね。選ばせてやるよ」

 

「えっ? ええっ?」

 

 孫空女は当惑した表情で顔を赤らめた。

 ふと見ると、朱姫に目隠しを装着させられた沙那が、朱姫に胸を揉まれながら、大黒天の腰の上で激しくよがっている。

 朱姫は本当に嬉しそうだ。

 

「どっちなんだよ、孫空女?」

 

 宝玄仙は声をあげた。

 

「じゃ、じゃあ、どっちも……」

 

 孫空女がそばまでやってきて。小さな声で恥ずかしそうに言った。

 

「いいねえ……。じゃあ、おいで……」

 

 宝玄仙は自分の乳房に蜂蜜を落とすと、孫空女を裏返しにして、乳房で蜂蜜を孫空女のお尻の辺りを擦り始めた。

 

 まだまだ夜は長い……。

 お愉しみはこれからだ。

 宝玄仙はくすくすと笑ってしまった。

 

 

 

 

(第94話『半妖族の叛乱』及び第10章「竜飛国(朱姫救出)篇」終わり)






 *

 次話から、第11章「東諸国(西方帝国への道)篇」となります。
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