疼く――。
今夜はここには来ないというのがわかっている。
でも身体が疼くのだ。
苦しい……。
つらい……。
この妖魔城に監禁されてから、毎夜果てるまで、
黄袍魔は妖魔だ。
妖魔といえば、人のかたちはしているが人ではない。
動物と同じけだものだ。
そう思って生きていた。
その妖魔に抱かれ続ける。
おぞましいとは思う……。
おぞましいと思うが、夜になるたびに、その黄袍魔がこの部屋に来るのを待っている自分もいる。
淫らな身体にされたのだと気づくしかなかった。
いま、人の気配があった。
もしかしたら、黄袍魔かもしれないと思った。
しかし、黄袍魔ではないかと、想像したその瞬間から身体がさらに激しく疼いた。
でも、黄袍魔ではないはずなのだ。
一昨夜、しばらく留守にすると言っていた。
それでも、黄袍魔なのではないかと、身体が期待で反応する。
「姫様、ご機嫌いかがですか? 半月ぶりですね」
しかし、開け放たれた部屋の戸口から顔を覗かせたその女の声に、百花は、かっと頭に血がのぼった。
次の瞬間、椅子から立ちあがり、そばにあった花瓶を投げていた。
しかし、花瓶は、女のすぐ横の壁に当たって粉々に砕けた。
だが、女は少しも動揺した様子もなく、平然としている。
「は、
「申し訳ありませんね、これも商売でして――。それと百虎というのは、あなたを騙すための仮の名です。本当の通り名は
女は身体を折って深々と頭をさげた。
わざとらしいその仕草に、百花は堪えようのない怒りが沸き起こる。
ここが、
椀子山といえば、百花の父親である
望んでも、王家の救出など簡単にはあり得ない。
考えてみれば、王都で捕えられて椀子山までやって来るのに、ひと晩しかかかっていない。
しかし、なぜ、一夜にして、王都から椀子山まで移動できたのかはわからない。
本来であれば、かなりの日数が必要となる距離であるはずなのだ。
しかし、ここが、話に聞いていた妖魔の巣であることは間違いない。人間ではない家来の妖魔たちが大勢この城に巣食っているし、なによりも、百花にもはっきりと認識できる妖気が漂っている。
王宮でも見ることのない得体の知れない強力な霊具もたくさんある。
百花が、鍵どころか扉のないこの部屋に監禁されているのもその霊具のせいだ。
百花の左の腕には、革の腕輪が装着されている。
この妖魔城の主人である黄袍魔に最初の夜につけられたもので、百花をこの部屋に縛りつけている。
開け放たれた出口から出ようとしても、見えない力で押し戻されるのだ。
しかも、どうしても自分の力では外すことができない。
そして、いまも百花を苛んでいる股間と肛門を塞いでいる霊具の淫具……。
それは、どうしようもなく淫らな心地に百花を突き落とす。
用便こそ許してもらっているが、いずれにせよ、黄袍魔がいなくても、雌妖たちに見られながら、小便や大便をしなければならないというのは変わりがない。
そして、それが終われば、彼女たちにまた栓をされるのだ。
再挿入されるときに、思わず淫らな声をあげてしまうことの屈辱……。
百花がいる場所は、黄袍魔の寝室の隣であり、ここに捕らわれてからすっと、百花は夜のたびに黄袍魔に身体を抱かれていた。
抵抗するが、四本の腕で押さえつけられ、愛撫されて欲情させられる。
百花が気を失うまで、何度も何度もこの身体に精を注ぎ込まれる。
最後には、肢を天井に吊られて、百花が受け入れたものが外に漏れないようにされてしばらく放置される。
いまは、数日不在して、黄袍魔から抱かれることは免れているが、夜を迎えるたびに続けられるその淫獄が発生することがわかっているこの部屋から百花は逃げられない。
そして、抱かれないことが、さらに百花を追い詰めるとは、黄袍魔がいなくなってから、初めて気がついた。
とにかく、もう半月だ。すでに涙も枯れた。
いずれにせよ、百花をこんな惨めな境遇に追い込んだのは、目の前の百虎、いや白骨夫人なのだ。
百花は、白骨夫人を憎悪を込めて睨みつけた。
そう――あれは、たった半月前の夜のことだった。
百花は、「月見の祭り」を愉しむために侍女数名とともに、王都の大通りを歩いていたところだった。
月見の祭りとは、一年に一度、王都の住民がこぞって唄い踊る華やかな庶民の祭りだ。
百花は、その祭りに王女であるという身分を隠して参加していた。つまりは、お忍びだ。
ちょっとした冒険のつもりだった。
そのとき、百花は、この百虎と名乗った白骨に声をかけられたのだ。
この女は、数名の店子とともに、祭りに並ぶ屋台のひとつで肉串と果実汁を売っていた。
優しげな微笑で近寄ってきた彼女に、つい心を許してしまい、百花は彼女が「おごりよ」と言って差し出した肉串を食べた。
その直後だった。
すると急に眠くなり、気がつくと、鎖で縛られて馬車に乗せられていた。
何度か、乗り物を乗り換え、そして、『移動術』で転送され、そして、また、眠らされて、いつの間にか、この城の中に捕えられたというわけだ。
そして、この部屋で、黄袍魔という妖魔の王と会った。
「黙れ、なら、白骨――。こんなことをしてただで済むと思っているのですか――。わらわが、この
「さて、どう大変なことになるのか、教えてもらいたいものですね、姫様。あたしにとっては、あなたが、王家に戻った時の方が大変になるような気がしますけどね」
「戻ったとき?」
百花は白骨夫人の物言いを訝しんだ。
なにが大変だというのだろう?
「だって、あなたは事もあろうに、妖魔王にその身体を汚されたのですよ。あなた方の王国が獣として、蔑んでいるものに。そのように汚れたあなたを国王陛下は、以前と同じように慈しむでしょうか?」
白骨夫人が嘲笑の声を放った。
またもや、かっとなったが、一方で百花は、白骨夫人の言葉に、急に心配にもなった。
確かに、妖魔に汚された百花を父親である国王は、許すであろうか……。
「そ、それは……。い、いや、それもお前が――」
「いずれにせよ、王室をこっそりと抜け出して月見の祭りに行こうとしているのは知っていました。だから、あのような場所で、待ち受けていたのです。あなたが王女と知って浚ったのですよ。だから、あたしが、姫様を都に戻すなどありえないというわけです」
白骨が立っている場所は、腕に嵌められている霊具により拘束されている部屋のぎりぎり外だ。
だから、百花は、白骨に飛びかかって怒りをぶつけることはできない。
もっとも、非力な百花では、白骨に叶うわけもない。
「くっ。な、なぜ、そんなことをしたのです。なにが目的ですか?」
「だから、言ったじゃないですか? 商売ですよ、商売」
「商売?」
百花は、眉をひそめた。
「そうです。もちろんわたしの仕事は、屋台の物売りなんかじゃありません、あたしは、奴隷商人――。妖魔を家畜として売る妖魔商人というのが本来の仕事です。ですが、それも偽の肩書きでして、本当は、若い女専門の闇奴隷商人というのが、あたしの商売なのですよ」
白骨は微笑んだ。
いかにも人懐っこそうな笑顔だ。
その朗らかな表情が、なんとなく警戒心を解かせてしまう。だから、ついつい、百花も油断したのだ。
「に、人間を奴隷にするなど――。わらわの父上の治めるこの国では認めておらん。遠き蛮国ではいざ知らす。ま、ましてや、わらわは……」
人間を奴隷にして、動物や道具のように扱うなど、百花には信じられない野蛮な制度に思える。
だが、それが無法ではない場所もあることは知っている。
例えば、あの東帝国だ。
その帝都では、一部の下層階級を貴族たちが奴隷にするのを許されるのだという。
ただ、この宝象国では、奴隷を売るのも買うのも大罪だ。
奴隷商人などは、死刑に値する罪なのだ。
「そうでしょうか? 結構、商売になりますのよ。美しい娘を愛玩用の女奴隷にしたいという殿方は大勢いるのですから」
「愛玩用?」
「抱くための女ですよ。調教して、性技を仕込みます。淫欲の処理の道具として使ったり、あるいは、商売としての淫業をさせるのですよ」
「な、なんということを――。お前は、そんなことをしている女なのですか。同じ女がそんな風に扱われるのにどうして耐えられるのです」
百花は叫んだ。
「だから、商売ですよ。わたしにとっては、若い女を浚って、それを欲しがる殿方に売り飛ばすことは、漁師が魚を獲って市で売るのと同じです。姫様をかどわかしたのも、そういう注文に応じたものでしてね――。ここの主の黄袍魔殿の依頼というわけです。随分と高額の礼金ももらいました。あなたを浚って売り飛ばすことでね」
「許せない――。人をそんな風に商品として扱うなど……」
百花は白骨を睨んだ。
「そうでしょうか? じゃあ、妖魔はどうなのです。あたしは、時折王都で開かれる妖魔市には、首輪で能力を封じた妖魔を売りますよ。連中も、言葉も喋りますし、個体によっては、人よりも知性のあるものもおります。それとなんの違いがあるのです?」
「しかし、妖魔は……」
百花は、言い返そうとした。
だが、言葉が出てこない。
確かに、王家は妖魔の売り買いを認めている。
だが、それは妖魔だからであり……。
「妖魔は売り買いしても、人は売り買いはしては駄目だというのですか、姫様? 黄袍魔様が聞けば、それこそ、激怒しそうな論理ですね」
百花も、それには黙るしかなかった。
白骨夫人は、さらに言葉を続ける。
「ところで、さっきあなたについている見張り役の雌妖たちに会いました。黄袍魔様は、あなたに面白い提案をしたそうじゃありませんか。最初の夜、あの黄袍魔様は、姫様を、一、二度抱いたら、家来の妖魔の性処理の道具として捨てるようなことを言っていましたが、なぜか、妻にすることにしたそうですね」
「汚らわしい、わらわは、妖魔の妻になど――」
「ならば、ここの妖魔たちの性処理用として扱われるのがいいと? これは、これは、随分と淫乱なお姫様ですね。あの黄袍魔様ひとりでは満足できないのですか?」
「もう、黙りなさい――」
百花は頭にかっと血がのぼった。
「じゃあ、あの黄袍魔様の嫁になる決心はつきましたの、百花姫様?」
「冗談じゃありませぬ」
「その割には、夜の営みでは随分とお愉しみのようではありませんか。はしたなくも何度も黄袍魔様の腕の中で昇天し続けておられたと聞きましたが?」
「な、なにを」
百花は絶句した。
百花は羞恥で全身の血が沸騰した。
「もう、いまさら、王宮になど帰れはしませんでしょうに……。結婚など承諾しておしまいなさい……。どうせ、この城から逃げることなど不可能です……。それに当ててごらんにいれましょう。この白骨にはわかるのですよ。姫様は、いま、欲情しておられますね」
「な、なにをいうか、無礼な」
百花は怒鳴ったが、身体が淫らに疼いているのは事実なので、言い当てられて、かなり動揺してしまっていた。
そんなにわかりやすいのか?
羞恥のために、かっと顔に血がのぼるのがわかった。
「ふふふ……。毎夜、黄袍魔様に抱かれ続けて、途方もない愉悦を味わわされ続けたのに関わらず、昨夜も今夜も、黄袍魔様がいないために抱かれていない……。それで、身体が疼いておいででしょう? この奴隷商人の白骨からすれば、いまの姫様の状態は一目瞭然です」
「い、言わないで――。も、もう黙れ――」
百花は思わず叫んだ。
だが、白骨夫人の指摘は本当だ。
黄袍魔は憎い……。
だが、この身体の疼きを癒してくれる黄袍魔が戻ってくるのを待っている自分もいる。
それを人に知られてしまっているということに愕然する。
「だから、今更、『婚姻の誓い』を拒否してどうするというのですか? 断言しますが、妖魔に汚されたあなたが戻る場所は王宮にはありません。それに、あんな快楽を与えてくださる殿方などおりませんよ。わたしに売られた女は、大抵は男の慰み者として惨めな生活をするのですよ。それに比べれば、妻にしたいなどという黄袍魔様は、大変お優しいのに……」
「う、うるさい」
百花は、もう聞きたくなかった。
「それに、姫様と一緒に捕えられた侍女たちは、異国に連れて行かれたのですよ。奴隷売買を認めている国に向かう別の闇商人に、女奴隷として売り飛ばしました」
はっとした。
侍女たちについては、てっきり無事だと思い込んでいた。
まさか、売り飛ばしていたなど……。
「おお――。あ、あの
胡蝶と芙蓉というのは、百花と一緒にいた侍女の名だ。
「だって、侍女たちも、この王国にはいられませんでしょう。あの侍女たちは、百花姫様が王宮から抜け出して、庶民の祭りを見物に行く手助けをし、奴隷商人に誘拐されるのを防ぎきれず、姫様が、遠い魔域で妖魔の嫁に成り果てる原因を作ったのです。王宮に戻っても、重い処罰が待っているだけです」
「ああ、なんてこと」
百花は、顔に手を当てて涙をこぼした。宮廷を抜け出すとき、あの侍女たちは百花を諌めた。
それを強引に出てきたのは百花だ。
侍女たちは、仕方なくついてきたのだ。
百花が我が儘を言わなければ、彼女たちは……。
「あ、あなたを呪います――。一生涯――。たとえ、あなたがこれから千回生まれ変わろうとも」
百花は、白骨夫人に怒鳴った。
「ほ、ほ、ほ……。お気の強いお姫様ですね。実は、この白骨は、今日、黄袍魔様に雌妖を分けてもらうためにきたのです。黄袍魔様には、この国では、妖魔狩りをしないと約束させられたのでね。雌妖を妖魔市に出すためには、この妖魔城の地下に囚われている雌妖を貰い受けるしかなくなったのです。そうしたら、黄袍魔様が、あなたを妻にしようとしているという面白い話を聞きましたので、様子を見に来たのです。ねえ、本当に黄袍魔様はあなたに求婚を?」
「お前には関係ない。そ、それに、あれは求婚というものじゃない。わらわを辱しめるために……」
「へえ、やっぱり事実なのですね? いいでしょう。それなら、そのお手伝いをすることにしましょう。姫様が黄袍魔様の妻にはなりたくないという、その高い自尊心を折ってみせます。黄袍魔様の戻るのは、三日後の夕方ですね。そのときに、姫様には、どうか、黄袍魔様の嫁にしてくださいと言ってもらいましょう」
「うるさい。わらわがそんなことを言うわけない」
「いいえ、言います。そして、黄袍魔様は、お悦びになり、あたしらの雌妖狩りについても、もう少し妥協していただけるかもしれないし……」
「もう、黙りなさい、白骨――。たとえ、身体はどんなに凌辱されても、心は折りません。わらわが、黄袍魔の嫁になることを承諾することなどあり得ません」
「姫様は、お若いし、王宮でかしずかれて過ごしてこられた。だから、おわかりにならないのでしょうね。世の中には、どうしても屈服してしまうということなどいくらでもあるのですよ」
「わらわは、屈服などしません」
「試してみますか?」
白骨がにやりと笑った。
そして、指を鳴らした。
すると、部屋の中に薄い霧のようなものが出現した。
それが、部屋の中にたちこめる。
百花は、びくりとした。
「この香は、あたしの道術で精製したものです。浚った娘を調教するためによく使うものです。これを吸うと、どんな貞節な娘でも狂ったように発情します。それを三日間ずっと吸い続けて貰います――。三日後に、黄袍魔様が戻った時、百花様を抱いてもらう代償は、百花様が黄袍魔様との婚姻に承諾することと、黄袍魔様が言えば、姫様はすぐに承諾すると思いますけどね」
「ひ、卑怯な――」
百花は震えた。
この香の恐ろしさは、もう、すでにわかりかけてきた。
まだ、ほんの少ししか吸っていないはずなのに、百花の股間は、もう、淫情で濡れ始めている。
「ええ、卑怯な闇奴隷商人の白骨夫人です。道術遣いでもあります。道術の遣える奴隷商人ということで、この世界では、かなり名も通っております……。では、わたしはもう行きます。この香は、いつまでもこの部屋に充満させますから、存分にお吸いください。それと、どんなに発情しても、自慰などなさいませんように。それから、これからの三日間は、城中のすべての鏡に、姫様の姿を投影させます。常に、妖魔たちに見られていますからね。それをお忘れなく」
この部屋には、たくさんの鏡がある。それを使って、この部屋の風景を城中に流すというのだ。
百花は、心の中で悲鳴をあげた。
「こ、この、人でなし――」
「嬉しいですね。この白骨に対して、人でなしというのは、最高の褒め言葉ですよ」
「くうっ……」
身体が焼けるように熱くなる。
思わず、股間に手をやりそうになり、はっとして、握りこぶしを膝の上に置く。
「どうしました、姫様? もう発情しておいでですか?」
百花が笑った。
「……お、お前は、白骨、お前は、わらわに恨みでもあるのですか?」
百花は叫んだ。
「恨み? とんでもありません。姫様には、感謝しております。侍女のことといい、黄袍魔様からの礼金のことといい、随分と儲けさせていただきましたから――。まあ、恨みといえば、黄袍魔様が王家に抱いている恨みにかなうものはないでしょうが……」
「お、黄袍魔が、王家に恨み? それはどういうことですか、白骨?」
「おやおや、なにも聞かされていないのですね、百花姫様。先々代の王の時代のことですよ。黄袍魔様の母親だった雌妖は、その先々代の国王に殺されたのです。惨たらしくね。まだ胎児だった黄袍魔様をお腹に宿していたその雌妖は、ただの遊びのために、身体中を斬り刻まれながら死んだのですよ」
「ま、まさか、そんなことがあるわけが……」
先々代の王といえば、百花の祖父にあたる人物だ。
百花が幼い頃に崩御したので、あまり覚えていないが、若くして王位についた偉大な王だったと聞かされていた。
「黄袍魔様こそ、王家には恨みを持っているでしょう。そして、いまだに、妖魔を家畜のように売り買いを続けるあたしたち人間にもね――。でも、黄袍魔様は、その恨みの対象である百花姫様を妻にしようという……。あたしには、よくその理由がわかりませんが、そうしたいと黄袍魔様が言うのであれば、その手助けをしたいと思います」
「そ、そうだとしても、わらわがこんな仕打ちを受ける理由などないではありませんか?」
百花は言った。
股間が熱い。
身体中が欲情しはじめた。
こんな香の中で無事に三日間も過ごせるわけがない。
「そうですね。理由はないかもしれせんね。でも、王家の誰かは黄袍魔様の復讐を受けるべきでしょう。その復讐が王家の姫との婚姻でいいというなら、優しき慈悲じゃないですか……。とにかく、話は終わりにしましょう。おやすみなさい、姫様――。よく、お眠りください。もしも、寝られればですが……」
白骨夫人はそう言いながら、去っていった。
百花は、もう、激しい欲情の疼きに絶望的な思いを抱き始めていた。