まだ、夜が明けたばかりであるのはわかっているが、長年の習慣が地湧子に日の出まで寝たままでいることを許さないのだ。
地湧子は朝食の支度を
砦にあるこの部屋には、簡単な厨房が居間とひと繋がりになっていて、食事を作らせながら居間の絨毯の上で座ってそれを眺めることができる。
それで、この部屋が気に入ってずっと使っていた。
朝食を作らせている愛麗は裸だ。
ただ、油や湯が飛んだりするかもしれないので、胸から腿までを覆う前掛けだけは許していた。
だが、後ろ姿は背中も尻も丸出しになっている。
自分自身が十歳の童女の身体をしているが、本物の十二歳の白い尻というのもいいものだ。
昨日の丸一日、愛麗に家事をやらせてみてわかったのは、思いのほか愛麗はなんでも家事がこなせるということだ。
むしろ、なにもできないのは、十八歳の女騎士の
貴族の娘である愛麗が家事をこなすのに、その家来の白女真がなにもできないというのはおかしな感じだ。
もっとも、騎士というのも、一応は貴族の端くれなので、白女真もまた貧婆国に戻れば、侍女などを使って家事をやらせるような身分なのだろう。
むしろ、地方領主の娘である愛麗がなんでもできるのが不思議なのだ。
どうやら、貴族の娘といえども、家事はできなければならないというのは、愛麗の母親の教育方針のようだ。
朝食の支度にあたっては、愛麗には服を着させていない。
食事の支度に限らず、昨日一日の家事はすべて全裸でやらせた。
この砦は完全に地湧子が乗っ取っているし、
それに、一昨日の夜に、宝玄仙の供を誰でもいいからさらってくるまで戻ってくるなと言って、全員をこの砦から出立させた。
だから、この砦に、いまいるのは地湧子と白女真と愛麗の三人だけなのだ。
裸ですごさせても、襲う者など誰もいないから自由なものだ。
昨日、地湧子は、この三人しかない砦で、思う存分に白女真と愛麗のふたりを使って暇を潰した。
ひとりは性を知らない無垢な十二歳の童女──。
もうひとりは性経験は辛うじてあるものの、快楽を極めた性の奥義などまったく無関係の人生を送ってきたまだ十八の女騎士──。
このふたりを調教して、どっぷりと地湧子の性の虜にするのに、それほどの苦労はなかった。
たった一日だが、普通の女が一生かかって体験するくらいの回数の絶頂も与えてやった。
すでにふたりともの十歳の童女の姿の地湧子の与える性の奴隷だ。
『縛心術』を解いたとしても、これだけの快楽浸けにされてしまっては、おそらく地湧子から離れることはできないだろう。
「あっ……」
包丁を取ろうとした愛麗が身体をよじる。
そして、朝食の支度をしている手をとめて、棒立ちになった。
実は、愛麗の前掛け隠れた股間の肉芽の部分に、『振動片』という淫具の霊具を装着させている。
これは一寸(約三センチ)四方の小さな布切れであり、それを肌に当てると、その身体の部分を包み込むように密着し、道術で振動をさせることができるのだ。
それで愛麗の肉芽を包み込み、好きなときに振動させては弄んでいるというわけだ。
「ただ食事を作るだけじゃ寂しいだろうからね……。これで我慢しておくれ、愛麗……」
「そ、そんなあ……」
愛麗が恥ずかしそうに身体をくねらせた。
地湧子は振動をとめてやった。
背後からでも、十二歳の愛麗の股間が、たびたび繰り返される『振動片』の刺激でぐっしょりと濡れているのはよくわかる。
地湧子はほくそ笑んだ。
「さて、ところでこっちの騎士さんはどうかしらねえ? そろそろ休憩は終わりだよ……。姿勢をとりなさい。わたしの護衛ともあろうものがいくらなんでも、快感に弱すぎるのよ。今度こそ声を我慢するのよ」
「ああ、もう、許してください……」
白女真はそう言いながらも、抵抗しようとはしない。
縄化粧された裸身を地湧子の前で跪かせて、両手を頭の後ろに置いた。
それが白女真が地湧子に強要されている格好なのだ。
白女真には、素裸に縄をひし形模様の縄掛けをされた裸身を晒させ、地湧子が筆で白女真の身体を好きなようにくすぐるのを声を出さないように我慢する練習をさせている。
それが地湧子が白女真に与えた命令だ。
剣技に優れていることを証明すれば、服を与えると言った地湧子が白女真に与えたのが、いま白女真がやっている縄掛けだ。
服は服でも、縄の服というわけだ。
すなわち、白女真の首には前側で結び目が作られて交差され、胸の谷間でもう一度結んで、左右に開いてふたつの乳房の根元をくびるように縄をかけている。
さらに腹の前にひし形模様を作りながら股間結びに繋げた。
手足は自由だが身体に蜘蛛の巣のような縄がかかっている状態だ。
いわゆるひし形縛りというものだ。
この可愛らしい女騎士には、縄の緊縛がよく似合う。
「腰を振りなさい、白女真……」
地湧子は手で筆を弄びながら言った。
いまの白女真には、地湧子の命令に逆らうという発想はない。
緊張した表情をしながらも、白女真はつらそうな表情で前後左右に腰を動かしだした。
「んんんっ……くうっ……」
歯を喰いしばった白女真の口から声が漏れ出た。
白女真の身体は普通の状態の数倍の感度になっていて、その身体の股間には、大きな三個の縄瘤を作った股縄がしっかりと喰い込んでいる。
道術で敏感にされた股間に食い込んだ縄瘤が激しい淫らな刺激を与えるのだ。
声など我慢できるわけがない。
「ひぎいっ」
白女真がびくりと身体を仰け反らせた。
声をあげると、電撃が縄瘤から走る仕掛けにしているのだ。
強度は小さくても、直接に股間浴びる電撃は強烈だろう。
白女真は半泣きになっている。
「さあ、いくわよ。今度は大きな声をあげて気を失うんじゃないわよ。今度気を失ったら、うんとつらい罰を与えるわよ」
縄瘤が与える電撃の刺激は、白女真の声に応じて強くなる仕掛けになっている。
だから、あまりにも大きな声を出してしまうと、強い電撃を浴びすぎてしまい、失神することもあるということだ。
それでさっきは、あえなく気を失ってしまったのだ。
地湧子は、筆を縄掛けをしている乳首の上にそろそろと這わせた。
「んっ」
びくりと白女真の身体が跳ねた。
白女真の口はしっかりとつぶられているが、少しは声を洩らしたので電撃もきたかもしれない。
だが、これくらいなら白女真は耐えられるだろう。
しかし、さらに感度をあげたらどうだろうか……。
地湧子は白女真の乳首の感度をさらにあげた。
もちろん、白女真には身体の感度をいじくられているとは知らない。
感じてしまうのは、自分の身体が昨日一日の調教によって、敏感になってしまったからに違いないと思っているはずだ。
とにかく、いまの白女真には、風が吹いても感じてしまうくらいの感度だ。
地湧子はさっきと同じように、筆を白女真の突き出た乳首に這わせた。
「んぐううっ──はああああっ──はぎゃあああ──」
喰いしばった口から嬌声が迸り、次に電撃の痛みに絶叫して体勢を崩して引っくり返った。
「忙しいことだね」
地湧子は笑った。
「しょ、食事の支度ができました」
愛麗が声をかけてきた。
白女真に対する拷問めいた嗜虐を目の当たりにして、怯えた様子だ。
「じゃあ、朝食前の調教は終わりだよ、白女真……。みんなで食事にしよう。白女真も運ぶのを手伝いなさい」
白女真がほっとした顔をして立ちあがった。
「は、はい……、うっ、くっ」
立ちあがるとき、縄瘤が股間を抉ったのか、顔を思い切りしかめた。
だが、白女真は、必死で口をつぐんで声が漏れ出るのを耐えたようだ。
その健気な態度が、地湧子の嗜虐心をぞくぞくと刺激する。
「その調子だよ、白女真……。普通に喋る分には問題はないけど、お前の縄瘤は、お前の嬌声には過敏に反応するからね。うっかりといやらしい声を出さないように気をつけるのよ。頑張ったら、あとでしっかりとご褒美をあげるわ」
すると、白女真が顔を赤らめた。
すぐに料理が並べられた。
大皿に野菜と干し肉を煮込んだ汁と米を煮こんだ雑炊が卓に置かれる。
大皿にしたのは地湧子の注文だ。
料理の材料は、砦にふんだんに保管してあった。
飲み物も置かれる。
全部が終わると、地湧子はふたりを自分の右隣に来させた。
そして、ふたりの両手に後ろ手に手枷を嵌めてしまう。
「雑炊からいこうかしら」
地湧子は匙で雑炊をたっぷりとすくってから自分の口の中に入れた。
そして、二、三回咀嚼してから、白女真の顎を掴んで寄せる。
両手の利かない白女真は当惑の表情を示したが、地湧子の指でこじ開けられるような仕草を示されると、素直に口を開いた。
地湧子は口の中の咀嚼物を白女真の口の中に流し込む。
人の食べたものを口にして、それを食べるというのは気味の悪い経験だと思うが、地湧子に対する恋愛感情を抱かさせられているので、白女真は恥ずかしそうな表情をして顔を赤らめただけだ。
「次は愛麗よ……」
地湧子は今度は愛麗をそばに寄せて、再び雑炊を口に含み、しばらく咀嚼してから愛麗にも口を開かせて食べさせた。
「次はお前たちふたりが食べたものをわたしに食べさせるのよ」
地湧子は言った。
最初に白女真の口の中に雑炊を含ませる。白女真が数回口の中で噛んだのを見て、唇を重ねた。
白女真の唾液を帯びた雑炊が口の中に入ってくる。
「は、恥ずかしいです、地湧子様……」
食べ物を地湧子の口に送り終わった白女真が顔を真っ赤にした。
口に入れて租借したものを他人に味あわせるというのは、恥ずかしい行為なのだろうか。地湧子は思わず頬を綻ばせた。
次に同じように愛麗にさせる。
「わ、わらわも恥ずかしいです……」
愛麗も顔を赤らめた。
「今度は、白女真と愛麗が食べ物を口で交換し合うのだ」
白女真も愛麗も抵抗はしなかった。
地湧子が与えた雑炊を白女真から愛麗に、そして、愛麗から白女真に移し合う。
「今度は三人で送り合おうね。最初はわたし、次は白女真、最後は愛麗よ。一回ずつ順番を入れ替えるわよ」
地湧子は自分の口に雑炊を口に入れてから、白女真の口に移した。
これを食事が終わるまで、たっぷりと時間をかけて繰り返した。やらせている地湧子も、白女真と愛麗との距離がこの行為を通じて、ぐっと縮まった気がした。
*
「きゃあ」
「ひっ」
部屋に入ってきた黒松林に対して、
「戻ってきたということは、役目は果たしたんでしょうね、黒松林?」
黒松林が卑猥な視線を裸体に縄掛けをしている白女真に注いでいることに気ががついたが、地湧子はそれに気がつかないふりをしてやった。
「沙那という女を捕らえました。表に連れて来ています。眠っています……。どうしたらいいですか?」
黒松林が誇らしげに言った。
「眠っている?」
「はい……。なぜかずっと眼を覚まさないんです」
「眼を覚まさない? とにかく、表にいるのなら連れてきなさい」
地湧子は言った。
「おい──」
黒松林が部屋の外に声をかけた。
部下たちがさらに入ってきた。
白女真と愛麗のふたりがさらに身体を小さくしたのがわかった。
盗賊の部下たちは、四人がかりで網に包まれたひとりの女を運んできた。
確かに、網の中で手足を縛られていて眠っているようだ。
「これが沙那ね……」
会うのは初めてだったが、人相書きで顔は知っている。
剣の達人で東方帝国の帝都に近い
もともとは、城郭軍で女ながらも千人隊長を任じていたほどの女傑だが、巡礼の旅を始めたばかりの宝玄仙が、可哀そうな仕打ちで供にしたというのも調べてわかっている。
「ほう……」
どうやら『縛心術』にかけられているようだ。
起こすのは簡単であり、気付け薬のようなものを嗅がせるだけで眼を覚ますだろう。
しかし、地湧子は首を傾げた。
沙那にはまるで霊気を感じない。
つまりは、ただの人間だ。
東方帝国でやった事前調査でも、沙那が道術遣いでもなんでもなく、ただの人間というのは明らかではある。
だから、不思議に思ったのだ。
一体全体、霊気のない沙那にどうやって『縛心術』をかけたのだろう……。
宝玄仙の供のうち、素性がわかっているのは沙那だけだ。
残りの供については、名が孫空女と朱姫であるということを
宝玄仙がどこで、そのふたりと供にしたのかもわかっていない。
「とにかく、よくやったわ……」
しかし、沙那が霊気を帯びない人間であるということは、少なくとも地湧子には、『縛心術』は効かない。
霊気を帯びたものであれば、『縛心術』をかけてしまって、手っ取り早く記憶改竄をしてしまえばいいが、この沙那の場合はそうはいかないだろう。
「じゃあ、これから説明する手筈通りにしなさい」
地湧子は命令を与えるために口を開いた。