朱姫は裸で床に跪いている
首輪には長めの鎖が繋がっている。
その鎖の先は寝台の縁に腰かけている朱姫が握っていた。
「素蛾、首輪をしなさい。今夜は犬になる調教よ」
「は、はい、朱姫お姉さま。素蛾の調教をよろしくお願いします」
素蛾が嬉しそうに頭を床につけた。
この
その王女の調教を担任することになった朱姫の毎日は、本当に充実していた。
可愛らしい十二歳のこの童女は、愛くるしくて、淫らで、そして素直だ。
どうやって生きてきたら、こんなに疑うことを知らない善良な性質になるのだろうかと疑問に思うほどにいい子であり、しかも、朱姫たちから面倒を看てもらう限り、自分は朱姫たちの性奴隷にならなければならないと勘違いしている気配もある。
とにかく、性奴隷志願者である素蛾をしばらく預けられることになった朱姫は、毎晩のように趣向を変えた嗜虐でいたぶって遊んでいた。
一昨夜など、「女淫玉」という強烈な淫具をひと晩中、挿入して放置するという責め苦を与えたが、素蛾は必死になってそれに耐え続け、結局のところ、朝になるまで一度も弱音を吐かなかった。
根性があるのだ。
しかし、それによって、素蛾が使い物にならなくなり、旅の出立が遅れて、沙那に雷を落とされたが……。
いずれにしても、朱姫は宝玄仙に命じられた素蛾の調教係だ。
今夜も宿町で宿を取ると、朱姫は素蛾と二人部屋を与えられている。
夕食をみんなで終わって、それぞれの部屋に分かれると、後は朱姫の時間だ。
また、隣の部屋では宝玄仙の相手を沙那と孫空女がしているはずだ。今日の朱姫の趣向は、宝玄仙に伝えているので、実はあとで合流することになっているが、それについては、まだ、沙那も孫空女も教えられていない。
まあ、それはいい。
いまは、素蛾のことだ。
「立ちなさい」
朱姫は素蛾の首輪をぐいと乱暴に引っ張った。
「ぐっ……。は、はい……」
素蛾が苦しそうな声を漏らしたあと、慌てたような仕草で立ちあがる。
朱姫は眼の前にやってきた素蛾の首輪に垂れた鎖を身体に沿って這わせた。
鎖はまだ幼い膨らみでしかない胸の中心を割り、臍の前を通って、まだ無毛の股間に到達する。
素蛾がかすかに声を洩らせた。
声を洩らしたのは、ひんやりとした鎖が、快楽への期待に火照った身体に触れた刺激からだけではないだろう。
鎖という拘束具が剥き出しの肌に触れたことで、この童女は早くも被虐の快感に酔いを示し始めたのだ。
素蛾は、まだ性には未熟だが、実はこの素蛾はとても身体が敏感だ。
快感にも弱く、身体の開発もそれほどでもないのにすごく感じやすい。
それに、根っからの被虐癖だ。
この童女が責められて感じる性癖であることは間違いない。
本人がどれだけの自覚があるかわからないが、おそらく苦痛にも強いだろう。
嗜虐癖の素蛾は、耐えられそうにない苦痛も、それを快楽に変えることができると思う。
そして、この王女は羞恥とか慎みの概念が通常の「常識」とはまったく違う。
だから、性的なものに対する羞恥心や嫌悪感が皆無だ。
考えてみれば、本来、快楽というのは愉しいものだ。
従って、性的な行為に対する拒否感のない素蛾は、それを愉しくて素晴らしいものだと純粋に感じているようだ。
しかも、素蛾は嗜虐癖だ。
そんな素蛾が直接的に性の快楽を求めれば、“性奴隷”になりたいということになるのだろう。
朱姫は素蛾の童女の股の亀裂に鎖をわずかに食い込ませた。
「あんっ」
素蛾が小さな溜息をついた。
朱姫は素蛾の身体を反対に向かせた。
鎖を双臀を割らせ背中に添わせ、首輪の後ろにある輪っかに鎖を通す。
首輪には鋲のような飾りがたくさんあるが、それを持ちあげるようにすると、首輪の外周のどこでも小さな輪っかを出すようにすることができる。
朱姫は素蛾の首輪の真後ろに輪っかを作って鎖を通した。
そして、思い切り、素蛾の首輪の前側から、股間を通って首輪の後ろ側を通っている鎖を引き絞った。
「あぐっ──」
素蛾が自分の柔らかな股間に硬い鎖が食い込んだ痛さに、爪先立ちになって小さな悲鳴をあげた。
「四つん這いになるのよ、子犬……。ふふ……今夜は犬になる調教だと言ったでしょう。最初の鎖の調教が終わったら、尻尾を付けてあげるわね。ほらこれよ」
朱姫は四つん這いになった素蛾の首をこちらに向けさせて、寝台の縁に腰かけている自分の横に置いてあった調教用の尻尾の霊具を素蛾に見せた。
犬の尾に模した房毛であり、その根元に尻穴に挿入する張形が繋がっている。
張形の部分はうずらの卵大の球体が十個ほど繋がっていて、張形部分の長さは一尺(約三十センチ)ある。
その張形部分の長さに、素蛾は眼を見開いてびっくりしたようだ。
「まだ、これ全部を飲み込むのはお前には無理ね。今日は玉ふたつよ。でも、今夜中に五個まで飲み込んでもらうからね。それまでは寝れないと思いなさい」
朱姫は言った。
「は、はい──。頑張ります、朱姫姉さん」
素蛾は沸き起こった淫情に顔を上気させながら、元気に返事をした。
「そうよ……。頑張るのよ。沙那姉さんや孫姉さんなんか、これ全部を平気で飲み込むのよ。早く、そんな風になろうね、素蛾」
「はい。朱姫姉さん、お願いします──。でも、朱姫姉さんもそれを全部入れることができますか?」
素蛾が何気なく言った。
「あ、あたし?」
朱姫はその質問に当惑してしまった。
朱姫はお尻が弱い。
最近こそ、こんな尻穴用の張形でまともに責めらていない気もするが、こんなに長い張形で尻を責められたら、たちまちに繰り返し昇天してしまうだろう。
まともに、意識を保つ自信はない。
「ま、まあ、飲み込むだけならできるけど……」
朱姫は誤魔化した。
朱姫の場合は飲み込んだあとだ。暴走するような快感を制御できなくなり、わけがわからなくなるだろう。
「す、すごいです──。わ、わたくしも、早く、朱姫姉さんや沙那様や孫空女様のような素敵な性奴隷になりたいです」
「あっ、そう……。まあ、頑張ろうね」
朱姫はとりあえず微笑んだ。
「とにかく、この尾は後よ……。最初は鎖の調教からね。椅子の上に乗馬鞭があるでしょう? 取っておいで。もちろん、四つん這いでね。お前は今夜は子犬なのよ」
朱姫は持っている鎖の長さを道術で延長した。
これで素蛾が部屋全体を歩いても鎖を繋いだままでいられる、十分な長さになった。
素蛾が小さなお尻をこちらに向けて、四つん這いで這っていく。
部屋の窓際に椅子があり、そこに乗馬鞭があるのだ。素蛾はそこに向かっていく。
素蛾が手を伸ばして、椅子から乗馬鞭を取ろうとした。
朱姫は鎖を力いっぱい引っ張って、手元に引き寄せた。
「きゃあっ」
素蛾は首輪を引っ張られて、頭側から仰向けに床にひっくり返った。
床に背中を叩きつけられた素蛾は手足を拡げた無様な姿で倒れて悲鳴をあげた。
そんな哀れな素蛾の姿に、朱姫は、自分の心が嗜虐の悦びにふつふつと燃え立つのがわかった。
可愛い素蛾が惨めにひっくり返ったのを見て、朱姫の股間がじゅんと濡れた気もする。
「い、痛いっ」
仰向けにひっくり返った素蛾が両手で股間を押さえた。
朱姫があまりにも思い切り鎖を引っ張ったので、鎖が幼い股間に食い込んだのだ。
「なにをやっているのよ──。お前は犬だと言ったでしょう──。犬らしくしなさい。手を使うんじゃないわよ──」
朱姫は鎖をぐんと引っ張って、さらに素蛾の股間に鎖の刺激を与えた。
「んんっ」
股間を手で押さえようとした素蛾の手が宙でぴたりと静止した。
そして、すぐに起きあがって、また四つん這いになった。
朱姫は鎖を揺らして、床を叩いて大きな音を鳴らした。
「行け」
「はいっ」
素蛾が返事をした。
朱姫はまた鎖を引っ張って、素蛾を後ろに引き倒した。
「ひぎいっ」
再び、股間に鎖を食い込まされて、床に倒れた素蛾がまた悲鳴をあげた。
「犬はわんでしょう、素蛾──。人間の言葉を喋るんじゃないわよ──」
朱姫は鎖を引っ張って、仰向けの素蛾を足元まで引き摺って戻す。
「わ、わん、わん──」
素蛾が慌てたように、犬の声で叫んで、四つん這いに戻った。
鎖に引き戻される怯えを身体に醸し出しながら、素蛾はよたよたと四つん這いで歩いて、やっと椅子のところまで行った。
今度は手を使わずに、口だけで乗馬鞭の柄を咥えて戻ってくる。
「よくやったわ、素蛾。いい子ね」
朱姫は鞭を受け取ると、素蛾の頭を撫ぜた。
素蛾は嬉しそうにした。
「ご褒美よ。口を開けて舌を出しなさい」
朱姫は言った。
この素蛾を調教し始めて、まだ十日にもならないが、そのあいだ、特に念入りに開発しているのが、素蛾の口中の性感帯の開発だ。
素蛾が舌を出した。
朱姫は一度床に座って、素蛾と同じ高さになると、口から舌をべろりを出している素蛾の舌を舐め始める。
一度、始めたら素蛾は許可なく舌を引っ込めてはならない決まりになっている。
素蛾の顔はあっという間にとろんと溶けたような表情になり、荒い息とともに甘いよがり声を出し始めた。
口を開けたままでいるので、涎がぽたぽたと床に落ちだす。
「犬らしくなってきたわね、素蛾。涎を垂らしながら舌を出している姿なんて、犬そっくりよ」
「あ……」
朱姫の言葉で、素蛾が羞恥で身悶えのような仕草をした。
素裸で外に出したり、人前で糞尿をさせても恥ずかしがらないくせに、だらしなく涎を流す姿をさらすのは、人一倍に恥ずかしがる。
本当に、このお姫様の羞恥の感覚がどうなっているか不明だ。
たっぷりと舌を舐め尽くしてから、やっと舌を引っ込めるのを許した。
だが、まだ口を閉じるのはそのままだ。
素蛾の身体を抱くようにしながら、口の中を刺激しまくってから口を離した。
そのときには、すっかりと素蛾の顔は呆けてしまって、ぼうっとなっていた。
口は開けっ放しで、おびただしい涎が顎と床を汚している。
「ちんちん」
朱姫は不意に叫んだ。
はっとした素蛾が両手を頭の横にして、膝を曲げたまま上半身をあげ、真っ直ぐにこちらに身体を向ける仕草になった。
“ちんちん”の姿勢は先日、少し教えただけだったが、ちゃんと覚えていたようだ。
「あらあら、また許可なく股で欲情したのね。お前は少し感じすぎだから、性奴隷として我慢することを覚えないといけないと言ったでしょう?」
朱姫は左右に開いている素蛾の股間に指を伸ばした。
鎖が食い込んでいる素蛾の股間はたっぷりと愛液で濡れていた。
それがたったいまの口への刺激によるものなのか、それとも、犬として躾けられていることによる被虐の欲情によるものなのかわからない。
おそらく、その両方だろう。
「わ、わん、わん……」
素蛾が悲しそうに吠えた。
素蛾には、お前は快感に耐える能力が不足だから、もう少し、欲情を我慢することを覚えろと言っている。
一方で、素蛾の身体は朱姫の能力を駆使して開発しまくっているので、すでに素蛾の肉体は、些細な刺激で快楽の波で溢れてしまうようになっている。
我慢の能力が不足するなど出鱈目であり、快楽をしないように制御するなど素蛾にできるわけがないのだが、朱姫の言葉を素直に信じ込んで、許可なく愛液で股間を濡らしていることを指摘されると、素蛾はそれに恥じ入るような表情になる。
その素蛾の健気さと可愛さは、朱姫にぞくぞくするような欲情を起こさせる。
「ほら、声をだすのを我慢してごらん、子犬。声を出したら鞭よ」
朱姫は素蛾に“ちんちん”の姿勢を強要したまま、鎖が食い込む股間を指で刺激し始めた。
同時に素蛾の感情に入り込み、素蛾の心のなかから欲情の感情を読み取る。
それを確認しながら、素蛾の股間を刺激してやる。頭の中の感情を確認しながら、それが増幅するように刺激を加えていくのだ。感じさせるのは造作もない。
やっぱり、いまは肉芽への刺激に一番弱いようだ。
食い込んでいる鎖を押し揉むようにして、素蛾の肉芽を動かしてやった。
「んんんっ──」
素蛾が必死になって口を閉ざして、身体を震わせた。
一生懸命に素蛾が我慢しているのが、感情を読み取ることで伝わっている。
しかし、そんなことをすれば、自分で自分を焦らし責めにするようなものであり、さらに快感の増幅が起きることを朱姫は知っている。
逃れることが不可能な快感を必死になって耐えている素蛾は可愛い。
朱姫は少しだけ手加減をして、耐える時間を長引かせてから、ちょっと強めに肉芽を刺激した。
素蛾は、多少痛みを強くしたような、痛覚と快感が混ざったようなあいまいな刺激が一番感じるのだ。
「んふううっ、あはああっ──」
素蛾が甲高い声をあげて、身体をくねらせて姿勢を崩した。
「こらあっ、声──」
「わ、わん」
素蛾はすぐに姿勢を戻したが、朱姫はわざとらしく失望したような表情をした。
素蛾は悲しそうな顔になった。
「言いつけを守れない馬鹿犬ね、お前は──。お尻をお見せ」
朱姫は寝台の横に座り直しながら言った。
そして、四つん這いでお尻をこっちに向けた素蛾の身体を乗馬鞭でぴしりと叩いた。
「ひうっ──、わ、わん──」
素蛾は尻たぶに加わった鞭の痛みに悲鳴をあげ、すぐに犬の言葉に戻した。
朱姫はもう一度叩き、今度は最初から犬の鳴き声になったのを確認して鞭打ちを許した。
今度は寝台に準備していた普通の張形の霊具を持つと、ぽんと床に放った。
「とっておいで」
朱姫は言った。
鎖を股間に食い込ませた素蛾が四つん這いで駆けていく。
もう少しで張形に口が届くというところで、朱姫はわざと鎖を後ろに引っ張ってやった。
「んんっ、わ、わん」
予想をしていなかった素蛾はびっくりして声をあげた。
「お前は犬だからね……。犬ぞりを装着された犬は、そうやって物を引っ張るのよ。これも犬になる調教よ。そら、引っ張りなさい──」
朱姫は笑いながら軽く鎖を引いたままでいた。そして、鞭で素蛾の尻をひっぱたいた。
「前に出ないと、もっと痛くするわよ」
朱姫は笑いながら声をかけた。
素蛾は一生懸命に手足を踏ん張って、歯を食いしばって懸命に股間に鎖を食い込まながら、やっとのこと床の張形を口に咥えた。
そして、戻ってくる。
戻ってたら朱姫は張形を受け取ってから、舌を出させてご褒美の刺激をたくさん与えてから、また張形を放る。
そして、また、ぎりぎりのところで鎖を後ろに引っ張り、尻を叩きながら前に進ませる。
しばらくそれを繰り返しているうちに、素蛾の全身はすっかりと汗みどろになった。息も荒くなり、犬のらしく、はあはあと息を吐いている。
かなり疲労をしていると思うが、それでも許可なく床に這いつくばろうとはしない。
朱姫はかなりの長い時間、それを繰り返させた。
ふと見ると、素蛾の股間からもかなりの滴が鎖を伝って床に落ちているのがわかる。
滴は汗もあるが、かなりの量の淫液が混じってもいる。
股間を刺激されながら四つん這いで這いまわされているうちに、すっかりと素蛾の股間ができあがってしまったのだ。
しかも、素蛾の感情に触れている朱姫には、単純な鎖の刺激だけではなく、尻たぶを鞭で打たれるたびに、素蛾の感情に快楽を示す感情が広がるのが見えていた。
それはだんだんと顕著になっていく。
こうやって、ずっと躾けていくうちに、素蛾は必ず鞭打ちで欲情する変態になるに違いない。
朱姫はそれを改めて確信した。
しかし、痛みを快感に感じるようになるまでに身体を調教するのは、半月やそこらでは無理だ。
素蛾を調教できる期間は限られているのだ。
だが、いまはそれは考えないようにした。
朱姫は素蛾から鎖を外すと、今度は両手を頭の後ろにさせて立ちあがらせて、がに股に脚を開かせた。
「絶対に動かないのよ」
朱姫は言った。
動くなと命じれば、素蛾は動かない。
朱姫の言葉は、素蛾にとっては絶対の拘束具だ。
開いている素蛾の尻に、準備していた浣腸具を取り出して、かなりの量の浣腸液を尻の中に注ぎ込んだ。
「いいというまで、漏らししちゃだめよ」
素蛾の小さな身体では量が多すぎる量の浣腸液を注がれ、下腹部が妊婦のように膨れている素蛾は、それだけで苦しそうに白眼を剥きかけていた。
浣腸は次の責めの準備をするためであり、辱しめることは目的ではない。
ただ、浣腸とは苦しいものだという記憶を素蛾の頭に植えつけないと今後の調教に支障がある。
朱姫は腹の痛みと強烈な排泄感に苦悶する素蛾になかなか排泄を許さずに、脇や横腹をくすぐったり、股間をいじったりして苦しめた。
やっと排泄を許すときも、そのままのがに股姿勢でさせた。
排泄には快感が伴う。
素蛾は快感に悶えた声のような声を出して、大量の液体と便を出した。
一応、股の下に木桶を準備したが、ここは朱姫の結界内てあり、その力を利用して木桶に落ちる前に、素蛾の排泄物を消滅させている。排泄物はもちろん臭いが残ることもない。
そのとき、部屋の外の廊下側から声がした。
「しゅ、朱姫、開けて。ご主人様たちも一緒よ。は、早く──」
廊下の声は沙那だ。
しかも、切羽詰まっている。
「どうしたんですか、沙那姉さん?」
どういう状況なのかをあらかじめ宝玄仙から教えられている朱姫は意図的にゆっくりと返事をした。
「と、とにかく、開けて。頼むよ」
孫空女の焦った声もした。
朱姫はかすかに扉を開けた。
宿の廊下に、全裸で尻穴に房毛の尾を生やして首輪をつけた沙那と孫空女が、犬のように宝玄仙に首の鎖を曳かれながら四つん這いで立っていた。
「い、入れて──」
沙那と孫空女が焦ったような表情で、その隙間から部屋に入り込もうとした。
「勝手に入らないでくださいよ、沙那姉さん」
朱姫は意地悪く、扉の隙間を身体で阻んでとうせんぼをした。
「な、なにやってんのよ、朱姫──。ひ、人が来るじゃないのよ──」
「順番があるんです。ご主人様、孫姉さん、そして、沙那姉さんの順ですよ」
「馬鹿なことを言わないで入れて」
沙那が声をあげた。
朱姫はその沙那の尻尾が大きく左右に揺れ始めたのに気がついた。