「実はその少女奴隷の股間の布切れの衣装ですが、実に独創的です。私の奴隷にさせてもいいですか?」
朱姫は、上官太守が突然に
素蛾は四人でやらされた羞恥奴隷決定戦たるものに負けたため、この国の奴隷と同じような破廉恥な姿を命じられている。
この
また、沙那の情報によれば、この国では、奴隷を持つ主人が恥ずかしい恰好をさせた奴隷を連れ歩くのが流行っているらしく、奴隷を持つ主人は、奴隷に趣向を凝らした破廉恥な服を着せて、奴隷を辱める格好をさせて外に連れ出すのだそうだ。
この郡都でも、全裸や半裸の女奴隷や男奴隷が惨めな姿で通りを歩かされているのをたくさん目撃した。
素蛾は、そんな鳳仙国の習慣が気に入った宝玄仙の命令で、羞恥奴隷として下半身をすっぽんぽんにされて、手のひらよりも少し大きいくらいの真赤な布切れだけを装着させられているのだ。
上半身はきちんと服を着ているのに、腰から下が裸であり、わずかに股間だけを小さな布で隠しているのは、なまじ裸でいるよりも卑猥だと思う。
宝玄仙らしい意地の悪い思いつきだと朱姫も思ったが、どうやら上官太守は気に入ったようだ。
「ああ、これかい?」
宝玄仙が素蛾の股間を隠している小さな布切れに手を伸ばして、ひらひらと動かした。
素蛾は宝玄仙が布切れに手を伸ばすと、さっと身体を真っ直ぐにして両手を身体の横につけた。
邪魔にならないようにという配慮だろう。
「ほう……。その頼りなさ。見えそうで見えず、見えなさそうで、すぐに見える……。それがいいですな。独創的な女奴隷の格好を考えさせるために、私は図案を考える者を数名雇っているくらいでして……。是非、私の奴隷にも、この衣装を使いたいのです。それを許してくれるなら、私の特権で奴隷品評会の出場を認めましょう」
上官太守が宝玄仙が布を動かす素蛾の股間を凝視しながら言った。
すると、宝玄仙が笑い出した。
「なんだ、そんなことかい。素蛾、それを外しな」
「はい」
素蛾が両手を腰の後ろにまわして、紐を解いて布を宝玄仙に手渡した。
「ほらよ。とりあえず、これをやるよ。自由に使いな、太守」
宝玄仙がその赤い布を太守に差し出す。
「よろしいのですか……? ありがとうございます。では、早速……」
上官太守は首輪につないだ鎖を持っている女奴隷に振り向いた。
「
上官太守が紫音という女奴隷に言った。
すると、紫音が傍目から見ても面白いくらいに、動揺を示して顔を真っ赤にした。
「えっ、こ、これをですか? あ、あの、いまここで?」
紫音が狼狽えたように言った。
紫音は上半分は女執事としてのきちんとした服なのに、それが腰の括れのところで切断されたようになくなっていて、その下は小さな下着だけなのだ。
それはそれで非常に淫ら姿なのだが、それでも、この場でその下着を脱いで宝玄仙が渡した布切れに交換するいうのは恥ずかしいようだ。
紫音はほとんど無意識にだと思うが、手で下着を守るようにさっと手を腰の前に動かした。
すると、その様子に宝玄仙が笑い出した。
「躾がなってないねえ、太守? 裸になれと言われたら裸になる。股を開けと言われたら開く。それが女奴隷兵の躾というものだよ」
宝玄仙が言った。
「ご、ご主人様、余所様の奴隷のことですから……。そんなことは言わない方が……」
沙那が慌てたように宝玄仙をたしなめた。
「いや、宝玄仙殿のおっしゃる通りですな。この紫音はまだ、奴隷になった日が浅く、調教の真っ最中なのです。それで、まだまだ、恥ずかしがるのですよ……。ただ、女奴隷が羞恥の表情をするのも醍醐味のひとつ──。完全に恥ずかしがらなくなったら、それはそれで興もなくなるというものです──。こらっ、紫音、私に恥をかかせるつもりか? ここで着替えるのだ」
上官太守は強い言葉で言った。
「も、申し訳ありません」
紫音は慌てたように、下着を脱ぎだした。
「いや、お前の言うとおりだよ、太守。この素蛾なんて、わたしの調教が進みすぎて、恥ずかしがらなくなったからね。慎みがないのさ」
そう言って、宝玄仙は剥き出しになっている素蛾の股間に手を伸ばした。
そして、いきなり、軽く閉じていた素蛾の股間に指を入れて愛撫をし始めた。
「あんっ」
素蛾が裸身を他人に示すことに羞恥を感じないのは、本物の王女という素蛾の出自に関係があり、宝玄仙の調教とは関係がないのだが、どうやら、宝玄仙は、この女奴隷を連れている太守に対して、自分の奴隷を自慢したい気持ちになったようだ。
「あ、ああっ……ご、ご主人様……き、気持ちいいです……あはっ、はあ……」
素蛾は身体を真っ直ぐにしたまま、すぐによがり始めだ。
この小さな変態童女がこの一行に加わって、なんだかんだでもう一箇月以上になる。
素蛾は、もともと快感に弱い素地はあったが、その素蛾に朱姫と宝玄仙は霊具や薬物を併用したあらゆる手段で快楽責めにして、全身が性感帯であるほどに敏感な肉体に変えてやったのは、ほかならぬ朱姫の仕事と自負している。。
いまは、感度の高さについては、一行の中では沙那と双璧だと思う。
「こ、これは、淫らな……」
上官太守が十二歳の少女が性の快感に悶える姿に、ほうと嘆息した。
与えられる快感を真っ直ぐに受けとめて、全身でそれを表現する素蛾は確かに官能的だ。
「お、終わりました……」
そのとき、紫音の恥ずかしそうな声があった。
見ると、さっきまで素蛾がしていた赤い布を腰に当てている。
さっきまで身に着けていた下着は両手に前にかざしている。
その顔は羞恥で真っ赤だ。
「じゃあ、折角だから、それをもらおうか」
宝玄仙がそう言うと、上官太守が微笑みながら、紫音が持っていた下着を宝玄仙に手渡した。
宝玄仙は素蛾をいたぶるのをやめて、下着を素蛾に渡した。
「さっきの代わりにそれを身に着けていな、素蛾……。それにしても、確かに、恥ずかしがらないのはいいことだが、性奴隷としては、羞恥の場所を晒して、まったく動じないのは、それはそれで確かに風情がないかもしれないね」
宝玄仙が言った。
だが、その言葉に素蛾はちょっと心に打撃を受けたようだ。
周りで誰かが強い感情を抱いたときには、朱姫の心に勝手にそれが流れてくるのだが、素蛾の衝撃が伝わってきた。
性奴隷志望の素蛾は、羞恥がないのは性奴隷として不十分だと言われて、大きく動揺したようだ。
「お前はお前でいいのよ、素蛾……。すごく淫らで、性的なことに真っ直ぐに向き合うお前は可愛くて素敵よ。素晴らしい性奴隷よ」
すかさず朱姫は言った。
すると、素蛾が嬉しそうに顔を赤くした。
心にあった悲しみのような感情は、あっという間に四散した。
素蛾が下着をはき終わる。
「す、少し大きいです、ご主人様……」
素蛾が言った。
確かに、腰回りの豊かな大人の女が身に着けていた紫音の下着は、小柄な十二歳の素蛾には大きすぎるようだ。
ゆるゆるで、手で押さえていないと、いまにも脱げ落ちそうだ。
「いや、このような少女奴隷がぶかぶかの下着を手で押さえながら、はいているというのは、非常に卑猥です。それも、今度私の性奴隷にさせたい……。これもいい……。性奴隷にさせる卑猥な姿というのは、なんというか……、所有者同士の競い合いというようところがありましてね……」
「ほう」
宝玄仙は興味を示したみたいだ。
「……たとえば、大きな宴などがあれば、ある階級以上のものは、必ず美貌の女奴隷の首輪に鎖をつないで連れていくのですが、その女奴隷の姿が、惨めで恥ずかしいものであるほど、賞賛を受けるのです。そのために、その衣装を考えるだけの図案家を幾人か召し抱えてもいるのだが、ぶかぶかの下着を押さえさせながら歩くというのは、いままでに思いつかなかなかったですね」
上官太守が興奮したように続ける。
朱姫はそのとき、ふと思いついたことがあった。
いま、宝玄仙が調子に乗っていて、奴隷の羞恥姿の自慢合戦のようになっている状況を利用して、沙那を辱めてやろうと思ったのだ。
この状況では、沙那も宝玄仙が恥ずかしい姿を命じても逆らえない。
口答えをしたり、逆らったりすれば、奴隷の躾が不十分だということになり、宝玄仙に恥をかかせることになるからだ。
朱姫は沙那をちらりと見た。
沙那は
下袴と下着を膝までさげた状態で股間を剥き出しにして歩けば卑猥だと、宝玄仙にささやいてやろうと思った。
朱姫は含み笑いを堪えながら、宝玄仙に近づいた。
「ご主人様、だったら下袍を手で押さえさせながら歩かせるというのはどうですか。もちろん、下着はなしです……。いえ、完全に脱がせるよりも、膝の上にでも引っ掛けておくのがいいかもませんね。すごく卑猥ですよ」
いきなり、沙那が言った。
朱姫はびっくりしてしまった。
「なるほど、それはいいねえ。朱姫、下袍の腰の留め具を外しな。そして、下着を膝までおろすんだ」
宝玄仙が愉しそうに言った。
いま、四人の供の中で下袍を身に着けているのは朱姫だけだ。
沙那がああいう提案をすれば、当然そうなるだろう。
「わたしが手伝います」
沙那がそう言って、朱姫に近づいてきた。
沙那は、腰にさげた剣の横につけている小刀を抜いて、さっと朱姫の下袍の両端を留め具ごと半分くらいまで切り裂いた。
「わっ、わっ」
朱姫は思わず下袍を両手で押さえて声をあげた。
留め具どころか、両端を半分くらいまで切り込みを入れられてしまった下袍は、まったく下袍としての役目は果たさず、押さえていなければ垂れ落ちてしまう。
しかも、後ろ側と前側の両方押さえなければ、どちらかだけでもべろりと布地が垂れ落ちてしまうのだ。
朱姫は恥ずかしさに動転しながらも、必死で両手で下袍を押さえた。
「なにやってんのよ、朱姫……。下着を膝までおろしなさいよ。ご主人様が見ているわよ」
沙那が勝ち誇った表情で言った。
朱姫は泣きそうな気分になりながらも、後ろ側の手を外して下着を膝まで引き下ろした。
当然、尻が剥き出しになる。
とにかく、下着を膝までおろして、下袍を押さえ直す。
とても恥ずかしい……。
朱姫は恨めしく沙那を見た。
すると、沙那が怒ったような顔で朱姫を睨んでいた。
朱姫はぎくりとした。
「……あんた、さっき、わたしをなにか陥れようとしたでしょう。あんたが、悪戯を思いついたときの顔はわかるのよ……」
沙那が朱姫の耳元でささやいた。
朱姫は驚愕した。
驚いた……。
沙那は心が読める道術でも遣えるのか……?
朱姫は沙那の読心術の凄さに度肝を抜かれた。
どうやら、沙那は朱姫がなにか悪戯を仕掛けようとしたのを感じて、機先を制して、朱姫の破廉恥姿を宝玄仙に提案したようだ。
「それもいい……。独創的で素晴らしい。是非、それも使わせていただきたい──。さあ、とにかく、奴隷品評会へに参加する奴隷はさっそく、準備をしてもらわなければなりませんから急いでください……。宝玄仙殿もどうぞ。とりあえず、この紫音を接待につけます。お好きなように扱ってください……。品評会の席は是非とも、私の隣に準備させてください。あなたとはもっと打ち解けたい」
上官太守が愉しそうに笑いながら、宝玄仙を含めた全員を馬車に導いた。