「へえ、こいつが人参娘かい?」
宝玄仙は言った。
人参娘と名乗る奴隷女は、宝玄仙たちの眼の前で、脚を開いてがに股になっている。
「いかがですか、皆さん?」
そして、その杯を人参娘の股間の下にかざした。
すると、人参娘の股間からいきなり赤い人参汁が迸って杯を満たし始めた。
「わっ」
「ええ?」
「へえ……」
「うわあ……」
四人の供がそれぞれに感嘆の声をあげた。
なにしろ、奴隷女が尿道から赤い汁を流し始めたのだ。
四人はびっくりしているようだ。
注がれた人参汁を紫音が宝玄仙ににこにこしながら渡す。
宝玄仙はそれを口にした。
少し塩辛い味付けがしていあるが、確かに、人参を絞った汁だ。
「の、飲んだ?」
信じられないという口調で小さな声を出したのは沙那だ。
それを耳にした宝玄仙は、人参汁の入った杯を沙那に渡した。
沙那が恨めしそうにそれを受けて、その杯から数口飲む。
「あらっ? 本当の人参汁ですね、ご主人様」
沙那がほっとした表情で、杯を孫空女に渡した。
「なに言っているんだよ。本物の人参汁だよ。ただ、この奴隷女の尿袋に道術で転送されているだけだ。そうだろう?」
宝玄仙には、この人参娘の下腹部に霊気が集中しているのがわかった。
おそらく、なんらかの霊具が体内に埋め込まれている。『移動術』の道術陣のようなものが刻まれている極小の石のようなものではないかと思う。
それが媒体となって、この屋敷のどこかに集めてある容器から液体を尿袋に転送させているに違いない。
「そのとおりです。さすがは宝玄仙様ですね……。でも、人参娘が汁を出せるのは、股からだけじゃないのですよ」
紫音がにっこりと笑って言った。
「じゃあ、どこから出すんだい? 母乳のように乳首から出せるとでもいうのかい?」
宝玄仙は半分冗談で言った。
「どうぞ……」
すると、人参娘が宝玄仙に向かって乳房を突き出した。
宝玄仙は驚いた。
そして、宝玄仙が娘の乳首を口に含んで吸い始めると、果たして乳首からも人参汁が迸った。
しかも、こっちは甘い。
「辛口のお好きなお客様はお股から……。甘口のお好きなお客様は胸のものを味わっていただきます」
人参娘がにこにこしながら言った。
「へえ……。よくできているねえ」
宝玄仙は心の底から感心した。
「わあ、人参娘だ──」
「ねえ、人参汁ちょうだい──」
「僕にも──」
すると、七、八人の子どもが集まってきて、人参娘にねだり始めた。
「はい、はい……。じゃあ、順番に二列に並んでね……」
人参娘が微笑みながら、子供たちを並ばせてから跪いた。
さっそく、子供たちが人参娘の乳房にかぶりついて、人参汁を飲み始めている。
「ご主人様、ありがとうございました。おいしかったです」
素蛾が空になった杯を持ってきた。
渡した人参汁を四人で回し飲みしたようだ。
空の杯を受け取る。
「じゃあ、お前ら、ちょっと面白いものを見せようか。ここにいる大きな姉さんふたりによるおしっこの見世物だ。見たいかい──?」
宝玄仙は集まった子供たちに言った。
その発言に特段の意味はない。
ただの気紛れだ。
なんとなく人参娘が尿袋を使って杯に人参汁を注ぐ芸を見せた奴隷女に接して、沙那と孫空女のふたりにも、それをさせたくなったのだ。
人参娘の乳房が開くのを待っていた子供たちが、さっとこっちに視線を寄せた。
「ご、ご主人様、な、なんてことを──」
沙那の悲鳴のような抗議の声が聞こえた。
宝玄仙は無視した。
返事の代わりに、道術を遣って沙那の尿袋を尿で満たしてやる。
「ふくっ……。ぐうっ……。な、なんてことを……」
真っ赤な顔になった沙那が、腰を曲げて股間を押さえるような仕草をした。
だが、その寸前ではっとしたように手を腰の前から除けた。
いまの沙那には、奴隷品評会全員に掛かっている道術で、身体を手で隠すようにできないのだ。
「その場で股を開きな、沙那──。逆らえば、品評会なんて関係ない。この宝玄仙の地獄責めを開始するよ。朱姫、杯を持って沙那の前に少し離れて座るんだ」
宝玄仙は朱姫にさっきの杯を渡した。
朱姫はなにをどうしていいのかわからないようだったが、その朱姫に、宝玄仙は、沙那から三尺(約一メートル)くらい離れてしゃがませた。
そして、木の杯を両手でかざして固定させる。
「ほら、沙那、始めな──。朱姫の持っている杯に見事に命中させるんだよ」
宝玄仙は言った。
「ええ──?」
「そ、そんな……」
朱姫と沙那が同時に驚きの悲鳴をあげた。
「なに言ってんだよ、沙那──。できないとは言わさないよ──。お前ら本戦の選手が掛けられている道術は一時的に解いてやる。それと、その透明の下着は、ちゃんと尿を通過させるから大丈夫だ。そういうものらしいからね──。それよりも、やりな──。股間に触れるようにしてやったよ」
宝玄仙は怒鳴った。
「う、うう……」
沙那が呻き声のようなものをあげた。
そのころには、子供たちだけではなく、近くにいた大人の見物人も何事なのかと大勢集まってきた。
「ご主人様……。こ、こんなところでは勘弁してください……」
沙那は真っ赤な顔で股間を押さえながら言った。
さっき透明の下着の効果を一時的に無効にしてあるので、股間を隠しても大丈夫なのだ。
「なにか言ったかい、沙那……。三つ数えるよ……。そのあいだに始めな。一……」
宝玄仙が言うと、もう沙那は観念したような顔になった。
そして、さっと股を拡げて、大きく上半身を後ろに倒すと、指で尿道口を開くような体勢になった。
「ふうっ……はああ──」
沙那の股間から前に向かって尿が飛び出した。
「はううっ、あっ、ああっ、ああっ──」
尿を出しながら沙那がよがりだす。
いつも見ても愉しい姿だ。
沙那の股間から飛び出した尿は、最初はただ沙那の少し前の脚元に落ちているだけだったが、いきなり距離が延びると、見事に朱姫の持っている木の杯に命中して、その中に尿を注ぎだした。
「うわああっ──すごい──。すごいです、沙那様──。素晴らしいです──」
大きな声で歓喜の叫びをしたのは素蛾だ。
素っ裸の素蛾が拍手をし始めた。
いつの間にか三十人ほどの見物人が周囲を取り巻いていたが、沙那の小便芸に拍手喝采した。
沙那の尿は杯の半分くらいまで尿で満たすと、また力を抜いて足元に流れるように戻した。
まるで淫具にでも当てられているように悶えながら沙那は尿をしていたが、やっと終わった。
沙那がすぐにさっと股を閉じて俯き、羞恥に震える仕草になる。
いつまでも慎みを失わないその仕草は可愛いものだ。
宝玄仙は中断していた沙那の透明に下着の効果を復活させた。
拍手はまだ続いている。
やがて、硬貨のようなものが投げ込まれ出した。
どうやら、この性の祭典で行われているなにかの大道芸かなにかだと思われたようだ。
「朱姫、その尿を飲み干して、客を回ってきな」
宝玄仙が言うと、一瞬だけ朱姫はぎょっとした顔になったが、すぐにその杯にある沙那の尿を飲み干した。
そして、宝玄仙に言われたとおりに、客の中を回りだす。
杯があっという間に見物人の入れる硬貨や紙幣で満たされている。
戻ってきた朱姫から杯を受け取ると、その中の金を紫音に渡し、今度は空の杯を素蛾に渡した。
「素蛾、お前はその杯を頭の上だ。そのまま立ったままでいい──。孫空女、お前の番だよ。お前は素蛾の頭の上の杯に尿を入れな──。あんまり、素蛾の顔にかけんじゃないよ」
孫空女が顔を蒼くしたが、宝玄仙は沙那と同じように孫空女の尿袋を尿で満たしてやってから、一時的に透明下着の効果を消した。
「そ、素蛾、かかったらごめんね……」
孫空女は大きく嘆息すると、すべてを悟りきったような顔になり、さっきの沙那と同じように、脚を開いて身体を反らせた。
「だ、大丈夫です、孫様……。わ、わたくし、勉強させてもらいます」
素蛾が興奮した表情で言った。
どうやら、素蛾はさっきの沙那の芸の感動の余韻にいるようだ。
そんな表情をしている。
周囲を取り囲んだ見物人がしんとなった。
孫空女が小便を開始する。
さっきの沙那のように前に迸っている。
だた、その尿の方向は素蛾の方を向いてはいない。ややずれていた。
すると、孫空女が足を動かして、さっと尿の方向を素蛾に向けた。
同時にほとんど反り返って頭が地面に着くかのように、上半身が海老反りになった。
「うおおおおお──」
見物人が雄叫びをあげた。
いきなり、孫空女のしている尿が人間の背丈以上まで上にあがったのだ。
その噴水のように上昇した尿が素蛾の頭の上にある木の杯にぼちゃぼちゃと入った。
もちろん、その迸りが素蛾の顔に落ちているが、ちゃんと尿が素蛾の頭の上の杯に入っている。
周囲が大歓声に包まれた。
孫空女がさっと脚を動かして尿を素蛾の上から注ぐのをやめた。
そのまま、体勢を取り直して、しゃがみ込んで残りの尿をし始める。
周りは大喜びだ。
素蛾も大興奮で杯の尿を飲み干すと、観客と一緒になって拍手をし始めた。
やらせた宝玄仙自身も驚いた。
まさか、ふたりともこんなに見事に成功させるとは思わなかったのだ。
「お、お願いです、ご主人様──。ここから逃げさせてください」
沙那が叫んだ。
宝玄仙が笑いながらうなづくと、沙那と孫空女は逃げるように、観客を押し避けて駆け出した。
宝玄仙は後を追い、観客が投げていた金を集めていた朱姫と素蛾と紫音が慌てたように追いかけてきた。