「はああっ」
素蛾は思わず、股を開いてしゃがみ込んだ姿勢でのけ反った。
うねうねと動く張形の肉の蕾の部分だけが急に強く振動をし始めたのだ。
この触手張形は、どれも振動も煽動も一定していない。
不規則で予測のできない動きで女陰や肛門を責めてくるようになっているようだ。
いまは、お尻の入り口のところに、ぶるぶると振動を与えられて、素蛾は一気に快感の高まりを覚えた。
急いで作業を終わらせようと、素蛾はぎゅっとお尻に力を入れた。
だが、締め方が不足しているのか、なにかが張形の先端から出た感じはしない。
あまり長いと、それだけでさすがにいきそうになるのだが、とにかく素蛾は力を入れた。
「うううんん──はああっ──や、やった……」
素蛾は声をあげた。
お尻の中でなにかが吹き出すのを感じたのだ。
白濁液が腸に注ぎ込まれたと思う。
素蛾は立ちあがった。
張形は入れてしまえば、むしろ簡単には抜けずに、内部に留まって暴れ続ける。
だから、油断して外に出る心配はない。
大勢の観客が張り付くように見物している透明の奥の壁まで進み、そこにお尻をぴったりと密着させた。
そこに丸があり、その丸にお尻の穴を張り付けて、あとは大便をするときの要領で踏ん張るだけだ。
お尻については、この作業は比較的楽だ。
女陰については両方の腿をほとんど水平に広げるように壁に密着させないとならなかったし、踏ん張って外に出すのも難しかった。
それに比べれば、お尻は出しやすい。
素蛾が透明の壁にお尻をつけると、わっと歓声があがった。
声は聞こえるのでなんと叫んでいるのかわかる。
どうやら、見物人たちは、素蛾の女陰の奥や肛門の奥が見えるのが愉しいようだ。
壁も透明だし、触手張形も透明なので、こうやって壁の穴に出そうとすると、中の肉の壁が収縮して、張形を外にひねり出そうとするのがはっきりと見えるのだそうだ。
「んんんっ」
素蛾は踏ん張って張形を壁の穴に出した。
残り一本……。
素蛾は急いで最後の一本に取り掛かった。
そして、その一本もなんとか終えた。
「よくやったな。終わりだ。次のは、この関門の最後の障害だ──。それも頑張りな」
進行係の男が拍手した。
お礼の言葉を言おうと思ったのだが、その前に素蛾は自分の身体がどこかに転送される感触を味わった。
*
進まなきゃ……。
沙那は大きく股を拡げて前に進んだ。
触手が襲ってきた。
「ああ、そこは……、だ、だめっ、ああ、ひあああっ──」
股間を舐めるように動かされると、あっという間に沙那の身体は、頭の上から足の指先まで痺れたような感覚が襲った。
肉芽に……。
女陰に……。
お尻に……。
触手が這いまわる。
動くたびに稲妻のような衝撃が全身を襲う。
いかなきゃ……。
そう思うのだが、力が入らない……。
沙那は自分でも艶めかしいと思うような声をあげていた。
耐えようと思うが、耐えられない。
沙那は二本の板の真ん中でまったく動けなくなってしまった。
「ひああああっ──」
そして、沙那は声をあげた。
肉芽を挟んでいる三本の触手の先が回し擦るように激しく動いたのだ。
「ひぐうううっ」
沙那は全身をのけ反っていた。
「ぎゃあああ──」
その瞬間、ものすごい電撃が沙那を襲った。
気がつくと、沙那は触手の池の中に全身を沈めていた。
*
「こ、これを股とお尻で運ぶのかい……?」
孫空女はうんざりした気持ちを隠すことなく、説明をした男に言った。
「おう、そうだ──。それを向こうの壁に股や尻を押しつけるようにして踏ん張ればいい。二十本やれば終わりだ。ただし、身体の中で白濁液を搾り取らないと、どんなん踏ん張っても外には出ない仕掛けになっている……。さらに言えば、白濁液は媚薬だ。まあ、頑張りな──。途中で達すれば、二本柱の手前まで戻ってやり直しだ」
男が意地悪そうな笑いをした。
孫空女は嫌な気持ちになった。
それにしても、なんという淫靡な仕掛けだろう。
つまりは、女陰や肛門に媚薬を受け続けながら、触手張形の振動や蠕動に耐えて白濁液を搾りとり、透明の板の向こうに群がっている見物人に見えるように、股ぐらや尻を押しつけて、張形を外に追いやるのだ。
仕方なく、孫空女はまずは女陰で触手張形を運ぶ作業にとりかかった。
*
「三個目の障害は簡単だ。そして、達しても戻されないぞ」
最初の関門の三個目の障害にいる進行係の男が言った。
素蛾はほっとした。
二十本の触手張形を運ぶ作業を終わって跳ばされた場所は、またもや、透明の壁に四方を囲まれた場所だった。
向こう側の壁に閉じている扉がある。
その扉の向こう側に一本の通路があり、その先に旗が立っていた。
その壁の位置まで行けば、この関門は終わりのようだ。
ただ、閉じている扉のある壁の上には、階段であがれる場所があり、ほとんどの観客は、その下で上を見上げるようにしているようだ。
どうやら、壁の扉を開くには、階段で壁の上の屋根部分にあがり、なにかをしなければならないみたいだ。
また、壁の手前には一本の長い触手が生えていて、その先端が筆のようになっている。
また、素蛾の両腕はさっきの障害のときに、高手後手で縛られたままだ。
「競技の内容を説明するぞ──。とりあえず、まずは、その一本の触手の上に股を拡げて立て。すると、触手がお前の陰核に赤色の墨を塗ってくれる……。ああ、それから、達してもいいと言ったが、陰核に筆を塗るときには達するなよ。そこで達すると戻されるからな。まあ、ちょっとの時間だから、そこでいく性奴隷はいくらなんでもいないと思うがな」
進行係の男が言った。
素蛾は言われたとおりにした。
「ひゃあ──」
素蛾は思わず声をあげた。
触手の筆先で肉芽をくすぐられて、強い疼きが走ったのだ。
だが、進行係の言うとおり、筆を塗る作業はあっという間に終わった。
だが、次の瞬間、素蛾は愕然とした。
「か、痒い──」
素蛾は悲鳴をあげた。
凄まじい痒みが素蛾を襲ったのだ。
「ははは……。痒いだろう──。その墨は道術のこもった即効性の掻痒剤だからな──。じゃあ、次は、階段をのぼって壁の上の二階部分に行け。そして、透明の床にお題の文字を書くんだ──。それだけだ──」
「も、文字ですか?」
「ああ、それから、さっき達してもいいと言ったが、ここは達しやすい奴隷の救済処置の場所でもある。陰核を擦りつけながら達したら、その文字の部分は金色に変色する。金色の線が多ければ芸術点が加算されるぞ──。せいぜい、痒い陰核を床に擦りつけな。わかったか?」」
「わかりました」
「じゃあ、文字のお題は、“おまんこ気持ちいい。けつまんこ最高”だ──。文字は間違うな。間違ったら、痒みがそのままで、この関門一の手前にまた戻される仕掛けになっている」
進行係が大笑いした。
「お、おまんこきもちいい。けつまんこさいこう……ですか……?」
聞いたことのない難しい言葉だ。
間違ったら大変だから、進行係にもう一度確認した。
すると、なぜか男が大笑いした。
「そうだ──。確かに、間違ったら大変だからな。三回ぐらい大きな声で叫んでみな。そうすれば、覚えられるぜ」
男がさらに笑いながら言った。
「そ、そうですね。助言ありがとうございます──」
素蛾はお辞儀をして、その場でその言葉を三回叫んだ。
外の観客たちの歓声が高くなった気がした。
しかし、そのあいだにも痒みは強くなる。
素蛾はしっかりと文字を覚えたのを確認すると、急いで階段をのぼった。
二階の部分にあがると、よく見れば床の部分には丸いでっぱりがいっぱいに広がっていた。
また床そのものが軟らかい素材でできているようだ。
素蛾は両手を拘束された裸身を腹這いにした。
そして、両脚を蛙のように拡げて腰を床に押しつける。
陰核で文字を書くためには、そんな格好をするしかない。
「きゃん──」
次の瞬間、素蛾は悲鳴をあげた。
身体を押しつけた瞬間、床そのものが振動を始めたのだ。
だが、床の素材が軟らかいので、股間に体重をかけて押しつければ、なんとか陰核が床に届く。
「お……ひううっ……ま、あ、ああっ……ん……こ……」
素蛾はひとつひとつ文字を思い出しながら、股を床に擦りつけていった。
凄まじい快感が走る。
これまでの競技でさんざんに刺激を受けながらも、一度も達していなかったことによる身体の熱い疼きと、そして、猛烈に痒い肉芽を擦りつけることで痒みが癒される気持ち良さが重なって、それが素蛾に最高の愉悦を与えてくれたのだ。
「ふうううっ──。き、気持ちいい──」
五文字目で素蛾は達した。
達しながら、いきながら書いた文字は点数が加算されるという言葉を思い出して懸命に腰を動かした。
真下で大勢の観客が大笑いしながら素蛾の姿を見えあげていた。
観客の歓声に応えるためにも、素蛾は一生懸命に頑張ろうと思った。
*
「くうう、だ、だめえ──」
孫空女は身体をのけ反らせた。
張形を女陰で搾り取って、壁の向こうに追いやる作業をしていたのだが、だんだんと敏感になる股間の疼きで、ついに九本目で気をやってしまった。
「ぎゃああ──」
股間に衝撃が走り、全身が触手に包まれるのがわかった。
身体が引っ張られて、沙那が引きあげてくれた。
「しっかりして……」
沙那はうんざりして疲れ切ったような顔をしていた。
ふと見ると、さっきは四人ほど並んでいた女が、沙那のほかにはひとりだけになっている。
二つ目の障害の場所で、後からやってきた女と出会うことはなかったので、ふたつ目の障害がある場所は幾つか準備されているのかもしれない。
「沙那、行っていいぞ──。だが、お前もそろそろ最初の障害くらい突破しろよ。戻るにしても、せめて、次の障害に行ってからにしな」
進行係の男がからかうような声をあげた。
「放っておいてよ──」
すると、沙那が怒りも露わに怒鳴った。
*
「ま、また、いくうう──」
素蛾は壁に張りついた状態でぶるぶると身体を震わせた。
最後の文字を書き終わると同時に、三度目の昇天を素蛾はしていた。
その瞬間、猛烈な痒みが不意に収まった。また、腕の拘束も消滅した。
音楽のようなものが沸き起こり、下側でどんという振動を感じた。
「ご苦労さん──。この関門一は終わりだ──。次の関門に行け、素蛾──」
進行係が叫んだ。
素蛾はまだ絶頂の余韻の残る身体を急いで起こして階段をおり、そして、開いている扉から旗に向かって駆けた。