「ただいま、
「おかえりなさいませ、ご主人様」
神殿の務めから戻った宝玄仙は、すぐに寝台に腰掛けると、寝室の床で正座で待っていた
鳴智は、裸身に乳首と股間がぎりぎり隠れるだけの一枚の前掛けしか身につけていない。
宝玄仙が与えている奴隷の衣装というわけだ。
定期的に趣向を変化させて辱しめているが、この十日ばかりは、この格好だ。
これで庭仕事もさせるから、鳴智は死ぬほど恥ずかしがる。
それがいいのだ。
「そらよ」
「ご奉仕させていただきます」
鳴智は、宝玄仙が投げ出した靴と靴下を脱がせると、すぐに口に宝玄仙の足の指を自分の口に含んで舐めはじめた。
最初のときに、同じことをさせたら、屈辱に顔を歪ませて、悔し涙まで流していたが、いまはこうやって、陶酔の表情まで浮かべるようになった。
つまりは、それだけ「調教」も進んでいるということだ。
この少女を奴隷として飼い始めてから三箇月が経っていた。
最初は反抗的な態度を見せていた鳴智も、いまではすっかりと宝玄仙の「玩具」になった。
嬉しそうに宝玄仙の足をしゃぶっている様子には、裸身を宝玄仙に見られそうになり、思わず、宝玄仙の頬を張った気の強さの片鱗もない。
「明日から三日間は、神殿の仕事もない……。三日の休みさ――。鳴智と思い切り遊ぶことにするよ。嬉しいかい?」
宝玄仙がそう言うと、一心に口で奉仕をする鳴智が頬を染めたような感じになった。
本当に可愛らしい。宝玄仙は、そっと鳴智の頭を撫でた。
「終わりました……」
しばらくしてから、すべての足の指の掃除が終わった鳴智が顔をあげる。
続いて、宝玄仙の足の指に残る鳴智自身の唾液を丹念に唯一与えている前掛けで拭き取りだした。
すべてが終わると、鳴智が床に両手をついて頭をさげた。
「じゃあ、今度は口だ。お前の舌で、わたしの口を洗っておくれ」
宝玄仙は言った。
「かしこまりました。では、口を漱いで参ります。お足を掃除させていただいたばかりなので……」
鳴智は立ちあがる。
しかし、宝玄仙はそれを呼び留めた。
「いいよ……。そのままで……」
「そうはいきません。ご主人様の足を舐めた舌のまま、ご主人様の口を奉仕するわけにはいきませんよ」
鳴智は、部屋の隅にある水差しを容器に注ぐと、口の中を漱ぎ始めた。
その水を横の桶に出す。
随分と従順になった鳴智の姿を宝玄仙は心からの満足とともに眺めた。
顔が気に入り、三箇月前に気まぐれで拾ったこの少女だが、宝玄仙は自分のものにしてよかったと思っている。
最初の
その代わりに、この少女は、嘘のような素直さと淫靡さを示して、宝玄仙の責めに淫らに応じる。
あらゆる要求に応じる。
どんな屈辱的な行為にも従う。
それでいて、まだ羞恥心は失っていない。
最高の素材になった。
かなりの性技も教え込んだ。
最近では、この宝玄仙もたじろぐほどの技を見せることもある。
「それでは、お口を頂きます」
鳴智が宝玄仙の前にやってきた。
「ああ……」
宝玄仙は唇を半開きにする。
鳴智の顔が迫り、唇が重なる。柔らかな舌が宝玄仙の口中に入ってくる。
ねっとりした鳴智による舌の愛撫……。
宝玄仙は自分の股間が熱くなるのを感じた。
「んんっ、んん……」
「はあ、はあ、んあっ、んああ…。」
鳴智の舌が、歯茎と歯を一本一本丹念に舐っていく。
その丁寧な鳴智の仕事に、宝玄仙はぼうっとしていた。
そのときだった……。
なにかが、喉の奥に入れられたような気がした――。
はっとした。
「ちっ――」
宝玄仙は、強引に鳴智を押し離す。
鳴智は宝玄仙から、床に突き飛ばされた。
だが、その鳴智が勝ち誇ったような微笑みを浮かべたまま、蔑みの視線で宝玄仙を見た。
これまでに見たことのない鳴智の表情に、宝玄仙はとにかく不愉快になった。
「な、なにかを飲ませたね、鳴智──?」
宝玄仙の問いに、鳴智は黙って微笑んだままだ。
身体の違和感が続いている。
なにが……?
宝玄仙は混乱の中だ。
「なにを飲ませたんだい――? 訊いてんだろう」
宝玄仙は怒鳴りあげた。
「ちょっとしたものを飲ませただけよ、宝玄仙」
すっと立ちあがった鳴智は、宝玄仙のいつもの椅子を引っ張ると、それにどっかりと座って足を組んだ。
自分の椅子を奴隷が使ったくらいで逆上はしないが、宝玄仙が驚いたのは、その態度だ。
鳴智は宝玄仙を呼び捨てにし、馬鹿にしたような表情をしてこっちを見ている。
「鳴智、その態度はなんだい? また、調教をやり直したいのかい――」
かっとして宝玄仙は叫んだ。
そして、鳴智を椅子から引きずり降ろそうために、道術をかけようとした。
「ひぎいぃぃぃ――」
しかし、突如として股間から起こった激痛に、宝玄仙は寝台から床に、転げ落ちてしまった。
道術を発揮しようとした瞬間、怖ろしいほどの痛みが身体を襲ったのだ。
宝玄仙は股間を両手で押さえたまま、しばらくは動くこともできなかった。
やがて、やっと息ができる程度まで痛みが治まった。
さっきの一度の激痛だけで、すでに全身は脂汗にまみれている。
それくらいの衝撃だった。
なんだ、いまのは……?
すると、鳴智が宝玄仙の身体に跨った。
しかも、宝玄仙の腕を強引に背中に捩じり曲げようとしている。
「ちょ、ちょっと、お前――」
宝玄仙は、突然のことに動転した。
「ほら、あんたなんて、道術が遣えなければ、わたしなんかでも軽くあしらえるくらいの非力なんだよ。ほら、抵抗してごらん、宝玄仙」
馬乗りになった鳴智は、どこに隠していたのか、縄で宝玄仙の両手を背中側で縛ろうとしている。
しかも、持っているのが縄の霊具だとわかった。
宝玄仙が発明したものであり、道術の使えない常人でも扱えるように細工がなされている。いまではすっかりと世間に拡まり、帝国中で買える拘束具だ。
世間では『魔縄』と呼ばれていて、一度縛られると、誰かにほどいてもらわないと縄脱けも、縄の切断も不可能になる。
「やっ、やめないか――」
あっという間に、背中側で両腕を水平にさせられて、ぎゅっと束ねて縛られた。さらに縄が身体に食い込む。
「な、鳴智、こんなことして覚悟はできてんだろうねえ――」
宝玄仙は癇癪のまま叫んだ。
一度縛られれば、もう拘束からは逃れられない。
しかし、宝玄仙であれば、道術の流れを反転して無効化できるのだ。なにしろ、もともと、魔縄は宝玄仙が発明したものだ。
宝玄仙は、魔術で鳴智と縄を払い避けようとした。
「うぎゃああぁぁぁ――」
今度は全身の激痛だ。
あまりもの衝撃に、宝玄仙はのたうち回りかけた。
だが、体重を乗せた鳴智によりそれを阻まれる。
鳴智が力の抜けた宝玄仙の腕を完全に後手縛りにしてしまった。
「お、お前――。なにを飲ませたんだいっ――? 道術封じの薬かい――」
間違いなく鳴智に飲まされた薬が影響していると思った。
だが、単純な道術封じじゃない。しかし、道術を遣おうと、意識を集中するたびに、死ぬような激痛が走るのだ。
おかしな薬を飲まされたのは間違いない。
道術を込めた道具を「霊具」と呼ぶのに対し、道術を込めた薬を「仙薬」という。
おそらく、宝玄仙が飲まされたのは、激痛で道術を遣えなくする仙薬に違いない。
だが、そんなものが世間に流通しているわけがなく、鳴智がどうやってそれを手に入れたのかわからない。
そして、すっかりなびいていると思っていた鳴智の裏切りに、宝玄仙は愕然ともしていた。
「ほら、道術はどうしたの、宝玄仙。この三箇月間、さんざんにいたぶってくれたじゃない。その道術を遣ってよ」
鳴智は、宝玄仙の腰から下袍を引きおろした。
宝玄仙の下半身が下着姿になる。
「抵抗しろって、言ってんだろう、この変態女が――」
鳴智が宝玄仙の腰を蹴り飛ばす。
「ぐあっ」
宝玄仙は壁に叩きつけられた。
「く、くそう……」
なんとか宝玄仙は、後手に縛られた身体を起こして、片膝で鳴智から身を護るような格好になった。
この部屋には、結界が刻んである。
道術が遣えさえすれば、あっという間に「魔縄」など切れるし、鳴智の反抗を抑えることも可能だ。
だが、その度に走る激痛――。
これでは、道術が遣えない。
「それにしても、そののたうち回り方からすれば、余程、痛いらしいわねえ。身体の痛みは、発揮しようとする道術の大きさに比例するそうだから、お前の道術の大きさが仇になったわね。いずれにせよ、もう、お前は術は遣えないわ。さあ、この三箇月の仕返しをたっぷりとさせてもらうわね」
「こ、こんなことして、後でどうなるか、わかっているだろうねえ、鳴智」
宝玄仙は、下半身が下着だけというみっともない姿で、鳴智を睨んだ。
だが、昨日までだったら、この視線だけで宝玄仙を怖がった鳴智が、逆に愉しそうに宝玄仙を眺めて笑っている。
宝玄仙はぞっとした。
仕方ない……。
宝玄仙は決心した。
こんなみっともない格好を見られるのは嫌だが、ここはやむを得ない。
「
宝玄仙は絶叫した。
この屋敷には、鳴智のほかにも十人以上の家人がいる。
誰かには声が届いたはずだ。
すぐに廊下に足音がして部屋の扉が開いた。
入ってきたのは桃源だ。
宝玄仙のあられもない姿に目を見開いている。
「これは……。随分といい格好になりましたな、宝玄仙様」
桃源はじろじろと宝玄仙の脚を見ながら言った。
「呑気なことを言ってんじゃないよ。鳴智を取り押さえな。そして、この縄を解くんだ」
「ご自分でおやりになればいいでしょう?」
桃源は、いつもの無表情な顔で言う。
「できないんだよ。へ、変な薬を飲まされたんだよ――。ああ、いいから説明は後だ。早く鳴智を取り押さえないかい――。ぼやぼやしていると逃げてしまうよ――」
「逃げやしないわよ、宝玄仙」
鳴智がどっかりと再び椅子に座り直す。
桃源がやってきたのに慌てる様子もない。
その落ち着きぶりに、宝玄仙は嫌な予感がした。
また、桃源も少しも驚いた様子はない。
そして、鳴智に詰め寄る仕草もない。
「ど、どういうことだい……、お前たち……?」
宝玄仙はそう言った。
すると、桃源がすっと宝玄仙に近づく。
手になにかを持っている。
足輪のようだ。
それを宝玄仙の足首に嵌めようとしている。
宝玄仙は、足を引っ込めて避けようとした。 だが、すぐに足首を掴まれて、簡単に嵌められた。
「な、なにをするんだい――?」
一体全体、なにが起っているのだ――?
宝玄仙の理解を超えることが起っている。
ずっと従順だった奴隷の鳴智が、宝玄仙に仙薬を飲ませて宝玄仙の道術を封じて、宝玄仙を拘束した。
家宰の桃源は、宝玄仙を助けるどころか、その手伝いをしている。
桃源は、もうひとつ同じ霊具の足輪を取り出すと、その足輪を宝玄仙の反対の足首に嵌めた。
途端に、ふたつの足輪が反撥して、宝玄仙の足は肩幅の倍以上に大きく開く。
「せ、説明しな」
宝玄仙は冷静になろうとした。
一方で、必死に脚を閉じようするが、どうしても足首の輪が反発して閉じれない。
そのため、下着だけの股間を隠すこともできない。
「ほう、もしかして、股が濡れておるのではないですか? まさか、宝玄仙様が被虐癖でもあるとは知りませんでしたよ」
「まあ、本当じゃない。傑作ね――」
鳴智が宝玄仙の股間を見入るようにして爆笑した。
宝玄仙は顔が真っ赤になるのを感じた。
嗜虐好きの多淫が宝玄仙の性癖だが、母親に躾られた被虐癖はもうひとつの宝玄仙の性癖である。
こんな目に遭ったことで、宝玄仙の身体はそれに反応してしまったのだ。
宝玄仙は歯噛みした。
そのとき、再び廊下に通じる扉が開いた。
「説明はわしがしよう」
開かれた扉から入ってきた人物に、宝玄仙は、慌てて大きく開脚した股間を閉じようとした。だが、やっぱり反撥し合う足輪は、それを阻んで許さない。
「と、
宝玄仙は仰天した。
とにかく、身体を動かして、闘勝仙の視線から股間を隠そうとする。
だが、椅子から立ちあがった鳴智が、それを抑えて真っ直ぐに宝玄仙の身体を闘勝仙に向けさせた。
反対側の肩を桃源が抑える。
宝玄仙は、下着だけでの大きく開脚した下半身を闘勝仙の視線に晒すことを防げなくなった。
「これはなかなかの果報な光景だな、
闘勝仙が、短い棒を取り出すと、避けることのできない宝玄仙の股間にそれを伸ばす。
「は、離せ――。や、やめろ――。ひ、卑怯だよ、闘勝仙――。これはお前のすべて仕業だね」
宝玄仙は喚いた。
やっとわかった。
こんな大それたことを鳴智や桃源ができるわけもないし、宝玄仙を陥れるほどの霊具や仙薬を準備できるわけがない。
つまりは、こいつが糸を引いていたのだ。
動機は、八仙の中で唯一、宝玄仙が、闘勝仙の権威に逆らい続けたからだと思う。
しかし、こんなことをするなど……。
闘勝仙の棒は、正確に薄い下着の上から宝玄仙の肉芯を突いた。
「あうっ」
思わず宝玄仙は声をあげた。
その棒が振動を始める。
たちまちに宝玄仙は甘い息を出してしまう。
脚を閉じようとするのだが、どうしてもできない。
本当なら、こんな霊具をはね返すことなど簡単なのだ。だが、それをしようとしてあの激痛があると思うと、怖くて集中できない。
普段、道術に頼りきっている宝玄仙には、ふたりの人間に抑えられれば、それを跳ね飛ばす力はない。
「お、お前、こ、こんなことをして……。くああっ――」
宝玄仙がもがくので、闘勝仙が肉芯を差す棒に力を入れる。
それとともに、与えられる刺激は大きくなり、官能の波は大きくなっていく。
「お前も、
やはり、藍采仙は、この闘勝仙によって、身体を奪われたのだと思った。
ここ一年ほどのことであるが、藍采仙はずっと年端のいかない少女の姿をしている。
自分の中の女をそうやって隠しているのだ。
おそらく、せめてもの抵抗なのだろう。
だが、最近だけでも、法要のような行事のたびに、疲労困憊で服を乱した姿で、藍采仙が闘勝仙と取り巻きが休憩する部屋から出てくるのを何度も見ている。
間違いなく、闘勝仙たちは、同じ八仙の藍采仙を慰みものにしているのだ。
そして、いま、宝玄仙も……。
「お、お前たちは、い、いつから、結託していたんだい――?」
宝玄仙は、鳴智と桃源に怒鳴った。
ふたりに答えはない。
ただ、にやにやするだけだ。
「他人のことはよい。それよりも、自分のことに集中せんか」
闘勝仙が笑いながら、棒をぐいぐいと押す。
口惜しいが快感があがってくる。
避けられないものが沸き起こる。
宝玄仙は全身が震えはじめるのを感じた。
闘勝仙の棒の振動だけではない。
内側から沸き起こるものもある。
おそらく、飲まされた仙薬は、宝玄仙の術を封じるだけではない。媚薬の効果もあるに違いない。
それが証拠に、脳が焼けるような疼きが全身を走り始めている。
そして、宝玄仙自身の心の反応……。
このままだと、闘勝仙の眼の前ではしたなく絶頂するしかない。
それだけは嫌だ――。
「こ、答えるんだよ、桃源―――。いつからだよ? お、お前はいつから、わたしを裏切って闘勝仙になびいたんだよ?」
宝玄仙は大声を出した。
もう、そこまで来ている。
呆気なく達するのを防いでいるのは、気力のようなものだけだ。
「裏切ったつもりはありません。最初から闘勝仙様は、私の本当の主人でございます。何度もご忠告したはずです、宝玄仙様。闘勝仙様は敵に回してはならぬと――」
「な、なんだって?」
どういうことだ――。
この桃源に屋敷のことを任せるようになったのは四年も前だ。
だが、考えてみれば、宝玄仙はこの家宰がどういう人間であるかをまるで知らない。
ただ、屋敷に付属するものだという気持ちしか抱いていなかった。
実は、闘勝仙の息のかかった人間であったということか。
「お前のことは、実に興味深くいつも報告を受けていた。ほかの八仙にもすべて、わしの手の者が周りに入り込んでいる。八仙と言えども、万能ではない。なんらかの弱みはあるものよ。しかし、霊具遣いの才女の裏の顔が、若い女の身体を貪る嗜虐趣味だとはな……。いや、被虐癖もあるのだったな……」
闘勝仙が大笑いした。
もうぎりぎりだ。
凍るような屈辱が圧倒的な快感とともにせりあがる。
だが、宝玄仙を支えているのは、絶対に屈服したくない。
その強い意思だけだ。
「なかなか、しぶといな、宝」
闘勝仙が、宝玄仙の女芯を突いている棒を左右に強く動かした。
「はうぁあっ――」
宝玄仙は、身体を弓なりにしなごら、声をあげた。
「お、お前はなぜ裏切ったんだよ、鳴智……?」
宝玄仙は激しく息を吐きながら、鳴智に顔を向けた。
なにかを喋って、気を紛らせないといないと持たない。
もう、絶頂の壁がそこまで来ている。
もう崩壊する……。
「なぜだって? もしかして、わたしをたらし込んだと思っていた? わたしは、お前に、心をなびかせたのは一度もないわ、宝玄仙。そう見えたのは、そうしろと、このご主人様が言ったからよ」
「ご主人様?」
宝玄仙は驚いた。
鳴智が「ご主人様」と呼んだのが、闘勝仙ではなく、桃源だったからだ。
桃源が“ご主人様”?
「桃源様よ。桃源様こそ、わたしの本当のご主人様よ……。そして、帝仙様は、そのご主人様のご主人様……。ご主人様の命令でなければ、お前の身体なんか舐めるのは嫌だったに決まってるじゃない、宝玄仙」
「お、お前……、と、桃源? お前が鳴智を……」
「お気づきにはならなかったのですな、宝玄仙様? 三箇月前にこの館にやってきたときから、ずっと、この鳴智は、この桃源に調教されておりました。いまは、完全に私に屈服しております」
「そ、そんな……」
「ねえ、だから、ご主人様、あとでご褒美を……」
鳴智は宝玄仙を抑える手に力を入れながら、甘い声で言った。
「わかっている。お前はよくやった」
桃源は言った。
そんな以前から今日の罠が準備されていたとは知らなかった。
まったく気がつかなかった自分にも腹が立つ。
「しかし、よくも、こんなに我慢できるな、宝? 驚いたぞ」
「宝は性技については、一流のものを持っております。性感を抑制することもできます。霊具だけではなく、その方面も一流ですよ」
桃源だ。
わざとらしい丁寧語に腹が立つ。
「……でも、お尻が弱点よ。この女は隠しているけど、最大の弱みが実はそこよ。わたしは、この三箇月間、ずっと、この女の身体を舐めさせられてきたからわかるの」
鳴智が言った。
宝玄仙は愕然とした。
もしかしたら、自分は女芯よりも、肛門が弱いのではないかと宝玄仙は危惧していた。
だから、いままでに、そこだけは性技に使ったことはない。
怖いのだ。
そこを触られると、宝玄仙は冷徹な嗜虐者でいられなくなる。
「どれどれ」
闘勝仙の棒がすっと肉芽から離れた。しかし、鳴智と桃源がふたりがかりで、宝玄仙の身体をうつ伏せにして、頭と膝を床につけて、尻だけを高くあげる姿勢に変えた。両足は相変わらず閉じることができない。
「や、やめて――」
闘勝仙が尻のすぐ後ろに来る。
さっきの棒が背中側から下着の中に入り込み、宝玄仙の菊門を探り当てて、また激しく震えはじめた。
「じゃあ、ここはわたしが」
鳴智がさっきまで棒で責められていた宝玄仙の肉芽を、空いている片手で擦り出す。
「これは、これは……。では、私は、胸でも揉ませていただきますか」
桃源が服越しに宝玄仙の乳房を揉み始める。
「あああっ」
三箇所同時の攻撃に、さすがの宝玄仙も我を忘れるほどの衝撃を受けた。
宝玄仙はあっという間に昇天してしまった。
「桃源、宝を広間に連れていけ。そして、家人を全員集めよ」
闘勝仙がまるで、自らがこの館の主人であるかのような物言いで命令した。