※この作品はR-18です。

嗜虐西遊記【完結】   作:ドン・ドナシアン

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[第二競技の内容]
〇関門一から四までを終了し、最終関門を突破する。
  
〇関門は五個(女奴隷たちは、一~四のどの関門から開始してもよい)
 ■関門一:三個障害の突破
 ■関門二・?
 ■関門三・?
 ■関門四・?
 ■最終関門:最終関門のみは、四個関門を終了した者のみ

〇前話(689話)終了時の第二競技の途中経過……。

 ■素 蛾:最初の関門(三個障害)を終了し、次の関門に移動
 ■沙 那:最初の関門の最初の障害に挑戦中
 ■孫空女:最初の関門の第二の障害に挑戦するも戻される。

 *




690 関門二・口奉仕十人抜き

「ふたつ目の関門だな、お嬢ちゃん……。ここは関門の二だ。この関門の課題は、口奉仕で十人抜きだ。観客の中からお嬢ちゃんが選んだ男十人から口だけで精を抜くんだ。ただし、一度、奉仕を始めたら途中で男を交代できない。じゃあ、腕を背中に回せ」

 

 「関門二」と書かれてある看板のところにいた進行係が素蛾に言った。

 素蛾は両手を背中に回して男に背を向けた。

 両手に手錠がかけられる。

 

「十人から精を口で抜けば、自動的に手錠が消滅する。それが終了の合図だ──。手錠がなくなれば、次の関門に進める。よし、行け──」

 

「はい、ありがとうございました」

 

 素派が大きな声で後手のまま頭を深々と下げた。

 進行係は当惑した表情をしたが、すぐににっこりと笑って手を振った。

 素蛾は関門の周りに集まっていた観客たちに向かった。

 すぐにわっと男たちが素蛾の周りに群がってくる。

 

「あ、あのう……」

 

 素蛾は性器に奉仕をさせて欲しいと頼もうとした。

 

「わかってるぜ……。十人抜きの課題なんだろう? 最初は俺だ。俺を舐めな。まずは、俺がひとり目だ」

 

 山のように大きな毛深い男がほかの男を押しのけるように素蛾の眼の前にやってきた。

 その男が下袴(かこ)をさげて性器を露出する。

 ぶらりと垂れた男根は、素蛾の腕ほどの太さだった。

 こんな大きな男の性器を目の当たりにしたことはなかったので、素蛾は一瞬だけたじろいだ。

 

「どうした? 舐めるんだろうが、女奴隷──」

 

 男が威嚇するように、素蛾の顔を軽くその肉棒で叩いた。

 ずっしりとした肉の塊で頬を打たれて、素蛾は我に返った。

 

「あっ、申し訳ありません。大きくて、びっくりしたものですから──。で、では、お願いします」

 

 素蛾はそれを口で咥えようとした。

 だが、素蛾の小さな口では、その大きな一物を咥えるだけでも大変そうだった。

 とにかくできるだけ大きく口を開けようと思った。

 

「だめえっ──」

 

 そのとき、いきなり目の前に誰かに割り込まれた。

 顔をあげると、素蛾と同じくらいの年齢だと思う少年たちだった。

 年齢は十歳から十四歳くらいまでと思う。

 それが十人以上はいる。

 彼らが素蛾と男の前に立ちはだかって壁を作ったのだ。

 

「な、なんじゃ、お前ら──。邪魔すんな。これは大人の遊びじゃぞ──」

 

 大男が怒鳴った。

 

「なに言ってんだい、おっさん──。子供も大人もあるかい──。それに、さっきから見てたんだぞ。おっさんは選手の性奴隷にしゃぶらせて、わざと射精しないで意地悪していただろう──」

 

 少年の一団のひとりが声をあげた。

 十人くらいの少年たちが一斉に男を威嚇するように罵り始めた。

 すると、大男は舌打ちしながら、素蛾の前から去ってしまった。

 ほかの競技者の性奴隷が第二関門にやってきたのだ。そっちに向かっていく。

 

「素蛾ちゃん、僕たちがやってあげるよ──。大丈夫だよ。すぐに出してあげるから。僕たちは素蛾ちゃんのこと応援しているよ」

 

「そ、素蛾ちゃん? ど、どうして、わたくしの名を知っているんですか?」

 

 素蛾はびっくりした。

 

「だって、僕たちと同じくらいなのに、大人の中にひとりだけ混じって頑張っているんだもの。すぐに名前は覚えたよ。僕たちは、素蛾ちゃんが大好きになって、それで、みんなで応援しようと思って集まったんだよ。頑張ってね。応援しているよ」

 

 少年のひとりが言った。

 そして、ほかの少年たちも次々に応援の言葉を口にした。

 

「あ、ありがとうございます──」

 

 素蛾は嬉しくなって、声をあげた。

 感動して涙があふれるのがわかった。

 

「それよりも、早く、素蛾ちゃん。できるだけすぐに出すように僕たちも頑張るよ」

 

 ひとり目の少年が素蛾の前に性器を出した。

 

「は、はい──。よろしくお願いします」

 

 素蛾は、まずその場で正座をしてお辞儀をした。

 そうやるものだと宝玄仙に躾けられたし、たとえ早さを競っているとはいえ、奉仕から手を抜いてはいけないと思った。

 それに素蛾を応援するために集まってくれた少年たちには、一生懸命に尽くしたい。

 素蛾はまずは少年の性器の先端に口づけをした。

 それが正しい作法のはずだ。

 宝玄仙がそう教えてくれたのだ。

 

「わっ」

 

 すると、少年が恥ずかしそうに小さな声を出し、まだ皮をかぶったままの性器がむくむくと大きくなった。

 素蛾は一生懸命に教えてもらったことを思い出しながら、それを咥えて舌を使い始めた。

 

 

 *

 

 

 劉和(りゅうわ)は、眼の前に広がっている十八枚の映像に見入っていた。

 股間の女の頭が上下に動いているが、そのことも忘れてしまうほどの愉快で素晴らしい品評会だ。

 ここは、その会場の眼と鼻の先の上官の屋敷の中の一室だが、劉和は上官に指示して、会場ではなくここから品評会を愉しむことにしたのだ。

 

 できれば劉和自身も上官の治める地方市民と混じって、この退廃的な催しを愉しみたいのだが、王太子の劉和が外に出れば、それだけで混乱が起きるのは間違いないし、警備の問題もある。

 東山郡における奴隷品評会の開催という噂を耳にし、急きょ忍びで見物させて欲しいという劉和の我が儘に快く応じてくれ、その劉和の訪問に合わせて、品評会の日程まで修正した上官に迷惑もかけたくない。

 それに、劉和は十分にここから品評会を観戦することに満足していた。

 

 いずれにしても、これだけの催し物を主催できる者は国都でも少ないだろう。

 それを上官は、市民のためにやっているのだ。

 上官の施政者としての力量はこれだけで評価できる。

 市民に豊かで安全な暮らしを保障するのは地方太守の重要な役割だが、この鳳仙(ほうせん)国の太守はそれだけでは務まらない。

 

 悪徳と退廃が鳳仙国の国是だ。

 市民に退屈をさせない淫行の娯楽を提供するのも太守の役割だ。

 鳳仙国の市民は、淫風で破廉恥な娯楽を提供できる施政者を最高の施政者と選ぶ慣習がある。

 そういう意味で、この東山郡の太守である上官は、おそらく地方施政者の中では、もっとも安定した治政をしている施政者だ。

 劉和はそれが確信できただけでも、王太子の立場を隠して忍びでやってきたかいがあったと思った。

 

 なによりも、この品評会は見ていて飽きないし愉しい。

 性奴隷たちの淫乱な戦いだけでなく、庭園のあちこちにあるちょっとした見世物や屋台や施設も、実に創意に富んだ淫靡な工夫がしてある。

 行き交う女奴隷たちの格好も実にいやらしくて素晴らしい。

 

 劉和の目の前にある道術の画面は、劉和の望むままに、この性の祭典の光景のどの場所でも観ることができる。

 いま、道術による映像に映っているのは、この上官の屋敷の庭園で行われている上官主催の奴隷品評会に出場中の十八人の性奴隷たちだ。

 それぞれが与えられた卑猥な課題をこなそうと、必死になって破廉恥な行動をしている。また、大勢の観客がそんな奴隷たちの淫乱で羞恥の格好に興奮した歓声をあげている。

 

 実によい……。

 

「んん……」

 

 股間で奉仕を続けていた女が苦しそうに鼻息を漏らした。

 そういえば、こうやって奉仕を始めさせてから、もう一刻(約一時間)になるはずだ。

 さすがに顎が痺れて苦しいのだろう。

 ただ、やはり、上官のところで飼っている性奴隷だけはある。

 素晴らしい舌技であり、油断するとうっかりと精を抜かれそうだった。

 もしも、十年前であれば、劉和はあっという間に女の口に精を放っていたかもしれない。

 

 だが、劉和も齢は三十五になり、鳳仙国の王太子として相応しい性の技には熟達している。

 自己の快感を統制して射精をとめることは造作もない。

 劉和は最高の快感を維持するために、射精が出る直前のところで快感を停止させて、ずっとその状態を保持していたのだが、それは性奴隷にはかなりの負担となる行為であったようだ。

 股間で奉仕を続けていた上官の性奴隷は、女はすでに汗まみれであり、荒い鼻息をしていた。

 

「よし、交代していいぞ」

 

 劉和は言った。

 顎が壊れるまで奉仕を続けさせてもいいが、あの実直な上官が大切している性奴隷だ。

 壊してしまうわけにはいかないだろう。

 

「奉仕させていただき、ありがとうございました」

 

 口を離してその女が、床に手をついて一礼した。

 

「わたくしが務めます」

 

 横に待機していた別の性奴隷が、すかさず劉和の股のあいだに跪いた。

 前の女の唾まみれになった劉和の一物をその女が舐め始める。

 

 劉和は、上官の計らいにより五人の性奴隷に囲まれていたが、そのうちのふたりが劉和の股間に奉仕する仕事をし、両脇のふたりが飲み物と食べ物を持って待機し、残りのひとりが傍に立って、劉和の言付けをあちこちに伝言する役目をしていた。

 別に劉和が命じたわけではない。

 

 劉和は、今朝からこうやって上官の屋敷の一室から庭園で行われている奴隷品評会の様子を道術で送られてくる映像で眺めているのだが、その劉和の世話をするものとしてこの五人があてがわれ、すぐにそれぞれの判断でこういう役割分断にしたのだ。

 もちろん、特別に命じれば、この女たちはどんなことでも応じるのだが、なにも指示しなくても、自分たちで考えて、こうやって劉和が気に入る最高のもてなしをしようともする。

 実によく訓練されている女奴隷たちだ。

 

 奴隷たちがこういう気配りができるというのは、やはり主人である上官が評判通りに実直で誠実な人間だからだろう。

 主人が素晴らしいとその奴隷も素晴らしいというが、まさにその通りだ。

 また、これほど訓練の行き届いた性奴隷を五人揃って劉和にあてがってくれたということにも、上官の心遣いを感じた。

 

 上官の性奴隷といえば、近隣でも有名な性奴隷たちであり、上官も最初は品評会の本選に何人かを参加させて、祭典の盛り上げ役として使う気だったようだ。

 だが、本来、道術遣いである彼女たちを本選に残すのは都合が悪かったということと、なによりも、美貌の性奴隷が直前に参加をしてくれたので、それで十分に盛りあがりそうだったので、全員を予選で敗退させて、今朝早くに道術で到着した劉和の奉仕役にあてがってくれたのだ。

 

「んふ……」

 

 奉仕を交代した女が鼻息をたてて、口の中で舌を使いだした。

 

「ほう……」

 

 劉和は声をあげた。

 女の舌技に驚いたのだ。

 口の中で、女の舌が劉和の一物を四方向から同時に舐め出したのだ。

 もちろん、なにかの道術なのであろうが面白い技だと思った。

 さすがは道術を操る上官自慢の性奴隷たちだ。

 劉和は感嘆した。

 

「果物のお替りはいかがですか、殿下?」

 

 左側の性奴隷が訊ねた。

 左の女の担当は劉和に食べ物を提供することだ。

 右の女は飲み物だ。

 それぞれに横に小さな卓があり、そこに食べ物や飲み物を置いている。

 いまは、数種類の果実と水で割った蒸留酒が準備されている。

 もちろん、ほかの物が欲しいと思えば、女たちは嬉々としてそれを運んでくるだろう。

 

「もらおうか」

 

 劉和は言って口を開いた。

 左の女が桃を自分の口に入れて咀嚼した。

 そして、劉和の口に唇を重ねて口の中のものを唾液とともに送り込んでくる。

 

「どうぞ、こちらも……」

 

 今度は右の女が酒を口移しで送り込んできた。

 劉和は酒を飲むついでに、その女奴隷の口の中を舌で愛撫した。

 舌を受けた女奴隷は、すぐに脱力したようになって腰をくねらせた。

 そのため、中腰の姿勢だった女奴隷の股間にぶら下がっていた小さな赤い布が揺れた。

 

 所有する性奴隷に創意を凝らした卑猥な服装をさせるのが最近の流行だったが、劉和に奉仕をしている五人の奴隷女の格好は、なかなかに面白い恰好だった。

 この五人は、上半身については、きちんとした召使女の格好であるのに、下半身については小さな赤い布一枚という珍妙な姿なのだ。

 この上衣はきちんとしているのに、股間を覆うのが布一枚というのはなかなかにそそる姿だ。

 いまも女奴隷が身体をくねらせて身体を揺らすことで、布の下の動いて陰毛がちらりと見えた。

 劉和はそれを眺めて、つい、ほくそ笑んでしまった。

 

 あからさまに曝け出しているのもいいが、こうやって見えそうで見えず、そして、見えなさそうで見えるという不安定さがいい。

 劉和は国都に戻ったら、王太子に仕える女官たちに同じような服装をさせてみようかと考えていた。

 女官は性奴隷ではないので、四六時中ああいう格好をさせるわけにはいかないが、なにか粗相としたときには、罰と称して一日とか、二日とかを性奴隷の格好にさせることはできる。

 そのときに使おうと思った。

 

「殿下、お館様が戻りました」

 

 女奴隷が言った。

 “お館様”と女奴隷が呼ぶのは、もちろん上官のことだ。

 

「おう、入らせよ」

 

 劉和は言った。

 上官はこの催し物の主催者であるため、たびたび中座して必要な指示をしたりしているが、そうでないときは品評会全体の仕切りをここからやりながら、劉和の接待をしている。

 劉話のことなど気にせずに、品評会の主催に専念せよと言うのだが、王太子の劉和が、忍びとはいえ、わざわざ訪問してくれたのだから、そうはいかないと言って、可能な限り劉和のそばにいようとする。

 相変わらず、真面目で律儀な男だ。

 

 女奴隷たちが動き出した。

 股間に奉仕を続けていた女奴隷はそのままだが、ほかの性奴隷たちが、さっと動いて劉和の隣に上官の席を整え直す。

 上官がやって来た。

 

「盛況のようだな、上官──。ここから道術で送られる映像を見るだけでも、市民たちの熱狂が伝わってくる。実に愉しい催しだ──。国都に戻って、国王陛下にこの品評会のことを話したら、陛下自身が見られなかったことを本当に口惜しがると思う。まだ途中ではあるが、この祭典は、おそらく、後々まで語り草になるほどの噂になると思うぞ」

 

 劉和は笑った。

 

「恐れ入ります」

 

 上官が頭を下げた。

 そして、上官は準備された椅子に座り、劉和とともに映像を観る態勢になった。

 すぐに五人の女奴隷のひとりが上官に飲み物を準備する。

 酒ではなく、果実水を氷で冷やしたものだ。上官はそれを杯で受け取った。

 

 普段であれば、この五人の女奴隷は上官に仕えるのだから、劉和が受けているような口移しの供応は上官自身が受けているはずだ。

 だが、上官は、その女奴隷たちには、いまは劉和の接待をさせているので、自分には奉仕はさせないようにしているようだ。

 その辺りの細かい気配りも、すべてに行き届く性格の上官らしい。

 劉和は微笑んだ。

 

「第二競技も佳境になってきたな。そろそろ、五個のうちの四個目の関門に辿り着く者が出てくるのではないか?」

 

 劉和は言った。

 十八枚の映像では品評会の競技参加者の性奴隷が与えられる課題に奮闘しているが、そろそろ、二つ目、三つ目の課題にかかる奴隷が現れ出した。

 

 この第二競技は、庭園のあちこちに設置された五個の関門を探し、そこで示される課題を終わらせて、その時間を競うというものだ。

 

 奴隷たちには、第一関門から第四関門まではどれからやってもいいとし、第五関門だけは最後に行わなければならないと告げているが、実際には、ひとつの場所に偏ったりしないように、厳密に奴隷者ごとに着手する関門の順番が定まっているらしい。

 それを奴隷たちの股間にはかせている透明の下着が、向かうべき奴隷たちを誘導しているのだ。

 また、奴隷たちの額にさせている霊具のサークレットが、女奴隷たちの視界を制限し、向かうべき関門の場所以外は眼の前にあっても気がつかないようにもなっているようだ。

 

 一方で、上官は会場内の上空にも、十八人の姿をいつでも観客が見れるように、各競技者の姿を道術で投影している。

 しかし、参加している性奴隷たちには、上空にある映像についても、自分の姿以外は見ることができないように、サークレットの霊具が細工をしているらしい。

 なぜ、そんなことをしているかといえば、この第二競技は、関門の課題を終わらせていく順番によって勝敗が左右されるからだそうだ。

 それで、望む奴隷に点数を獲得させるとともに、この第二競技で脱落させようと考えている奴隷を不利な順番でさせているのだ。

 

 どれから行ってもいい四個の関門のうち、最初のうちに「関門一」の課題の三個の障害を踏破する課題をするのが比較的有利らしい。

 関門一の三個障害の課題は、性の体力も持久力も使うので、それを元気なうちに終わらせおくのが、最終的には優位になるようだ。

 そうやって、奴隷たちが公平な条件で競技をしているように見せかけておいて、実際には、品評会が盛りあがるように巧みに勝敗を演出しているというわけだ。

 実に上官らしい気配りのあるやり方だ。

 

 競技に有利な順番により、最初に関門一に行かされたのは、いままでの品評会の中で注目を集めている奴隷たちのようだ。

 人気のある選手を決勝に残せば、それだけ決勝も盛りあがる。

 それを考えての演出だろう。

 関門一の障害踏破の課題には、十八名中の七名が最初に着手した。

 そして、もっとの不利になる順番は、関門四の課題を最初にやることだ。

 

「可哀想に、関門四に最初に向かわされたふたりの奴隷は、もう限界のようだぞ」

 

 劉和は映像を眺めながら笑った。

 関門四に行かされたのはふたりだった。

 その関門の課題は大量浣腸を受けて、それを五個目の最後関門まで耐えるというものだ。

 関門の課題自体は、ただ大量の洗浄液を腸に注がれるだけなので、もっとも早く終わるが、排便を最後に行う最終関門までさせてもらえないので、これが最初だと競技者にとっては苛酷な条件となる。

 

 しかも、ほかの課題をやっているあいだは、道術のこもった肛門栓をしてもらえるのだが、関門から関門に移動しているときには、肛門栓は外されてしまうので、それは自力で我慢しなければならない。

 そして、最終関門に到着する前に途中で排便を洩らせば、その奴隷は失格ということになっている。

 いまのところ、そのふたりの競技者は、なんとか二つ目の関門までは向かったが、大量の浣腸を受けている状態では、それぞれの次の課題を満足にこなすことができないだろう。

 

 すでにかなりの時間が経っており、その課題が終わると同時に霊具の肛門栓が一時的に消滅するので、三個目の関門まで辿り着くことはできないはずだ。

 つまり、関門四に最初に行かされた性奴隷は、最初から失格させるつもりで、そこに誘導されたのだ。

 

「実は、あの奴隷たちは最初から途中で脱落させると決まっていたのですよ。それが主人たちの希望でして……。それぞれの理由から出場させた女奴隷を競技途中で失格というかたちで脱落させてくれとお願いされているのです。第一競技で脱力した二名も同じです……」

 

「ほう、そういう裏取引が?」

 

「まあ、それを調教の一環にするのでしょうね。いずれにしても第三競技は十六名と決まっています。あの二名が脱力するので、日が暮れてからの第三競技は十六名で実施です。その十六名で決勝の四名を選ぶのです」

 

 上官が言った。

 

「約束競技ということか。第一競技の失格者は夕方までのくすぐり放置だったな。第二競技の失格者はどうなるのだ?」

 

「さかりのついた犬の檻に股を開いて拘束し、明日の昼まで放置されます。人間の女を犯すように調教されている犬たちですから、こちらで犬を静止させるまで、犬は交代で女奴隷を犯し続けます──。これも、この性の祭典の余興のひとつです」

 

「ほぼ丸一日の獣姦か──。確かに、それは素晴らしい催しだが、下手をすれば、その性奴隷は発狂するだろうな。よくも奴隷の主人たちが合意したな」

 

「いえ、そのようなことはありません。出場する性奴隷たちに嵌めさせている『誓いのサークレット』という霊具にはさまざまな効果があるのですが、奴隷を発狂させないように守るのも、あの霊具の能力です。女奴隷たちの心には、深い精神的な痛手は残りますが発狂はしません。それを知っているから、女奴隷たちの主人も、彼女たちを罰奴隷にすることを認めましたし、むしろ、希望したのです」

 

「なるほどのう……。だが、罰を受ける女奴隷にとっては、どちらが残酷なのだろうな。大きな犬から一日も輪姦されるなど、むしろ発狂した方が楽かもしれんぞ」

 

 劉和は笑った。

 上官も愛想笑いのような笑みを顔に浮かべた。

 

「ところで負けさせる性奴隷が決まっておるなら、決勝に残る四名は決めておるのか?」

 

 劉和は訊ねた。

 そのとき、わっという大きな歓声が映像から聞こえた。上官は大歓声のあった競技者の画面に目をやった。

 最年少の童女の競技者の画面だ。

 どうやら、口奉仕で十人抜きの課題が終わったようだ。

 この童女にとっては、二つ目の課題のはずだ。

 道術で送られる映像が、その少女の誇らしげな顔を大写しにした。

 本当に無邪気な笑顔だ。

 劉和は思わず微笑んだ。

 しかし、その顔になにか引っ掛かるものがあった。

 

「この童女、どこかで……?」

 

 そして、劉和は呟いた。






 *


[二競技の内容]

・関門一:三個障害の突破
・関門二:口奉仕十人抜き
・関門三:?
・関門四:大量浣腸
・最終関門:?
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