「お、お願い。こいつじゃなくて、あんたらが、あたしの口を犯してよ──。早く──」
沙那は自分のを舐めろと寄ってきた大男を一蹴して拒否すると、集まってきた男たちに叫んだ。
その大男は何度も精を放った気配がある。そんなのに関わっていたら効率が悪い。
沙那に拒否された大男は、沙那に罵声を浴びせてきたが、ほかの男たちに怒鳴られて追い払われた。
とにかく、やたらに男が沙那に集まってくる。
そして、我も我もと寄ってくる。
この中から的確に相手を選んで、少しでも前に追いつかなければ……。
考えていたのはそれだけだ。
わざとゆっくりやろうかと思っていたが、そんなことをしたら大変なことになることがわかった。
最下位から数名は獣姦の晒し者……。
その恐怖が沙那を襲う。
「ま、まずは、あんたのをしゃぶらせて」
沙那は集まっている男たちの中から、すでに股間が膨らんでいて、何度も精を放った気配のない男を選んで声をかけた。
精を早く出してくれそうな男をいかに見抜くか……。
それができれば、追いあげることは難しくないはずだ。
*
「しゅ、朱姫姉さん、気持ちいいです」
孫空女の隣で、滝のように汗をかいている素蛾が絶叫した。
一番感じる相手を想像しろとは教えたが、あからさまに朱姫の名を大声で呼びながら、達し続ける素蛾にはびっくりした。
観客たちもその素蛾に好意的な拍手をしながらも、朱姫とは誰だとざわめいている。
「よし、素蛾、いっていいぞ。関門終わりだ」
進行係が寄ってきて、声をあげた。
ふと見ると、素蛾の皿はいつの間にかいっぱいになっている。
孫空女の皿は八分目というところだ。
「は、はい。ありがとうざいます。孫様にも感謝します。次に行ってきます」
素蛾が何度も何度もお辞儀をして小走りに駆けていった。
激しく自慰を続けた身体に、股間の振動の誘導はつらそうだったが、それでも嬉しそうだ。
次の関門を探して去っていく。
「そ、孫女……」
声がした。
顔をあげると、げっそりとした顔をした沙那だった。
「すごいね……。追いついてきたんだね?」
孫空女は感嘆して言った。
沙那に進行係が寄ってきて、課題の説明をして皿を渡した。
沙那は、たったいままで素蛾がいた孫空女の隣の空間に跪いた。
「沙那、ここで挽回するんだよ。お前の取柄はその達しやすい身体だけなんだからね」
宝玄仙の声だ。
観客席からだ。
いままで見かけないと思ったが、あちこちをうろうろとしていたのだろう。
その横には朱姫がいる。
朱姫は孫空女や沙那たちと同じように素っ裸であり、なぜか犬のように四つん這いになっていた。
また、宝玄仙が朱姫に鎖を繋いで鎖を持っているのだが、朱姫は鼻輪をつけられて、その鼻輪に鎖の先が接続してあった。
さらに、競技開始前に、朱姫は鈴が鳴ると肛門が刺激される霊具を乳首と股間に装着されていたが、それと同じものが首にもリボンをつけてかけられてる。
「ほら、朱姫も応援しないかい」
宝玄仙が笑いながら、朱姫の鼻輪に繋がっている鎖を力強く引っ張った。
「ぎいいいっ。ブヒッ、ブヒッイイ、ブヒイイイ」
激痛に涙をこぼした朱姫が、豚の鳴き真似を絶叫した。
また、なにかをやらされているのだろうと思ったが、もう考えないようにした。
ふと見ると、沙那も呆気にとられたような顔をしていた。
だが、その沙那もすぐに視線を外す。
「お前ら、いま聞いたんだけど、最下位のふたりはここで脱落するらしいからね。頑張りな。脱落奴隷は、獣姦一日だよ」
宝玄仙が観客に混じって叫んだ。
孫空女はびっくりした。
「そ、それ本当よ……。わ、わたしも聞いた。ぐううっ」
沙那が全身を震わせて身体をのけ反らせた。
ふと見ると、沙那の身体はびっくりするくらいに真っ赤だ。
「ええっ?」
そして、孫空女はさらにびっくりした。
沙那の皿にもうかなりの量の淫液が溜まっていたのだ。
なんでこんなに短時間でと思ったが、沙那の股間はもうなにもしなくても、ぽたぽたと淫液が滴り落ちているような状態のようだ。
それでどんどんと溜まっているのだ。
孫空女は慌てて、自慰に心を集中した。
*
「か、浣腸、ありが……と、う、ござい、ま、す……」
素蛾は懸命にお辞儀をしようとしたが、まるで妊婦のように膨らんだ腹では、身体を屈めることはままならなかった。
それに、ちょっとでも刺激を与えられれば、いまにもお尻から大量に注がれた浣腸液がこぼれそうだ。
「お、お辞儀なんていい。それよりも行け──。最終関門はすぐだ。そこに行けば出せる。それに手で押さえることは禁止じゃねえ。手で押さえていけ。途中で洩らしたら、それで競技失格になるぞ」
すると、進行係が心配そうな声をあげた。
「は、はい、そうし……ま、す……」
素蛾は片手でしっかりと肛門に蓋をした。
苦しい……。
いまにも漏れる……。
素蛾は歯を食いしばった。
四個目の関門の課題は浣腸を受けて、最終関門まで洩らさずに進むというものだった。
素蛾は歩き出した。
「待て」
すると、大声で進行係に呼び止められた。
「は、はい……」
「実は最終関門はこっちだ。ここから離れた瞬間に、股間の前後が動き始めて、お前を誘導するが、お尻が振動されるとつらいだろう。こっちを真っ直ぐに向けて進め。そうすれば、後ろは反応しない」
進行係が小さな声でささやきながら、素蛾の身体をある方向に向けた。
「あ、あり……がと……う、ご、ござ……」
「いいから、もう喋るな。それだけでつらいんだろう? まあ、その小さな身体で、ほかの競技者と同じ量の洗浄液を浣腸されるんだ。それくらいの上乗せはないとな」
進行係が笑って片目をつぶった。
*
「よし、孫空女は終わりだ。沙那も終わりだな。ふたりともまん汁溜めの課題は終了だ。行っていい」
進行係が言った。
「沙那、すごいじゃないか。この競技だけは早く終わると思っていたよ」
観客席にいる宝玄仙が笑いながら叫んでいる。
しかし、沙那は疲れてしまって、もう返事をしなかった。
声を出すのもだるいのだ。
「ほ、ほんと、すごいよ、沙那。追いつかれるとは思わなかったよ」
孫空女も感心したような声をあげた。
「そ、そんなの褒められても嬉しくないわよ。とにかく、次に行きましょう」
沙那は言った。
まだ、自慰を続けているのは五人くらいいた。
沙那が始めてから増えた女はいなかったので、もしかしたらいまここにいる女たちで最後なのかもしれない。
ここにいる女たちが次の課題がまだなのであれば、少なくとも五人は抜いたことになる。
そうであればいいと思った。
とにかく、残りふたつ。
「ひいいいいっ」
すると、股間の振動が始まり、沙那は思わず膝を落とした。
その途端、周りの観客がどっと笑った。
*
「く、口で奉仕させて頂いたのは、左のお方です……。ま、前を苛めてくださったのは真ん中の方……。お尻を苛めてくださったのは右の方です……」
素蛾は荒い息をしながら言った。
目の前に下半身を剥き出しにした三人の男の人がいる。
顔には全員が動物の面を被っている。
素蛾がこの最後の課題で命じられたのは、目隠しをして女陰と肛門と口の三箇所に肉棒を受け、そして、目隠しを外して、目の前に並べられた性器を観察して、それぞれがどこを犯したかを当てるという課題だ。
犯される時間は長いものではない。
せいぜい三分というところだろう。
だが、外れれば、同じことを繰り返すのだ。
三個の組み合わせを正確に当てないと、再び目隠しをして三箇所を犯される。
ここが最後の関門であり、すでに全関門を終わらせた女奴隷はふたりだった。
また、素蛾と同じように三人の男に犯される課題を実施中の女が六人いる。
そのひとりずつに、仮面を被って股間を剥き出しにした三人の男がついている。
全部が一度に正解しないとだめなので、見ていると全部正解できる女は少なく、やり直しが繰り返されている。
また、この会場の前には大勢の観客が集まっているが、最前列に主賓席があり、上官太守をはじめとする貴賓客が席にいた。
上官太守の横には宝玄仙が座っている。
また、宝玄仙の傍には全裸で四つん這いの朱姫も地面に座ってもいた。
ただ、貴賓たちの足元なのでその姿がよく見えないのが残念だ。
「全部正解です。三抜けは、最年少の素蛾です。しかも、一発で正解しました」
司会が叫んだ。
観客が歓声とともに拍手をしてくれた。
素蛾はほっとした。
口で奉仕した肉棒は肌の匂いですぐにわかった。
残りの肉棒は、どちらが前で、どちらが後ろかは、犯された感触だけではわからなかったが、素蛾の膣を犯した男が執拗に素蛾の内腿に手を触れていて、そのとき指輪が肌に当たる感触があったのだ。
三人の中で指輪をしている男はひとりだけだった。
その男が前で、もうひとりが後ろだと考えた。
果たして正解だった。
よかった……。
素蛾はほかの競技修了者の位置に向かい立たされた。
なにかの道術がかかった気がして、腰の周りのなにかが蒸発したような感触があった。
おそらく、最初にはいた透明の下着がなくなったのだと思ったが、
もともと素っ裸と同じだったので、なにかが変化したような感じはない。
しばらくすると、孫空女がやってきた。
少し遅れて沙那も来た。
ふたりとも下腹部が膨らんでいて苦しそうだ。
そして、孫空女と沙那のふたりは、この演台に向かう前に、その横に設置されている透明の壁の小部屋の中に誘導されていた。
そこには、地面に掘った穴があり、そこで周りの観客に見られながら排便をするのだ。
素蛾もそうだった。
ただ、透明の壁が匂いを逃がさないようになっていて、臭気は外には漏れないようだ。
また、素蛾も説明を受けたのだが、施された浣腸液は霊気のこもった腸の洗浄液であり、それを排便することで一回で腸をきれいにすることができるのだそうだ。
やってきた孫空女と沙那は、一緒にその透明の部屋に閉じ込められた。
ふたりが恥ずかしそうな仕草で穴にお尻を向けてしゃがみ込んだ。
*
「孫空女、正解──。七番目です」
司会が言った。
孫空女はほっとするとともに脱力した。
終わった……。
とにかく、終わったのだ……。
孫空女は司会の誘導により、素蛾たちが並んでいる列の七番目に立った。
ほかの女たちも疲れている。
立っているのもつらそうな者ばかりだが、さすがに座り込む者はいまのところいない。
「沙那、正解──。彼女も一発正解です。すごい追いあげでした。八番目です──」
司会が叫んだのが聞こえた。
「おめでとう、沙那……」
孫空女は声かけた。
「あ、ありがとう、まあ、最後でなくてよかったわ。上過ぎず、そして、下過ぎず、なかなかいい位置じゃない」
沙那がにやりと笑った。
孫空女は苦笑した。
「……ところで、どうやって当てたのさ。あたしは肌のかすかな匂いで全部区別がついたけどね。本当に肉棒のかたちで当てた?」
「そんな芸当ないわよ。醸し出す気でなんとなくわかるのよ。最初に精神を研ぎ澄ますと、三人の男の気の違いがわかるわ。わたしはそれを当てただけよ」
沙那は言った。
*
「さあ、第二競技の全種目が終わりました。排便を途中で洩らした女奴隷ふたりが失格です。後ろをご覧ください」
司会が言った。
沙那は演台から観客席の後ろに視線をやった。
ここにいる全員の視線もそっちに向かう。
ふたつの大きな檻ができていて、そこには、それぞれ十匹ほどの大型の犬が集められていた。
そこに泣き叫んでいる女奴隷ふたりが入れられようとしていた。
道術で拘束されているのか、身体は大きく股を拡げた状態から動かせないようだ。
女たちが檻に入れられると、犬が一斉に女奴隷に襲いかかった。
沙那は自分の顔が蒼くなるのがわかったが、女奴隷ふたりの姿は、檻を取り巻いた観客たちによって阻まれた。
ただ、女たちの悲痛な叫びが周囲に響き渡り続けている。
「……さあ、ところで第二競技の得点の結果と、夜に行われる第三競技の内容の発表です。まずは得点です。皆さん、上空に注目ください」
司会が叫んだ。
沙那は空を見た。
そこに文字と数字が浮かんだ。
わっと会場が歓声で揺れた。
「え、ええ──?」
沙那は浮びあがった第二競技の得点結果を見て、思わず声をあげた。