宝玄仙が両手で敷布を握りしめて、しなやかな肢体を弓なりに反らせた。
背中は完全に浮き、頭で身体を支える状態になっている。
「ああっ、はううっ」
宝玄仙が美顔をしかめて大声で喘きながら、身体をぶるぶると激しく震わせる。
やっと官能の頂点に達したようだ。
寇員外はそれを確かめてから、おもむろに宝玄仙の膣の中に精を放った。
射精の快感が寇員外をじんわりと包み込む。
すると、宝玄仙が寇員外の身体の下から両手を伸ばして、寇員外の裸の背中を強い力で抱きしめてきた。
寇員外もまた、宝玄仙の裸身を抱き返す。
そのあいだも寇員外の射精は続いている。
宝玄仙の膣に締めつけられながら、寇員外は迸る精をさらに宝玄仙の膣の奥に注ぎ込んだ。
「あ、ああっ、す、すごいよ……あ、ああっ……」
やがて、寇員外は最後の一滴まで宝玄仙の股間に精を注ぎ込んだ。
「ふう……。堪能しました。素晴らしい身体でした、宝玄仙殿」
寇員外は大きく息を吐くと、宝玄仙の裸身から手を離した。
宝玄仙も寇員外の身体に回していた腕をほどく。
寇員外は萎え始めた幹を抜き、宝玄仙の隣にごろりと仰向けになった。
「こ、これで、千人切り達成です……。ありがとうございました、宝玄仙殿。やっと、満願成就がかないました」
寇員外は寝台の天蓋を見ながら言った。
「……女千人切りを果たせば、長寿が約束されるんだったっけ?」
汗まみれで横になっている宝玄仙が、寇員外の横で笑った。
「そういうことになっています。どのようなかたちでそれが実現するかわかりませんけどね……。また、あの女神が夢の中にでも出てきてくれて、長寿の秘訣でも教えてくれるのでしょうか?」
「さあね……。女というのは気紛れなものだしね。特に、女神というのは、昔から移り気で自分勝手と相場も決まっている。その女神もお前に千人切りを命じたことなんて、すっかりと忘れて、今頃は、別の男の夢の中に入っているかもしれないさ」
「そうかもしれませんね。まあ、おかげで、千人もの女性たちを抱いたのですから、女神には感謝しませんと……。たとえ、長寿が与えられなくても、私は素晴らしい時間をすごしましたから」
寇員外は言った。
「七年間で女千人かい……。そういえば、それはお前の奥さんが亡くなって、こっちに移ったのが、そのきっかけだったね……。お前のような女泣かせの嫁というのも大変だったと思うが、奥さんが存命の頃から数えると、どのくらいの女と関係したんだい?」
宝玄仙が何気ない口調で訊ねた。
「あいつが生きている頃に、別の女を抱いたことなどありませんよ」
「嘘を言うんじゃないよ。お前のように性欲が強い男が嫁ひとりで足りるわけないだろう」
宝玄仙が大きな声で笑い出した。
「本当です……。私はずっと嫁ひとりでしたよ──。あいつが死ぬまではね」
「まあいいよ……。そういうことにしておいてやるよ。いずれにしても、明後日には出立しようと思うけど、その前にお前の死んだ嫁さんのために、祈りの祭事をしてやるよ。これでも、故郷の東方帝国では神官だったのさ。結構、名のある巫女でね」
「それはありがたい。是非、お願いします……。それにしても、あなたが神官だというのは意外ですね……。おっと、これは失言でした。申し訳ありません」
「いいさ。確かに、このわたしが巫女だったというのは意外だと、わたし自身も思うしね。あれは、実に純潔さと清廉さが求められる職業でね」
「そうなのですか?」
「ああ、だけど、わたしに言わせれば、お前が嫁が存命のときには、その性欲を嫁ひとりで満たしていたという方が意外だよ。一体全体、どうやって耐えていたんだい? 嫁を抱いた後、足りない分は自慰でもして発散したかい?」
「それは秘密です」
寇員外は苦笑した。
だが、まさに宝玄仙の言うとおりだった。
新婚時代は、あの妻も激しい寇員外の性欲に応じてくれていたものの、やがて、妻に泣きながら、どうか性欲を発散するための妾を作ってくれと頼まれたことがあった。
もちろん、寇員外は妻を愛していたし、ほかの女を抱くつもりはなかったので、妾は作らなかった。
だが、ただ、それ以降は、妻との性交では一回の回数を抑えることにした。
抱くときはひと晩に精を一回。
そして、その一回で妻を満足させる──。
そして、それでやめる。
自分が満足するのではなく、妻が満足することを第一とする。
一度で満足できない場合は、隠れて自慰で性欲を発散してでも、妻の身体に負担をかけないようにする……。
その代わり、妻のことは毎晩抱かせてもらう……。
もちろん、妻の体調が悪いときなどは除いてだ。
それが、当時に決めた寇員外の性の掟だった。
寇員外はそれを妻が死ぬまで守り通した。
まあ、それで妻との関係はうまくいった。
人並み以上に仲のいい夫婦だとも称されたし、妻も病気で死ぬ前には、寇員外のおかげでいい人生を送れたと笑って逝ってくれた。
妻以外の女を抱いて、女千人切りなどを始めたのは、妻が死んでからだ。
従って、寇員外がこれまでの生涯で抱いた女の数というのは、一千一人ということになる。
無論、最初のひとり目は妻だ。
「まあいいさ……。それに、長寿はともかく、お前は“若さ”というのは手に入れているよ」
思念に耽っていると横の宝玄仙が声をかけてきた。
「若さですか?」
寇員外は顔を曲げて宝玄仙に顔を向けた。
「ああ、そうだよ」
すると、宝玄仙がまだ剥き出しだった寇員外の一物をぎゅっと握った。
「おっ」
思わず声が出た。
痛いわけではない。
独特の握り方で股間を圧迫されて、疼きのような快感が股間に走ったのだ。
宝玄仙の手の中で、寇員外の一物が再び硬度を保ったのがわかった。
「こんなに若いじゃないか。だって、お前はもう六十だろう。その年齢でこんなに股間が元気なら若すぎるくらいだよ。淫乱の女神なんかの助けなんかなくても、しっかりと長生きはするよ。この宝玄仙が保証するよ……」
「なるほど、そういうものかもしれませんね」
寇員外は笑った。
宝玄仙が寇員外の男根から手を離した。
「ああ、そういうものさ……。だけど、さすがに、若者のような身勝手な性交はしないね……。それは感心するよ。さっきだって、ちゃんとわたしが達するのを確認してから精を放っていたじゃないか。まずは、女を満足させようという優しい性交だ……。それについては、逆に年齢を重ねた老練さと技巧を感じるよ」
「私は女体を抱かせてもらっています。だから、相手を満足させる努力をするのは当然ですよ」
本心だった。
女性を満足させないと、寇員外は性交を行ったという気分になれないのだ。
逆に言えば、女が満足さえしてくれれば寇員外は十分に嬉しい。
自分の性欲の発散はその延長上にあるが、それは寇員外にとって必ずしも必要なことではない。
「いやいや、なかなかできるものじゃないね。さすがにわたしは千人もの経験はないけど、おそらく、お前のように優しい性交をする男はほとんどいないと思うよ。大抵の男は自分が満足すればそれで終わりだからね。女の快感など気にしている男なんていないさ」
「そうでしょうか?」
ほかの男の基準など知らない。
ただ、千人の女を相手にするうちに、その女たちが寇員外との性交を素晴らしいものだったと口込みで広めてくれたというのは確かだ。
だから、千人の半分を相手するのに七年のうちの五年がかかったが、残りの半分は二年だ。
そのうちにわざわざ、この地霊の町までやってきて、寇員外に抱かれることを求める女まで現れるようになったのだ。
もちろん、そういう女性たちにも、寇員外は誠心誠意に尽くした。
「ああ、そうさ──。第一、女扱いがうまいよねえ……。最初の夜、沙那と孫空女を目隠しをして抱いたね。あれも感心したさ。あいつらはなんだかんだといって、被虐癖が強いからね……。あんな風に抱かれると蕩けてしまうのさ」
「そうなのですか?」
「まあね。その後の抱き方もよかったよ。少し乱暴で侮辱的な抱き方だ。あれはあいつらが一番弱い抱き方さ……。しかも、激しい抱き方のようでありながら、しっかりと自制された抱き方だった。ちゃんと快感が苦痛に感じ始める前にきちんとやめたしね……。まあ、よく女を見ながら抱いているなと思ったよ」
宝玄仙が言った。
「たくさんの女を相手にしましたからね。なんとなく、相手の女性の好みの抱かれ方というのが、わかるようになったのです」
「そうなんだろうねえ……。夕べの朱姫と素蛾についても、一転して優しく抱くてくれたらしいじゃないかい」
「優しくなどありませんよ。ふたりには酷で侮辱的な行為も強要しましたよ」
寇員外は苦笑した。
優しくどころか、まだ少女のふたりに股を拡げて、お互いの股間を愛撫するのを見せるのを強要したり、結合している男女の部分を舐めさせたり、犯しながらもうひとりの少女の身体を舐めさせたりしたのだ。
寇員外の価値観では、随分と侮辱的な行為に思えるのだが……。
「いや、それは、あのふたりの欲望を見極めての命令だろう? あいつらは仲がいいからね。それを利用して、ふたりの緊張を削ぐようにしたんだろう」
「まえ、それは確かですね」
寇員外は笑った。
横の宝玄仙もにんまりと微笑んだ。
「いずれにしても、昨夜であのふたりの絆はさら強くなったさ。それにも感謝するよ。あのふたりも、お前には、すごくよい印象を持ったようだ」
「それは、どうも」
それにしても、宝玄仙は昨夜のことをよく知っていると感心した。
昨夜の時点では、宝玄仙はいなかったのだから、あのあと、朱姫と素蛾から根掘り葉掘りと聞き出したのだろう。
「……しかも、一回ずつで返してくれたようだね。あれは、あいつらが、それ以上の性交を求めた感じじゃなかったからだろう? だけど、お前自身は満足には程遠かったはずさ。遠慮なく抱いてもよかったんだよ。あいつらにはそう命じてあったんだ。ちゃんと、お前が満足するまで相手をしてこいとね」
「でも、朱姫殿はどうやら男との性交は苦手のようでしたから……。素蛾殿は性に積極的なように見えますが、あれは皆さまと一緒のときに限るようです。それにしても、素蛾殿は本当に健気でいい子ですね。皆様を本当に好いておられるようだ。私がいうようなことではありませんが、どうか大切にしてあげてください」
寇員外は言った。
「お前のそういうところが、千人もの女を引きつけたのさ……。まあいいさ。たけど、わたしも、あいつらの主人だという自負心があるからね。お前を参ったと言わせるまでやらないと気が済まないよ……。さて、じゃあ、もう一回戦だ。行くよ──」
宝玄仙が身体を起こして寇員外の身体に被さってきた。寇員外の腹に馬乗りになる。
愉しそうに笑っている。
本当に愉快な人だ。
抜群の肢体に驚くような美貌──。
気丈な性格と天真爛漫の無邪気さ──。
解放的な性──。
すべてが魅力的だ。
寇員外は、この素晴らしい女性に心の底から満足させる性交をしてあげたいと思った。
「わかりました。では、もう一回戦といきましょう。でも、体位を変えましょうか……。どうか、こちらに……」
寇員外は、一度宝玄仙を身体からおろした。
そして、さらに寝台からもおろし、部屋の壁まで誘導する。
宝玄仙に壁に両手をあてて、こちらに尻を突き出すように立たせる。
「おっ、な、なんだい……。これじゃあ、わたしがお前に奉仕できないじゃないかい? 今度こそ、わたしがお前をいい思いをさせてあげるよ。供たちを満足させてくれたお礼もあるしね」
宝玄仙が後ろに顔を向ける。
「あなたの満足が私の満足ですよ……」
寇員外は宝玄仙の尻の前に跪いた。
宝玄仙の両脚を開いている。
そのため、宝玄仙の股間では秘めやかな割れ目がはっきりと見えている。
とても綺麗な秘唇だ。
性経験は多いと称していたが、桃色を帯びた女陰の外襞からはとてもそんな風には思えない。
その股間からは、すでに溢れるばかりの蜜が光っている。
呼吸を忘れるほどの淫靡な光景だ。
寇員外は、舌を宝玄仙の尻に這わせた。
「ああっ、あっ」
すると、宝玄仙が驚くくらいに狼狽えた声を出して身体を震わせ出した。
やはり、後ろが弱いようだ。
一回目の交合のときに、宝玄仙が臀部への愛撫に異常に反応することがわかった。
宝玄仙が肛門への愛撫に強い淫情を示すということは明らかだった。
しかし、同時に肛門への愛撫に対する宝玄仙の強い嫌悪も感じる。
おそらく、なにかの心の傷のようなものが関係しているのではないかと思った。
だから、あまり一回目のときには、そこは意図的に責めたてなかったのだ。
一方で、肛門に宝玄仙の強い快感の窓があるのは間違いない。
だから、寇員外は、今度は奉仕というかたちを取ることで、その宝玄仙の源を責めることにした。
男が奉仕するという態勢であれば、少しは宝玄仙の嫌悪感も削がれるだろう。
それで宝玄仙の肛門への責めについての心理的な抵抗を小さくしてあげたいと思った。
せっかくの快感の源泉なのだ。もっと愉しめばいいのだ。
「お、お前、そこは……」
宝玄仙が強く腰を震わせた。
「いえ、奉仕させてください……。あなたのお尻を見ていると無性にむしゃぶりつきたくなるのです」
寇員外は尻の割れ目を中心に舌を這わせ、何度も繰り返し菊門の周りを舐めた。
宝玄仙の身体の震えが激しくなる。
そして、舌先を肛門そのものに触れさせた。
「うふううっ──」
宝玄仙が強く鼻を鳴らして、お尻全体を寇員外に押し付けるように突き出した。
寇員外は尻たぶを掴み、左右に押し広げると後ろの穴に舌をこじ入れるような刺激を与えた。
「あああっ──そ、そこは、だめええ──」
宝玄仙が泣くような声をあげて脚を震わせた。
開いている女陰からは大量の蜜が滴り落ちてくる。
寇員外は尻を責めていた舌を伸ばして、今度は、すっかりと勃起した肉芽をすくい出すように責めた。
さらに女陰そのものにも舌を動かす。
「はああっ、はあっ、はっ、はっ、ああっ」
宝玄仙は短くて激しい息を出し始める。
強い快感が襲っているのは確かだ。
やはり、この女性はお尻を混ぜた責めを与えると異常に反応する。
寇員外は再び舌を動かす場所を肛門に戻して、今度は舌をすぼめて肛門の内部に突き入れるようにして内側をかき回す。
「あはああっ」
宝玄仙が可愛らしい声をあげて、がっくりと膝を折りかけた。
慌てて寇員外は両手を腰の括れに動かして、しっかりと身体を支え直した。
しかし、宝玄仙の震えは止まらず、急に力を失ったようになり、その場に崩れてしまった。
「ほ、宝玄仙殿?」
寇員外は想像以上の反応に少し狼狽えた。
その宝玄仙が寇員外に笑みを向けた。
「ふふふ……。また、いったよ……。やっぱり、お前は女扱いが上手だよ。このわたしを立て続けにいかせるんだからね……。じゃあ、今度はお前自身がきておくれ。前でも、後ろでもいいよ……。好きな方を犯しておくれ」
汗で黒髪を額に張りつかせた宝玄仙は、すっと立ちあがると、また、さっきと同じ姿勢になって、壁に手をついて、こっちにお尻を向けた。
そして、挑発するように腰を振った。
「ならば、遠慮なく……」
前と後ろのどちらを犯すかは決めている。
宝玄仙の本当の心が求める方だ。
寇員外は壁の横の戸棚から潤滑油入りの小瓶を取り出して、すばやく怒張に塗った。
潤滑油でもあるが、薄い膜を作って、宝玄仙の肛門と寇員外の性器を清潔に保つ効果もある。
つまりは、安全に肛姦を交わすための特別な油剤だ。
寇員外は、その油剤を男根の先に塗って準備を整えると、宝玄仙の白い尻に男根の先端を突き立てて一気に滑り込ませた。
「ふああああっ」
宝玄仙が声をあげた。
寇員外の男根を宝玄仙の尻が締めつける……。
熱い……。
強い圧迫感……。
適度な湿り気……。
一物に襲いかかる素晴らしい尻の感触に寇員外は酔った。
「はあっ、はっ、はっ、はっ」
律動を開始すると、宝玄仙は耐えてきたものが噴き出すように絶息していた息を吐いた。
そして、激しい声を出し始める。
寇員外は宝玄仙の尻の感触を愉しみながら、背後から宝玄仙の腰を抱いて肛門を抜き挿ししていく。
宝玄仙の腰が揺れ、ぽたぽたぽたと股間から蜜が床に迸る。
彼女が強い快感に襲われていることは明らかだ。
「ああ、いいいっ──」
宝玄仙は引きつったような声をあげて、また身体を震わせた。
「まだまだ、私は満足しませんよ」
寇員外はそういって、さらに尻に男根を突き立てる。
宝玄仙が悲鳴をあげた。
今度は角度を変化させて、肛門を犯す──。
「はあああ」
しばらくすると、またもや宝玄仙が絶頂した。
それでも、寇員外は肛姦を続けた。
宝玄仙が激しく乱れ、今度は泣きじゃくりだした。
これには少し寇員外も驚いた。
快感が激しすぎて、気の強そうな宝玄仙も、自分の感情を制御できなくなってきたようだ。
だが、寇員外にはまだ宝玄仙をしっかりと観察する余裕もある。
寇員外はさらに宝玄仙に快感を与えるためにわざと荒々しく尻を犯した。
すると、宝玄仙の反応がさらに強くなった。
黒髪を振り乱して、腰を動かしてくる。
その動きが頂点に達する。
「あぐうううう、死ぬうううう──」
宝玄仙が壁に手を突いたまま咆哮した。
その身体が弓なりになり、束の間、硬直した。
そして、その場に完全に崩れ落ちる。
寇員外の怒張は、そのまま抜けていった。
「大丈夫ですか、宝玄仙殿?」
荒い息をしたまま跪いている宝玄仙に寇員外は声をかけた。
「だ、大丈夫……と言いたいけど……、お前にはかなわないね……。このわたしをこれだけ、たじたじにさせるんだからね。そんな男はそうはいなかったよ」
宝玄仙は身体を反転させて、腰を床につけたまま身体を寇員外に向けた。
そして、半開きの唇を近づけてきた。
びっくりするほどの妖艶さだ。
寇員外も、その瞬間、我を忘れた。
気がつくと、夢中になって宝玄仙と唇を重ねていた。
お互いの舌を絡ませ合い、そして、唾液をすすり合った。
唇を離す。
「ところで、私はまだ達してはいませんよ……」
寇員外はにっこりと笑った。
「そうだったね……。まだ、大丈夫だよ、寇員外……。今度こそ、お前に奉仕を……」
宝玄仙はかなりつらそうな気配だったが、それでも気丈に微笑みを返してくる。
寇員外は宝玄仙を抱き抱えるように、再び寝台に連れていった。宝玄仙を仰向けに横たえる。
そして、まだ呆けている感じの宝玄仙の両手を頭方向に伸ばさせて、寝台に備え付けてある枷を宝玄仙の両手首に嵌めた。
この寝台には、女たちとさまざまな性遊戯をする準備が予め整えてある。
こういう拘束具もそれらのひとつだ。
宝玄仙の手首に嵌めた枷は鎖が寝台の頭側に繋がっている。
これで宝玄仙は動けなくなったということだ。
「な、なんだい? 今度こそ、わたしが奉仕するよ。これを外しておくれ」
宝玄仙が焦ったように言った。
「あなたの快感こそが、私への奉仕ですよ……」
寇員外はこの気の強い女性の心に潜む、真実の性癖に気がついていた。
この女性はおそらく強い被虐癖だ。
確信はないがそんな気がする。
だから、この宝玄仙を心の底から満足する性を与えるには、そんな性交でなけらばならないと思う。
寇員外は今度は寝台の下側に鎖で繋がった枷を引っ張り出し、宝玄仙の両脚を開かせて、その足首に嵌めた。
「わっ、うわっ、わっ」
すると、宝玄仙がまるで少女のように狼狽えた声を出した。