「どこに連れて行くというのですか?」
顔に布で目隠しをされている。
寇員外は浴衣一枚という格好だったが、目隠しをされたまま、沙那と孫空女のふたりに抱えられて屋敷を歩かされていた。
宝玄仙たち五人は、明日の朝に出立ということになったのだが、その前夜である今夜、最後に贈り物をしたいと、彼女たちが言ってきたのだ。
それで自室で待っていると、沙那と孫空女がやってきた。
そして、寛いだ服に着替えさせられてから、こうやって目隠しされて部屋を出された。
やがて、屋敷の外に出た。
寇員外はどこに連れて行かれるのかがわかってきた。
「さあ、着きました。服をお脱がせしますね」
沙那の声がした。
まだ目隠しをされたままだ。
だが、ここがどこかはわかった。
寇員外の屋敷の敷地内にある温泉だ。
その脱衣所にいるに違いない。
寇員外の身体から帯が緩められて、浴衣が取り去られた。
「こっちも脱がすよ」
孫空女だ。
目の前でしゃがんでいるようだ。
寇員外は下着を身に着けていたが、それを孫空女にとられて足首から抜かれる。
「ちょっと、待ってね」
孫空女が言い、続いて、ふたりから衣擦れの音がし始めた。
沙那と孫空女も服を脱いでいるのだろう。
「さあ……。滑るかもしれないから気をつけてくださいね」
今度は、ふたりは両脇からしっかりと腕を組んだ。
温泉の岩場で足を滑らせないようにという配慮だと思うが、それにより、ふたりの豊かな乳房の感触が寇員外の腕に伝わってくる。
「湯だよ。かけるよ……」
孫空女が声をかけた。
裸身に温かい湯がかけられる。
さらに進まされて湯舟の中に入っていく。
湯舟の中は深い部分と浅い部分が作ってあるが、進んでいるのは膝下ほどの浅い部分だ。
やがて、椅子に座らせられる。
こんなところに椅子はなかったから、宝玄仙たちが運んできたのだろう。
座ったところで、また湯が木桶のようなものでかけられた。
目隠しを取られる。
「おお……」
寇員外は驚きと感嘆の声をあげてしまった。
目の前にあったのは、腰ほどの高さの台に寝そべった素蛾の裸身だった。
しかも、その身体の上に、肉や果物やそのほかの料理が並べられている。
いわゆる「女体盛り」だ。
「ど、どうぞ、召し上がりください……。よければ、わたくしを食べても大丈夫です……」
素蛾がなんとなく教えられた言葉を思い出しながら喋るような口調で言った。
その顔は少し恥ずかしそうだが、にこにこと笑っている。
「今日こそ、なにもしなくてもいいからね、寇員外……。わたしたちは明日の朝に発つけど、これは世話になったお礼だよ……。それから、この一帯はわたしの結界で包んでいるから一晩中裸でいても寒くはないはずさ。それに温泉だしね」
宝玄仙が微笑みながら言った。
しかし、寇員外はその宝玄仙の姿にもびっくりした。
湯舟だから素裸なのは当然なのだが、その裸の股間に赤い布を締めている。
「どうしたのですか、その恰好は?」
よく見れば、宝玄仙だけでなく、沙那と孫空女も同じように赤い布を股間に喰い込ませている。
なまじ素裸でいるよりも、真っ赤な布を股間に喰い込ませているだけの姿は余計に扇情的た。
一方で、もうひとりの朱姫は素裸だ。
素蛾が寝ている横に、人が座れるほどの台を持って立っていた。
「これは“
寇員外の正面に立った宝玄仙が笑って言った。
「ご主人様、正規の装束ということはありませんよ。これは、あの国の下着のような習慣のひとつです」
沙那が横から口を挟む。
「なんでもいいさ……。とにかく、これがわたしたちの接待ということだよ、寇員外……。さあ、お前たち、しっかりと命じたとおりにお世話するんだよ。手を抜くと承知しないからね」
宝玄仙が供たちに怒鳴ってから、自分は寇員外の座っている椅子の前に膝をついた。
そして、寇員外の男根に口を伸ばして咥え込んだ。
「こ、これは……」
寇員外は思わずうなった。
すぐに射精をさせるような性急な刺激ではない。
しかし、宝玄仙の口吻が気持ちがよかった。
あっという間に性器が怒張に変わる。
「素蛾の身体に載っている食べ物はどう? 自分で取ってもいいし、あたしが取ってもいいよ。どうしたい?」
孫空女が声をかけてきた。その孫空女は
「じゃあ、食べさえてもらおうか、まずは、肉を……」
寇員外は笑って言った。
孫空女が素蛾の腹に乗っている薄く切った干し肉を箸で取って、素蛾の股間にぐいぐいと押しつけた。
気がつかなかったが、そこにたれを置いているようだ。
「ああん、気持ちいいです、孫様……」
素蛾が甘い声を出した。
「皿が喋るんじゃないわよ、素蛾」
朱姫が素蛾に笑いながら言った。
そして、その朱姫は、寇員外の椅子の真横に持っていた台をぴったりと密着させて、その上に正座する。
ちょうど首を曲げれば、股間に届くくらいの高さと距離だ。
すると、沙那が、正座をした朱姫の股間のくぼみに葡萄酒を瓶から注ぎ込んだ。
「どうぞ、お飲みください」
沙那が優しい口調で言った。
「調べたら、本当は股間の毛を揺らすのが正規らしいけどね。わたしらは全員剃ってしまっているから、無毛の肉杯で我慢しておくれ」
寇員外の股間から口を離した宝玄仙が笑って言った。
「ご主人様、さぼっちゃ駄目だよ。ご主人様が言い出しっぺなんだから、ちゃんとやらなきゃ……。しばらくしたら、交代するかるさあ」
孫空女が笑って言った。
「はい、はい……」
宝玄仙が苦笑混じりに寇員外の股間に口を戻した。
再び、さざ波のような快感が股間から全身に流れ出す。
孫空女が口の中にたれのついた肉を入れた。
肉にはほんのりと素蛾の蜜の味がするような気がした。
いずれにしても美味だった。
「嫌じゃなければ、口移しで食べさせるよ」
孫空女が言った。
「嫌じゃないね。君たちの唾液も大好きだ」
寇員外は笑った。
すると、孫空女は素蛾の胸付近の果物を口で取った。
そのとき、素蛾が軽く悶えるような仕草をしたので、孫空女の舌が素蛾の乳首辺りに触れたのかもしれない。
そのあいだに、寇員外は首を曲げて朱姫の股間の葡萄酒をすすった。
「おっ?」
寇員外は驚きで声をあげた。
てっきり人肌で温かいと思っていたのに、朱姫の股間の葡萄酒はよく冷えていたのだ。
「朱姫は道術遣いですから……。道術でお好きなように温かいのも、冷たいのも作れます。どうぞ、注文してくださいね」
沙那が言った。
寇員外はあまりの至れり尽くせりに笑ってしまった。
「これは最高の贅沢というやつですな。美しい女性と少女に、これほどのもてなしを受けた男は王候貴族にもいないと思いますぞ」
寇員外は言った。
その口に孫空女の唇が重なって、唾液とともに孫空女の口で咀嚼された果物が送り込まれる。
また、股間では宝玄仙の頭が動き続ける。
快感を与えすぎないようにした適度な舌と口の刺激だ。
寇員外はだんだんと夢心地になってきた。
口の中のものを飲み込むと、朱姫の股間に再び口を伸ばす。
だが、ふと思いついたことがあって、顔をとめ、その代わりに手を朱姫の腰の後ろ側に伸ばした。
「知ってますかな? これは“わかめ酒”というんですよ。陰毛がわかめのように揺れるからと言われてますが、ほかにもこんな愉しみ方もあります」
寇員外は朱姫の尻の割れ目に沿って指を菊座に触れさせた。
「あっ、そ、そんな、だめです……くううっ……」
朱姫が腰を揺らしだす。
「ははは……。溢さないように頑張ってください、朱姫殿」
寇員外は股間の葡萄酒をすすった。
今度は朱姫の蜜の味がした。
お尻の弱いこの少女は、ちょっと尻に刺激を与えれば、たちまちに愛液を滴らせることを知っている。
「蜜入りのお酒がお好みですか? だったら、わたしが……」
沙那が朱姫の股間に葡萄酒を足してから、朱姫の乳首を舐め始める。
「さ、沙那姉さん……あっ、あっ、あっ……」
朱姫がさらに悶えだした。
寇員外は朱姫の尻から手を離した。
「素蛾、寇員外さんは、女の愛液が混ざった味が好きだってさ」
一方で孫空女は、わざと素蛾の股間を肉で擦るようにして、素蛾の股に蜜を絞り出している。
「あっ、は、はいっ……あ、ああっ……」
素蛾が甘い声をあげた。
朱姫と素蛾の喘ぎ声の二重奏を愉しみながら、寇員外はまた朱姫の股間から酒をすすった。
「そのうちに股から酒が染みて、身体が熱くなってくると思いますぞ、朱姫殿。まあ、その肌の色の変化を愉しむのも“わかめ酒”の醍醐味です」
顔をあげてから寇員外は言った。
「お、お酒が染みて来るんですか……? き、聞いてませんよ」
沙那の刺激を受けている朱姫が慌てたように言った。
その当惑ぶりが面白くて寇員外は笑った。
「どうぞ」
孫空女が干し肉を寇員外の口に送り込んできた。
素蛾の股間の蜜の香りがなくならないように、咀嚼をせずに肉の端を加えて口から口に渡してきた。
それを口で受け取った寇員外の口の中に、素蛾の体液の香りが広がった気がした。
すると、沙那が唇を重ねてきた。
一度寇員外の口に入った肉を舌で引き戻し、自分の口で軽く咀嚼をしてから、もう一度、寇員外の口に送り込んできた。
最高の経験だ……。
寇員外は五人の奉仕を受けながら思った。
(第105話『千人切りの願掛け』終わり、第106話『ある夜の出来事』に続く)
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【西遊記:96回、
天竺国を西に進む玄奘たち一行は、
そこには、
偶然に、寇員外と出逢った玄奘たち四人は、彼の歓待を受けることになります。
しかも、寇員外の願掛けは、ちょうど玄奘たち四人により、一万人の満願成就となりました。
大喜びの寇員外は、玄奘たち四人を幾日もご馳走責めにします。
弟子たち三人は喜びましたが、早く先に進みたい玄奘は、閉口します。
そして、供たちを強引に連れ出すことにします。
寇員外は引き留めましたが、玄奘の意思が固く、仕方なく盛大な見送りをして、彼らを送り出します。(②に続く。)