「起きんか」
横腹に激痛が走った。
同時につんとした刺激臭が鼻に刺さる。
瞬時に、意識が覚醒するのがわかった。
気絶していたわけではないが、おそらく、近い状態になったかもしれない。
意識の覚醒とともに、とてつもない疲労感に襲われた。
そして、自分の身体が床にうつ伏せになっているのを発見した。
左右の手首をそれぞれの足首に手枷で繋がれている。
そのため、尻を天井に高くあげたようなかたちでうつ伏せになっているのだ。
そういえば、
わけのわからない触手付きの淫具を挿入され、体力が尽きるまでお尻の穴で快感を繰り返し極めさせられた。
それで一度目の意識を失った。
だが、いまのように強引に覚醒させられ、いったん拘束を解かれてから、いまの状態に床にうつ伏せにされて、さらに尻穴に媚薬を塗られて、またもや繰り返し絶頂させられたのだ。
もう、失神など何度繰り返したのかもわからない。
「ほら、宝玄仙、何度も何度も、不甲斐なく意識を失うんじゃないよ。いいものを見つけてみたからね。あんたが、わたしを調教するために使った掻痒剤だよ。それを塗ってやるよ。そしたら、今度こそ、気を失うなんてできないよ」
次の瞬間、たっぷりと油剤が塗ってある指が宝玄仙の無防備な尻穴に入り込んできた。
「うわっ、そ、それは──」
はっとした。
宝玄仙が調合した痒み剤の効果は、誰よりも宝玄仙自身が知っている。
しかも、一度塗られると、半日はなにをされても、気が狂うほどの痒みが消えていかないという恐ろしい効き目の媚薬だ。
それを使われたら……。
「ああ、や、やめておくれ──」
唇を噛みしめ、腰を必死を打ち振るって、宝玄仙は鳴智の指を抜こうとした。
「ほう、宝玄仙の媚薬か」
「面白そうだな」
漢離仙と
宝玄仙自身の強い道術が込められている強力な痒み剤だ。
まだ、塗っている最中でありながら、早くも痒みが襲いかかってきた。
さらにたっぷりと塗りこめられてから、鳴智の指が離れていく。
そして、地獄のような痒みが始まった。
「ああ、か、痒い──。いやああ」
沸き起こった激痛のような痒みに、宝玄仙はどうにか痒みを忘れようと身体をくねらせた。
「ほう、痒み責めか──。面白そうだな。しばらく、放っておけ。宝がのたうち回るのを見たい」
椅子に座って、漢離仙たちが宝玄仙を責めるのを眺めて愉しんでいる闘勝仙が笑い声をあげた。
床に顔をつけるようにしている宝玄仙の視界には、ちょうど闘勝仙が見える体勢にある。闘勝仙は、宝玄仙の家宰だった
「わかりました。では、しばらく休憩にしてやろう、宝玄仙」
鳴智、漢離仙、呂洞仙が離れていく。
だが、左右の手首と足首をそれぞれに縛っている縄はそのままなので、宝玄仙が痒みの源を掻くことができない。
「ああ、うわああ、こ、こんなの──。ち、畜生──」
宝玄仙は悲鳴をあげて、腰を振りたくった。
もちろん、そんなものでは痒みは消えていかない。
「ははは、元はと言えば、自分が他人にやっていることさ。たっぷりと苦しみな。それをわたしに塗って、何日も放置した恨みは忘れてないからね」
鳴智が蔑むように言った。
さらに、男たちが揶揄の言葉をかけてくる。
「美貌の女八仙ともあろうものが、情けないだろう。もっと大人しくせんか」
「だが、なかなかに淫乱な腰の振り方だな。これは我々だけで愉しむのは惜しいですな」
「心配ない、呂同仙。いろいろと趣向も考えてある。そのうち、この奴隷の宝をもっと大勢に紹介する機会もあるというものだ」
闘勝仙の笑い声がした。
しかし、もう宝玄仙にはなにも頭に入って来ない。
とにかく、狂うようなお尻の痒みに泣き狂うだけだ。
そうやってしばらく放置された。
そのあいだ、宝玄仙は口惜しいが、繰り返し哀願の言葉を代わる代わる周りの嗜虐者たちに叫び続けた。
「ねえ、闘勝仙様、わたしは、本当にこの女には、口惜しい思いをさせられ続けたんです。ちょっと仕返しさせてもらえませんか?」
鳴智が宝玄仙の首に鎖のついた首輪を嵌め直し、その鎖を長椅子の脚に短く繋げ、宝玄仙の顔が床から離れないようにした。
「存分にするといい」
闘勝仙が嗜虐的な笑い声をあげながら言った。
宝玄仙はほとんど床に口を密着させそうな体勢だ。
「な、鳴智――。お前、闘勝仙なんかの言いなりになるんじゃないよ。こいつは根っからの悪党だ。性根が腐ってんだよ。女をいたぶって悦に入るような性悪だ。こいつになんか媚びを売っても……」
気が狂うような尻穴の痒みは続いている。
少しもとめるとこができない尻を振りながら、宝玄仙は視線に入る鳴智の足に向かって叫んだ。
「うるさい――。もう遅いよ。わたしはお前に復讐するためなら魂だって売るさ」
鳴智ががんと宝玄仙の頭を力強く上から踏んだ。
「あがっ」
激痛で一瞬意識が遠くなる。
だが、すぐに痒みで覚醒される。
「あ、ああっ、か、痒い……。痒いよお……。ち、ちくしょう、痒いっ」
頭を踏まれる屈辱も、闘勝仙たちの罠にかかって道術を封印された悔しさも忘れて、宝玄仙は必死に尻を振って痒みを癒やそうとした。もちろん、意識してしまった痒みは、収まることなく増長する。
「そうか、痒いか、宝」
闘勝仙が愉しそうに笑うのが聞こえた。
「これは面白いな。古くさい責めだが、宝玄仙のような生意気な女を調教するには、ぴったりだな」
「どこが痒いんだ、宝玄仙? 具体的に教えてもらえれば、そこをいじってやらんでもないぞ」
漢離仙と呂洞仙も、闘勝仙におもねるように、宝玄仙をからかう。
宝玄仙はあまりの悔しさで気が狂いそうだ。
また、いつの間にか、頭の上の重みはなくなっている。視界が低いのでよくわからないが、鳴智は近くにいると思う。
そして、そのまましばらく放置された。
暴れる宝玄仙の身体を闘勝仙が道術で押さえ込み、動かせるのは尻だけにされ、宝玄仙は恥も外聞なく、尻を振り、闘勝仙たちに痒みを癒してくれと哀願した。
「あ、あああっ、お、お願いだよ――。な、なんとかしておくれよ」
やがて、宝玄仙は、どうしようもなくなって、ついに泣き叫んでしまった。
激しく慟哭する宝玄仙の姿に、三人の男たちが一斉に大笑いした。
「奴隷の誓いを口にしろ。今度は『真言の誓約』だ。条件は無条件。隷属の誓いを魂に刻んでもらう」
闘勝仙が言った。
「呪い」により、すでに隷属状態だが、今度は相互契約による従属関係の誓いだ。
闘勝仙は、あらゆる方策を重ね掛けしてして、宝玄仙の自由を奪うつもりのようだ。
躊躇したが、耐えられたのは、ほんの少しのあいだだけだ。
結局、宝玄仙は『真言の誓約』という道術師同士の魂の誓いをさせられることになった。
「わ、わたし……ほ、宝玄仙は……こ、これから、一匹の……せ、性奴隷になり……と、闘勝仙……に……絶対服従し……ど、どんな命令でも……よ、喜んで……ち、誓う……」
「誓おう」
闘勝仙が笑いながら言った。
霊気の結びつきが走った。
これで、真言の誓約上でも闘勝仙の奴隷だ。
次の瞬間、誰かの指がすっと尻穴に挿さってきた。
「はあっ、んぐううっ……」
極限を超えた痒みの源泉を刺激される甘美さに、宝玄仙の口から悲鳴のような嬌声がこぼれ出るとともに、首がぐいと伸びあがった。
漢離仙か呂洞仙のどちらかの指かわからないが、宝玄仙の尻たぶを割り裂き、肛門の中に指を入れてきたのだ。しかも、ゆっくりと律動する。
宝玄仙の尻は大きな抵抗もなく、その指をするりするりと受け入れていく。
全身が溶けるような愉悦に宝玄仙は我を忘れた。
痒みが癒される気持ちよさと安堵感、燃え出した性感の痺れが一気に身体を貫く。
「ああっ、ううっ、あああっ」
宝玄仙は指の律動のままに、甘い声ですすり泣きをしてしまった。
尻穴を調教されるのは血も凍るような恥辱だが、この気持ちよさは、これまでのどんな性愛の経験よりも激しくて快感だ。
おそらく、自分はこのまま、尻でよがり狂う浅ましい身体に作り替えられる。
おぞましいが、いまやめられたら、本当に狂ってしまう。
しかし、すっとその指も抜かれてしまった。
「ああ、や、やめないで――。やめないでおくれよ」
たちまちに甦った痒みに、宝玄仙はそう叫ばすにいられなかった。
「奴隷の誓いがまだよ、宝玄仙。お前は漢離仙様、呂洞仙様、桃源様、そして、わたしの奴隷よ。全て誓いなさい」
鳴智が宝玄仙の顔の前にしゃがみこみながら言った。
その鳴智の指が、床につけている宝玄仙の顔に伸びる。
そして、二本の指を宝玄仙の鼻の穴にぐいと差し込んで左右に大きく振った。
「んぐうっ――んや、やめ――」
鼻の穴を深く抉られる痛みに宝玄仙が苦悶に声をあげた。しかも、鼻の穴を塞がれているためにおかしな声になっている。
「……鳴智、そのまま、全員への奴隷の誓いを言わせろ。もっと、惨めな目に合わせるのだ。この闘勝仙を軽んじた罰だからな」
闘勝仙の声だ。
さらに誓わせられる。
ひとりひとりの名をあげて、隷属の誓いを真言で結ばされる。
ほかにも、自殺すること、財産のすべてを譲り渡すこと、許可なくこの屋敷のものに触らないこと、下着一枚まで与えられるものしかにつけられないこと、誰にも助けを求められないこと、とにかく、あらゆることを術で禁止され、それらを誓わせられた。
闘勝仙やここにいる全員の声には、どんなことでも絶対服従――。
それをあの手この手で強要される。
「もう一度、わたしたちへの奴隷の誓いをしな、宝玄仙。今度はもっと、でかい声でね」
鳴智が愉しそうに笑った。
鳴智……。
宝玄仙は痒みに歯を食い縛りつつ、煮え返る怒りを我慢した。
「なるほど、鳴智に鼻の穴を塞がれて奴隷の誓いを述べるなら、我らも下の穴を塞いでやるとしようか」
狡猾そうな笑い声で呂洞仙が言う。
その間にも肛門には誰かの指が入って内襞を揉みほぐすように油を塗り伸ばしている。
もうひとつの女の穴である女陰にも指が入ってきた。
「んああっ……」
ふたりの男から股間のふたつの穴を同時にいたぶられる屈辱と汚辱は途方もなかった。
それでいて、宝玄仙の身体は激しい快楽で骨まで砕かれるような淫情に襲われる。
こんな連中に身体を好きなように弄ばれるのは身が千切れる程に悔しいのだが、それでも宝玄仙の身体は快感に酔いしれている。
「ほら、早く、言うのよ……」
鳴智の鼻の穴に入った指がさらに奥の粘膜を突き差した。
「んんっ」
宝玄仙は思わず悲鳴をあげた。
「奴隷の誓いだ、宝玄仙、ほれっ、ほれっ」
「これだけいたぶれば、もう、宝玄仙の弱い部分はわかってきたな。女陰をこうしていじくればもういきそうになるだろう」
漢離仙と呂洞仙もふたつの羞恥の源泉をいじくりながら揶揄する。
女陰の上側の内襞を擦られいきなり激しい激情が襲ってくる。
宝玄仙は拘束された身体をがたがたと震わせて身体を仰け反らせた。
「やりな」
鳴智が鼻の穴をえぐるように深く突き刺す。
宝玄仙は悲鳴をあげた。
そして、またもや、何度も奴隷の誓いを叫ばされた。
だが、声が小さいと罵倒されては、何回も指の刺激を中断される。
すると、しばらく放置され、痒み地獄の再開だ。
やめられると、宝玄仙は痒みに泣き叫ぶしかなく、やっと再開してもらうときには、必死になって声をあげた。
だが、途中で駄目だと言われて、またもや放置される。
それを繰り返された。
宝玄仙は、またもや号泣してしまった。
「ふ、ふ、ふ、そろそろ俺たちへの服従心が育ってきたような……。ところで、開発はされているが、女陰に比べれば、肛門はまだまだ感じる場所ではないようだ。だが、この穴を身体のどこよりも感じる性感帯にしてやるぞ。愉しみにしていろ、宝玄仙」
漢離仙だ。
それとともに、いきなり肛門の深度でも測るように、指が肛門の奥に入り込んだ。
宝玄仙の口から悲鳴が漏れ、奴隷の誓いが中断される。
それに合わせるように女陰を抉っている指……。
これは呂洞仙の指だと思うが、それが肛門側に擦りつけるように内襞を擦ってくる。
宝玄仙は、あられのもない嬌声をあげさせた。
もう、全身が痛いほどにだるい。
それでいて襲いかかる官能には逆らえない。
恍惚とした淫情が全身に襲いかかっていて、魂まで蕩けさせるような気がした。
宝玄仙は全身にやってくる快感と一所懸命に戦いながら強要されている奴隷の言葉を大声で言った。
被虐の悦び……。
ふと、その言葉が過ぎる。
いま襲われている淫情は、まさに被虐の悦びに違いない……。
宝玄仙は、実際のところ、命じられた奴隷の言葉をそれほどの躊躇いもなく口にしていることにも気がついていた。
確かに放心状態のような意識朦朧とした嗜虐の酔いの中にいる。
夢うつつのように喋る言葉は、屈辱以外の何物でもないはずなのだが、一方でそれを快感に変えている自分がどこかにいる。
この連中に嗜虐の悦びを覚えさせられようとしている……。
いや……。
宝玄仙は気がついていた。この連中によって嗜虐の心を覚えさせられているわけではない……。
思い出させられているのだ……。
宝玄仙の性愛の原点は、母親に施された調教だ。
快感という言葉も知らなかった幼い時代に沁みつけられた嗜虐の悦びは、宝玄仙の心の芯に沁みついている。
それがわかる。
これまで宝玄仙の中にある被虐の心は、この連中から与えられたのだと思って嫌悪の対象でもあったのだが、その原点が母親なのかと思うと、心地よいものにも感じてくる。
「汚れちゃったわ。舐めてちょうだい」
鳴智が宝玄仙の鼻に突っ込んでいた指を宝玄仙の口に入れた。
宝玄仙に舐めさせて、指先についた宝玄仙の鼻汁をきれいにさせる。
この間もふたつの羞恥の源泉を弄んでいる漢離仙と呂洞仙の指が宝玄仙に刺激を与え続ける。
「も、もう許して……ああっ……」
宝玄仙はその被虐の酔いのまま叫んだ。
自分の声に情感が籠っているのを感じた。
間違いなく、自分はこの気も遠くなるような被虐に酔っている……。
そう思った……。
「この穴になにかを入れるのは初めてではないようだが、男の性器そのものを受け入れたことはあるか、宝玄仙?」
漢離仙の指が肛門の内部で掻くように動いた。
「ひぐううっ」
たちまち襲ってきた大きな刺激に宝玄仙は身悶えした。
「言わんか」
漢離仙の声とともに指の動きが強くなる。そして、一方の指で宝玄仙の肛門を抉り動かしながら、もうひとつの手で尻たぶを平手で打ち据えた。
「な、ないよ――」
宝玄仙はもはやどうでもよくなって叫んだ。
指や道具については、母親が幼い宝玄仙に開発を施したことはある。
また、前に短い期間だけ、宝玄仙を調教した
だが、生の男性器を受け入れたことはない。
とにかく、宝玄仙はそこを性交の道具とすることを徹底的に避け続けていた。
「そうか、初めてか……。ならば、お前の後ろの処女は、俺がもらおう……。よろしいですか、闘勝仙様?」
漢離仙が宝玄仙の肛門を抉りながら言った。
「ああ、構わん。どうせ、わしの一物は役には立たんからな。どうせだったら、呂洞仙とともに穴兄弟になってはどうだ。宝玄仙を間にしてな。漢離仙が後ろ、呂洞仙が前を犯すのだ」
闘勝仙が哄笑した。
「なるほど、しかし、穴兄弟ということであれば、本来は同じ穴にいれるのではないかな」
「いや、呂洞仙、だったら、お互いに一度終われば交替するということでどうだ」
漢離仙が笑った。
「なるほど、それなら間違いないな」
呂洞仙も笑った。
宝玄仙は自分について語られている言葉をどこか遠くのものの話のように聞いていた。
「では、さっそく……」
漢離仙に背後から抱えられる。
左右の手首をそれぞれの左右の足首に繋げられている宝玄仙は抵抗もできずに易々と抱えられる。
それに手足の筋肉が弛緩しきっていてまったく力が入らない。
床に足を拡げて座っている漢離仙の怒張の先が宝玄仙の双臀の亀裂に割り入ってくる。
「ほら、逃げないのよ」
無意識にそれから逃れようと動かすのをさっと鳴智が寄ってきて支え動かす。
「あ、ああっ、そ、そんな……」
生まれて初めて肛門に男根を迎えることに、大きな恐怖が宝玄仙に走った。
これまで数限りなく性交はしたが、そこを責められるのは避けてきた。
その部位がなぜか途方もない愉悦を産むのを当時の宝玄仙は知っていた。
だから嫌だったのだ……。
宝玄仙が肛門から受ける快感が大きいのは、それが母親に覚え込まされた愉悦だからだ。
そこから始まるのだ……。
自分の性愛の原点は母親の調教だ……。
それを思い出したくない。
「あぐううっ」
鳴智に押し支えるように身体を持ちあげられて、そそり勃つ漢離仙の怒張に腰をあてがわれる。
一気に怒張に肛門を突き挿される。
「ほおおおおっ」
油剤を十分に塗っている宝玄仙の後ろの穴は抵抗もなく漢離仙の一物を受け入れた。
激烈な感覚が悔しい。
口惜しいが激烈な感覚が倒錯の快感となって宝玄仙の身体は火で炙られているかのように熱くなる。骨が砕けるような快感……。
これが初めての肛虐とは思えない快感が走る。
いや、この肛虐は最初ではあるが、あの母親から与えられる快感だ……。
まだ、五歳か……六歳……。
何気なく母親が始めた幼い宝玄仙の肛門の調教……。
あの得体の知れない感覚が蘇る。
痛みはない……。
いつか訪れるであろう破瓜の痛みも感じないように、あの女は宝玄仙の女陰も肛門についても何年もかけて調教していったのだ。
そして、十二歳……。
その夜を境に本格的な調教が始まるはずだった日――。
宝玄仙は母親との縁を切った。
「そんなに後ろの穴が気持ちいいのか、宝玄仙……? 激しい嬌態だな……。さて、じゃあ、俺も仲間に入れてもらおうかな」
呂洞仙が言った。
「わかった。待ってくれ、呂洞仙」
肛門に怒張を挿入したまま、漢離仙が仰向けに寝転んだ。宝玄仙は股間を開いて漢離仙の上に寝そべったようなかたちになる。その上に呂洞仙が重なってくる。
「あはああっ」
すでに後ろの穴を塞がれている宝玄仙の女陰に深々と呂洞仙の怒張が侵入してきた。上下からふたりが動き出す。宝玄仙は漢離仙と呂洞仙に挟まれて大きく身体を揺さぶられた。
「ひぐううっ」
呼吸もとまるような衝撃に宝玄仙はあっという間に気をやった。
しかし、上下のふたりは容赦なく宝玄仙に責めかかる。
もはや、意思の力ではどうにもできない。全身の感覚は麻痺し、それでいて、激しく研ぎ澄まされ、魂ごと宙に浮かんだようになり、宝玄仙は半ば失神の状態になっていく。
「ま、またいくううぅぅぅ」
宝玄仙はまた襲ってきた快美感に全身を飛翔させた……。
眼の前が白くなる……。
そして、ふたりからそれぞれに、精を注がれた。
やっと、ふたりの身体が離れる。
「休む暇はないわよ、宝玄仙。今度はわたしがあんたの尻を犯してあげるわね。この山芋で」
だが、漢離仙たちが離れると、すぐに身体を仰向けにひっくり返される。そして、鳴智がいつの間にか準備した皮を剥いた山芋をこれ見よがしに宝玄仙に示してきた。
「ひっ」
その見た目にも痒そうな粘性の粘りりに、宝玄仙は思わず恐怖した。
だが、あっという間に、それが宝玄仙の尻穴に突っ込まれる。
「うおおおっ」
目も眩むような気持ちよさに、宝玄仙は吠えるような声を吐き出してしまった。