身体を逆さまにされて完全に下袍がはだけてしまった内腿を、素蛾という童女の舌が舐めた。
「ひゃあああ──」
またもや襲った得体の知れない感触に、
身体の奥から痺れるような甘美感と汗が一斉に噴き出す。
陳嬌は激しく狼狽して、その奇妙な感覚を追っ払おうと身体をもがかせた。
しかし、宝玄仙とかいう道術遣いの霊気の拘束はまったく解けない。
それにしても、こんなにも一方的に霊気で負けるということは生まれて初めてだ。
しかも、人前で複数の人間に裸身を囲まれて、身体を欲情させられるなどということは、本当に陳嬌の身に現実に起きていることなのだろうか──?
「やっぱりすごいわ、素蛾……。その舌は、本当に完全に道術遣いの道術そのものねえ……。その証拠に、この女なんか感じまくっているわよ。もっと、舐めてあげなさいよ。乳首なんていいんじゃないの? ちょっと待ってね。裸に剥くわ……」
朱姫が宙に浮いている陳嬌の身体に手を伸ばした。
服が脱がされ始める。
「や、やめないかあああ」
陳嬌はいよいよ悲鳴をあげて、必死に抵抗をしようともがいた。
だが、陳嬌の手足は、朱姫が触れれば簡単に伸びたり曲げたりできるのに、どんなに自分で動かそうとしても、陳嬌の意思では身体を動かせない。
結局、あっという間に陳嬌は上衣も内衣も剥がされて下着姿にされた。さらに胸当てまで外されて乳房を剥き出しにされる。
「くうっ──。お、お前たち、こ、こんなことしてただで済むと思っているの──?」
陳嬌は怒鳴った。
朱姫は、その陳嬌の身体をすっと下にさげ、次いで、素蛾をしゃがませると、陳嬌の乳房を素蛾の口の位置に合わせた。
「すみませんが陳嬌様、舐めますね。ご主人様たちの言いつけですから……」
素蛾が陳嬌の片側の乳房にそっと手を添えた。
そして、優しげな手で包み持つように持って、陳嬌の乳房の先端の突起を口に含む。
「ふくううっ」
陳嬌は空中で身体をのけ反らせた。
この素蛾の唾液が陳嬌の乳首を覆った途端に全身が強い喜悦に包まれたのだ。
本当になんだろう、これは──?
陳嬌は混乱した。
これまでに感じたことのないような舌遣いだ。
湧き起った灼けるような淫情に陳嬌は全身を震わせた。
「やっぱり、お前、すごいわ、素蛾──。この気の強そうな女が、もうたじたじだもの。見てみなさい。このみっともない下着の染みを──。ちょっとお前に舐められただけで、こんなに大きな丸い染みを作っているわよ」
朱姫が言った。
目の前の素蛾が嬉しそうに笑ったのがわかった。
しかし、素蛾は陳嬌の乳房を咥えたまま、さらに舌を動かす。
陳嬌はさらに悲鳴をあげた。
「じゃあ、あたしも、そろそ参加しようかな……。これなんか、どうですか、陳嬌さん」
朱姫も天井を向いている股間を下着の上から指で撫ぜるように動かした。
「ふううんん──」
陳嬌は思わず声をあげてしまった。
無防備な陳嬌の女芯が朱姫の指になぞりあげられ、女陰の縁が下着の上から丸く繊細な指遣いで刺激されたのだ。
それにより、陳嬌の身体はあっという間に欲情と喜悦を引き出してしまった。
そして、その自分の身体の崩壊の速さに恐れおののいた。
「んぐうう──」
さらに、また素蛾の舌だ──。
陳嬌は身体の中のなにかが快感で引き裂かれるような峻烈な感覚に悲鳴をあげた。
素蛾が舌を横に動かして、乳房の裾を舐めながら反対の乳首に口を移動させたのだ。
その唾液の接触した部分から桁違いの快感が込みあがる。
だが、やっと陳嬌にも、なぜ、こんなにも呆気なく自分の身体が崩壊しようといるのかがわかった。
この素蛾の舌だ──。
いや、舌というよりは唾液だ。
これが強い媚薬のような影響を陳嬌に与えているようだ。
だから、陳嬌の全身がただれたような強い欲情に襲われてしまっているのだ。
「な、なによ、この娘の唾液は──?」
陳嬌は思わず叫んだ。
「よし、やっと、素蛾の不思議な唾液の力がわかったようだね……。まあいいさ。じゃあ、お前らちょっとやめてみな。少し、この女に話をさせるから」
すると、椅子に座って、ふたりの少女が陳嬌を責めたてるのをにこにこと眺めていた宝玄仙が声をかけた。
一方で、その横で細蔡君が真っ赤な顔で陳嬌の痴態を眺めている。
陳嬌は、宝玄仙たち三人の見知らぬ女や少女になぶられるということよりも、冷徹さな氷の女という評判で通している陳嬌をよく知っている細蔡君に、こんな姿を見られるていることに強い羞恥を感じた。
宝玄仙の指示で、朱姫と素蛾が陳嬌の身体から手と口を離す。
「すごいだろう、陳嬌? わたしたちも、素蛾がこんなことになって驚いているところさ……。実は、理由があって、この素蛾にどうしても道術をかけなければならない事態があってね……。それで仕方なく、素蛾にわたしの道術陣を刻み込んだんだけど、それによって、こいつは霊気が身体に充満するような身体になっただんだ……。それはいいんだが、そのことにより、本来は道術など無縁の素蛾が、急に特別な力が身についてしまったということなんだよ」
宝玄仙が笑いながら言った。
「道術陣を身体に刻んだ──?」
陳嬌はびっくりした。
道術陣というのは、霊気の出入り口を意図的に作るという道術であるが、それを生身の身体に刻むというのは聞いたこともない。
それが可能ということも知らなかった。
だが、それができれば、霊気を帯びていない人間にも、霊気が注ぎ込めて、道術が効くようになるのかもしれない。
本来は、道術というのは霊気を帯びていない人間族には効果はない。
だから、霊具を使う。
霊具は道具に道術陣を刻んで霊気を帯びさせたものであり、それであれば、ただの人間にも道術の効果を及ぼせるのだ。
しかし、確かに言われてみれば、理論的には、道術陣を人間の身体に刻めば、直接に霊気を注げるので、霊具よりも効果的だ。
だが、そんなことが可能なのだろうか?
もしかしたら、道術研究が相当に進んでいるという伝説がある遠い東方帝国だったら、そんなこともできるかもしれないが、さもなければ、やはり、人間に道術陣を刻んだなどというのは戯れ事だろう。
東方帝国には、天教という特別な道術研究組織があると耳にしたことはあるが……。
いずれにしても、それは非常に繊細で高等の道術力が必要となるだろう。
この宝玄仙がなにかのはったりを言っているのでなければ、あるいは、この女はこの帝都でもかなう者のいない力を持つ魔女なのかもしれない。
陳嬌は目を丸くした。
「ああ、そうだよ。素蛾の身体に道術陣を刻んだんだ。だけど、不思議だねえ。そうすると、なぜか、復活したこいつの身体の一部が霊気で活性化してしまったんだよ。それで、唾液におかしな力がついてしまってねえ──。強い癒しの効果が生まれてしまったようなのさ」
宝玄仙が愉快そうに笑った。
陳嬌は素蛾を見た。
素蛾は照れたように顔を赤くしている。
宝玄仙はともかく、素蛾には純朴という雰囲気しかなく、なにか嘘をついているという感じはない。
本当に道術陣を身体に刻んで、身体の一部が霊気で活性化されたのか……?
そんなことがあるのか?
「……とにかく、負傷や病気の者がこいつに唾液に触れられれば、たちまちに治ってしまう。そして、健康な者が舐められれば、いまのお前のような反応さ。刺激が強すぎて、まるで媚薬を塗られたように、その部分が淫情で火照るようになるのさ……。わたしらも最初はびっくりしたのさ」
「舌で治療? 媚薬?」
本当か?
「まあ、祖先に大勢の道術遣いの血が何人も混ざるような特別な家系だから、こんなことが起きたのに違いないさ。同じように道術陣を刻んでいるのに、沙那の場合は、いまじゃ自分では霊具さえも扱えないのにねえ」
宝玄仙が笑った。
陳嬌は唖然として、それを聞いていた。
「……さあ、ところで、そろそろ沙那と孫空女の居場所を喋ってもらおうかね、陳嬌──。わたしの供をどこに隠しているんだい──? さっさと、ふたりの居場所を吐いて、それから、
宝玄仙が言った。
「そ、そんなこと喋るわけない──。そ、それに、釘鈀殿下のところにお前らのような悪党を連れて行くわけないだろう──」
陳嬌は声を張りあげた。
「悪党はどっちだい? まあいいよ……。じゃあ、再開だ。朱姫、素蛾、ちょっとかわいがってやりな。気を一回か二回もやらせれば、観念して大人しくなるんじゃないかねえ」
宝玄仙の言葉が終わると同時に、朱姫と素蛾がまた陳嬌の半裸の身体に取りついた。
「ふふふ、じゃあ、こんなものは要らないわね」
朱姫が陳嬌の身体を再び反転させて、頭を上にするとともに、陳嬌から腰布の下着を脱がしてしまった。
「あらあら、すごい状態……? 陳嬌さん、こんなに欲情していたんですね……。じゃあ、素蛾、今度はお前が股間をお願い。あたしは、胸を責めるわ」
「はい、朱姫姉さん」
朱姫の言葉で、素蛾の舌を股間を這い、朱姫は乳房を舐めだす。
「ふうう、ひいい、な、なによ──い、いやああ、んんんっ、はああ──」
素蛾の生温かい舌の唾液の感触に陳嬌は裸身を震わせた。
これまでに感じたことがないような性感が弾ける。
一方で、朱姫の舌が陳嬌の乳首を転がすように這い出した。
そっちもすごい──。
味わったことがないような舌技だ。
身体が溶ける──。
全身の性感という性感が呼び起こされるような感触に陳嬌はあられもない声をあげた。
いくら歯を食い縛っても、このふたりの少女から与えられる刺激は、陳嬌から無理矢理に悲鳴を迸らせた。
だんだんと、陳嬌は苦悶と悦びの嗚咽から逃げられなくなる。
なにかが込みあがる──。
こんな年端もいかないような少女たちの手で簡単に──。
「だ、駄目ええ──」
ついに崩壊した──。
のっぴきならない鋭い刃のような快感が、陳嬌の腰から全身に突きあがった。
「んふうう」
陳嬌は稲妻に打たれたかのような衝撃とともに背中をのけ反らせた。
宙に伸ばした四肢がぴんと張り、身体ががくがくと震えた。陳嬌の股間からは尿を漏らしたかのような愛液が迸る。
頭が真っ白になる──。
そこに強烈ななにかが流れ込んできた。
それが目の前の朱姫の霊気だと悟ったときにはもう遅かった。
陳嬌の心は朱姫の大きな霊気の鉤のようなものに、しっかりと鷲づかみされてしまっていた。
「ご主人様、『縛心術』で捕まえ終わりました」
朱姫が陳嬌の乳房から口を離して朗らかな声をあげた。素蛾も股間を舐めるのをやめた。
「ば、縛心術──?」
陳嬌は声をあげた。
心を操る道術だ。
そんなものをかけられてしまっては、操られてしまってこの女たちを釘鈀のところまで連れて行ってしまう……。
陳嬌の心に絶望が走った。
とっさに毒を仰いで死のうと思った。
釘鈀を守るためにはそれしかない。
陳嬌の奥歯には、いつでも食い破れば致死量の毒薬が喉に流れ込む仕掛けが隠してある。
それを飲もうとした──。
「なにやってんの──。口をお開け、陳嬌──。お前の口はそれで閉じられなくなる──」
そのとき、朱姫が切羽詰った声で絶叫した。
陳嬌の口はそれで奥歯を噛みしめられなくなった。
「どうしたんだい、朱姫?」
長椅子に腰かけたままの宝玄仙が不思議そうに言った。
「こ、こいつ、いま死のうとしました。そういう感情が突然に流れ込んできました。多分、口だと思います」
朱姫が焦ったように言った。
今度こそ驚いた。
この朱姫は、陳嬌の感情まで読めるようだ。
一体全体、この女たちは何者だろう──?
いままで感じていた怒りや口惜しさが恐怖に変わった。動けない身体の背に汗が流れる。
「どれ?」
立ちあがった宝玄仙が身を乗り出して、閉じられない陳嬌の口を覗き込んだ。
「ああ、これだね? 確かに霊気を帯びた薬剤を奥歯に隠しているね。とりあえず、取り去っておこうか」
宝玄仙が言った。
奥歯の中に隠してある薬剤が口の中から消失させられたのがわかった。
「物騒な女だねえ……。なにも死ぬことはないじゃないかい。こんなんで自殺なんてされちゃ目覚めが悪いよ。わたしらは、お前たちが連れて行った沙那と孫空女を取り返しに来ただけじゃないかい」
宝玄仙が呆れた口調で言った。
そして、陳嬌の身体を霊気で探るような仕草をした。
「もう、なにも隠していないようだよ……。まあ、霊気を帯びないものを隠されていたら別だけどね」
宝玄仙が言った。
「じゃあ、口を閉じてもいいわよ」
朱姫が言った。
やっと陳嬌の口が自由になった。
「だけど、なにをするかわからない女だねえ……。死のうとするような強い感情までは『縛心術』じゃあ操れないだろう、朱姫?」
「そうですねえ……。だったら、作戦を変更して、この女に化けて、釘鈀とかいう皇子のところに行きますか、ご主人様? それにしても、沙那姉さんたちがどこにいるかですね」
宝玄仙と朱姫が陳嬌の前で話し始めた。
「お、お前ら、いい加減にしろ──。こ、ここをどこだと思っているんだ──。こ、こんなことをしてただで済むと思っているのか──」
陳嬌は声をあげた。
「まあ、可愛い──。ご主人様、こいつ、さっきまではすごい怒りの感情に溢れていたけど、いまじゃあ、あたしたちのこととても怖がっていますよ」
朱姫がくすくすと笑った。
やっぱり、この朱姫は感情を読めるのだ。
陳嬌はぞっとした。
宝玄仙といい、朱姫といい、この帝国の一流の道術遣いでも想像がつかないような能力を持っている。
陳嬌の心にさらに恐怖が襲ってきた。
「だったら、この悪態は精一杯の空威張りというやつだね……。まあいいよ。とりあえず、こいつを操って、釘鈀のところに案内させるのはやめだ。あまり追い詰めたら、また死のうとするかもしれないしね。だけど、せめて居場所は吐かせないとね……」
宝玄仙が言った。
「あ、あのう……。おそらく地下かと……。釘鈀殿下の奴隷宮は、この屋敷の地下にあるんです。それはわりと有名な話で……。だけど、『移動術』のできる者でなければ、出入りはできないはずです。逆に『移動術』さえできれば、屋敷のあちこちに、道術経路が作ってあるので、そこから行けるはずですが……」
そのとき、いままで赤い顔をして陳嬌の痴態を見ていただけだった
「さ、細蔡君様、なんで──?」
陳嬌は怒鳴ってしまった。
「なるほど、言われてみれば、この部屋にはないようだけど、この近くにもどこかに跳躍するための結界が作ってあるね。じゃあ、面倒はもうないようだ。素蛾、この前、お前にやった『変身の指輪』を使って、練習代わりに、この陳嬌に変身してみな」
「は、はい、ご主人様」
素蛾が陳嬌の前に出てきて、陳嬌の股間の前にしゃがんだ。
「ひゃああ」
陳嬌は悲鳴をあげた。
また、あの不思議な舌が陳嬌の股を舐めておかしな感触が迸ったのだ。
陳嬌は呻きを発した。
だが、素蛾が陳嬌の股間を舐めたのはただの一回だけだ。
素蛾が立ちあがる。
「あっ──」
しかし、立ちあがった素蛾を見て陳嬌は声をあげた。
素蛾の姿ではなく、陳嬌の姿になっていたのだ。
「ううん……。見事なものだねえ。完全に霊具を使いこなすものさ……。ついこのあいだまで、霊気を帯びない人間だったなんて信じられないよ」
宝玄仙が感心したような声をあげた。
「あ、ありがとうございます、ご主人様。わたくしも、皆様の一員として、少しはお役に立っていますか?」
陳嬌の姿に変化した素蛾が嬉しそうに言った。
だが、その声もまさに陳嬌そのものだ。
こんな完璧な『変身術』に触れたのも陳嬌は初めてだ。
どうやら、素蛾が指に嵌めている赤い指輪が関係ありそうだが、目の前の素蛾は知らない者が見れば、陳嬌そのものだと信じるだろう。
「役に立つとか、立たないとかどうでもいいのよ、素蛾。あんたも、すっかりとあたしたちの仲間なんだから……。それよりも、こいつの服を着なさい。そしたら、沙那姉さんたちを探しに地下に行くわよ」
朱姫が陳嬌の姿になった素蛾に声をかけた。
素蛾は、さっき陳嬌から取りあげた服を着始める。
「ちょ、ちょっと待ってよ、あんたたち──。殿下になにをするつもりよ──。わ、わかった──。話し合いましょうよ──。と、とにかく、話し合いを──。殿下に酷いことをするのはやめて──。お願いだから──」
陳嬌は悲鳴をあげた。
このままでは、この女たちが釘鈀の前に向かってしまう。
なにをするかわからない──。
「話し合いかい……。ふん、もともとはわたしらもそのつもりだったんだけどね──。お前がいきなり、喧嘩腰でかかってきたんじゃないかい。何様のつもりか知らないけど、他人の連れを黙って誘拐して、それで済むと思っているのかい──。沙那と孫空女が無事であれば、命だけは許してやるよ。ただし、万が一、手を出したりしてれば、お前の主人が五体満足で生き残れると思わないことだね──」
宝玄仙が鼻を鳴らした。
どうやら、逆らってはならない相手を敵に回しかけている……。
そんな気持ちが沸き起こった。
「ま、待って……」
だが、それでも、釘鈀は守らないと……。
「ま、待ってください──。釘鈀殿下には、危害は加えいないと約束したじゃないですか。だ、だから、あなた方をここに連れてくることに同意したんです──」
そのとき、細蔡君が立ちあがった。
宝玄仙たちを引きとめるように、部屋を出て行こうとする彼女たちの前に立ちはだかる。
「うるさいよ、坊主──。この屋敷の皇子が無事かどうかは、こいつら次第さ──。それよりも、折角、欲情した裸の女がいるんだ。用事が済むまでちょっと遊んでいな」
宝玄仙が手を振った。
すると、浮かんでいた陳嬌の身体が宙を動いて細蔡君にぶつかった。
「うわっ、ち、陳嬌殿」
「そ、そんな、細蔡君様──」
陳嬌も焦った。
身動きできないまま、全裸のまま細蔡君の身体に覆いかぶさるようになってしまったのだ。
細蔡君の身体は、そのまま陳嬌の身体に押しつぶされたかたちになり、床に倒れた。
「か、勘弁してくださいよ、宝玄仙殿」
細蔡君が声をあげた。
「お前、それでも一人前の男かい──。こんな素っ裸の女に上から覆いかぶされて、欲情しないのかい──。なにを焦ってるんだい──?」
宝玄仙が罵倒したように叫んだ。
「ふふふ、大丈夫ですよ、ご主人様……。この皇子様はあたしの術に軽くかかっているんですから……。ちょっとばかり、欲情のたがを外してしまいますね……。ほら、細蔡君さん……。あたしの顔を見てください……。ついでに、陳嬌さん、細蔡君さんに触られると、その部分が身体が熱くなりますよ……。どこをどう触られても、感じまくってしまって動けなくなります……。はい──。じゃあ、お二人とも仲良くしてくださいね」
朱姫が寄ってきた。
その朱姫が、笑いながら『縛心術』の霊気を注ぎ込んだのがわかった。
すると、焦ったような表情だった細蔡君の目が急に座ったようになった。
欲情した男の目だ。
陳嬌は焦った。
「さ、細蔡君様──?」
陳嬌は声をあげた。
その細蔡君ががっしりと下から陳嬌の腰のあたりをを掴んだ。
「ひいいいっ」
その瞬間、そわぞわとした強い甘美感が陳嬌の腰を包んだ。
ちょうど、細蔡君が手で触れた部分だ。
「ちょ、ちょっと許してください、細蔡君様──。お、お気を確かに──んぐうううっ」
陳嬌は絶叫した。
細蔡君の手が下から陳嬌の裸身を擦った。
陳嬌はそれだけで身体を激しく悶えさせた。
快感が強すぎる──。
触られただけで、頭が真っ白になりそうだ。
「へへへ、そんなにがたがたと怯えることはないでしょう、陳嬌さん……。俺のことが嫌いですか……? まあ、それでもいいですけどね」
細蔡君が人が変わったような笑い声をあげた。
そして、手で全身を触りまくる。
その場所がたちまちに淫情に襲われまくって、陳嬌は狂気のように身体を暴れさせた
「さ、細蔡君様、やめてください──。しょ、正気に戻って──」
陳嬌は絶叫した。
だが、宝玄仙たちがいよいよ部屋を出て行ってしまった。
しばらくすると、陳嬌を縛っていた宝玄仙というの霊気の源が遠くなったせいか、陳嬌の身体からだんだんと金縛りが取れていく感じになった。
しかし、一方で、自分を襲っている細蔡君の手が与える刺激が陳嬌から力を奪い去る。
いつの間にか、陳嬌と細蔡君の身体は上下が入れ替わり、陳嬌は細蔡君に組み伏せられる状態になっていた。
下袴を下着ごと脱ぎ捨てた細蔡君の肉棒が陳嬌の股間を襲う。
懸命に逃げようと思うのだが、陳嬌の手が掴んでいる太腿が痺れたようになって、まったく抵抗できない。
「ぐううう──」
陳嬌は吠えた。
細蔡君の怒張がついに陳嬌の股間を貫いたのだ。
朱姫に与えられた細蔡君の身体に触れれば淫情が迸るという暗示は、肉棒でも有効のようだ。
いや、むしろ、手のひらとは比べものにはならない快感が膣に触れている細蔡君の怒張から走る。
「はぐう──いぐうううう──」
陳嬌は耐えられずに気をやった。
だが、それで終わりではない。
細蔡君が律動を開始する。
肉棒が陳嬌の股間を出入りするたびに、眼の中で火花が飛び散る快感が走る。
陳嬌は泣くような悲鳴をひたすらあげ続けた。
なにも考えられない──。
「だめえええ──」
陳嬌はまた気をやってしまった……。